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「FFXIV: 新生エオルゼア」プレイステーション 3版先行体験レポート

はるか彼方まで見渡せる、限界を超えたグラフィックス

PC版と遜色のないクオリティのフィールドグラフィックス

PS3専用のクロスホットバー。非常に快適な動作で使いやすい
マップは、移動中には透過するようになっている
装備品を一括管理できるようになったアーマリーチェスト

 さて、今回主に体験できたのはUI周りの感触だ。PS3版のシステムメニューは、PS3のクロスホットバーに似たUIになっている。横に大分類されたメニューが並び、カーソルが合うと縦軸のメニューがプルダウンする。

 そこで、例えば縦のラインの上から2つ目にカーソルを合わせた状態でそのまま横に動かすと、隣のメニューがプルダウンしてきて、同じ上から2つ目の位置にカーソルが収まる。その際の動作は非常にスムーズで、いわゆるヌルヌル動く状態。メニューの文字も読みやすく、使いやすく仕上がっている。

 マップは、立ち止まっている時に呼び出すと非透過だが、その状態のままキャラクターを動かすと透過するようになった。マップの中央あたりにカーソルが表示されるようになり、アナログスティックでマップを動かせば、マップ上のF.A.T.E.やクエストアイコンの詳細を見ることができる。F.A.T.E.は、残り時間も表示されるようになった。

 ほかにも、装備品でインベントリがいっぱいになってしまうのを避けるために、装備専用の「アーマリーチェスト」が導入されている。フェーズ3からは、入手した装備品はすべてアーマリーチェストに収納され、この中に入っている装備品を組み合わせることでクラスやジョブごとの装備を作っていく。1つの装備を複数のクラスに重複して装備させておくことも可能になり、転職したとたん裸になる心配が減った。

 フェーズ2では、スキルを使うたびにR2かL2ボタンを押す必要があったが、フェーズ3からは従来のモードのほかに、1度ボタンを押すと次に押して解除するまではずっとスキル入力モードが続くトグルモードと、ダブルクリックでモードを切り変られるミックスモードが追加された。

 アナログスティックを操作している時に、十字キーの上部分にセットしたスキルを使いにくいという問題に関しては、特に改善は見られなかった。吉田氏によれば、ここには普段あまり使わないようなスキルを入れることを想定しているということなので、プレーヤーの工夫で使いやすいスキルセットを考えて欲しいということだろう。

久しぶりに訪れるウルダハの町。グラフィックスのクオリティはPCと遜色ない
遠景まで遠く見渡せる。ロー、ミドル、ハイの継ぎ目はほとんど目立たない

 フィールドは、遠くまで綺麗に見渡せる。PS3ではテクスチャの解像度を落とし、ポリゴンを簡素化したロー、高解像度のテクスチャを使ったハイポリゴンモデルのハイ、その中間のミドルという3つの表示方法を距離に応じて動的に切り替えることで自然で美しいグラフィックスを実現している。

 遠くに見えるオブジェクトやキャラクターは最初ローで、近づくとミドルになり、さらに近づくとハイへと自動的に切り替わる。切り替わりはとてもスムーズで、ゆっくりと歩きながら近づいていっても切り替わった瞬間が判別できないほどだ。

 遠景が画面の多くを占めるような画面では、PC版の最高設定に比べると、テクスチャ解像度の違いからどうしても彩度が多少落ちて見えるが、「旧FFXIV」で見られたような描写が追いつかずにテクスチャがはがれて見えるといった症状はまったく見られなかった。吉田氏が自信を持って紹介してくれたように、PC版と遜色ない画面で遊ぶことができるのはPS3ユーザーにとっては何よりも嬉しいことではないだろうか。

【PS3版の風景】
夕暮れの照り返しを受けてオレンジに染まる大地が美しい
海辺近くにあるゴブリンの集落へ腕試しに

F.A.T.E.のレベルシンクやバディとのバトルなど見所色々

トレーラーではバディのチョコボと共に戦う姿も見られる
狭い橋の上で戦うF.A.T.E.。赤いサークルが敵の攻撃範囲

 バトルについては、格闘士で街を出てすぐの場所にいるレベル1や2の敵と少し戦っただけなので、システム上の駆け引きなどについては今後のβレポートに譲りたい。しかし、格闘士は初期レベルからでも爽快感のある派手なエフェクトを伴うスキルが使えることは確認できた。

 また、フェーズ2で詠唱時間のせいでF.A.T.E.に出遅れることの多かった幻術士については、エアロが即時発射のインスタントスキルになり、また、回復魔法でも貢献できるようにと改善されている。さらに、魔法クラスが使う範囲魔法は、スキルボタンを押すと地面に効果範囲を示すサークルが表示され、それをプレーヤーが自由に動かして自分が魔法を使いたいポジションを選択できるようになった。

 モンスターのアビリティも、周囲全体を巻き込むようなものの場合は効果範囲が表示されるようになった。また発動までの時間が表示されるようになり、戦闘の戦略性が高まっている。モンスターがアビリティを発動し始めると地面に赤いサークルが現われる。そのサークル内にいるとダメージを食らってしまうので、発動待機時間内に範囲外に逃げてやり過ごし、また攻撃に適したポジションに移動する必要があり、棒立ち戦闘では強敵には勝てない。

 また、フェーズ3からはF.A.T.E.のレベルシンクが機能するようになる。F.A.T.E.の範囲内に入ると、レベルシンクの確認画面が画面の右側に出てくるので、F.A.T.E.に参加する場合はボタンを押してレベルシンクする。F.A.T.E.が終了するか、範囲から出ると、レベルシンクは自動的に解除される。

 バディとのバトルも見ることができた。フェーズ3では、自分が攻撃している敵を攻撃するという単純なアルゴリズムしか選べないが、正式サービス後はアタッカー、ディフェンダー、ヒーラーという3つのスタンスを切り替えつつ、それぞれのスキルを覚えさせて自分が育てたい方向性をある程度選べるようになる。将来的には複数のバディを持てるようになるかもしれない。

 巴術士のようなペットクラスでは、ペットとバディの2匹を連れ歩くことができる。ミニオンやマウントとは同居できないので、どれかを呼び出すとそれまでいたものと入れ替わりになる。

 今回は新ダンジョンなどの新規コンテンツを見ることはできなかったので、そこは6月14日から始まるフェーズ3で実際に目にして欲しい。すでに実装済みのダンジョンも、フィードバックを反映してダンジョンの長さや敵の配置などが調整されているそうだ。

 パソコンでプレイする環境がなく、PS3版のスタートを今か今かと待っていた人たちには、残り数日が果てしなく長く感じられるかもしれないが、これまでの道のりを考えるともうゴールまでの距離はわずかだ。

 ひとまず6月14日に生まれて初めてMMORPGの世界に入ってくるプレーヤーたちとともに、自分も初心に帰った新鮮な気持ちでゲームを楽しみたい。

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(石井聡)