インタビュー

“ブンドド”できる「ネオ・ジオング」でたっぷり遊んで欲しい!

「ROBOT魂 ネオ・ジオング」担当者インタビュー

7月発送予定

価格:17,280円(税込)

※4月23日まで受注中

 現在プレミアムバンダイにて受注を行なっている「ROBOT魂 シナンジュ FINAL BATTLE SET:Feat.ネオ・ジオング」。全高116mという、ビグ・ザムはもちろんα・アジールを超える巨大なMA(モビルアーマー)を「ROBOT魂」という企画に落とし込んだ商品である。

 商品化にあたり、シナンジュが乗り込む胸部から腰にかけてと、手の部分を立体化するという大胆な“選択”を行なっている。別売である「ROBOT魂 シナンジュ」、「ROBOT魂 ユニコーンガンダム」と組み合わせることでアニメ「機動戦士ガンダムUC[ユニコーン]」の最終決戦を再現することができる。

 今回、この「ROBOT魂 シナンジュ FINAL BATTLE SET:Feat.ネオ・ジオング(以下、「ROBOT魂 ネオ・ジオング」)」は「遊んで楽しいアクションフィギュアだ」と担当者であるバンダイコレクターズ事業部の小西諒氏は語る。今回は実際に試作品を前に様々なギミックを見ることができ、こだわりのポイントや、開発者達が込めた想いをに話を聞くことができた。

現在プレミアムバンダイで受注している「ROBOT魂 ネオ・ジオング」。圧倒的なボリュームが魅力だ

「実物大ユニコーン」がスタート。ユニコーンに並び立つ迫力のアイテムを!

 ネオ・ジオングは小説を原作とする「機動戦士ガンダムUC」のアニメ化において、追加されたMAである。ネオ・ジオン残党軍である通称「袖付き」が、アナハイム・エレクトロニクス社から強奪・完成させたフラッグシップ機である「シナンジュ」をコアにする形になっており、胸部ユニットにシナンジュが収まる形で起動する。

 シナンジュは全身にサイコフレームを配置し、ユニコーンガンダムの最大稼動状態「デストロイモード」の実験機であり、パイロットの思い描いた操縦イメージを機体の挙動へダイレクトに反映させるサイコミュシステム「インテンション・オートマチック・システム」を搭載している。ネオ・ジオングはこのサイコミュを増幅する兵器と言える。

 このため全身のスラスターにより全高116mという巨大さに似合わない高い機動性を持ち、巨大な腕を高速で動き回るユニコーンガンダムを捉えるほどの速度で操ることができる。腕部のファンネルではオールレンジ攻撃だけでなく他の機体をハッキングする能力も持ち、全身に強力な武装を搭載している。

 さらにまるで後光を背負うような光のリング「サイコシャード」を発生させる機能も持ち、通常の兵器の概念を超える超常的な力を発揮することも可能だ。劇中ではユニコーンとバンシィという2体を同時に相手に、完全にその力を封じるという圧倒的な力を見せつけた。

担当者であるバンダイコレクターズ事業部の小西諒氏

 今何故この「ROBOT魂 ネオ・ジオング」が発売されるのか? という問いに対して、小西氏は「昨年のユニコーンの立像が大きかった」と語る。お台場に登場した「実物大ユニコーンガンダム立像」。ガンダムに変わる新しい立像として登場したこの立像に小西氏は強い衝撃を受けたという。

 小西氏は特に実物大だからこそ表現できる“本物感”をもたらすディテールに強い衝撃を受けた。この細かい作り込み、圧倒的な情報量を活かして、すでに発売されていた「ROBOT魂 ユニコーンガンダム(覚醒仕様)」にマーキングを施した「ROBOT魂 ユニコーンガンダム(覚醒仕様)[リアルマーキングVer.]」の発売を決定したという。このマーキングはお台場を再現したわけではないが、実在感、本物感というところで同じベクトルを持たせているという。こちらは店頭で購入できる一般販売として、4月に発売される。

「ROBOT魂 ユニコーンガンダム(覚醒仕様)[リアルマーキングVer.]」。4月発売予定、価格は8,100円(税込)

 そしてこの発売に合わせて「ユニコーンの遊びをさらに拡張させるアイテム」として、「ROBOT魂 ネオ・ジオング」の企画が立ち上がることになる。「リアルマーキングVer.」はその名の通り細かいマーキングだけでなく、装甲を塗り分け情報量を増している。ネオ・ジオングにも装甲の塗り分けやマーキングが施され、圧倒的な情報量を盛り込んでいくという。

