「Empire of Sin エンパイア・オブ・シン」レビュー

Empire of Sin エンパイア・オブ・シン

まずは施設を増やして勢力拡大が大事

 チュートリアルで拠点を得たエルヴィラだが、ここからどうプレイして何をすればいいのか。本作のゲームスタイルはチュートリアルでやってきた事を繰り返して、少しずつ勢力を拡大していくのが基本的な流れとなる。例えば、施設で言えば、最初に入手するもぐり酒場だけでは酒を消費しきれない。もぐり酒場を増やしたり、下宿と呼ばれる、違法な事を色々やる施設や、カジノを立ち上げてさらにカネを儲けられるように事業を拡大するなど、やる事は山ほどある。

 こうした施設を新たに開くには、地域内の空きビルをカネで買うか、不法入居の暴漢たちが居座るビルからヤツらを追い出して乗っ取るか、または他のギャングボスの所有する施設を乗っ取るかの3択だ。

 手っ取り早いのはカネを使う事だが、カネを節約したい場合は、不法入居の暴漢たちを入居している建物から追い出すのが最も効率がよく、その上、他のギャングボスたちに迷惑がかからない。ただし、戦闘が発生する事になるため、戦闘の時間がかかってしまうという難点もある。また、他のギャングボスの施設を乗っ取る場合、戦闘が発生するのは暴漢たちの場合と同じだが、襲撃前と同じ施設を選ぶ場合は、無料で自分の施設として運営を継続できるため、より低コストに悪徳ビジネスを開始できる。いわゆる目抜き物件のようなものだ。ただし、襲撃されたギャングボスからは恨みを買ってしまうのは言うまでもない。

【物件を確保せよ!】
カネさえあれば、空き物件を購入してすぐにビジネスが開始できる。時間の節約にはカネがかかるのだ
あまりカネをかけずに物件を確保するには、暴漢たちが不法入居している「放棄された建物 暴漢が占領した店」を襲撃して奪えば空き物件を買うよりはカネがかからないが、バトル1戦分の時間がかかってしまう
他のギャングの施設を奪い、同じ商売を選択すれば一切カネがかからない。ただし敵対関係になってしまうため、やるなら徹底的にやらないとこっちが危ない

 新しいビジネスを展開する際は、現在の各種悪徳ビジネスと醸造所、ホテルなどビジネスの種類をバランスよく用意するのが大事だ。醸造所で作られた違法の酒を最初に消費するのは自身の悪徳ビジネスの施設なので、酒の量が少ないうちに、あまり多くのもぐり酒場を用意してしまうと酒が足らなくて苦労する。個人的な感覚では、酒が多い分には、他のギャングボスとのビジネスで使うなど困る事はあまりないので、酒にはゆとりをもっておきたい。こうした悪徳ビジネスの状況を確認するには、ラジアルメニューの組織概要から、商売や顧客のタブを開いてチェックするのがいいだろう。また、それぞれの悪徳ビジネスには一長一短があるため、偏らずにバランスよく施設をそろえる方が収益は安定する。

 また、ホテルはサービス可能なビルと不可なビルがあるため、可能な場所では積極的に展開していきたい。ホテルを増やす事でその地域への人の流入が増えるため、結果としてより地域が賑やかになっていくからだ。

 そして、これら施設はアップグレードにより、さらに稼ぎを増やしたり、地域の繁栄度を上げたりといった要素もある。アップグレードでは、各施設固有の項目のほか、環境や評判、そして経費を軽減する受け流しと、護衛を設置する警備の項目が用意されているが、個人的には警備の強化は万全にやっておくのをおススメしたい。というのも、後述のように他のギャングたちから施設が襲撃される場合、その時戦うメンバーはその場にいる護衛のメンバーたちとなるのだが、この護衛のメンバーを強化したり、人数を増やすアップグレードが警備だからだ。

 敵対勢力が増えると、施設への襲撃はかなりの頻度で行なわれるようになるが、警備を強化していないと、バトルに時間をかけた上に、施設を奪われてしまうなどダメージがかなり大きい。他の項目を強化する方がよりカネを増やしやすくできるが、カネを稼ぐ前に先ずはガードを固めて、それから中味を強化するのが、施設を維持し続けるコツだと思う。施設のアップグレードにはカネだけでなく、一定の時間がかかる作りになっている。

