素晴らしきかな魂アイテム
【魂レビュー】「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」 激しいアクションに多彩な武器、イマジネーションを刺激させられるキャラクター
2019年12月17日 00:00
【ライター:勝田哲也】
超合金と洋ゲーを愛するライター。年末に向け様々なアイテムが発売されていて、レビューをしたいものも多くなっていて、うれしい悲鳴を上げている。発売から日が経ってしまったが、「S.I.C. 仮面ライダーフォーゼ ベースステイツ」もいつか書いてみたいところだ(絵:橘 梓乃)
ハイクオリティなアクションフィギュア「METAL BUILD エヴァンゲリオン」にバリエーションである「2号機」がついに発売された。
筆者はエヴァ2号機が好きだ。激しいアクションを見せ、華麗な活躍をするところはもちろん、搭乗者の意思に従わされてしまう従順さや、容赦なく壊されてしまうところも含め、“ロボット(厳密にはエヴァはロボットではないが)”のカッコ良さと哀しさを体現しているような存在だと思う。
「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」は初号機同様非常に人気が高く、入手できなかった人も多かった商品である。筆者は幸運にも入手でき、たっぷり遊ぶことができた。ユーザーの手にいかに良い商品を届けるかは難しい問題であるが、本レビューではこのカッコ良く素晴らしいアイテムの魅力を紹介していきたい。なお、エヴァンゲリオン2号機はTV版が「弐号機」、新劇場版が「2号機」の表記だが、本稿では「2号機」で統一している。
現在の最高峰クラスのアクションフィギュアを取り上げることで、こういった商品を手にすることの楽しさを共感してもらい、今後の商品に期待を高めてもらえればと思う。もちろん「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」の早いタイミングでの再販にも期待したいところだ。
弊誌では現在GAME Watch初のホビー特集を行なっており、「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」をはじめとした様々なアイテムを取り上げている。こちらもぜひチェックして欲しい。
華麗な活躍する2号機が、「METAL BUILD」でよりミリタリー感を増して登場
「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」は、「METAL BUILD エヴァンゲリオン初号機」のバリエーションモデルである。頭部や肩、胸パーツなどを新造、武器も新しいものを多数用意しているが、共有パーツも多い。「METAL BUILD エヴァンゲリオン初号機」のシャープな造形、優れたアクション性はそのまま継承されている。
共有パーツの多い2体だが、2号機ならではの特徴を前面に出した部分や、何よりも塗装で大きく異なる印象を生み出している。初号機同様今回の2号機もTV版や劇場版、そして新劇場版とも全く異なる造形、カラーリングではあるが、ちゃんと「エヴァンゲリオン2号機」であることが伝わる。このアレンジはとても楽しい。
「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」のコンセプトは初号機同様「鋼のエヴァンゲリオン」。コンセプトに関しては本商品の企画担当である洲崎氏のインタビューに詳しい。オリジナルのエヴァンゲリオンをデザインした山下いくと氏が“板バネのような金属を持つ巨人”というイメージの元デザインを行なっている。洲崎氏が「全てのパーツが元のデザインと変わっているのに、ちゃんとエヴァンゲリオンに見えるのはスゴイと思います」というように、大きくデザインが変わっていながらも、元のキャラクター性をきちんと持っており、「これぞエヴァだ」という雰囲気をきちんと持っている。
商品は頭部、胸部、肩部分が新造パーツ。カラーリングはアニメや新劇場版よりグッと落ち着いた色になっていて、カッコイイと思った。TV版の2号機は赤と黄色のカラーがメインで、新劇場版は腹の部分に太い白ラインが追加されたが、「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」は胸元と、身体の尾中心に白が追加され、情報量が増えている。肩は灰色のパーツになり、黒い肩装甲も含め、“兵器感”が増していると感じた。
最大の特徴はやはり頭部だろう。緑の小さな目が4つ並んでいる2号機ならではの頭部は番組で活躍するヒーローロボットしてはかなり思い切ったデザインだ。初号機は一本角の“鬼”の様にも見えるが、目が4つある2号機、目がなく大きな円形アンテナが埋め込まれた零号機などエヴァのデザインは面白い。新劇場版の2号機は頭部に角が追加されたが、今回の商品はTV版2号機の頭部となっている。
