インタビュー

【LoC III】日本代表アマチュア「LoL」チーム「山」インタビュー

試合にかける意気込みを聞いた!

1月24日(現地時間) 収録

 「League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド。以下、LoL)」のアマチュアチーム「山」は、タイ・バンコクにて1月25日より27日(現地時間)にかけて開催されるレノボ主催のeスポーツ大会「Legion of Champions Series III(以下、LoC III)」に日本代表として出場する。

 「山」はもともと「Logicool G CUP」に出場するために結成されたチームで、2017年、2018年は見事「Logicool G CUP」を連覇した名実ともに日本一のアマチュアチームであり、「LoL」のランクにおいて最高峰である「チャレンジャー」の選手を多数擁するプロ顔負けの実力派集団でもある。そんな「山」の活躍が大会運営サイドの目に留まり、この度晴れて日本代表として「LoC III」への出場が決定した。

 今回は大会を目前に控えた1月24日、「山」の登録選手であるhakohako選手(TOP)、Munna選手(JG)、Melus選手(JG)、Yasai選手(MID)、Akabuff選手(ADC)、Yoshioka選手(SUP)の6名にインタビューをすることができた。インタビュー中には時折高校生のAkabuff選手がメンバーにイジられる光景が見られるなど、国際大会を控えているとは思えないほどにリラックスした雰囲気で、メンバーの仲の良さ、チームとしての雰囲気の良さを強く感じられた。

 一方でチャンピオンや戦略について話が及ぶと次々に話題が飛び出してきて、この「LoL」の引き出しの多さがチャレンジャーたる所以なのか……と圧倒されることなどもあった。チームの大会にかける意気込みをはじめ、「山」というチームそのものについての話も聞くことができたので、その内容をご紹介しよう。

チーム「山」。左からYoshioka選手、Melus選手、Munna選手、Yasai選手、Akabuff選手、hakohako選手

チーム「山」インタビュー

――大会は明日に迫ってきました。心の準備はいかがですか?

Yoshioka選手:出場が決まったのがLogicool G CUP前後だったので時間はある程度あって、しっかりできました。

――ひとことずつ大会への意気込みをお願いします。

Yasai選手:相手の強さが全くわからないので、どこまで自分たちができるのかわかりません。早く試合をしてみたいですね。

hakohako選手:他のアジアのチームに敗けたくないです。勝ちたいです!!

Munna選手:正直自分のことを上手いと思っているので、どれだけ通用するか試してみたいですね(笑)。韓国が相手かなと思っています。

Akabuff選手:今回の大会には色々な国のチームが参加していますが、日本というeスポーツ的には遅れた国がどれだけ戦ってどれだけ勝ち残れるかというのが楽しみです。自分の力を発揮できるかどうかも楽しみですし、頑張りたいと思います。

Melus選手:海外チームと戦う機会はほとんどないので、どれだけ戦えるか楽しみです。

Yoshioka選手:日本国内での自分たちの実力はわかったので、次は海外でも通用するということを証明したいです。

――これまで海外チームとの対戦経験はありますか?

Yoshioka選手:ないですね。試合をするにもコネクションが必要なので、基本的にプロじゃないと経験はないと思います。

――大会に向けてチームでの全体練習などはできましたか?

Yoshioka選手:Logicool G CUPの時は練習量が少し足りないなという感じもあったのですが、今回はYasai選手がたくさん試合を組んできてくれたので、このチームにしては練習した方……なんじゃないかな(笑)。

一同:(笑)

――海外チームの情報などは掴めていますか?

Yasai選手:Yoshioka選手が調べてくれたので、ソロキューのレートだけは確認してきました。

Yoshioka選手:5人のチームでの試合内容までは確認できていないんですが、選手のOP.GG(※「LoL」の戦績やビルドなどの情報を提供する外部サービス)を見て、個人の情報をある程度下調べしています。

――その中で注目しているプレーヤー、あるいはチームはありますか?

Yoshioka選手:韓国は断トツで個人のレベルが高いですね。あとはベトナムと台湾でしょうか。台湾はシーズン2の世界王者を輩出していますし、ベトナムも昨シーズンで活躍していて、世界で通用するチームだと思います。

――選手たちのランク分布はどのような感じでしたか?

