レビュー
「ピクミン4」レビュー
10年ぶりに帰ってきた新作! 救助犬「オッチン」も新ピクミンもかわいい
2023年7月19日 00:00
- 【ピクミン4】
- 開発・発売元:任天堂
- ジャンル:ダンドリアクション
- プラットフォーム:Nintendo Switch
- 発売日:7月21日
- 価格:
- パッケージ版 / 6,578円
- ダウンロード版 / 6,500円
前作「ピクミン3」が2013年にWii Uで発売されてから10年。ようやく待ち望んだ続編「ピクミン4」が、Nintendo Switch用タイトルとして7月21日に発売される。今回その「ピクミン4」から、最初のエリアとなる「ひだまりの庭」と次の「花ふぶきの楽園」についてご紹介していく。
「ピクミン4」の感触を確かめる「ひだまりの庭」
「ピクミン4」は、とある惑星「PNF404」に墜落して遭難した「オリマー」が、壊れた宇宙船を修理して発進するところから始まる。そして飛び立った惑星で不思議なエリアを見つけて着陸すると、一緒にいたピクミンが散らばってしまい、それらを集めて原生生物と戦うことになる。
この冒頭のシーンでは、ピクミンを集めて操作することと、原生生物にダメージを与えたり、壁を壊したり色々な使い方ができる、救助犬の基本スキルである「トッシン」の使い方を学ぶ。そして原生生物「ハリアラシ」をピクミンと共に撃退。ハリアラシが飲み込んでいた通信パーツ「宇宙ムセン」を見つけ、航海日誌と合わせて救難信号を送信してシーンが終了する。
そして次に登場するのが、オリマーを助けるために「カギヤ星」から出発したレスキュー隊だ。しかしそのレスキュー隊も遭難してしまい、隊員6人の遭難者を助けるために本作の主人公となるプレーヤーが「ビーグル号」でPNF404に救助へ向かう、というのがストーリーだ。主人公のキャラクターメイキングが終了したら捜索へ出発する。
主人公が惑星PNF404に降り立ったあと、まず発見するのが救助犬「オッチン」だ。本作の重要なパートナーとなるキャラクターである。そしてレスキュー隊のオペレーター「コリー」を発見。謎の洞窟を見つけてそこに潜ると、隊長の「シェパード」も発見される。シェパードを助け、隊長が落ちたという穴から地上に戻ると宇宙船「シェパード号」にたどり着く。そしてそこをベースキャンプとして活動していく。再起動したシェパード号は、初めてのエリア「ひだまりの庭」を発見。遭難した隊員の探索が始まる。
「ひだまりの庭」は、「ピクミン4」がどのようなゲームシステムなのか確かめるのにちょうどよい。シリーズを遊んだことがある人なら、これまでのシリーズとどのように違うのかわかるし、また初めてプレイする人には「ピクミン」というゲームがどのようなゲームなのか知ることができるだろう。「ピクミン4」には体験版が用意されているが、プレイできるのはこの「ひだまりの庭」だ。
「ピクミン4」の楽しさはどこにあるのか
今回の「ピクミン4」をプレイする人に、このゲームのどこが楽しいかを伝えようとしたときに考えるのは、筆者的には以下の点にあると思っている。
・ピクミンを増やす
・オッチンを育てる
・エリアを攻略する
・洞窟を攻略する
・原生生物と戦う
・「オタカラ」を集める
・「ダンドリバトル」を戦う
ここに焦点を当てて述べていこう。
ピクミンを増やす
ピクミンを増やしたり原生生物と戦うのはこれまでのシリーズと同じだ。「花ふぶきの楽園」までに登場するピクミンは、火に強く戦いにも強い「赤ピクミン」、遠くに飛べて電気にも強く穴掘りがうまい「黄ピクミン」、水の中でも活動できる「青ピクミン」のほか、体が氷でできていて、ある程度の人数がそろえば水場を凍らせられる「氷ピクミン」と、固くて強い「岩ピクミン」に加えて、新たなステージとなる“夜の戦い”で活躍する「ヒカリピクミン」がある。この中で「ピクミン4」で新登場しているのは氷ピクミンとヒカリピクミンだ。ここまでのところ、オニヨンで増えるのは赤黄青のピクミンだけだ。
「ひだまりの庭」では、最初に登場する赤ピクミンと、洞窟で出会うことになる黄ピクミンと氷ピクミンが主力だが、このピクミンの増やし方が単純なようで難しい。なぜならバランスを考えながら増やさないと、必要なときに足りなかったりするからだ。
エリア内に生えているペレットや倒した原生生物を、ピクミンの乗り物である「オニヨン」に食わせることでピクミンは増えていく。赤と黄はオニヨンで増やせるものの、氷は洞窟で捕まえてこないと仲間にならないので、なるべく減らさないようにしなければいけない。最初の「ひだまりの庭」では最大40匹のピクミンしか連れていけない上に、氷ピクミンが必要になるシーンもそれほど多くないので、そんなに神経質になる必要はない。