 勢力拡大の目安としては、スタート時の地域の制圧を目指すのがわかりやすい。そのためには、地域内の施設をバランスよく増やしていきつつ、他のギャングボスの施設を減らしていくのが手っ取り早い。そのため、地域内にいる他のギャングボスの外交関係を把握しながら、彼らと敵対していつでも戦えるように調整していく事が大事だ。

 例えば、エルヴィラの場合、スタート地点はニア・サウス・サイドという地域だった。本作ではシカゴの街の中をこうした地域というくくりで、10か所に分割して配置しており、それぞれの地域にギャングボスたちがセーフハウスを構えている。そこでエルヴィラはまずこのニア・サウス・サイドを制圧して地域オーナーとなった。地域オーナーになるとさらに悪名と名誉が上がる。

【施設を強化!】
施設のアップグレードにはカネと時間がかかる
地域内のビジネス状況はラジアルメニューの組織概要から確認できる
警備が貧弱な施設への襲撃は一方的にやられてしまう
警備を強化しておけば、急な襲撃も楽々返り討ち! やはり戦争は数だよ!

敵対するか味方になるか、他のギャングボスとは仲良くやろう

 施設を増やして勢力を拡大していくと、収入が増えていき、他のギャングボスたちから目を付けられるようになっていく。すると突然に他のギャングボスからお声がかかり、彼らの施設に呼び出しを喰らう場合がある。ここで突っぱねるのも、話を聞いておとなしくしておくのも、無視する事もできるが、最初のうちから敵が多いと、色々と苦労が増えるので、最初のうちはなるべく八方美人にあちこちにいい顔をしておくのがスムーズに進める処世術だ。

 ただし、ギャングボス同士の関係性も絡むため、どこと仲良くしてどこと敵対するか、といった情報は常にチェックしておくのがいいだろう。最終的に敵対してもいい相手と絶対敵対しない相手を決めておくのだ。とはいうものの、序盤は全てのギャングたちがみんな同じくらいの強さのため、強い者に尻尾を振る、というよりは誰と仲良くなりたいか、で選択していくのがいいだろう。こうした情報はラジアルメニューの「外交」からチェックできる。

【他のギャングと交渉】
初めて接触した派閥はギャングボス自ら声を掛けてくる。正直なところ、序盤でいきなりバトルは自殺行為なので、どんな相手であれ、まずは対話で直接話し合いを行なうのが無難だろう
対話では話をする方にカメラが向き、字幕と英語音声で対話が楽しめる。こちらの発言は、相手が気に入らなければ、明らかに相手が腹を立てそうな選択肢を選べばいいし、無難に済ましたい場合は、フォローするような選択肢を選んでおけば間違いはない
仲良くなってきても、ちょっと気に入らない事があるといきなり呼び出しがかかったりする場合もある

 ギャングボスたちからの提案は実に様々だ。例えば、現在こちらが仲良くしているギャングボスが気に入らないからあいつとは縁を切れ、と見返りの報酬を提示してきたり、戦争中であっても、休戦を申し入れてきたり、または酒を定期的に提供してほしい、といったビジネスの提案など豊富に用意されている。こうした提案は画面にいきなりウィンドウが開き、提示してくる場合もあれば、先方から呼び出された施設内の交渉の場で発生する場合もある。

 更に言うと、こうした他のギャングボスとのやり取りが割と頻繁に発生し、あちこちから声がかかるため、序盤はかなり落ち着かない。ある程度敵や味方がハッキリしてくると、対応がスムーズに行なえるようになるし、そもそもギャングボスの数は段々と減っていくというのもある。

 敵対勢力が増えると、施設を襲撃されるなど、デメリットが多くなる事も多いので、序盤のまだ勢力が弱いうちはなるべく、敵対勢力を増やさずに進めるのが無難だ。

【緊張感のある駆け引き】
カネで解決してやるというリクエスト。まだ戦える状態じゃなければ喜んで払っておくのがお互いのためだ
不可侵条約を結ぶと施設への襲撃などが行なえなくなる。無理矢理襲撃するには、移動中にボタンを押すことで発動できる奇襲モードを使って、相手のギャングを攻撃すればいい。ただし名誉が下がるなどいい事はあまりない
会いに行く約束をしておきながら放置したまま時間切れになると、こちらの評価が下がってしまう

ミッションも豊富に用意。ミッション中の襲撃には要注意!