劇中の2号機は非常に華麗な活躍をするエヴァンゲリオンとして鮮烈なデビューをする。パイロットであるアスカは、主人公・シンジとは違い、エヴァに乗るための訓練を積み、2号機自体も様々なオプション装備に対応した実戦型の機体である。様々な武器を使いこなし、エヴァンゲリオンの驚異的な能力をきちんと使いこなし活躍するアスカと2号機は「新世紀エヴァンゲリオン」に華やかな雰囲気を加えた。しかし、物語が進むにつれ2号機はどちらかというと“引き立て役”の役割が目立ってくる。敵である使徒に負け、アスカも追い詰められていく。2号機は他のパイロットに使われてしまう場面もある。
繰り返しになるが、こういったある意味損な役回りも含め、筆者は2号機が大好きである。前半や劇場版のド派手な活躍だけでなく、無残に破壊されていくところや、異なるパイロットに操縦されてしまうところも含めて。パイロットの意思に従い、壊れようとも戦い続けるその“従順さ”が実にロボットを体現しているようで、好きなのである。アスカというキャラクターの延長線ではなく、劇中の2号機の描かれ方が好きだ。2020年6月公開予定の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」で2号機は、身体のほとんどのパーツを交換した重武装の姿が公開されている。どのような活躍をするか楽しみだ。
「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」はシャープな造形、幅広い可動域でかなり満足度の高いアイテムだ。武器としては2刀流の大型のプログレッシブナイフ、サンダースピアと新劇場版の装備が目立つ。エヴァの代表的な武器としてのパレットライフル、TV版で印象深いカッターナイフ状のプログレッシブナイフも用意されている。
武器として大きな特徴の「ニードルランチャー」は肩部に取り付ける武器のプラットフォームに接続する形になっている。肩の装甲を武器プラットフォームにするという解釈は「METAL BUILD エヴァンゲリオン」ならではの要素だ。ニードルランチャーをつけるととかなり重装備な雰囲気になるのが面白い。
そして“頭部の開閉”だ。2号機は頭部の装甲を展開させ、装甲の中の4つの目を露出させることができる。2号機のキャラクター性として非常にカッコイイ要素であるが、ヒーロー性の強い描写であるためか、劇中ではあまり有効に使われなかった印象がある。設定上はフルパワー時に目を露出させる。自分なりに活躍を考えるのは楽しい。
武装で広がる楽しさ。色々な武器を持たせてみた!
「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」は、初号機同様追加装備が用意されている。太ももに武器を装備できるパイロンをつけることで様々な装備を取り付けられる。肩のプラットフォームと加えて、様々な武器を取り付けることができる。
さらに顔にヘッドセットを装着可能だ。初号機も目を覆う装備だったが、2号機の場合頭を挟みこむ形で4つの目にかぶせる形になる。面白いのが、目の部分が赤いので、見ようによっては「悪のロボット」や、「敵に洗脳された」ように見える所だ。初号機以上に表情が変わり、気に入っている。
フル装備の2号機は雰囲気が変わって面白い。TV版や新劇場版とも異なる“兵器としてのエヴァンゲリオン”という特色が一層強まったと感じだ。「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」はもちろん「METAL BUILD エヴァンゲリオン初号機」の装備がそのまま使える。追加装備の所では、初号機は足部分に追加装甲があったが、2号機にはない。こちらを取り付け装甲を充実させるのも楽しいだろう。
今回のレビューに関してはあえて初号機の装備を使わず、筆者のコレクションを引っかき回して色々な武器を持たせてみた。今回はガンプラなどに加え、コトブキヤの「M.S.G モデリングサポートグッズ」も混ぜて楽しんでみた。
色々な武器を装備させてみるのはアクションフィギュアの面白さだと思う。個人的にエヴァンゲリオンはビーム系の装備はちょっと合わないかなと思っているが、バズーカなどの実体弾系はアリじゃないかと思う。
バルカンを撃ってから接近戦に移行するためサンダースピアを装備。バズーカを使うために右肩の装甲を外す代わりに右肩にナイフを集中させる。大型の近接武器を使うために肩の装甲を外すなど、戦いの流れや、運用方法を想像して武装を調整するのが楽しい。武器のプラットフォームが追加された「METAL BUILD エヴァンゲリオン」は、装備をとっかえひっかえする面白さが大きな魅力だ。
「METAL BUILD エヴァンゲリオン2号機」は筆者にとってとても欲しかったアイテムであり、今回たっぷり遊べて楽しかった。正直もっと早くにレビューを書きたかったが、今回ようやく掲載ができたところでも満足感がある。
「METAL BUILD エヴァンゲリオン」シリーズはその人気のために入手が難しい。再販された初号機ですらプレミアム価格になっている。2号機も再販が待たれるところだ。BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部は、先日の「TAMASHII NATION 2019」で発表された“夜間戦闘仕様”といったバリエーション展開も考えられている。武器の販売なども期待できる。今後の商品展開に注目したいところだ。
(C)カラー