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音楽ゲーム「SUPERBEAT XONiC」プロデューサーPlanetboom氏にインタビュー
日本人アーティストも多数参加! 「DJMAX」シリーズ開発者が手掛ける完全新作
(2015/12/10 18:00)
アークシステムワークスは、PlayStation Vita用音楽ゲーム「SUPERBEAT XONiC(スーパービート ソニック)」を12月17日に発売する。本作は韓国NURIJOYが開発したタイトルで、韓国を含むアジアや欧米では既に発売されている。
NURIJOYという名前に聞き覚えがない人も多いだろう。この会社には、韓国発の音楽ゲーム「DJMAX」シリーズを手掛けたスタッフが集結している。「SUPERBEAT XONiC」は「DJMAX」とは全く別の新作タイトルだが、長年音楽ゲームを作り続けてきた実績のあるスタッフにより開発されている作品である。
アークシステムワークスはただ日本版を発売するだけでなく、ゲームのコンテンツ部分にも関与。同社の看板タイトルである「ギルティギア」シリーズを始め、同社のゲームタイトルの楽曲が「SUPERBEAT XONiC」に収録され、音楽ゲームとしてプレイできる。
ゲームは画面中央から外に向かって飛び出すように動くマークに合わせて、画面をタップ、またはボタンを押していくというゲーム。前方へ高速に進んでいくようなイメージで、疾走感を味わいながらゲームをプレイできるのが特徴だ。楽曲も韓国のアーティストだけでなく、日本や欧米のアーティストが手掛けたものも収録されている。
今回はNURIJOYのスタジオがある韓国ソウルにて、NURIJOYでプロデューサーを務めるPlanetboom氏にインタビューする機会が得られた。
――まずは自己紹介をお願いします。
Planetboom氏:「SUPERBEAT XONiC」のプロデューサー、および音楽を担当しています。以前手掛けていた「DJMAX」シリーズでは音楽部分の担当でしたが、本作ではプロジェクト全体を統括しています。
――本作は丸いフィールドにタッチするというインターフェイスですが、どういう狙いがあるのでしょうか?
Planetboom氏:PS Vitaでプレイする時に、最も楽に演奏できるスタイルを考えた結果、このようなスタイルになりました。
――PS Vitaというプラットフォームを選んだ理由は何ですか?
Planetboom氏:音楽ゲームはスマートフォン向けに手軽に遊べるものも出てきましたが、基本的にはかなりコアなジャンルです。「DJMAX」シリーズの時から、コアなゲーマーが集まるハードを選んでいて、今最もコアなゲーマーが遊べるハードとしてPS Vitaを選びました。音楽ゲームは音楽を演奏をする一体感や打鍵感が大切なのですが、PS Vitaはタッチでもボタンでも遊べます。以前手掛けたスマートフォンアプリの「DJMAX TECHNIKA Q」は完全にタッチだけで遊ぶゲームでしたが、今回は両方で遊べます。
――「DJMAX」との違いを意識したのはどんな部分ですか?
Planetboom氏:「DJMAX」は韓国で最も売れたコンシューマーゲームです。商業的には成功しましたが、「DJMAX」にもいいところ、悪いところはありました。本作では「DJMAX」のいいところは引き継ぎ、足りないところを追加して、以前あった壁を超えるイメージで作っています。「DJMAX」は曲だけでなく、背景の映像も高く評価されましたので、本作では音楽と映像をよりシンクロさせ、一体化させることを目指しました。また「DJMAX」はやり込み要素が大変なゲームでしたが、今回はもっとサクサク進めることを意識して作っています。
――収録曲にはどんなアーティストが参加しているのですか?
Planetboom氏:本作には59曲が入っています。韓国のアーティストがメインですが、MakouさんやCrankyさん、細江慎治さんといった日本人アーティストによる曲も全部で19曲あります。他にも北米のアーティストも参加しています。私は基本的にミュージシャンなので、自分のアルバムを作るならどの曲の組み合わせがいいのかを考えて、クラブミュージックからKPOPまで色々なジャンルを入れ、ユーザーが色々な曲を聴けるようにしました。ほとんどは「DJMAX」シリーズからの知り合いで、今回も素晴らしい曲を提供していただきました。
――日本のユーザーを意識したゲームデザインはありますか?
