インタビュー

「METAL ROBOT魂 ストライクフリーダムガンダム」開発者インタビュー

次はインフィニットジャスティス! さらに広がっていく「METAL ROBOT魂」

 さらに細部を見ていきたい。今回、坂埜氏が感心したというのがドラグーンを外した翼の部分。ここは金色に彩色されている。このためドラグーンを外すときにスライドさせるとまるで鞘を抜いて刀身が出てきたように金色の光が現われるのだ。この表現は非常にカッコイイ。

 小西氏は「公式に打ち出している仕様ではありませんが」と一言付け加えたが、筆者も非常に気に入ったためドラグーンを発射する瞬間をイメージしたポージングをつけてもらい撮影を行なった。ドラグーンが動き、金色の光が漏れ出すところはやはりカッコイイ。「開いたときのシルエットも良いですね」と坂埜氏は手に持って説明してくれた。

ドラグーンの下から金色の光が現われる。鞘を抜いて刀身が出てくるような雰囲気だ
ドラグーン発射をイメージしたディスプレイ。パーツがこすれてしまう可能性があるため公式には推奨できないが、試してみるのもありかと思う

 こういった表現以外にも、「METAL ROBOT魂 ストライクフリーダムガンダム」はクリアパーツの支柱が付属しストライクフリーダムの周囲をドラグーンが浮遊している雰囲気でのディスプレイも可能だ。本商品は様々なストライクフリーダムの姿を再現できる。それは最初に小西氏が語ったとおり、「これまでの商品に負けない、最高のストライクフリーダムのアクションフィギュアとする」というのが本商品のコンセプトだからだ。非常に遊びごたえのある、楽しい商品であることが実感できた。

クリアの支柱パーツでドラグーンをディスプレイできる

 あらん限りのギミックと、プレイバリューを詰め込んだ「METAL ROBOT魂 ストライクフリーダムガンダム」だが、それだけに苦労も大きかったと坂埜氏は語った。約14cmという遊びやすいサイズは、一方ではギミックを盛り込むサイズとしては小さい部分もある。その中で特に坂埜氏が今回苦労したところが腰のレールガンだ。ストライクフリーダムは腰に折りたたみ式のレールガンを装備しており、射撃時にはこれが展開される。

 さらにこのレールガンは基部ごと後部の装甲になる。レールガンを後ろに回すと側面はビーム・ライフルを接続するためのジョイントが現われるのだ。設定通りのこの機構を実現できたのは設計だけでなく、部品の薄さ、強度などで工場側がかなり努力して実現した機構だと坂埜氏は語った。

 しかもこれだけ複雑な腰装甲のギミックを盛り込みながら、腰部分、腹部分の可動域も広く持たせているのだ。上半身を前後に折り曲げられるだけでなく、左右に傾けさせることで上半身のダイナミックな動きも再現できる。ストライクフリーダムの腹部はスマートにまとまっているが、ここにはたくさんのギミックが詰まっているのである。

かなり苦労したというレールガンのギミック。基部が回転し後ろに回る上、側面にビーム・ライフルを接続できるジョイントが現われる

 今回坂埜氏には商品に様々なポーズを取らせて貰った。その上で坂埜氏はやはりこの商品の最大のセールスポイントは「動かすことの楽しさ」だと語った。アクションフィギュアなのだから、アクションをさせることこそ最大の魅力が発揮できる。様々なポーズをとらせるためにユーザーは試行錯誤する。その様々なポーズをとらせるために、できるだけ自由度の高い関節設計、可動設計を坂埜氏は行なっているのだ。「作る方は大変ですけど、だからこそ動かして楽しんで欲しいです」と坂埜氏は語った。

 そしてこの「METAL ROBOT魂 ストライクフリーダムガンダム」をさらに魅力的にしてくれるのが“今後のラインナップ”である。本商品に続く商品として「METAL ROBOT魂 インフィニットジャスティスガンダム」が発表されたのだ。インフィニットジャスティスは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」において、ストライクフリーダムに並び立つ機体である。メタルビルドで出ていない、というところもファンには気になるところだろう。

「METAL ROBOT魂 インフィニットジャスティスガンダム」が発表された。「METAL ROBOT魂 ストライクフリーダムガンダム」と並べたいところだ

 インフィニットジャスティスの1つの特徴として、“蹴り”のアクションがあり、ストライクフリーダム以上に派手なポージングと“動き”が求められる。小西氏はインフィニットジャスティスの“蹴り”を表現するため、試作品の撮影に取り組んだという。現在は撮影も完了したと言うことで、小西氏が自信を持ってアピールする蹴りの写真をお見せしたい。坂埜氏は設計にあたり“可動範囲”の広さに注力したという。

 基本的に関節構造などはこれまでの物を継承しているが、サイドスカートの機構などで足の動きが広くとれる調整を行なっているとのこと。こちらの商品でも追求しているのは劇中のイメージ。様々なアクションを劇中の活躍シーン同様に再現できるように設計をしている。「アクションのポーズがしっかり決まると思います」と坂埜氏は語った。

インフィニットジャスティスの1つの特徴として、“蹴り”のアクションがある。商品でもこのアクションを再現できる

 もう1つインフィニットジャスティスの大きな特徴としては背部のバックパックが独立して戦闘をサポートできる「ファトゥム-01」がある。商品ではファトゥム-01にインフィニットジャスティスを乗せることができる。普段は隠れているジョイントを出すことでしっかりと載せられるギミックを搭載しているとのことだ。こちらにも様々な要素を盛り込んでいるという。しかもさらにこの「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のラインナップを継続させる構想があるとのことで、今後の情報にも期待して欲しい。

商品でもファトゥム-01にインフィニットジャスティスを乗せることができる

 ユーザーへのメッセージとして坂埜氏は「今回の商品はやはり彩色が素晴らしいと思います。質感の異なる彩色方法を組み合わせることで見栄えが非常に良くなっています。そこをまず見て欲しいと思います」。

 小西氏は「坂埜さんの設計により、劇中の印象をとことん追求した商品となりました。プロポーション、可動……今までのストライクフリーダムの商品ではできなかったプレイバリューを実現していると思います。そこにさらに金属の輝きや質感が新しい表現をもたらしています。ぜひ手に取ってみてください」と語った。

 アクションフィギュアは触るからこそ楽しい。坂埜氏の主張は、今回のインタビューでポーズをつける坂埜氏から強く伝わってくるテーマである。ストライクフリーダムはイラストやボックスアートで印象的なポーズも多い。「METAL ROBOT魂 ストライクフリーダムガンダム」はアクションフィギュアでありながら固定式フィギュアのような派手でケレン味のあるポーズがとれる。かなり人気を集める商品となるだろう。また、今後の展開も非常に楽しみだ。