「Empire of Sin エンパイア・オブ・シン」レビュー

Empire of Sin エンパイア・オブ・シン

目指すのは暗黒街の完全支配! 敵対勢力は潰せ!

 順調に施設を増やしてカネを稼ぎ、勢力が拡大され、仲間も強化されていったら、いよいよ他の勢力と敵対していこう。敵対するのは簡単で敵対していない勢力の施設を強襲するなどすればOKだ。ただし、不可侵条約や休戦協定を結んだ相手の施設などを攻撃すると、他のギャングボスからの信頼度が低下したり、名誉が下がってしまう。名誉はギャングとして相応しい行為を続けると上がっていくもので、高いほど、他のギャングボスからのリアクションがよくなるため、あまり下げる行為をせずに他の勢力と敵対していきたい。

 敵対勢力は街中ですれ違うだけでも戦闘が開始するようになる。逆にこれを利用して、街をギャングボス自らが仲間を引き連れてパトロールして周り、襲撃前に敵を撃退してしまうというやり方もある。

 敵対勢力が弱ってくると、相手は外交でどうにか乗り切ろうと、あの手この手でこちらを懐柔しようとしてくる。敵対勢力は施設を襲撃して弱らせ、最終的にセーフハウスを襲撃して、ギャングボスとの直接対決に勝利すれば壊滅となる。組織が壊滅すると、組織が持っていた施設などは全てこちらの物となる。ただし、ギャングボスのセーフハウスは護衛の数も多く、こちらと同じようにならず者を仲間に入れている場合もあるため、油断は禁物だ。

【ボスを追い詰めろ】
敵対状態になると、偵察部隊と接近しただけで戦闘が開始してしまう
戦争が不利になってきたギャングボスはたいてい休戦を求めてくる。ただし、この状態だと内部もボロボロでカネもロクにないため、取引条件がしょぼすぎて話にならない事が多い
他のギャングボスのセーフハウスを襲撃だ! 仲間の友達などのギャングメンバーが相手のギャングボスの部下になっている場合、このようなメッセージが表示される。このメッセージを軽く見て、そのまま突撃して友達を殺すと……
このようなメッセージが表示され、信頼できる仲間が自分の元を立ち去ってしまう場合があるのだ。これを回避するには、事前にセーフハウスの襲撃グループから外してやればOKだ

 ギャングボスとの対決では装備の充実とギャングメンバーの補充で乗り切るのがいいだろう。ギャングメンバーの仲間を増やしたい場合、ラジアルメニューのブラックリストからメンバーを選んで仲間に追加できる。悪名が高いほど、より強いならず者をギャングメンバーに迎え入れることができる。メンバーを仲間に迎えるには前金を支払った上で、さらに定期的に維持費が発生する。そのため、儲けが少ない時にギャングメンバーを増やしてしまうと、いつまでたっても儲けが増やせなくなってしまう。

 ならず者たちは、殺し屋や用心棒といった戦闘が得意そうな職業から、医者や詐欺師といった戦闘以外で役に立つ職業の奴らまで多種多様だ。職業に応じて利用可能な銃火器や、時間をかけて覚えるタレント(スキル)や、置かれた環境によって変化する特性なども用意されている。

 例えば、チュートリアル直後に仲間になったマリア・ロドリゲスは、敵にマーキングすることで防御力を下げられる「マークターゲット」というスキルを覚える事ができるし、職業が殺し屋のため、銃の命中率も高く、頼りになる仲間だ。

 人数は最大10人まで増やせるが、個人的には1度にあまり大勢増やすよりは、1人ずつ増やして少しずつ育成していく方がカネも節約できるし、スキルを覚えやすいし、扱いやすいと感じた。

 あとはこうやって地域を自分の勢力に染めていき、自分の勢力の割合が一定になると、地域のオーナーとして認められるようになる。この状態にしたらあとは次の新天地を求めて別の地域に新たな拠点を作り、勢力を更に拡大してもいいし、最初の地域を完璧にするまで強化してもいい。