ピクミンが減ってしまういちばんの要因は原生生物。これらに食われたり、つぶされることで減ってしまう。原生生物と戦う際には、なるべく食べられないようにして戦う方がいい。なおあまりにも食べられてしまってやり直したくなった場合には「時間を巻き戻す」というメニューもあるので、これを活用してもよいだろう。
ところでヒカリピクミンだが、これは「ピクミン4」で加わった新しい要素なので、気になっている人も多いだろう。ある条件をクリアすると夜の探索に出られるようになるのだが、そこではヒカリピクミンの住処である「ヒカリヅカ」を活性化した原生生物から朝まで守って「ヒカリのミツ」をもらうことが目的となる。光のエキスは頭が葉っぱに変わった「葉っぱ人」を助けるために必要なのだ。
夜の探索に行けるエリアは、昼間で登場したエリアのみだ。しかも光のエキスは1度もらうと2度ともらえない。探索できるエリアはどんどんとレベルが上がっていくので、ダンドリを考えながら原生生物を倒していく必要がある。
ヒカリピクミンはエリアにある金平糖のような「ヒカリペレット」をヒカリヅカに持っていくことで増えていく。その際にはいちいちヒカリヅカに戻らなくても自動的に隊列に加わるので、敵を倒すことに集中した方がよい。
オッチンを育てる
オッチンは1日の始まりに隊長から「レスキュー訓練」を受けることで成長していく。その原動力となるのが、人を救助したときにもらえる「やる気」ポイントだ。このポイントを消費して、さまざまなメニューを覚えていく。例えば「カイリキ」という能力は、オッチンが何人分かのピクミンと同じように力仕事ができるようになるものだが、その上のレベルの「超カイリキ」をLv.3までマスターすると、100人分のピクミンと同じような物が運べるようになる。
エリアを攻略する&原生生物と戦う
遭難者を捜索するために用意されている「エリア」。ここには各所にオタカラが配置されているほか、さまざまな原生動物が住んでいる。もちろんそれだけでなく、遭難者がいる洞窟やダンドリバトルのフィールドも用意されている。
先ほども述べたように「ひだまりの庭」は、「ピクミン4」のテイストを少し味わうためのエリアだが、「花ふぶきの楽園」は、「ピクミン4」の世界がいよいよ始まるな、という手応えを感じるエリアだ。「ひだまりの庭」にいるのは「チャッピー」や「コチャッピー」、「ブタドックリ」などのそれほど強くない原生生物ばかりだが、「花ふぶきの楽園」ではチャッピーより強い「クマチャッピー」や「テンテンチャッピー」が洞窟に登場。今作より初登場となる「ミツモチ」のほか、「クイーンチャッピー」、「ダイオウデメマダラ」も現われ、ピクミンを苦しめることになる。フィールドにも強い原生生物である「ヘビガラス」、「びっくり菊」などが存在し、気を抜くとピクミンが食べられてしまう。なお、こうした生物はピクミンシリーズではおなじみなので、これまでプレイしてきた人であれば懐かしい感じもするし、そのレベル感も理解していただけると思う。
また「ピクミン4」から「拠点を移す」ことができるようになった。後述するオタカラを運ぶのには時間がかかるものだが、これによりエリア内の任意の場所3か所にビーグル号を移動して拠点を変更できるので、効率よく短時間でオタカラを集められるようになる。
オタカラを集める
遭難者を捜索するのと合わせて必要になるのが「キラキラエネルギー」を集めることだ。これを集めるとシェパード号のエネルギーが増え、捜索するエリアも増えていく。
キラキラエネルギーはエリアで見つかる「オタカラ」に含まれている。このオタカラは今の地球上に存在するさまざまな物体だ。メロンやいちご、ジャガイモといったものから自転車のベル、アヒルのおもちゃのほか、ゲームボーイアドバンスSPなどもオタカラに含まれる。これらを見つけてピクミンにビーグル号まで運ばせるわけだ。大きさによって必要なピクミンが決まるのだが、3匹くらいで運べる簡単な物だけでなく、中には50匹も必要な手ごわいオタカラも存在する。平均的には10匹程度といったところか。これをあちこちで見つけて手分けをし、ダンドリよく運ばせるのがポイントだ。
また、オタカラを探すときに役立つのがオッチンだ。オッチンに「オネガイ」をしてオタカラの匂いをたどらせると発見しやすい。洞窟の中から発生するオタカラの匂いも探し当てる。中には地面の下に埋まっているオタカラもあったりするので、こうした場合はオッチンに探してもらう方が効率がよい。
このほか、捜索隊の「ラッセル」を見つけたあとは、フィールドや洞窟で見つかる「シザイ」を使って「カイハツラボ」で「ソウビ」を開発するとよい。例えばオタカラを集めてビーグル号に収納したあとは何もすることがないので暇をしてしまう。このようなときは「ヒマジン笛」を使うと、暇をしているピクミンを集めることができるのだ。
