【特集】
【GALLERIAゲーミングノートPC特集】GALLERIA GCR2070RNF編
RTX 2070搭載17インチノートPCで「バトルフィールドV」を戦う。まさにここは銃弾飛び交うリアルな戦場だ!
2019年6月14日 00:00
- 4月24日発売
- 価格:229,980円(税別)
RTX搭載17インチ120Hzの大型液晶で「バトルフィールドV」の戦場へ
これから紹介する「GALLERIA GCR2070RNF」は、サードウェーブのゲーミングPCブランド「GALLERIA」シリーズのノートPC。今年の1月に発売された製品のリニューアルモデルで、CPUおよびGPUの構成が変わっている。本製品のスペックは以下の通りとなる。
【GALLERIA GCR2070RNF】
CPU:インテル Core i7-9750H (2.60-4.50GHz/6コア/12スレッド)
チップセット:モバイル インテル HM370
GPU:NVIDIA GeForce RTX 2070 8GB / インテル UHDグラフィックス630
メインメモリ:8GB DDR4 SO-DIMM(PC4-21300/4GB×2/2チャンネル)
ストレージ:512GB NVMe SSD
光学ドライブ:光学ドライブなし
OS:Windows 10 Home 64ビット
電源:ACアダプター(280W)
ディスプレイ:17.3インチ 非光沢ワイド リフレッシュレート120Hz LEDバックライト液晶 (1,920×1,080ドット表示)
バッテリー:リチウムイオンバッテリー
標準キーボード:日本語キーボード
無線LAN:Intel Wireless-AC 9560(IEEE802.11 ac/a/b/g/n 2×2 Max1.73GHz)
Webカメラ:HD画質 Webカメラ
サイズ:約419.2×287.1(奥行き)×31.9(mm)
重量:約2.96kg
価格:229,980円(税別)
https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=13&tc=143&ft=&mc=8711&sn=2848&st=1&vr=10
GALLERIA GCR2070RNFはA4より大型、B4よりさらにひと回り大きい17インチのノートPC。長辺約410mm、重量2.96㎏のビッグボディに、第9世代Core i7とNVIDIA RTX 2070を搭載しており、さらにNVMe接続のSSDを備える。ノートPCの利点はその省スペース性だが、限られた空間にできるだけ高いスペックと大きな画面をインスタントに詰め込みたい場合、本製品はベターな選択といえるだろう。
SteelSeries製のゲーミングキーボードが手元を彩るさまも良い。ノートPCという制限されたスペースにInsertキーやDeleteキーなども可能な限り配置されている。なお本体キーボード面右上、電源ボタンの隣に配されたボタンはタッチパッドの無効化と全ファンの強制稼働のボタンとなっている。
キーボードの感触はフラットながらも確かな押下感があり、タイプ音も静か。実はこの記事自体をキーボードテストを兼ねてGCR2070RNFを使用して執筆しているのだが、ブラインドタッチをしても静かだ。また、Fnキーを押すとキーボードのライティングが消えるかわりに機能を使えるキーがハイライトされる。これがわかりやすく、意外に便利だった。
なお、ゲーミングPC向けのキーボードらしく、左側のWinキーがなかったり、右シフトキーや「ろ」キーが小さくなっている。それ以外はおおむね使いやすく感じるし、やはりタイプ時の音が小さいのはよい。キー表面もマットな柔らかい感触に仕上げられていて好感が持てる。
本体右側面にはUSB3.0ポート2つとSDカードスロットを配置。左側面にはギガビット対応の有線LANポート、HDMIコネクタ、Mini DisplayPort、USB3.1 Gen2 Type-Aポート、USB3.1 Gen2 Type-Cポートにマイク端子とヘッドフォン端子が配置されている。無線LANやバッテリー、ストレージ周りのインジケーターは正面にある。