 本作ではミッションとして、仲間との会話を進める事で進行するミッションが発生する場合がある。ミッションは自身のストーリーに絡む物もあれば、仲間になったギャングたちの悩みを解決するためのミッションなども用意されている。仲間のミッションは一定期間、活動を共にしていると発生する。

 会話のミッションでは仲間がギャングボスに相談してくるが、その多くは最終的には自身でケリをつけたいと要求してくる。そのため、ミッションを進行させるときは、最終的にギャングボスではなく、ミッションが発生した仲間を操作して解決させる事で、ミッションを成功に導ける。このように、ギャングボス以外の仲間を直接操作したい場合は、1度カーソルモードに切り替えて、カーソルをキャラクターに合わせてメニューを出して選ぶ事で自ら操作が可能になる。

 例えば最初に仲間になる用心棒のヒュー・ミラーの場合、相談を持ち掛けられたので話を聞くと、彼が軍に所属していたという事実が語られる。そして彼の軍隊時代の友人が生きていたが、当時色々とひどい事をされたのでケリをつけたいと言われる。

【様々なミッション】
新しいミッションが開始されると画面上部にミッション開始のメッセージが表示される。ラジアルメニューの「ミッション手帳」を開くと、現在進行中のミッションが全てチェックできる。目的地に向かったり、何かやる事があるミッションについては、チェックを入れる事で画面上にマーカーが表示されるようになる
マーカーに従って相手と会話したり、時には敵を倒したり、時にはミッションクリアに必要なアイテムを入手したりして、話を進める
仲間の求める方向にうまく導いてやればミッションは無事に完了できる。報酬は名誉や悪名、カネや特殊なステータスボーナスなどだ

 その友人を探すために、目撃情報があった下宿などをたどっていき、ついに本人と対面を果たすヒュー。その後は一方的な会話ではなく、相手のセリフに対しての選択肢はこちらで決定できるので、ここで選択内容に応じて物語のケリがつけられる事になる。生かすか殺すかの生殺与奪の権利はこちらにあるわけだが、いずれを選んだ場合も自身でケリをつけさせることでミッションは完了となる。

 このようなミッションでは、場合によっては現在自分が住む地域とは別の地域に移動する必要がある。他の地域に移動する場合はタクシーを使って別の地域にジャンプする。タクシーはマップ内に何か所か点在しており、カーソルで選択してボタンを押すだけと非常にシンプルに利用できる。

 なお、タクシーを使う場合、自分が今いる地域のタクシーではなく、目的地周辺のタクシーを押す必要がある点には注意が必要だ。行なった事のない地域のタクシーを使う場合、マップ上をカーソルのみ移動して、タクシーを探してそれを押す事でジャンプする。行なった事のない地域は最初グレーで街並みなどがはっきりわからないようになっているが、その地域にジャンプし終えた途端に視界が開けてマップが見られるようになる。

 ミッションなどでこうした他の地域に来ている時に一番怖いのが他のギャングたちからの施設への襲撃だ。ミッションの会話を進めている途中であっても、施設への襲撃が発生すると、いきなり襲撃の防衛バトルが強制的に開始されてしまうからだ。ミッション遂行中はこうした強襲の対応への注意が必要になる。

 ミッションをクリアする事でも悪名や報酬が手に入る。こうして悪意を上げていくことで、ギャングボスとしての地位をさらに高めていくことになる。

【ミッションを完了せよ!】
タクシーを使う場合、目的地周辺のタクシーアイコンをポチっと押すだけでその場所にジャンプできる。現在地のタクシーを選択してメニューを開くなどの操作をすると思っていたのであまりのシンプル操作に驚いた
行なった事のない地域を俯瞰視点で移動していると、グレーの薄暗い状態でしか確認できないため、ちょっと不気味だ。ただし他のギャングボスの施設などは色が付いているのでわかりやすい
仲間から依頼されるミッションでは、仲間自身が解決したいと主張する事が多いので、三角ボタンのメニュー操作で仲間を単独で操作できるようにして、仲間単体で解決に向けて動かしてやるのがおススメだ。1度ボスで勝手に事件を解決したら、仲間にこっぴどく叱られてしまった