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【GDC 2013】「KILLER IS DEAD」須田剛一氏直撃インタビュー

ハイスピードな「愛と処刑(コロシ)」アクションが爽快! 実機デモも初披露

3月25日〜29日開催(現地時間)

会場:San Francisco Moscone Center

 2013年夏に発売予定となっているプレイステーション 3/Xbox 360用アクション「KILLER IS DEAD(キラー イズ デッド)」。須田剛一氏率いるグラスホッパー・マニファクチュアが最新作として世に送り出す本作は、前作「LOLLIPOP CHAINSAW」とはうって変わってダークな雰囲気をまとっている。

 「Killer7」、「NO MORE HEROES」の系譜となる殺し屋シリーズとなっており、主人公は処刑人のモンド・ザッパ。「愛と処刑(コロシ)のファンタジー」と銘打たれており、影と光のコントラストが印象的なビジュアルが目を引くと共に、一筋縄ではいかないようなストーリーも注目の作品だ。

 今回は、GDC 2013期間中の3月27日に会場近くのホテルで須田氏にインタビューを敢行することができた。世界初公開となる実機デモも見ることができたので、こちらの模様も併せてお伝えする。

【「KILLER IS DEAD」第1弾PV】

実機デモでお披露目されたハイスピード爽快スラッシュアクション

ボスの1人、ヴィクター
ヴィクターはある音楽会社の最上階にいる

 「KILLER IS DEAD」の特徴は、なんといってもそのコントラストのはっきりとしたビジュアルにある。影の部分は徹底的に暗く、光の部分は眩しいほど明るいため、キャラクターたちからはモンドの持つぬらぬらとした刀そのもののような、金属的な印象を受ける。

 今回実機デモで見ることができたのは、ボスの1人「ヴィクター」との対戦。ヴィクターは音を盗むという特殊能力を持っており、ある音楽会社の最上階に待ち構えている。

 対戦前のムービーでは、モンドがその場にたどり着くとヴィクターが何かを喋っているのだが、全く聞こえない、という様子が描写される。モンドが近くにあるヘッドホンを付けることでようやく声が聞こえてくるが、ヴィクターはお構いなしに好きなことを喋り続けるので、結局何を言っているかわからないという、クセのありすぎるキャラクターだ。

 対戦が始まると、敵の攻撃を素早くくぐり抜けて攻撃するような、スピード感のある戦いが展開される。モンドの攻撃は右手に持った日本刀が主体となり、異様な形をした左手は銃の役割を果たす。銃などで敵の動きを牽制しながら、刀で斬りまくるというのが基本の攻撃戦術となっていた。

 スピード感が出ている要因には、モンドの回避行動がある。回避は一瞬姿がふわっと消えるような瞬間移動的な面を持っており、攻撃をかわしつつ左右に回り込めば、爽快に敵を斬りつけることができる。

 ヴィクターは、敵として対峙すると変身して巨体になり、通常の2倍ほどに長さを増した左右の手を地面に叩きつけて攻撃してくる。ヴィクターに攻撃をある程度加えると、QTEが発生して強力な斬撃をお見舞いできる。斬撃はヴィクターの右手をぶった斬り、同じような行動を段階的にこなして敵を追い詰めていくというのがボス戦のセオリーになるようだ。

 アクション性で言えば、「LOLLIPOP CHAINSAW」と比べても技の出し合い、駆け引きといった面が強化されており、アクションゲームファンは特に手応えのありそうなタイトルだと感じた。

【スクリーンショット】
敵として対峙すると途端に巨大化するヴィクター。必殺の斬撃を決めれば右手が吹っ飛ぶ。爽快!

闇の中で光る新たなダークヒーロー像。モデルは……必殺仕事人!

グラスホッパー・マニファクチュア代表取締役の須田剛一氏
明と暗のコントラストを明確すぎるほどはっきりとさせた絵作りは、他に類を見ない印象を残している。実機デモを見た限りでは、一見極端に見える色使いも特に違和感を感じなかった
インタビュー部屋にいたヴィヴィアン・スコール

――本作の見所を教えてください。

須田剛一氏: 見所は刀を使ったスラッシュアクションです。刀というのは久々で、左手の銃を使いつつ敵を斬っていくという攻略性のあるアクションゲームになっています。

 それと新しい絵作りにも挑戦しています。僕らはハイコントラストシェーダーと呼んでいるのですが、フォトリアルでもなく、トゥーンでもない、全く新しいものになっていると思います。

――主人公のモンドはどのような人物でしょうか?