ノートPCには欠かせない熱対策だが、ファンを左右の奥に配置し、右側面と左側面、背面左右に排気口が設けられており、合わせて4カ所を使って排気する構造だ。これにより本体の過熱で処理速度が低下しないような仕組みが用いられている。吸気については底面パネルに広く吸気口が設けられているので、エアフローはしっかりしている。
ただ問題なのが、排気音が意外と激しく、ゲームを起動した後すぐにフル回転と思われる速度でファンが回転する。同時にキーボード面へ熱が伝わり、指先やパームレストへ置かれた手首が熱くなるのだ。今回検証する「BFV」であれば、たとえば「コンクエスト」を1セット終わらせたら数分休ませてやるといったメリハリが必要かもしれない。
付属するACアダプターは、もはや当たり前となっているが、ユニバーサルタイプなので100~240VのAC電源に対応する。ACアダプターと接続部の長さは実測で約1,000㎜、対してアダプターからコンセントまでの長さは実測約1,700mm。またアダプターの重量は約1㎏だ。アダプター~コンセント間の長さは申し分ないものの、接続部までのケーブル長はもう少し長く取ってほしかったところ。設置するデスクとPCの関係や高さが調整しにくい。
「BFV」で平均120fpsは達成できるか?
さて、今回検証用タイトルとしてプレイした「バトルフィールドV(BFV)」は、最大32対32、64名の同時対戦が可能な、第二次世界大戦を題材にしたFPSタイトルだ。塹壕戦や拠点防衛などを奥深く描くため、爆炎に崩れ落ちる建物、砲弾を受け燃え上がる車輛など、その映像表現は非常に手が込んでいる。
これらのグラフィック表現を、よりリアルに感じさせてくれるのが、BFVが対応している「DXR」と「NVIDIA DLSS」だ。
DXRは「DirectX Raytracing」の略で、ハードウェアレベルでレイトレーシングを可能にするもの。レイトレーシングを利用すれば、物体に反射する光りの動きをシミュレートして追跡できるので、水面に映る自分の姿や、建物のガラスに映った木々の形などを、キャラクターの移動に合わせてリアルタイムで表現できるようになる。NVIDIAのGeForce RTX 20シリーズには「RT Core」という、リアルタイムでレイトレーシング処理を行えるプロセッサが搭載されているので、DXRを使った表現が可能となっている。
次にNVIDIA DLSSだが、これは「ディープラーニングスーパーサンプリング」の略で、名前の通りNVIDIAが開発した技術。AIではよく使われている、コンピューターに行動を学習させる「深層学習」の技術を応用したものだ。DXRのようなリアルタイムレイトレーシングを使う際には膨大な計算が必要となるが、DLSSを加えることで、GPUの負荷が高い場合でもフレームレートを高められる。
ただしこの2つの技術はどのGPUでも使えるわけではない。利用できるのはGeForce RTX 20シリーズとTITAN RTXのみだ。その上でNVIDIAは、DXRを有効にして、DLSSの能力を発揮できるのは、以下の組み合わせだとしている。
・3,840×2,160:全てのRTX GPU
・2,560×1,440:RTX 2060、2070、2080
・1,920×1,080:RTX 2060、2070
加えて「BFV」をプレイする際に、NVIDIAが推奨している設定は、DXRとDLSSをオンにした状態で、以下の設定の時であるとしている。
・RTX 2060:2,560×1,440、基本画質「高」設定、DXRレイトレース・リフレクション「中」設定
・RTX 2070:2,560×1,440、基本画質「最高」設定、DXRレイトレース・リフレクション「中」設定
・RTX 2080:2,560×1,440、基本画質「最高」設定、DXRレイトレース・リフレクション「中」設定
・RTX 2080 Ti:3,840×2,160、基本画質「最高」設定、DXRレイトレース・リフレクション「最高」設定
