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箱根史上最大の“エヴァ化計画”発動! 「エヴァンゲリオン×箱根 2020」

ロープウェイ駅がネルフ本部に! セカンドインパクト温泉も登場!

1月10日より6月30日まで開催



 小田急箱根ホールディングスは、藤田観光協会と共に、アニメ「エヴァンゲリオン」と箱根町のコラボレーションイベント「エヴァンゲリオン×箱根 2020 MEET EVANGELION IN HAKONE(以下、「エヴァンゲリオン×箱根 2020」)」を1月10日より開催する。このコラボイベントは6月30日まで半年間開催され、様々な場所が“エヴァ化”する。前日である1月9日には65人ものメディア関係者が参加したプレスツアーが行なわれた。

 「エヴァンゲリオン×箱根 2020」は箱根各所でスタンプラリーが行なわれ、作品の舞台である「第3新東京市」と現実の箱根を重ねあわせ楽しむことができるだけでなく、箱根ロープウェイ桃源台駅にネルフ本部をイメージしたラッピングがなされ、エヴァ各機など作品の世界観を活かしたバスが運行される。さらに温泉を利用したテーマパーク「箱根小涌園ユネッサン」もエヴァンゲリオンに関連したアトラクションを追加するなど非常に力が入っている。今回はプレスツアーで取材できたコラボの一部を紹介していこう。

箱根ロープウェイ桃源台駅の中央のホールは、ネルフ本部をイメージしたラッピングが

箱根を巡ってエヴァの物語を重ねる、史上最大のコラボ開催

 アニメ「エヴァンゲリオン」の物語の舞台として大きなウェイトを占めるのが、「第3新東京市」である。「エヴァ」の世界では、2000年に起きたセカンドインパクトと、世界的大災害をきっかけに起きた紛争野中で、どの国から発射されたかわからない新型爆弾により首都東京は壊滅。2001年に暫定的な首都として長野県松本市を第2新東京市とした。

 第3新東京市は箱根町仙石原付近に開発された新しい都市で、2015年の完成時には首都を遷都する予定となっていた。しかしそれは偽装であり、実際の第3新東京市は特務機関ネルフによる使徒迎撃専用要塞都市として作られた。そして使徒と汎用人型決戦兵器・エヴァンゲリオンとの戦いの舞台となる。

 劇中では、第3新東京市は戦いの場としてだけでなく、主人公・シンジ達の生活の場としても描写される。都市は度重なる使徒の襲来とエヴァとの激戦によって無残に姿を変えていくが、特にTV版においては温泉や、山の描写、田園地帯など印象的な描かれ方が多かった。劇中の場所と重なり合う場所を求め、箱根を訪れるファンも多く、海外のファンもいる。箱根は「エヴァンゲリオン」の大ヒットから、これまでもコラボ企画を行なっていたが、今回は“史上最大の規模”だという。

コラボレションスタートを祝うセレモニーが開催された

 コラボイベントの中心地と言えるのが、「箱根ロープウェイ桃源台駅」だ。ここはネルフ本部をイメージしたラッピングが行なわれていて、見所が多い。各キャラクターが描かれた装飾、エレベーターなど至る所にネルフのマークが描かれている。

 ホールはネルフ本部のイメージの重厚な雰囲気のラッピング、天井にまでEMRGENCYのマークが描かれている。お土産売り場もエヴァのコラボ商品が並んでいる。桃源台駅はロープウェイに加え、芦ノ湖を周遊する「海賊船」に飾り立てられた観光船もあり、観光スポットとして楽しい。宝探しのように“エヴァ”を探すのが楽しいだろう。

2mの初号機立像
箱根ロープウェイ桃源台駅はあらゆるところが“エヴァ化”している。トイレのマークにもネルフのシンボルが確認できる
桃源台駅はロープウェイだけでなく、遊覧船も発着する。とても楽しい観光スポットだ

 そしてラッピングバスである。計7台の「箱根登山バス」がラッピングされ運行する。今回は特別に7台並んでいるところを撮影できた。各キャラクターを描いたバスに、エヴァンゲリオン各機をイメージしたバス、零号機、初号機、2号機は定番として、マリの乗る8号機、さらにはエヴァンゲリオンMark.6をイメージしたラッピングまである。

 さらにネルフ本部をイメージした白いバスもあって、箱根のどこでこのバスに出会えるか楽しみが広がる。「このバスに乗りたい!」という人向けに、「箱根登山バスロケーションシステム」を参照するのも良いだろう。

