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刻め、外惑星開拓史!「Civilization: Beyond Earth」ハンズオンレポート
ゼロからの攻略を求める「アフィニティ」、「美徳」、そして「テクノロジー・ウェブ」
(2014/10/10 12:00)
ゼロからの攻略を求める「アフィニティ」、「美徳」、そして「テクノロジー・ウェブ」
本作の面白いのは、すくなくともシングルプレイモードでは各文明の入植タイミングが微妙に異なることだ。今回、自分の入植が一番早く、十数ターン経過するまではこの惑星の唯一の住人だった(基本的にシングルプレイではそうなるらしい)。10ターン、20ターンと経過するうちに他陣営の入植者が降下してきて、各地に最初の都市を作っていく。そして50ターンほどで全陣営が出揃った。
というわけで序盤は他陣営の横槍を受けることはあまりないのだが、こちらもエイリアン潰しに忙しく、ちょっかいを出すことは当分はできない。近場に降りてきた陣営に兵士ラッシュなんぞを企画しても、攻めこむ最中にシージワームに遭遇でもしたらそこで終了だ。だから、まずは文明としての実力をつけていく必要がある。そこで鍵となるのが「アフィニティ」、「美徳」、「テクノロジー・ウェブ」という3系統の進化軸だ。
「アフィニティ」は本作独自の要素で、文明進化の方向性ともいうべきもの。地球時代のしきたりを重んずる「純血」、地球文化と現地事情のイイトコどりを狙う「至高」、現地の事情に合わせて進化する「調和」の3系統がある。これは取得テクノロジーの選択や、時折発生するイベントでのチョイスによって、次第に文明の傾向が強められていく仕組み。が、基本的には終盤効いてくる要素のようで、今回のプレイ範囲ではアフィニティの違いによる変化はあまり感じることはなかった。
2つ目の要素「美徳」は前作でいう社会制度に相当するもので、文明全体の文化ポイントの蓄積によって「力」、「繁栄」、「知識」、「産業」と4系統ある永続ボーナス要素を1つづつアンロックしていくものだ。序盤、エイリアン潰しに奔走しているとついつい「力」に全投資してしまうのだが、その影響は終盤、どのように出てくるだろうか。
そしてもっとも重要なのが「テクノロジー・ウェブ」である。これは前作以前の伝統的なテクノロジー・ツリーを網目(ウェブ)状にしたもので、枝となる基幹技術(物理学、化学、遺伝子工学、コンピューティングといった大きなもの)に、葉となる個別技術が複数ぶら下がっている構造だ。それぞれの基幹技術は、関連するもの同士が結ばれており、基本的にどの方向へ伸ばすかによって、最終的に到達できる上位技術の選択が極めて限定されてくる仕組みだ。
まず、枝となる基幹技術のつながりを把握するのが大変だが、まずは大雑把に、最終的に取りたい最上位技術を極めておけば、どの方向に枝を伸ばしていけばいいかがおおむね決まってくる。その上で、軍事、経済、科学、外交の各アドバイザーがおすすめする各技術を適宜取得しながら、文明力の充実を図る、というのが基本的な流れだ。
この構造が真新しいだけでなく、それぞれの技術の内容も、超未来の惑星開拓というテーマを反映して、過去作で見たことのないものばかりだ。なので、「とりあえず文学とってアレク」、「哲学とってアポロで官僚制にジャンプ」といった、シリーズを通してだいたい通用した攻略の定石が使いようがない。こうして歴戦のベテランも「しまった、楽勝だと思っていたのにこの惑星だと完全に初心者だぞ!どうしよう!」となるのだ。ついでにマップ上の各種戦略資源もエキゾチックなものばかりで、どれがどういう効果なのか把握するだけでも大変。
正直に告白すると、2時間あまりのプレイでは筆者も「テクノロジー・ウェブ」の攻略法がとんと掴めなかった。ウェブ全貌すらまともに把握できておらず、各アドバイザーの薦める通りに選んでいくだけ……。戦略もへったくれもない。Civ歴10年以上の筆者が完全にニュービーと化した。
というわけで本作は、基本システム面や各種要素が「Civilization V」の格好を踏襲しているが、「テクノロジー・ツリー」を始め、まだまだある作品テーマを活かした新要素によって、過去作とは全く違った作品となっている。地球時代に天帝難易度でのクリアを繰り返した猛者も、この未知の惑星においては巨大なウェブを右往左往した挙句、エイリアンに食われるのだ。果たして人類はシージワームに勝てるのか?!
まあ、100ターンちょっとでは勝てなかった。Civシリーズファンの皆さん、本作はゼロベースからの攻略が必要となる。10月24日の発売日を心して待とう。