レビュー
「ロジクールG AURORAコレクション」フルレビュー
2022年10月26日 00:00
間接照明でよりワクワク感のあるゲーミングライフを! 「G713/G715 ゲーミングキーボード」
続いて紹介するのはG713/715ゲーミングキーボードだ。日本を含むアジアで人気の高いテンキーレスキーボードで、ロジクールGにおいてテンキーレスは、PROやG913など、上位モデルのみに存在し、それ自体が上位グレードを意味する。PCデスク回りをコンパクトにまとめたいゲーマーにオススメのチョイスだ。
G713は有線、G715はワイヤレスで、LIGHTSPEEDとBluetoothの2種類の接続形式に対応。キースイッチは、リニアとタクタイルの2種類で、長年PCゲーマー御用達とされてきた“青軸”ことクリッキーがついに選択肢から消えてしまった。ロジクールは、ユーザーの意見を反映する形でクリッキーを後から足したものの、再びラインナップから消したことになるが、これは単純にクリッキーの人気がないからだという。
1番人気は常にリニアで、タクタイル、クリッキーの順で人気が下がるという。キーボードに詳しい方ならご存じの通り、タクタイルとクリッキーは、打鍵感を変えるためのパーツをリニアに組み込んだもので、わざわざ一手間掛けているわけだ。さらにクリッキーの場合は、打鍵感に加えて、カチッと音を鳴らす仕組みも取り入れられており、これが青軸独特の味わいを生み、PCゲーマー独自のカルチャーとして欠かせない存在となった。
そのクリッキーが不人気になったのは、まさにPCゲーマーを取り巻く環境の変化にある。かつてPCゲームは1人でプレイするもので、いくらカチカチ音を鳴らそうが、誰も困らなかった。ところが現在は、ボイスチャットで話しながらプレイしたり、プレイ映像をYouTubeにアップしたり、場合によってはライブ配信しながらプレイする事も少なくなくなった。こうなると、カチカチした打鍵音はノイズでしかなく、次第にゲーマーから避けられる結果となったわけだ。アケコンにも静音モデルが存在するが、それと同じで、自分がどうかだけでなく、回りへの配慮も求められる時代になりつつあるということだろう。
キーキャップにはPBT樹脂を採用。従来とは明らかに質感の異なる触感で、わずかなざらつきがある。耐久性がアピールされており、確かに丈夫そうだ。
キーボードとしては、他のモデルと同じように87キーを採用したテンキーレスキーボードで、メディアコントロールボタンや、音量ホイールなどの配置は、テンキーレスの最上位モデルであるG913 TKLと同一で、G913 TKLはロープロファイル&フローティングキー&アルミニウム合金構造という全部入りという違いはあるものの、G713/G715も上質な仕上がりだ。
付属品は、トッププレートとパームレスト。トッププレートとは聞き慣れない用語だが、キーのスキマにガパッと差し込むプレートで、製品にあらかじめ装着されている。パームレストは、本AURORAコレクションを特徴付けるアイテムで、雲のデザインをしている。雲の形状に合わせて物理的な凹凸があり、打鍵する際のちょっとしたアクセントになっており、キーボードを叩く楽しさを想い出させてくれるアイテムだ。
そして個人的にもっともお気に入りポイントなのが、キーボード底面を彩るLED外周ライトだ。ロジクールGのキーボードは各キーが点灯し、その光らせ方やカラーを調整可能なのはご存じだと思うが、G713/715では、それに加えて、底面の外周に丸々LEDが導入されている。これがなかなかの存在感で、ちょっとした間接照明感もあり、使っていて楽しい。外周ライトは、16個のLEDで校正されており、各キーのように、プリセットしたライティングパターンから選択したり、16エリアそれぞれの光らせ方を個別に設定してもいい。
キーボードを使わないときは一定時間(初期設定では5分)で自動消灯するため、五月蠅くならず、使うときだけ光ってくれて都合が良い。ライティングパターンは、AURORAコレクションの6機種で同期を取ることも可能で、セットで使えばより楽しい仕様となっている。惜しむらくは、同期を取れるライティングパターンが「没入」のプリセットしかなく自由度が薄い。全プリセットで同期が取れるようにして欲しいところだ。
さて、この時点でも十分個性的なキーボードだが、専用のアクセサリを利用することで、世界で唯一レベルの個性を追求できるアイテムに進化するのがこのG713/715の醍醐味だ。
用意されているアクセサリは、トッププレートとキーキャップが3色ずつ。いずれも標準でホワイトが装着済みなので、自ずと選択肢はピンクとグリーンの2色となるが、これらを利用するだけで、一気に雰囲気を変えられる。最初からカラバリが用意されているプロダクトと比較すると、アクセサリーの分だけ追加でコストが発生することになるが、アクセサリーが良いのは、気分によって、TPOに応じて付け替えがきくところだ。
トッププレートはマグネット式で、端に手を掛けるだけでスッと持ち上がり、近づけるだけでカチャッと装着できる。装着時間はわずか数秒だ。また、本体は防水ではないが、トッププレートは丸洗いできる。キーのスキマはホコリが溜まりやすいため、いつでも清潔に保てるのはいい。
そしてキーキャップ。ロジクールは、過去にプロシリーズで、各キーを“キースイッチ”レベルで差し替え可能というマニアックすぎる機能を提供したことがあるが、今回はスイッチの上部に乗っているキーキャップのカラバリだ。87キーとキャップ取り外し用のブラシが付いており、キースイッチはガコンという感じでかなりの手間だったが、キーキャップはブラシを使わずともサクサク交換が可能。いくつかのキーだけなら数分、全キー取り替えたとしても1時間以内に処理できそうだ。ベースカラーがホワイトだと、いくつかピンク/グリーンに変えるだけでもかなり映える。キーボードに新たな楽しさを提供してくれるギミックだ。