Planetboom氏:「この曲なら日本でもウケるだろう」ということは考えてジャンルを組み立てています。アークシステムワークスさんから「マジカルビート」の曲を提案された時、かぶるジャンルがなかったので、この曲を入れてよかったと思いました。日本は音楽ゲームが誕生した国ですので、もちろん意識しています。日本語のボーカル曲も4、5曲あります。
――アークシステムワークスさんの曲が本作に入ることになった経緯を教えてください。
Planetboom氏:本作の開発初期となる企画段階で、各地域の曲を探している時、アークシステムワークスさんの方からご相談をいただきました。正直なところ、それまでアークシステムワークスさんのことはよく知らなかったのですが、曲を聴いてみたらいい曲だと思いました。他の曲はイメージに合わせた映像を作っているのですが、アークシステムワークスさんの曲は既に映像もありましたので、他とは違う展開ができるのではないかと思い、本作に最も似合う曲を選びました。
――日本のゲームユーザーにはどんなイメージを持っていますか?
Planetboom氏:国を問わず、どのお客様もとても大切な存在です。日本は音楽ゲームが生まれた国ですし、ユーザーの幅も広いと思っています。まだ把握できていない部分もありますので、DLCとして入れる曲は、日本や北米のニッチなジャンルにも挑戦していきます。その反応を見て、日本のユーザーの好みを把握できるのではないかと思います。
――DLCの提供予定を教えてください。
Planetboom氏:韓国版は10月22日に発売されて、12月11日に初めてのDLCが3曲パックで出ます。その後の予定はまだ言えませんが、今後も定期的に提供していく予定です。
――DLCで導入予定の曲はどんなものになるのか、どんな方向になるのか、今話せることはありますか?
Planetboom氏:他社では多くの曲を予め用意して、パッケージに入れる曲とDLCの曲を分けるという作り方もあると思います。本作は入れられるものは全てパッケージに入れて、DLCは韓国を含むアジア、北米、欧州、日本という各地域にターゲットした曲を提供します。それからユーザーの反応を参考に、新しい曲やジャンルの提供を考えたいと思っています。
アークシステムワークスさんの曲も追加していく予定です。全世界の格闘ゲームユーザーから愛される会社ですが、特に日本のユーザーには喜んでもらえると思っています。個人的には、石渡さん(石渡太輔氏、「ギルティギア」シリーズなどの開発者で作曲も手掛ける)のファンになったので、ぜひ紹介してくださいという話をしました(笑)。本当にいろいろなジャンルを検討して、本作にどの曲が合うのか考えて選んでいます。
――最後に、日本のゲームユーザーに向けてメッセージをお願いします。
Planetboom氏:いつもゲームを作る時には、自分の子供を育てるような気持ちと、ミュージシャンとして自分のアルバムを作る気持ちでいます。自分が面白くなければユーザーにとっても面白いわけがないと思って作っていますが、ユーザーは自分とは違う考えを持っていることもよくあります。私がいいと思って入れたコンテンツとバランスが、日本のユーザーにどのように評価されるのか、とてもドキドキしながら待っています。「あのゲームは面白かった、他の人にもお勧めしたい」という声が聞けたら嬉しいです。
音楽は国籍がなく、いい音楽なら言語を超えて海外にも伝わるジャンルですので、他のゲームジャンルに比べて誰でも楽しめるものだと思います。音楽ゲームは日本から生まれたジャンルですが、日本の音楽ゲームにも負けない気持ちで作った作品です。ぜひ楽しんでいただいて、感想をお聞かせください。サクサクと気持ちよく進めるように作っていますし、だいたいレベル10から15くらいまで遊んでいただければ、面白さがわかっていただけると思います。
――ありがとうございました。
[お詫びと訂正]
記事掲載当初「Planetbomb氏」としておりましたが、正しくは「Planetboom氏」でした。失礼いたしました。ここにお詫びして訂正いたします。
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