レビュー
「ロジクールG AURORAコレクション」フルレビュー
2022年10月26日 00:00
可愛くて高性能な“ミニG502” 「G705 ワイヤレスゲーミングマウス」
まず最初に紹介したいのは、G705 ワイヤレスゲーミングマウス。ワイヤレスゲーミングマウスといえば、ロジクールGがG900を先駆けに、マーケットを大きく開拓した分野であり、様々な派生モデルが生まれている。G705は、ラインとしては、つまみ持ち派御用達のG30xシリーズの新型になる。小ぶりで持ち運びにも便利だ。
ゲーマーとして気になるセンサーは“非公表”。ロジクールは、G900に搭載されたPixArtのPMW3366や、自社開発のHEROシリーズなど、ゲーミングマウスのセンサーに何を採用しているのかは、リリースの1行目に書く勢いでアピールしてきたものだが、このG705は自社センサーであるということ以外は公表しないとしている。
DPIは8,200で、これは最新世代のHEROセンサーであるHERO 25Kの25,600DPIはおろか、ワイヤレスゲーミングマウスの元祖的存在であるG900(2016年4月発売)の12,000DPIすら下回る。もっともマウスの基本性能を測る指標としてDPIはあまり適切ではなく、最近はあまりアピールされなくなっている。代わりにアピールする要素はメーカーやブランドによっても異なるが、ロジクールGであれば、HEROセンサーによる電力効率の良さによるバッテリー駆動時間の長さだし、Razerであれば、環境や使い方に応じて自動的にキャリブレーションしてくれるFocus+などがそうだ。
では、G705の特徴は何かというと、新デザインとLEDライティングによる使い心地の楽しさだ。デザインは、ロジクールGとしては珍しい左右非対象で、非対象ゲーミングマウスのベストセラーとして名高いG502をこぶりに可愛らしくした、“ミニG502”とも言えるデザインだ。左側面のスカートはコンパクトながら、親指を休めるには十分で、かぶせ前提だったやや大ぶりのG502と比較すると、“つまめるG502”という感じで、これはこれですこぶる使い勝手が良い。成人男性より手の小さい女性や子どもでも使いやすいだろう。
筆者は日頃、ロジクールGの現行最上位モデルであるPRO X SUPERLIGHTを使用しているが、重量こそ、羽のように軽いSUPERLIGHT(63g)と比較すると、やや重く感じられる(85g)が、ゲーミングマウスとしてすこぶる軽い部類に入るのは間違いなく、精度や感度についても、PCに同時に繋いで代わる代わる試してみたが、正直差は感じられなかった。この点についてはトッププロだと違った感想があるかもしれないが、DPIやIPSといった数字でマウスの基本性能を測る時代はすでに終わっているように思う。
G705のゲーミングマウスとしての魅力は左右非対象であるところだ。G90xシリーズと、その実質的な上位にあたるPROシリーズはすべて左右対称デザインだっただけに、ハッキリ左右非対象なのは久々で、やはりゲーミングマウスは左右非対象のほうが使いやすい。ちなみに、海外ではすでにG502の後継モデルG502Xも発表済みで、そのうち日本でも正式発表されるはずだが、このG502も繰り返しになるが左右非対象だ。デザインの面でも原点回帰が図られつつあるように感じられる。
最後に触れておきたいのは、RGBライトだ。このG705は、手のひらを置く手前側が、まるで笑顔のように半円型のLEDが内蔵されている。ロジクールGのRGBライトは、シンプルに手元のGが光るものから、中央、側面など、ワンポイントで光るものがほとんどだったが、G705はたっぷり光る。光り方も特徴的で、ゲーミングギア=ピカピカ光る的な意味でのギラギラ感はなく、ソフトで柔らかい感じで、従来のRGBライトとは一線を画している。強いて難点を挙げるとすれば、手前側にあるため、マウスを使っているときはほとんど見えなくなることだが、マウスに触れてサスペンド状態から復帰させると、まるで起動するかのように淡い光を放ち出すのは、ちょっとしたペット感覚で可愛らしい。G705は、尖った性能は何一つないが、優しく親しみやすい、まさにAURORAコレクションのイメージを体現するようなゲーミングマウスだ。
このG705向けのアクセサリーはマウスパッド。G705自体はホワイトのみだが、マウスパッドはホワイト、ピンク、イエローの3色展開で、プロダクトとしてはG640Sのカラバリで、400×460mmのビッグサイズで、このマウスパッドを使うことで一気にAURORA感が増すのでぜひセットで使いたいところだ。