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PS3/Xbox 360「KILLER IS DEAD(キラー イズ デッド)」
敵との駆け引きを重視した戦闘システム
(2013/6/26 00:00)
敵との駆け引きを重視した戦闘システム
――戦闘システムについてうかがいたいんですが、最初から現状の仕様を想定していたのでしょうか? それとも途中途中で要素を足していったのですか?
新氏:足してますね。ただ、コンセプトの時点で「剣戟」、「一撃必殺で処刑する」、「アドレナリンバースト」などの単語があって、スタートとゴールだけは決まっていた。あとは、そのなかをどういったロジックで組み立てていくかという作業でしたね。
――直近の作品「ロリポップチェーンソー」に比べると敵の同時出現数がしぼられていますが、その一方で回避やガードなど敵との駆け引きが増えています。このあたりも当初から想定されていたものでしょうか?
新氏:「たくさんいる敵をバシバシ倒すのではない」と最初に言い切って「このゲームは、敵3体とモンドがいると丁度いいくらいの難しさを目指そう」ということころからスタートしています。なぜかというと、剣戟メインでいきたいので……たくさんの敵を相手にするのも気持ちいいんですけど、それよりもボクシングのような攻防というか「こういうふうに組み立てていくと敵を倒しやすい」というところで固めたいところがある。ですから、ザコひとつとっても普通のアクションゲームより硬いと思うんですよ。
――それはザコの組み合わせや配置パターンからも実感できました。とある敵の組み合わせで、片方を無視して脳筋ばりに暴れると一方的に攻撃をくらうとか。こういうアクションゲームの作り方って、熱心なゲーマーには嬉しい反面「隅々までちゃんと伝わるだろうか」という不安があります。最近の傾向としては、こういう作りに対してワーッと突っ込んで「全然上手くいかない!」という人も少なくないでしょうから。でも「ちゃんと考えて戦おうよ」っていうのが昔ながらのアクションゲームの王道だったわけで、その点が「ロリポップチェーンソー」からさらに一歩進んでいるあたりが、僭越ながらとても嬉しく思います。
新氏:最近のアクションゲームって、アクションを“使い捨て”にするものが多いなと思っているんです。たとえば新しい武器やスキルを取ったら、それまでのアクションが何もいらなくなってしまう。そういのがなんとなく多いような気がしてて、僕はそういうのがあまり好きじゃないんですね。「KILLER IS DEAD」はスタートからクリアまで同じことを繰り返すんですけど、それが単調に感じないように作っています。
――「このゲームこんなに技の数が少ないの!?」と驚かれる人もいそうですが、使いかたに“振幅”があるので実際そう感じる人はほとんどいないと思います。そういう意味では伝わりにくいというか、表面的に判断して欲しくないところではあります。
新氏:たとえば「A、A、A、B」って押したとき、「左、左、左、右」って素直に出るゲームが作りたくて。A=左、B=右なのに「A、A、B」って押すととび蹴りが出る、みたいなゲームがあるじゃないですか。ああいうのが嫌なんですよ。
――だから本作はボタンの機能がそれぞれ明確にされているんですね。
新氏:ボタン3つで全部組み立てられるようになっています。その組み合わせで、出てるアクションは一緒なんですけど、まるで見たこともないようなコンボが出るようになっています。
須田氏:ボタン配置に機能を集約するという基礎コンセプトは、凄く大事なところ。そこがブレるとアクションゲームは途端に散漫になるところがある。「ボタンはすべてイコールである」というところは貫いていきたいと思っています。
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――「ロリポップチェーンソー」では主役声優をふたり起用する“ダブルジュリエット”が話題になりましたが、今回「ダブルモンド」は検討されなかったんですか?
須田氏:なかったです。えーっと、プラットフォーム別で……ああ!。
――そんな、去年自らやった手法なのに今気づいたみたいな!
須田氏:僕らもそうですし、角川さんも最初からその選択肢がなかったですねぇ。今いわれてみんな気づきましたね!。
――グラスホッパー・マニファクチュアと角川ゲームスの定番にしてもよさそうなものでしたが……。あと、他愛もない質問で恐縮ですが、モンドってジゴロですよね。にも関わらずヴィヴィアンやミカに手を出さないのはなぜでしょう?
須田氏:これはもう僕が明確にお答えします。同僚に手を出すのは絶対にNG! という。いくつかそのアイデアも出たんですけど、全部潰しました!(一同笑)。仕事をする人間としてタブーなので、角川ゲームスさんが何をいわれても「それだけはダメです!」と。絶対に身内に手を出すのは、もうこれはいけません! 仕事が崩壊しますから。
――悲しいかな、ゲームや出版業界は身近なところに手を出す人が山のようにいるんですけど……。
須田氏:それに対する警鐘でもございます!……というわけじゃないんですけど(一同笑)。モンドという人間像は、信頼できる仲間ですから。
――メガネとスーツを着用した“謹直さ”のイメージにも通じるわけですね。
須田氏:そうです。同僚には見えないところにジゴロという面があって。だけど、どんなに彼女たちが美人でキュートでセクシーでも、彼には関係ないんですね。仕事ですから。そこは公務を果たす男というところをブレないようにしたい。
――意外と忘れがちですけど、そういえばモンドたちは公務員でしたね。
須田氏:そこを描かないからこそモンドの美学が表現されていると思います。
――それでは最後に、発売を心待ちにしているユーザーの皆さんにメッセージをお願いします。
新氏:ストーリーはもちろんのこと、アクションにもこだわって作らせていただきました。幅広い層というとひらたくなってしまうんですけど、アクションゲームに嫌気がさしている人もやりこめるくらい深く作ってありますので、ぜひ手にとって遊んでください!。
須田氏:キャッチフレーズは“21世紀の大人たちに贈る愛と処刑(コロシ)のファンタジー”というんですけど、大人たちというのは当然多くのゲーマーの方々もそうですし、大人に憧れ背伸びをしている……これはCEROレーティング「Z」なので高校3年生(18歳)以上の子に、ぜひ遊んで欲しいです。愛はジゴロミッション。処刑はアクション。ファンタジーは全体をつむぐストーリー。これが三位一体となった、本当に面白いゲームに仕上がったと思います。本当に、新規IPであることを胸を張っていえる。自信をもって「新しいゲームを作った!」と言い切れるゲームですので、ぜひみなさん買って遊んでください! 初回特典「スーパー・モンドアイ」もおすすめです!。
――本日はお忙しいところを本当にありがとうございました。
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