 この「ROBOT魂 ネオ・ジオング」は非常に大胆な商品だ。シナンジュが接続されている部分、胸部部分のみを立体化しているのだ。それでもかなり大きな商品である。そして強い印象を残す手の部分も立体化している。ネオ・ジオングと言えばその圧倒的なボリュームこそが注目点だが、商品は「ROBOT魂 ユニコーンガンダム」と並べられる部分にフォーカスしている。何故こういった商品にしたかも気になるところだ。

この企画のスタートは「実物大ユニコーンガンダム立像」だという。現在お台場で展示されている立像は、規定時間や夜になると“変身”も行なわれる
「ROBOT魂 ユニコーンガンダム(覚醒仕様)[リアルマーキングVer.]」の商品化に合わせて「ROBOT魂 ネオ・ジオング」が実現した
「ROBOT魂 ユニコーンガンダム(覚醒仕様)[リアルマーキングVer.]」。細かいマーキングが確認できる
組み合わせることで劇中の最終決戦が再現できる

密度の濃いメカ表現、圧倒的な存在感を持つ「ROBOT魂 ネオ・ジオング」

 それでは試作品を見てみよう。パーツにシナンジュを取り付けることでネオ・ジオングとなる。シナンジュは足を曲げ、支柱パーツをまたがらせるようにして接続し、そしてネオ・ジオング本体に接続していく。支柱パーツにはネオ・ジオングの大型の胸部装甲が取り付けられており、シナンジュを隠す。シナンジュを取り付けてから、さらに周囲の装甲パーツでシナンジュを隠すように動かせば接続完了となる。

 まず圧倒されるのはそのボリュームだ。全高約17cm、幅は30cmを超え、ネオ・ジオングの腰から上、胸部を再現している。その密度、情報量はかなりのものだ。外装のみを再現したのではなく、内部メカディテールも再現しており、その密度も伝わってくる。

 コレクターズ事業部の商品ではνガンダムとサザビーを胸像として再現した「FORMANIA EX」という商品があるが、その雰囲気に近く感じた。腰部分や、腕に繋がる接続部分などはメカニックがむき出しとなり、胸像風のイメージもある。装甲は2色の赤で塗り分けられ立体感を際立たせている。装甲の間には白いメタリックな雰囲気を持つラインが引かれ、サイコフレームのようにも見える。ネオ・ジオンのマークなどマーキングも想像力をかき立てる。

この商品の特徴はやはりその存在感だ。MSであるシナンジュが胸に納まるサイズ、と言う衝撃が大きい
シナンジュは支柱に固定する形で本体に接続させる

 そしてこの「ROBOT魂 ネオ・ジオング」はギミック満載のところがウリなのだ。劇中の再現というところで、装甲の展開がある。鎖骨部分、胸の上部装甲が開き内部メカを見ることができる。このアクションは劇中ではシナンジュが両手にバズーカを取り出したシーンのものだが、内部メカをチェックするとミサイルの発射口らしきものも確認でき想像力が刺激される。内部メカにも細かい彩色が施してあり、チェックしがいがある。

 またバズーカを取り出すギミックとして、上部の装甲が開きバズーカを収納できる。こちらは実は商品の解釈で追加されているギミックだ。実際映像を見ると取り出すシーンは一瞬で、どう収納されているかわからない。このバズーカー収納部分のアクションは鎖骨上部の装甲が左右に跳ね上がるようになっている。

 ネオ・ジオングは大きく上に突き出した肩の装甲がシルエットとしてアクセントとなっているのだが、「ROBOT魂 ネオ・ジオング」は肩の接続部分までの再現で肩そのものは再現されていない。しかし上部装甲を展開することで、ネオ・ジオングの肩のような雰囲気が出るところが面白い。装甲の内側もモールドがあり、内部メカの情報量もチェックすると楽しい。

 ちなみに、この「ROBOT魂 ネオ・ジオング」に接続する「ROBOT魂 シナンジュ [リアルマーキングVer.]」も受注中であり、6月発送である。過去に発売された「ROBOT魂 シナンジュ」、「ROBOT魂 シナンジュ(Animation Edit.)」を持っていない人は、こちらも注文しておきたいところだ。

胸部装甲は劇中同様展開できる。圧倒的なメカ描写が楽しい
腕接続部分のメカ表現など、密度の濃い描写が大きなウリだ
バズーカ収納ハッチを開けると、印象が変わる
【ROBOT魂 シナンジュ [リアルマーキングVer.]】
こちらも6月発送予定で、価格は7,560円(税込)現在受注中

