「GALLERIA XA7C-R47」レビュー

GALLERIA XA7C-R47

「ARMORED CORE VI」も4K最高設定でサクサク! レイトレもバッチリ

ジャンル:
  • ゲーミングPC
発売元:
  • サードウェーブ
開発元:
  • サードウェーブ
プラットフォーム:
  • Windows PC
価格:
239,980円(税込)
発売日:
2023年4月13日

 2023年は、長い期間を費やして開発された大作ゲームが次々登場する、近年稀に見るPCゲームの当たり年といえるだろう。6月2日に登場した「ストリートファイター6」(カプコン)は、前作から7年振りとなるし、9月6日に登場した「Starfield」(日本マイクロソフト)も7年以上かけて開発された超大作だ。久し振りのナンバリングタイトルといえば、8月25日に発売された「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」(フロム・ソフトウェア)も話題だ。

 前作「ARMORDE CORE V」が発売されたのは2012年1月26日であり、実に11年振りとなる。これらの最新大作ゲームを快適にプレイするには、やはり高性能なゲーミングPCが欲しくなる。これを機にゲーミングPCを買い替えたいとか、新しく購入したいと考えている人も多いだろう。一口にゲーミングPCといっても性能と価格の幅は広いが、今買うなら最新ゲームを快適にプレイできることはもちろん、今後数年間の間に登場する大作ゲームも問題なくプレイできるパフォーマンスが欲しいところだ。

 サードウェーブから4月に登場したゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア) XA7C-R47」は、Core i7-13700FとGeForce RTX 4070を搭載しており、そうしたゲーマーにピッタリの製品だ。今回、XA7C-R47を試用する機会を得たので、ARMORED COREファン待望の新作「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」をプレイしてみた。

【GALLERIA XA7C-R47】
Core i7-13700FとGeForce RTX 4070を採用したミドルレンジモデル「GALLERIA XA7C-R47」

インテル最新CPU「Core i7-13700F」とNVIDIAの最新世代GPU「GeForce RTX 4070」を搭載

 XA7C-R47は、GALLERIAのゲーミングPCの中ではミドルレンジモデルとなる。まずは、スペックから見ていこう。

【GALLERIA XA7C-R47】
CPU:インテル Core i7-13700F(16コア/24スレッド、2.10GHz~5.20GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4070(12GB)
チップセット:インテル B760
メインメモリ:16GB DDR4-3200MHz DIMM(8GB×2)
ストレージ:1TB Gen3 NVMe SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:239,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/TC30/MC12502.html

 XA7C-R47は、CPUとしてインテルの第13世代Coreシリーズの上位モデル「Core i7-13700F」を搭載している。Core i7-13700Fは、性能重視のPコアを8コア、電力重視のEコアを8コア搭載した16コアCPUで、最大24スレッドを同時実行可能だ。基本動作クロックは2.10GHzで、ターボブーストにより最大5.20GHzまでクロックが向上するため、高い性能を実現している。

 GPUとしては、NVIDIAのGeForce RTX 4070が採用されている。NVIDIAの最新GPU「RTX 40シリーズ」のミドルレンジに位置するGPUであり、ビデオメモリも12GBと大きめなので、ゲームはもちろん、生成AIをローカルで動かしたいという人にも向いている。

【内部パーツなど】
左サイドパネルを外したところ
「GeForce RTX 4070」搭載ビデオカードを採用
ビデオカードの出力はHDMI×1とDisplayPort×3という仕様だ
OSからは24コアCPUのように見えており、最大24スレッドの同時実行が可能

PCIe 3.0対応の高速SSDを搭載。シーケンシャルリードは3,500MB/s超

 メインメモリは16GBと必要十分な容量で、DDR4メモリを採用している。ストレージは、PCIe 3.0対応NVMe 1TB SSDを搭載する。ハイエンドモデルでは、PCIe 4.0対応SSDを採用する製品もあるが、PCIe 3.0対応でも速度的には十分高速だ。

 実際に「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測したところ、SSDのシーケンシャルリード(Q8T1)は3,555.13MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)は3,040.90MB/sとかなり高速であった。

【「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果】
「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

使い勝手とデザイン性に優れたオリジナルタワーケース

 XA7C-R47では、GALLERIAのデスクトップPCではお馴染みのオリジナルタワーケースが採用されている。サイズは一般的なミドルタワーサイズで、左サイドパネルの一部が透明になっており、中が見える。フロントパネルの周囲にはRGB LEDが配置されており、電源を入れると美しく点灯する。

【フロントパネル周囲にLEDを搭載】
GALLERIA XA7C-R47のフロントパネル
電源を入れるとフロントパネルの周囲に配置されたRGB LEDが青色に光る

 また、フロントパネルの上部手前側が斜め45度にカットされており、そこにフロントI/Oポートや電源スイッチなどが配置されていることも特徴だ。USBポートへのコネクタの脱着などがやりやすい。

