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アートディレクター吉田明彦氏が語る“斜め45度から見た世界”へのこだわり

Cygamesグループ採用セミナー「リトル ノア・アートワークの秘密」

2月11日開催



会場:ベルサール渋谷ガーデン

 Cygamesは2月11日、グループ採用セミナー「リトル ノア・アートワークの秘密」を東京渋谷にて開催した。セミナーにはゲストとして、アートディレクターとして数々のゲームのアートを手がけてきた吉田明彦氏、皆葉英夫氏の両氏を迎え、CygamesグループのBlazeGamesの第1作目となる大型タイトル「リトル ノア」のアートワークに関する秘密が語られた。

 吉田氏といえば、「伝説のオウガバトル」を皮切りに、「タクティクスオウガ」、「ファイナルファンタジータクティクス」と、“斜め45度”のクォータービュー視点のゲームのアートを数多く手がけてきた。現在は「ファイナルファンタジーXII」、「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」、「ブレイブリーデフォルト」などなど、活躍の場を広範囲に広げているが、吉田氏から語られたのは“斜め45度の世界”へのこだわりだった。

【「リトル ノア」プロモーションムービー】

Cygamesが満を持して放つ大型タイトル「リトル ノア」。そのアートの秘密が早くも公開!

BlazeGamesの「リトル ノア」
今回の登壇者

 セミナーを主催したCygamesは、CyDesignation、BlazeGames、GameJeans、WithEntertainmentという4社の開発子会社を抱え、5社でCygamesグループを構成している。CyDesignationは吉田氏、皆葉氏が所属している会社で、アート制作会社として今回の「リトル ノア」のアートを担当。BlazeGamesは、ポリゴンマジックやジープラで長年ゲーム制作に携わっていた岡田佑次氏が興したゲームメーカーで、「リトル ノア」のパブリッシャーでもある。そのほか、元Cygamesの取締役飯野晃広氏が興した新会社GameJeansなどが存在する。

 今回セミナーのテーマとなった「リトル ノア」は、このCygamesがグループを挙げて開発している大型タイトルで、本日2月12日より、Android版の配信がスタートする。iOS版についても2月中の配信が予定されている。ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金制。

 ゲームジャンルは、モバイルゲームの分野ではまだまだ珍しいリアルタイムストラテジーゲーム(RTS)。海外のみならず日本でもヒットした「Clash of Clan」(Supercell)がその代表格だが、国産でのヒット作はまだない。そこで「リトル ノア」では、RTSをベースに、アートに吉田明彦氏、音楽に崎元仁氏を起用し、“アートと音楽”という日本が得意とする分野に注力し、日本のみならず世界で通用するRTSを目指していく。

 ユニークなのはゲームの舞台だ。育成していく街そのものが大きな方舟になっており、その上を吉田氏がデザインした施設が配置され、吉田氏がデザインしたキャラクターがちょこまかと動き回る。ちなみにセミナー開幕前は、崎元仁氏のサウンドがずっと流れていたが、崎元氏が手がけた「ファイナルファンタジーXII」を彷彿とさせる雄大な雰囲気だった。

 今回司会進行役を務めたのは、Cygamesで3DCG部門を束ねる谷本裕馬氏。谷本氏が挨拶代わりに、セミナー参加者に「リトル ノア」のβテストに参加した人を挙手させると、意外にも挙手はまばらだった。通常のゲームイベントやファンイベントでは、多くの手が挙がるものだが、今回はゲーマーではなく、アーティスト志望のクリエイターの参加が多いということだろう。

 セミナーは5分遅れでスタートし、司会進行役の谷本氏、ゲストの吉田氏、皆葉氏、そしてプロデューサーの岡田氏の4人によるパネルディスカッションの形で進められた。

 セミナータイトルは「リトル ノア制作秘話」。未発売タイトルにもかかわらず、制作秘話が語られるのは珍しいケースだが、吉田氏は、「GDCの講演だと思うと肩すかしを食らうと思う。ゆるい感じで聞いて貰えればと思う」と挨拶した。皆葉氏は、「リトル ノア」の制作には直接携わっていないものの、吉田氏とは席が隣の仲間であり、「3人に食らいついて皆さんの代わりに突っ込んで行きたい」と意欲を語った。

【登壇者】
CyDesignation取締役吉田明彦氏
CyDesignation代表取締役社長皆葉英夫氏
BlazeGames代表取締役社長岡田佑次氏
Cygames 3DCGチームマネージャー谷本裕馬氏

(中村聖司)