 ちなみにこの特別バスはトミーテックにより商品化が決定している。1/150の手のひらサイズで、各ラッピングを精密に再現。車体の形状や屋根の空調機器の形状まで細かく再現しているこだわりの商品だ。近日受注開始とのことなので、トミーテックのページなどをチェックしておきたいところだ。

7台のラッピングバス。エヴァ各機をイメージしたものも
トミーテックで商品化が決定している

 もう1つ、スタンプラリーの“台紙”にも注目しておきたいところ。台紙は「箱根補完マップ」と名付けられており、エヴァのストーリーで印象的なシーンが現実の箱根のどこで起きたのかなどが記載されている。“聖地”という言葉もあるが、このマップを足がかりに様々な場所を巡ってみるのも楽しいだろう。箱根の地形は非常に起伏があり、スタンプラリーを関すいうるのも大変だが、ホテルをとり、気合いを入れて各地を巡るのも良いかもしれない。

 箱根は2019年、台風19号により甚大な被害を受けた。箱根登山鉄道もまだ復旧しておらず、登山バスによる代行運転で各地にアクセスしている状況だ。今回のコラボイベントは箱根町にとって復興の力にしたい、という意味も込められているという。

物語と現実の箱根が重なる「箱根補完マップ」

 箱根各地を巡る中で注目ポイントの1つが「箱根強羅公園」である。“強羅絶対防衛線”など劇中でも地名が出てくる強羅だが、この公園のほぼ中央に当たる噴水の近くに「ロンギヌスの槍」が刺さっている。こちらは3月までの展示だという。

 ロンギヌスの槍の長さは3.7メートル。劇中よりはかなり小ぶりだが、地面に突き刺さっている姿は迫力満点。こちらは東京ソラマチでの展示のために製作されたものとのこと。3月以降は再びソラマチで展示予定だ。

「箱根強羅公園」の中央の噴水近くには、ロンギヌスの槍が展示されている

赤い海に肩までつかる「セカンドインパクトの湯」とロデオマウンテン!

 そしてエヴァファンにぜひとも訪れて欲しいのが、「箱根小涌園ユネッサン」である。温泉を利用したテーマパークで、利用者は水着姿で温水プールなど、暖かく楽しいアトラクションを楽しめる。そして今回のコラボで、アトラクションのいくつかが“エヴァ仕様”になっているのだ。

 お湯を滑り台に流しスリル満点の体験ができる「ロデオマウンテン」は、真っ赤な「セカンドインパクトの湯」が流れる。このお湯は赤い入浴剤を使用したものだ。赤い水が流れる滑り台は独特の雰囲気がある。

 さらにロデオマウンテンの基部となっているところは「洞窟風呂」となっている。ここは赤いライトでお湯を照らし、「セカンドインパクトの湯」に肩までつかることができる。奥の壁には魚が泳ぐ水槽がある。こちらは元々ついていたものだが、今回のコラボレーションの赤いお湯と組み合わさることで、新劇場版の海水の浄化施設のように見るのが面白い。

赤いお湯が流れるウォタースライダー「ロデオマウンテン」
こちらは光で赤さを演出する洞窟風呂

 このほか来場者を迎えるエヴァンゲリオンのラッピング。巨大な階段には初号機が描かれ、エスカレーターを昇るとキャラクター達が出迎えてくれる。料金カウンターや入り口もエヴァ仕様だ。

 また、「箱根小涌園ユネッサン」のレストランでは、エヴァンゲリオンのコラボレーションメニューが楽しめる。綾波レイが注文した「ニンニクラーメンチャーシュー抜き」、真っ赤なミネストローネが添えられた「セカンドインパクトプレート」、「使徒サキエル」の頭部をかたどったかまぼこ「使徒かま」、「使徒クッキー」、真っ赤な「セカンドインパクトゼリー」等々、ユニークなメニューばかりだ。

施設の様々な場所にラッピングが施されている。これだけ大規模なコラボはユネッサンではじめてだという
多彩なコラボメニュー

 今回のコラボレーションは観光地としての箱根の魅力を前面に押し出しつつ、エヴァファンが楽しめるアトラクションが非常に多いと実感させられた。取材中にもエヴァを見ると反応する外国人観光客も多く、「エヴァンゲリオン」の人気の高さを強く感じた。

 現在箱根はオフシーズンであり、狙い目と言えるかもしれない。筆者自身芦ノ湖まで足を伸ばす箱根観光は久々で、強い魅力を感じた。コラボをきっかけに、訪れてみることをオススメしたい。