須田氏: 公務として「処刑」を行なっている処刑人です。ここ最近は陽気なキャラクターが続いていますが、それとはまた違う、新しいダークヒーローを作ろうと考えました。

――モデルとなっている人物はいますか?

須田氏: これは、必殺仕事人の中村主水(なかむらもんど)から来ています。昼行灯と言われて、昼間はぼーっとしているのだけど、夜になると急にギラリとしだすような殺し屋の一面を持っている。モンドは処刑人として、斬って斬って斬りまくるゲームになっています。

 それと、裏側の世界ということで「007」もイメージしています。本作にはボンドガールならぬモンドガールというのがいて(笑)、彼女たちを口説く「ジゴロモード」というのも入っています。これは本編とは違うサイドミッションになるのですが……まだ詳しくは言えません。

――ではメインのアクションをお聞きします(笑)。刀と銃の武器の切り替えが印象的でしたが、発想の元は何でしょうか?

須田氏: 最初にキャラクターとして、背広を着たアメリカ人が日本刀を持っているというイメージがありました。しかも左手には人の悪意が塊となった力が宿っています。

 今回は月が1つのテーマになっているのですが、月の裏側から来た悪「ワイヤーズ」は、人の悪意をエネルギーとしています。実は、モンドの左手も彼らと同じパーツでできています。モンドは魔の世界に触れた人間で、だからこそ、処刑人として彼らと戦うことができるというわけです。

 ですから、2つの武器を切り替えて戦うというのは、キャラクター像から生まれています。左手は、最初は色々なものになっていたのですが、今は銃に落ち着きました。

――スピード面はいかがでしょう?

須田氏: 速い動きは僕がもともと好きだったというのがありますが、最初から速いスラッシュアクションというイメージがありました。今でももっと速くしたいと考えています。

 ハイスパートレスリングならぬ、ハイスパートソードアクション。長州力の遺伝子を持ったアクションゲームに仕上げたいなという気持ちはずっとあります(笑)。

――ではハイスパートモードを入れるというのは?

須田氏: いいと思いますね。あるかどうかは言えませんが、用意されているかもしれません。

――ステージの量はいかがでしょう?

須田氏: ゲームは1話完結型のドラマのような構成になっていて、テレビドラマを楽しむくらいの感じです。ミッションを繰り返し遊ぶこともできて、武器の成長要素もあります。1話完結ですが、全体を通した物語もあります。

――ダークな雰囲気と、タイトルに「Killer」が付くことから、どうしても「Killer7」を彷彿とさせるのですが、接点はあるのですか?

須田氏: 明確な接点はありません。ただ、「Killer7」も当時なりの新しい絵作りを目指していたので、その面では「Killer7」の遺伝子が入っているのかもしれません。

――「Killer7」では小説版も書かれていましたが、その小説版のタイトルが「killer is dead」でした。

須田氏: ……よく覚えていますね! 「KILLER IS DEAD」というタイトルはずっと付けたいと考えていたのですが、既に付けていたんですね……。これは完全に無意識です。もしかしたら僕の脳内で繋がっていたのかもしれません。

 「Killer7」は、いかに「階層」というものを突き詰めていけるかという発想だったので、色々な視点から見て、色々な解釈を求めるような作りにしていました。今回の「KILLER IS DEAD」は、それとは違う物語になっています。

――では最後にゲームファンにメッセージをお願いします。

須田氏: 毎回、続編ではなく新しい作品を届けたいという気持ちがあります。ここのところは3年連続でHDのゲーム機を使って、色々な世界観を提供できています。「シャドウ オブ ザ ダムド」、「LOLLIPOP CHAINSAW」とはまた違った新しい世界となっています。

 ハードボイルドではなく、モンドボイルドです。ブライアンの処刑事務所にぜひ訪れてほしいと思います。

――ありがとうございました。

【スクリーンショット】

(安田俊亮)