【他のボスを倒せ!】
ついにボス戦だ! メイベル・ライリーのセーフハウスはかなり広い。そして奥から出てきて遠距離からの銃撃で攻めてくる。これがかなり的確にヒットし、ダメージもかなり高い。回復スキルや回復アイテムを駆使して戦わないとあっさり返り討ちにあってしまう。ちなみに特殊スキルは「詐欺師の一撃」で、複数の相手に印をつけて、跳弾するように狙いを定めて弾丸の軌道上の敵全員にダメージを与える、とのことだが今回は使われなくてよかった
瀕死状態のメイベル・ライリーにとどめの一撃! 同じ地域に拠点がなければ……
戦利品にはレアアイテムが登場する確率が非常に高い。また彼女所有の施設がまだ残っている場合は、全てこちらの物になる
自分のセーフハウスがない地域のギャングボスを撃破した時は、セーフハウスをそのまま自分の物にしてみた
このような他の地域のセーフハウスにおいては、ギャングメンバーの中から1人だけ、幹部としてセーフハウスを任せる必要がある。幹部にする条件は、何度か一緒に戦って、準構成員から構成員に格上げさせておく必要がある

 なお、敵はギャングボスだけではない。シカゴ警察という国家権力が禁酒法の名の下に強制執行を行なってくる場合がある。組織その物は腐りきっているものの、その力は強大なため、動かれるとかなり厄介だ。

 警察の活動は他の襲撃とは異なり、戦闘に入る前にメッセージが表示され、襲撃として扱い戦闘するか、諦めて営業停止を受け入れるか、賄賂で納得させるかの3択が表示される。カネさえあれば賄賂がかなりいい感じだが、賄賂の成功率は100%ではなく、失敗してしまうと即座に営業停止となってしまう。もちろん最初から素直に営業停止を受け入れて、一定期間施設を閉鎖するのも1つの手だ。

 なお、シカゴ警察も外交のメニューに表示されるし、他のギャングボスと同じようにカネを要求してきた事があったが、筆者が遭遇したタイミングでは法外な費用を要求されたので、思わず突っぱねてしまった。この辺は外交のやり方次第ではどうにかなる可能性はありそうだ。

【次の戦いに備えろ!】
ギャングメンバーは最大10人追加できる。ただし、既存メンバーと相性が悪いメンバーは加入させられないし、他の組織に属していて死亡したメンバーも加入は無理だ
戦闘に参加できるグループはギャングボス含めて最大10人までしか同時に入れられない。直接移動を試してみると、ギャングボスを先頭に規律正しく3×3で隊列を組んで走る
組織構成図は非常にシンプル。ギャングボスが中央にいて、相談役とアンダーボスが1人ずつ、幹部が1人と構成員が3人、残りは全て準構成員となる。相談役、アンダーボス、幹部については悪名を一定数以上に上げないと利用できない

実在するギャングたちとの華麗な競演

 「エンパイア・オブ・シン」は、やはりターン制ストラテジーながら、戦闘以外の街ではリアルタイムで時間が経過するという作りはユニークに感じた。また街並みを眺めていると、ちまちました自動車や人が行き交い、ミニチュアの街を見ているようで、いくら見ていても飽きない面白さがある。もちろん、放置していると刻々と時間が過ぎてしまうため、アップグレードをセットしたり、ギャングボスとの契約期限などもあるので、のんびりしていられないわけだが。

 14人も用意されたギャングボスたちは、その一部が実在するというところがやはり楽しい。とにかく色んなギャングボスを使って遊びたくなるし、時間がいくらあっても足らない。仲間に加えられるギャングメンバーたちも個性的なキャラクターばかりのため、何度もプレイしたくなる。

 今回はスキル優先でキャラクターを選んでしまったので、次はアル・カポネなど、実在のギャングボスをプレイして、歴史と異なるIFを楽しんでみたい。とにかく発売したら全てのキャラクターで1から楽しみたいギャングストラテジーだ。

【さらにやりこむ】
同じ地域内に2人のギャングボスはいらない! という事で最後の1人、フランク・ラーゲンを倒すのが次の目標だ。何度か勝利しているのだが、いつも大ダメージを食らうので、戦略を練り直しているところだ
ラーゲンを倒せば悪名は一気に450となる。500以上になればアンダーボスの役割が使えるようになるので、更に組織が強固になるのは間違いない
次はお隣の地域、サウス・ループに進出して、この街も制覇してやろうと考えている。地域の数は10もあるので、先はかなり長い。
仲間についてはいきなり最大値まで増やしてしまったが、続きをプレイするなら人数は8人くらいまで減らそうかと思っている。人数が多すぎると、スキルや装備などが把握しきれないため、少しずつ増やしたいからだ