この他ラッセルは、シザイを「ネンド」にして「ケンチク」する方法も編み出してくれる。これによりピクミンが橋を架けたり、「ネンド坂」なども作り上げられるようになる。
「ダンドリバトル」を戦う
こちらも「ピクミン4」で加わった新要素だ。エリアに現れる葉っぱ人に挑まれるダンドリバトルを戦うというものだ。ダンドリバトルでは、用意されているオタカラや、原生生物を効率よく集めることが要求される。勝利するために必要なのは重さで、葉っぱ人よりもより多く集めるとブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナのメダルをもらえる。
なおダンドリバトルは犬を連れた葉っぱ人が挑んでくる対戦型と、捕らわれて葉っぱ人にされた遭難者が挑んでくるタイムアタック型の2種類がある。タイムアタック型では時間内にどれだけのオタカラを集められるかが評価のポイントだ。
ところでこの犬を連れた葉っぱ人。誰もが見たことがあるような気がしているはず。そんなときには1作目の「ピクミン」のバッドエンドを思い出してほしい。実は筆者はこのバッドエンドを見ていないのだが、当時小学生で「ピクミン」をあまり上手にプレイできなかったムスコとムスメから、30日たってもアイテムを集められないで終わってしまうと、オリマーがオニヨンに吸い込まれ、頭に葉っぱが生えた人になってしまったことを教えられた。うーん。それを考えると、やっぱりこれはバッドエンドのあとのオリマーなのか?
敵をうまく倒せないなら2人でプレイ
どうしても敵を倒せない場合は「ふたりで遊ぶ」で2人プレイが可能だ。メインは主人公キャラクターを操作してピクミンを連れていき、もう一人は照準を合わせて敵に石を当てることができる。こうして助けてもらえば強い敵も倒せそうだ。
体験版、そしてその先へ
「ピクミン4」はあまりにも紹介したい要素が多く、今回述べた「ひだまりの庭」、「花ふぶきの楽園」でのオタカラの集め方、バランスよくピクミンを増やしていくやり方など、たくさんポイントはある。原生生物も豊かでその動きも面白く、倒すだけでも楽しいのだ。
そしてこれを読んだ方はぜひともまずは体験版に触れてほしい。「ひだまりの庭」をプレイするだけでも「ピクミン4」の楽しさは十分に感じられる。その世界にハマったら製品版をぜひ。紹介した2ステージだけでなく、まだまだピクミンの世界は広がっていく。中でも楽しいのが夜の探索だし、赤、黄、青、氷、岩のピクミンを使ったプレイが本格的に始まるのが「花ふぶきの楽園」以降のステージだろう。あとは紫や羽、白のピクミンは登場するのか? そしてオリマーは救助できるのか? その答えは7月21日の発売の製品版で確認してほしい。
ちなみに……
体験版では「ひだまりの庭」を遊ぶことができるようになっている。ここで遊んだデータは製品版にも受け継がれるので、体験版をプレイすると序盤をあらかじめ終わらせておくことができる。
なお体験版には条件があり、「キラキラエネルギー」が1,500になると終了となるのだが、普通にオタカラを集めてしまうとあっという間に1,500となりステージが終了してしまう。だが、エリアには達成度の要素もある。遭難者を助けたりオタカラを集めきると達成度が100%になるのだが、「ひだまりの庭」で集めなければならないのは以下の項目だ。
・遭難者7人をレスキュー(うち葉っぱ人2人をダンドリバトル2つで勝利して救出する)
・オタカラ36種類
・黄と青ピクミンのオニヨンを回収
・ガーリップ2個を回収
ガーリップはオニヨンに似た形のもので、これを集めるとピクミンを外に出せる上限が1個あたり10匹増えるというものだ。いちばん難しいのが青ピクミンのオニヨンを回収すること。水場で隔たれた場所にあるほか、シザイを使ってのぼりネンドをケンチクしなければならないのだ。加えてオニヨンを運ぶのは20匹のピクミンが必要だ。
実はこの水辺は30匹の氷ピクミンで凍らせることができる。またオッチンが超カイリキLv.1を覚えて20匹分の力を持たせるのがポイント。赤ピクミン10匹を使ってこの上を渡らせてのぼりネンドをケンチク。上に登ったあとブタドックリを倒して青オニヨンを掘り出す。その間に氷ピクミンを呼び戻して一番下の階段まで持って行ったら再び凍らせ、オッチンと赤ピクミンで持って行けばミッション終了だ。これで「ひだまりの庭」は100%コンプリートが可能だ。なお筆者はヨメと競った結果、5日でコンプリートすることに成功した(ヨメはまだ6日目の壁を越えられていない)。
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