 フロントI/Oポートとしては、USB 3.2 Gen1 Type-A×4とサウンド入出力端子が用意されている。背面I/Oポートとしては、USB 2.0×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、USB 3.2 Gen1 Type-C、サウンド入出力端子、2.5G LANポートが用意されている。

 本体底面には、電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、掃除などのメンテナンスも楽に行える。最近は使われることが少なくなった光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、BDドライブなどをBTOで追加搭載することも可能だ。

【本体外観など】
フロントパネルの上面が斜めにカットされており、そこにI/Oポートや電源スイッチが配置されている
GALLERIA XA7C-R47の右サイドパネル
GALLERIA XA7C-R47の左サイドパネル。中を覗ける透明な窓がある
サンプル機は電源を入れるとビデオカードの一部が白く光る
GALLERIA XA7C-R47のトップパネル。格子状の穴が空いた樹脂パネルとメッシュパネルから構成されている
GALLERIA XA7C-R47のリアパネル
リアパネル部分のI/Oポート
GALLERIA XA7C-R47の底面
底面には電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されており、フィルタを引き出して掃除できる

ケースファンとして140mm静音ファンを3基搭載

 CPUの冷却には、120mmファンが装着された大型ヒートシンクが採用されており、十分な冷却性能を実現している。また、ケースファンとしてリアに140mm静音ファンが1つ、トップに140mm静音ファンが1つ、フロントに140mmファンが1つの合計3基搭載されているので、エアフロー周りも安心だ。

 マザーボードには、拡張スロットとしてPCIe 4.0 x16スロットが1基, PCIe 3.0 x16スロットが1基、PCIe 3.0 x1スロットが2基の合計4基が用意されている。GeForce RTX 4070搭載ビデオカードがPCIe 4.0 x16スロットに装着されており、2スロット分のスペースを占有しているため、利用できるPCIeスロットはPCIe 3.0 x16スロットが1基とPCIe 3.0 x1スロットが1基の合計2基だ。さらに、6Gbps対応SATAポートが4基とPCIe 4.0 x4対応M.2スロットが2基、PCIe 4.0 x2対応M.2スロットが1基マザーボード上に用意されている。

【CPUクーラーと冷却ファン】
CPUには120mmファンが装着された大型ヒートシンクが装着されている
リアとトップに140mm静音ファンが1つずつ搭載されている
フロントにも140mm静音ファンが1つ搭載されている

「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」で性能を検証

 今回は、フロム・ソフトウェアから8月25日に発売されたばかりのメカアクションゲーム「ARMORED CORE VI」を使って、XA7C-R47の性能を検証してみた。

 「ARMORED CORE VI」を遊べるプラットフォームは、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)と幅広いが、実は歴史の長い「ARMORED CORE」シリーズにおいて、初めてPCで遊べるようになったタイトルでもある。古くからゲーミングPCでゲームをプレイしてきたユーザーなら、「ARMORED CORE」シリーズが遊べるコンシューマーゲーム機を羨ましいと思った人も多いのではないだろうか。ゲーミングPCで「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」をプレイする大きなメリットとして、4K解像度でも高いフレームレートを実現できることが挙げられる。

 PS5では、パフォーマンス設定で「フレームレート優先」または「グラフィックス優先」を選べるが、「フレームレート優先」にした場合、最大4K/最大60fps(可変フレームレート)となり、4K/60fps固定でプレイできるわけではない。また、PS5で「グラフィックス優先」を選ぶと、グラフィックスはより美しくなるがフレームレートは40fps前後まで落ちる。それに対し、PCなら4K解像度で最大120fpsでのプレイも可能である。

 PC版の推奨動作環境は、CPUがIntel Core i7-7700/Intel Core i5-10400/AMD Ryzen 7 2700X/AMD Ryzen 5 3600、GPUがGeForce GTX 1060/Radeon RX 590/Intel Arc A750とされており、要求環境はそこそこ高い。また、レイトレーシングを利用する場合は(ガレージ内でのみレイトレーシングに対応)、GPUはGeForce RTX 2070/Radeon RX 6650 XT/Intel Arc A770が必要になる。

 CapFrameXを利用して1分間の平均フレームレートと最高フレームレート、最低フレームレートを計測してみた。プレイしたミッションはチャプター1の「テスターAC撃破」で、計測は5回行ないその平均値を採用した。

 まず、解像度を4Kに設定し、映像品質設定を「最高」に設定してフレームレートを計測したところ、平均フレームレートは71fps、最高フレームレートは84fps、最低フレームレートは55fpsという結果になった。他のミッションもこの設定でプレイしてみたが、ひっかかりなどを感じることもなく、非常に快適であった。ゲームコンソールでは最高60fpsしか出ないことを考えても、平均60fpsを超えていれば最高の環境で遊べるといえる。