Yoshioka選手:半分くらいがチャレンジャーでしたね。

hakohako選手:特に韓国では予選があったんですが、今回大会に出ているのは120チームの中から勝ち上がっているチームなので、無茶苦茶強いですね。

Akabuff選手:韓国では結構皆さん有名な選手のようです。

――「LoL」はシーズン9になってから「タワープレート」の実装などゲーム内で大きな変更が入りましたが、チームの戦略に変化はありましたか?

一同:ないです!

Yasai選手:2年前から全く変わってないですね。「山」はメインJGのMunna選手がTOP側の視界を取ったりGANするのが得意なんです。それでTOPを勝たせると相手はBOTを狙ってくるんですね。そうしたらTOPとMIDがBOTにテレポートして集団戦を起こしてスノーボールしていくというのが基本スタイルです。

Yoshioka選手:BOTレーンははじめは耐える。何があっても耐える(笑)。

Akabuff選手:前に行きたくても行けないんです……。


――今回は最初から「ドレイヴン(Akabuff選手の得意チャンピオン)」で大暴れしたり……?

Akabuff選手:やりたいです。マジでやりたいです。今回色々な国の方に声をかけてコミュニケーションを取っているんですが、あとで「あいつ"ドレイヴン使い"なの!?」って言わせたいですね。それが今回の大会の目標です(笑)。

Yoshioka選手:Akabuffくんにはドレイヴンをやって欲しいけど、その場合は僕が守備的なチャンピオンをやらされるからなぁ(笑)。

Akabuff選手:Logicool G CUPの時も僕はめっちゃ"イキる"んですけど、後ろからYoshiokaさんが「待て待て待て待て来てる敵来てる!」って感じだったので(笑)。

――(笑)。Yoshioka選手は本当は攻撃的なサポートのほうがお好きなんですか?

Yoshioka選手:僕はそうなんですが、チームの戦略として守備的なチャンピオンをピックするケースも多いですね。攻撃的なメンバーが多いので、ベビーシッターみたいな感じです(笑)。

――逆に相手にこれをピックされたくないなというチャンピオンはいますか?

Yasai選手:イレリアですかねぇ。

Yoshioka選手:あとはアカリ……このあたりはBANですかね。怖いのはオレリオン・ソルとかのポニー(ワン・トリック・ポニー。パッチごとのメタに関係なく1人のチャンピオンを使い続けること)で、そういう意味ではシャコとかも嫌ですね。

Munna選手:(ボソッと)ウディアやろうかな。

Melus選手:俺らはウディアやろう(笑)。

Akabuff選手:あとはヴェインとかも怖いですね。上手い人のヴェインは本当に強いので。

――こういった戦略やピックについての作戦会議のようなものは、いつもはオンラインでされてるんですか?

Yoshioka選手:そうですね。一部メンバー間にはオフラインの繋がりもありますが、この場にいる全員で顔を合わせるのは初めてです。住んでいるところもバラバラですしね。

――日本だと皆さん有名なのでメタBAN(選手の得意チャンピオンを狙ってBANすること)されることも多いかと思いますが、海外戦ではそれがない分得意チャンピオンを使えそうですね。

Yoshioka選手:「山」はメタbanが多すぎるので、逆に得意チャンピオンをピックで来た時には「絶対活躍しろよ」みたいなプレッシャーがありますね(笑)。

――ところで「山」はなぜ「山」というチーム名なのでしょう。由来は何かあるんですか?

Yoshioka選手:いつも聞かれる度に適当に答えて……。

Yasai選手:本当に適当なので聞かない方がいいですよ(笑)。

――(笑)。では"今回の"お答えを聞かせてください。

Yoshioka選手:今回は、えー、日本のアマチュア界で山のような存在でありたいですし、今度は世界の山となれるように頑張ります。

一同:(笑)

――最後に、日本のファンに向けてコメントをお願いします。

Yoshioka選手:今回日本を代表してアマチュア代表として挑戦する機会をいただいたので、日本サーバーのレベルを見せつけられるような、楽しんでいただけるような試合にしたいと思います。応援よろしくおねがいします!

――本日はありがとうございました。

「『山』は身長差で山が作れる」という話題が出たので実際にやってみてもらった。まさしく「山」!