GALLERIA GCR2070RNFはNVIDIA GeForce RTX 2070を搭載し、液晶ディスプレイが1,920×1,080ピクセルの解像度なので、解像度はそのまま合わせるわけにはいかないが、基本画質「最高」設定でDXRレイトレース・リフレクション「中」であれば、DXRとDLSS両方が効いている状態となるようだ。
ただし、このDXRやDLSSを利用すれば、当然ながら動作は重くなるのはわかるだろう。NVIDIA GeForce RTX 2070を搭載したPCであるといえども、「BFV」の優れた映像表現と白熱する戦いを“完全に”遊びつくせるかといえばそうではない。見た目の美しさか、高い動作性によるFPSゲームとしての遊びやすさか、どちらかを取る必要がある。
次の画像はDXRがオフの状態で、すべての映像設定を「最高」にした場合と、逆にパフォーマンスのためにすべての設定を「低」にした場合の比較をしてみたものだ。
DXRをオフにした状態で基本画質・最高設定と低設定の画質は以上のように、程度を下げてしまうとグラフィックの緻密さが失われてしまうことがわかる。
ではNVIDIA GeForce RTX搭載PCが利用できるDXRおよびDLSSを有効化した際の差も確認していこう。これに加えて、DLSSをオフにしたときの画質について比較する。なおDXRオンの場合は、NVIDIAが推奨する、基本画質は最高のままで、DXRレイトレース・リフレクションの設定を低~最高で変化させてキャプチャしている。またDXRのオン/オフ切り替えはゲームを再起動しないと適用されないため、オンとオフの画像はまったく同じシーンがキャプチャできていないことをご了解いただきたい。
以上のように、DXRを使わない場合は、最高設定と低設定では画質に差があるようだ。しかしDXRオンの状態で比較すると、基本画質を最高設定としているためか、DXRレイトレース・リフレクションの設定を変えても大きな体験の差があるとは言えないように思える。
そして画質の設定によるフレームレートの変化を測定したのが以下のグラフだ。
フレームレート測定結果を見るとわかるが、基本画質を低設定にしても平均フレームレートは100fpsを超えない。これ以上フレームレートを上げようとすると「解像度スケール」を落としていくことになるのだが、そうするとテクスチャがガタガタになったうえピンボケしたような見た目になってしまう。これではマッチを正常にこなせる状態とはいえず、ゲームプレイに支障をきたすだろう。そこまで下げてもフレームレートは上がらないため、この選択肢は取るべきではない。
もっとも基本画質最高設定でも平均80fpsを超えているので、ゲーム体験としては十分だといえる。そして基本画質が最高設定の値と、基本設定・中、DXRオンのフレームレートがそれほど変わらないところを見ると、DXRはオンにして使うべきだ。
また興味深いのがDLSSのオン・オフによるフレームレートの差だ。推奨設定において、DLSSを有効にした場合、平均フレームレートが76fpsであるのに対して、DLSSをオフにするといきなり53fpsまで下がってしまう。これこそがNVIDIAがいうDLSSの成果だろう。オンにした方が快適な環境でよりよいプレイ体験を実現できるというわけだ。
以上のことを考えると、DXRオフの最高設定と、DXRをオンにした場合の設定がそれぞれ80fps、76fpsと差がほとんどないので、NVIDIA GeForce RTX 2070ならではの設定ともいえる、「画質設定・中」で、「DXRをオン」にした状態でプレイするのが最善の環境だ。その際はもちろん「DLSSをオン」にした方がよい。せっかくハイパフォーマンスなマシンを手に入れたのだから、フレームレートの差が大きくないのであれば、画質の妥協はしたくないところだ。
本製品「GALLERIA GCR2070RNF」はインスタントかつ省スペースで多少の可搬性も確保しつつ、最高画質の環境で「BFV」を楽しめる。大画面、NVIDIA GeForce RTX、そして煌びやかな感触のいいキーボード。見た目もよく、PCゲームに挑戦するきっかけには最適といえる。
【GALLERIAゲーミングノートPC特集目次】
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