飾るだけじゃなく、たっぷりと遊んで欲しい。開発者の想いを込めたギミック

 そして、小西氏が本商品の最大のウリとする部分が“遊びごたえ”だ。「ROBOT魂 ネオ・ジオング」は腰パーツが台座となって本体を支えているが、4本のシリンダーパーツで接続されている。そして腰を基部に上半身がかなり大きく可動するのである。この構造により巨大なネオ・ジオングが大胆なポーズ付けが可能になっている。

 大きく上半身を反らせたり、前傾姿勢にさせたり、肩を入れたポーズができる。この上半身が動く姿はかなりイメージが変わる。力を込めて前進する感じや、後退する感じなど角度を変えることで表情が変わる。ユニコーンと相対させることで様々なドラマを演出できるのである。

 シリンダーはシャフト部分が銀色に塗られているため、伸び縮みが明確にわかるようになっている。4つのシリンダーが動くのは迫力がある。またネオ・ジオングを支える腰パーツは印象的な腰部のメガ粒子砲とIフィールド発生器もついており、内部メカの描写も細かくこちらも見応えがある。

腰部の関節とシリンダーにより、上半身は大胆なポーズ付けが可能
4つのシリンダーが動くのはメカ描写として楽しい。腰の特徴的な武装もきちんと再現されている

 さらに「手」がある。ネオ・ジオングはジオング同様手の部分が本体から分離しオールレンジ攻撃を仕掛けることができる。「ROBOT魂 ネオ・ジオング」は肩から腕の部分は再現されていないが、分離して飛翔する手を2パーツ同梱している。この手は基部が可動し、横一列にも両端を折り曲げることもできる。指部分はボールジョイントなので組み合わせることで複雑な表情付けができる。

 さらに劇中同様基部から指部分を切り離すこともできる。基部と指先はケーブルで接続させることができ、指はカバーを展開したパーツも用意できる。劇中でエコーズ部隊のジェガンを襲ったときの状態を再現することも可能だ。手は専用台座でディスプレイ可能なので「ROBOT魂 ユニコーンガンダム(覚醒仕様)」と組み合わせれば、劇中の最終決戦シーンでの攻防も再現できる。

 また、ダメージを負った胸部装甲や、シナンジュの腕部が破壊されたパーツが付属し、ユニコーンガンダムの素手の攻撃でダメージを受けた状態を再現できる。ネオ・ジオングとユニコーン、バナージとフル・フロンタルの戦いの決着シーンを再現することも可能なのだ。ユニコーンの配置、ネオ・ジオング本体の角度、ハッチの開閉や、シナンジュのアクション、スタンドを工夫しての手の位置や指の表情、そしてダメージパーツ、と組み合わせが非常に多い。動かしても楽しいし、各アイテムの位置を工夫することでジオラマにもできる。原作を再現しても良いし、自分の中での新しい対決シーンを考えても良い。「“遊べること”を第一に考えた商品なんです」と小西氏は語った。

手は複雑な表情付けが可能だ
指も独立させられ、劇中のシーンを再現できる

巨大なネオジオングをどう表現するか、“遊べるアイテム”というたどり着いた答え

 ここからは商品の背景や、開発者の想い入れにフォーカスしていこう。「この企画を初めて立ち上げたとき、『ROBOT魂 ネオ・ジオング』を全身で再現しようとすれば、一体いくらになるのか、という話になりました。仮に10万円を超えるアイテムになるとして、誰が買ってくれて、どう遊んでくれるのか、そこにお客様はいるのか、と言うことを話し合いました」。小西氏は本商品の企画のスタート時の話を語った。

 「RPOBOT魂」シリーズでは、「ユニコーンガンダム」、「シナンジュ」、「バンシィ」といった商品が出ている。「ROBOT魂 ネオ・ジオング」はこれらの商品と組み合わせて遊ぶ同スケールのアクションフィギュアにしたいという所は決まっていたが、どう商品化するかがネックになっていた。実際1度は試作品も作られたが、商品化まで繋がらなかったという。今回、「ユニコーンの立像」で盛り上がる中での商品化としてコンセプトそのものを練り直すことになったとのことだ。

 そして見えてきたコンセプトが「劇中のシーンを再現できる、遊んで楽しい商品」。ただ飾るだけではなく、手にフィギュアを持って活躍を想像して動かしたくなる商品を目指した。そうなると超大型アイテムであるネオ・ジオングの全身は遊びにくい。胸部部分のみの立体化ならば、遊ぶこともできるし、飾る場合もスペースをそれほど必要としない。「ROBOT魂 ユニコーンガンダム」の“敵役”としても置くことができる。そういったポイントを考慮して企画を煮詰めていくこととなったという。