 試しに、映像品質の設定は「最高」のまま、解像度をフルHDに変更したところ、平均フレームレートは118fps、最高フレームレートは139fps、最低フレームレートは96fpsと大きく向上したが、オンライン対戦のFPSやTPSではないので、4K解像度のときとプレイ感覚にほとんど差はなかった。120フレームのヌルヌル感で「ARMORED CORE VI」をプレイできるのはPCならではのアドバンテージだ。

【「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」のベンチマーク結果】
「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」のタイトル画面
画面解像度を4Kに、映像品質を「最高」に設定した
映像品質の詳細設定。これが最高設定である(レイトレーシングはゲーム中には影響しない)
「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」のベンチマーク結果

 以上のことから、XA7C-R47なら「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」を4K最高品質で快適にプレイできるという結論が出た。筆者も「ARMORED CORE」シリーズをプレイするのは10数年振りになるが、アサルトブーストやクイックブーストを駆使して戦場を縦横無尽に駆け巡る感覚は、まさに「ARMORED CORE」ならではだ。

 筆者は以前「ARMORED CORE 2」をプレイステーション2でプレイして、そのシビアさに途中で投げ出した。プレイが下手だと報酬金額が修理金額で相殺されてしまってお金が貯まらないのが辛かった記憶があるが、「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」は報酬金額と修理金額のバランスが「ARMORED CORE 2」などよりずっと楽になっており、ミッションを周回すればお金がどんどん貯まって強力な武器を買えるため、初心者やアクションが苦手な人にもかなり優しくなっていると感じた。

 今までにはなかったAP回復アイテム「リペアキット」が毎回3つ用意されるのもありがたい。レーザーやミサイルの軌跡、爆発、水面の表現などグラフィックスの美しさも素晴らしい。アセンブリの自由度も非常に高く、ロボット好きなら是非おすすめしたいタイトルだ。以下に、4K最高品質でのスクリーンショットをいくつか挙げる。

【「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」4K最高品質スクリーンショット】
近接攻撃のパルスブレードの斬撃がかっこいい
爆発のエフェクトやパーティクルの飛び散り方も美しい
アサルトブーストでの高速移動はモーションブラーにより臨場感とスピード感が抜群
自身より何倍も大きなボス敵との戦いが魅力
チャプター1のラスボス「バルテウス」は、弾幕シューティングのようなミサイル弾幕を撃ってくる
大型無人重機「スマートクリーナー」との戦い
蜘蛛のような多脚メカ「シースパイダー」との戦い
チャプター2をクリアすると「NEST」が解禁され、1on1や3on3の対人戦も可能になる
機体のカラーリングも自由自在だ

「ARMORED CORE VI」のレイトレーシング表現もしっかり対応

 それから忘れてはならないのがレイトレーシング対応だ。「ARMORED CORE VI」はレイトレーシングにも対応しており、本機が搭載しているGeForce RTX 4070もレイトレーシング対応GPUだ。

 ただ、「ARMORED CORE VI」のレイトレーシング表現は限定的で、オンにしてもミッション中などで反映されるわけではないのだ。設定画面にも書かれているが、「ARMORED CORE VI」でのレイトレーシングは、機体のパーツ交換などを行うガレージ内でしか有効にならない。

 実際に試したところ、ガレージ内でレイトレーシングを有効にした状態と無効にした状態の機体の見た目を比べてみたが、ごくわずかの違いしかなかった。逆にいうと、レイトレーシングが無効でも、十分美しくリアルなグラフィックスになっているともいえるわけだ。レイトレーシングは専用エンジンを持つRTXシリーズでも重い処理であり、ゲーム本編にレイトレーシングを採用してプレイの快適さを損なうより、ガレージ内のみの対応が適切だと判断したのであろう。現時点では現実的な判断といえる。

【「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」レイトレーシング検証】
レイトレーシング品質は「OFF」「低」「中」「高」「最高」から選択できる
レイトレーシング品質を「最高」にした状態
レイトレーシング品質を「OFF」にした状態。影となる部分の明るさに多少違いがあるが、あまり差は感じない

長く一線級として使える高コスパモデル「GALLERIA XA7C-R47」

 XA7C-R47は、最新のCore i7-13700FとGeForce RTX 4070を搭載しながら、約24万円というリーズナブルな価格を実現しており、コストパフォーマンスは高い1台だ。ベンチマーク結果から分かるように、最新AAAタイトルである「ARMORED CORE VI」も、4K最高画質で快適にプレイが可能だ。XA7C-R47なら、最新ゲームを4Kで快適に遊びたいというニーズに十分応えてくれる。

 加えて、NVIDIAのAIを活用したフレームレート向上技術である「DLSS」や「DLSS3」をサポートしたゲームソフトも増えている。DLSS3の効果は大きく、DLSS3を利用できる本製品なら、今後登場する重量級ゲームも快適に遊べるだろう。長く一線級として使えるゲーミングPCであり、数年前のゲーミングPCからの買い換えはもちろん、初めてゲーミングPCを買うという人にもおすすめだ。

【GALLERIA XA7C-R47】