 このコンセプトにたどり着くまでの部分に時間がかかっていたところだが、「遊べるネオ・ジオング」という明確なテーマが決まった上で仕様を煮詰め、遊んで楽しいアイディアを盛り込んでいった。外部装甲と内部構造の違いなど、様々なポイントを盛り込んでいった。

圧倒的な存在感と共に、他の商品と絡めて遊ぶことを優先し決められたコンセプト

 「これまでネオ・ジオングはその巨大な全身を再現したプラモデル『HGUC ネオ・ジオング』や、食玩の『ASSAULT KINGDOM ネオ・ジオング』があります。これらも僕は大好きなんですが、“遊ぶ”というところでは大きすぎたり、ギミックとして少ない部分もあった。ディスプレイ要素の強い商品だと感じています。新しいアイテムを作るならば、遊べるという所を押し出した商品が欲しいと思いました」。

 小西氏は「ROBOT魂 ネオ・ジオング」に関して、机において楽しむだけでなく、持ちあげて、手の中で回してみて色々な角度で楽しんで欲しいとも語った。確かにこの商品は脇腹から胸の下部分の内部メカの情報量も凄まじい。大きな腕を支えるであろう大きなパーツもあり、内部メカニックを見ているような感じにもなる。様々な角度から楽しみたくなる。

 「他の機体と組み合わせて戦闘シーンを想像するいわゆる“ブンドド”が楽しい商品になった、と言うところで手応えは感じています。こういう魅力を持ったネオ・ジオングは本商品が初めてだと思っていますし、新しい商品になりました。このコンセプトはやってよかった、と思っています」と小西氏は語った。

 一方、苦労したところと言えばバズーカの収納ギミックだという。先ほども触れたのだが、劇中ではシナンジュがどうバズーカを取り出すかという所は描かれていないのだ。このため「ROBOT魂 ネオ・ジオング」はオリジナルギミックで収納している。鎖骨前方のハッチは開閉している設定画はあるが、内部のメカの細かい設定はない。「どういった機能を持つかはユーザーが考える余地があり、そこを想像するのも楽しいポイントではないでしょうか」と小西氏はコメントした。

この大型アイテム、遊ぶと言うことにフォーカスしたコンセプトが、今後どのような商品に活かされていくかも興味深い

 「この遊べる大型商品」という商品カテゴリーは魅力的だ。「ガンダム」での大型アイテムとしては「機動戦士ガンダム0083」に登場した「デンドロビウム」なども考えられるが、小西氏は「デンドロビウムではどこを切り取るかが問題になる」と答えた。デンドロビウムは大型のミサイルコンテナとビーム砲が大きな特徴だ。これを再現してしまうと今回の「ROBOT魂 ネオ・ジオング」以上の大型サイズになり、遊びにくく、他の商品と絡めにくい。遊べるにはどこを抽出するか、というところもテーマになる。

 ちなみに、2007には「GUNDAM FIX FIGURATION」シリーズでも、デンドロビウムから要素を抽出した「ステイメン&ウェポンシステム」が商品化されているが、こちらは飾って楽しむディスプレイモデルの側面が強かった。「ROBOT魂 ネオ・ジオング」のような「遊べるROBOT魂」とするにはまた異なるアプローチが求められるだろう。

 大型商品という意味では、小西氏は「ROBOT魂 ズワウス」も手がけている。こちらは翼長が約55cmと、「ROBOT魂 ネオ・ジオング」よりも大きい。また、本誌でもおなじみの野口勉氏は「ROBOT魂 ホワイトベース カタパルトデッキ ver. A.N.I.M.E.」で巨大なホワイトベース内部をどう表現するかというアプローチに挑戦している。大きなものをどう商品としていくかは様々なアプローチがあり、コンセプトで変わっていく。様々なアイディアを今後も考えていくという。

 小西氏はユーザーへのメッセージとして「『ROBOT魂 ネオ・ジオング』は写真でもその緻密さやボリュームは伝わっていると思いますが、ギミックや他のアイテムと組み合わせて遊んだときの楽しさというのを、今回改めてアピールさせていただきました。やはりお手にとっていただくことで本当の魅力を感じていただけると思います。大きなアイテムですけど、本当にこのネオ・ジオングでたっぷり遊んで欲しいです」と語った。

圧倒的な存在感とメカ描写に加え、遊びごたえを追求した商品となっている

【プレミアムバンダイで購入】