「セインツ・ロウ:ザ・サード リマスタード」日本語版レビュー
2020年10月28日 00:00
主人公もガッチリカスタム可能。車両カスタムやコスチュームも豊富に用意
本作では主人公「ボス」の容姿を自由にカスタムできる。本編序盤のチュートリアルの後にキャラメイクタイムが用意されているのだ。チュートリアルの時は銀行強盗を行なっている事から、巨大なマスクをかぶったままで戦闘していたため、顔が分からない状態だったが、捕らわれの身となり、マスクを剥がされたその正体は……というところで、キャラメイクを挟むというなかなか凝ったスタイルだ。
このキャラメイクがとにかく細部までカスタムできる。前回も語った通り、スキンヘッド+サングラスといういつもの“俺”のスタイルも作成可能になっており、個人的には大満足だ。他にも目鼻立ち、口、体型など様々な人体の部位が調整できるようになっている。また、普通の人間キャラクターの作成では絶対に出てこない銀のメタリックカラーが選べるのもふざけている。思わずこのメタリックカラーを使いたくて、銀色の“俺”を作成してしまったほどだ。
なお、デフォルトの服装は正直言ってクソダサい物しか用意されていないので、物語を進めて早く服が買いたくなるように仕掛けられているのも面白い。
こうして個人の好みをフルにぶつけて完成した主人公は周りから「ボス」と呼ばれ、以降のカットシーンなどはこのカスタムした主人公が登場する作りになっており、プレイしていて没入感がとても高まる。
街中の服屋などに出向く事で豊富なコスチュームも用意されており、自身のビジュアルも色々とカスタムできる。普通の洋服も豊富に用意されているが、本作ではアマゾネス衣装や着ぐるみ、西洋の甲冑といったやり過ぎ感満載のコスチュームも多く、見てるだけで笑えてしまう。
メインミッションやアクティビティをクリアするとカネとリスペクトが手に入る。リスペクトが高まると、どんどんレベルが上がっていく。レベルが上がると携帯電話のアップグレードの項目から自身の能力をどんどん強化することができる。これにより人間以上の力を手に入れる事が可能となるのだ。
オーソドックスなスキルで言えば、両手にハンドガンを持って同時に使える「ダブルピストル」やサブマシンガンを両手に持てる「ダブルサブマシンガン」といったビジュアル的にもカッコよく、バトル的にも使い勝手のいいスキルがある。
他にもシンプルにダッシュ時のスタミナを増加する「スタミナアップ」、戦闘中の体力や回復スピードを強化する「体力アップ」や「体力回復速度」、ダメージの種類ごとにダメージを減らせる「ダメージ軽減」スキルなども分かりやすい。
特に「ダメージ軽減」スキルは最初のうちはダメージを軽減するだけだが、レベルを上げていくと最終的にはダメージを全く受けなくなるところまで行きつくことができる。正に鋼鉄の男となるわけだ。
また、ミッション中などに仲間を呼んだり、ギャング団のボスらしく、ギャングの部下を呼び出せる「セインツ呼び出し」といったスキルもこのアップグレードで入手可能となっている。アップグレードの項目の中にはミッションをクリアするだけで得られるものもあれば、自身でメニューからカネで購入する必要があるものもある。
他にも後述の「悪評度」を下げるためのスキルなどもここで事前に購入しておく必要がある。何事もカネがかかるって事だな。
本作の舞台となる「スティールポート」はかなり広大だ。そのため、車で走り回っても楽しいし、バイクを駆るのもエキサイティングだ。
街中を走り回る車両はその多くが自分の物として永遠に借りておく事が可能だ。このお借りした車両は整備工場に持ち込んでカスタムを行なう事で自分のガレージに登録できるほか、直接アジトのガレージに持ち帰ることで、自分の物として利用できるようになる。
本作では、こうした街中を走る一般車両を自分で回収する以外にも、メインのミッションをクリアするだけで、様々な車両がガレージ内に追加されていくのも面白い。この中には普通の車両もたくさんあるが、中にはどう見てもふざけたビジュアルの車両も多く、人を吸い込みファンシーな弾として発射できるパンダの乗り物「GENKI MANAPULT」や、虎を模したバイク「ANGRY TIGER」、ネコをモチーフにした車「SEXY KITTEN」など、おふざけ感満載の乗り物が用意されているのだ。
車両については整備工場に持っていく事でカスタムが可能で、外観やペイントも色々と用意されているほか、性能もカスタムできる。トルクを強化して加速性能を上げたり、丈夫なタイヤに交換してパンクしにくくするなどのほか、ニトロを積んで急加速に対応したり、ホイール部に格納可能なブレードを取り付ける事で、人や車両にダメージを与えられる「ニーキャッパー」なんて物騒な装備も用意されており、車両のカスタムも面白い。
他にもヘリポートには、普通のヘリやVTOLなどに交じって、近未来感溢れる宙を浮くバイク「SPECTER」や、ほうきの形を模したまるで魔法使いのように空を飛べる「SALEM」など、ふざけたビジュアルとそこそこ使えるユニークな乗り物が多く用意されている。
「ヒットマン」や「人質」、「ストリーキング」などミニゲームも豊富に用意
本作をプレイし始めて、驚いた事がある。街を走ってる車両をいつものようにちょっとだけ「借りて」乗ろうとしたら同乗者がいたのだ。同乗者がいる事自体は珍しい事ではないのだが、普通だったら一緒に降りて逃げ出すはずの同乗者が車を降りる事なく、突然「人質」のミニゲームが開始したのだ。
最初のうちは意味が分からなかったが、とりあえずスピードを下げずに制限時間を逃げ切れば身代金が手に入る、と画面上で説明されていたので夢中で逃げ回った。だが制限時間前に事故で車が停止してしまい、この「人質」のミニゲームは失敗してしまった。
こうしたミニゲームは「デバージョン」と呼ばれ、これも「セインツ・ロウ」シリーズの特徴的な遊びの1つだ。他にもデバージョンでは、携帯電話に備える「セインツブック」から選択できる「ヒットマン」というシンプルな殺しの仕事や、「ヤミ改造工場」という先方から指示された特定の車両を集めるといった依頼もある。
他にもほぼ全裸(下着姿)の状態で下キーを2回押すと唐突に始まる「ストリーキング」や、店舗にやってきて銃を突き付けて現金を奪う「店舗強盗」などだ。こうした細かなミニゲームを街中にちりばめてあるのも本作の面白いところだろう。
これまで話してきたように武器の強化や自身の強化など、本作では至る所でとにかくカネがかかる。カネを稼ぐには上記のデバージョンや、以前も紹介した「アクティビティ」をガンガンと遊ぶのも1つの手なのだが、遊んでいる間にさらに経過時間でカネが稼げればそれに越したことはない。
そんな夢のような金稼ぎを実現するのが街中の施設の購入だ。こうした街中の武器屋や、整備工場、美容外科の店などは購入する事で、時間毎の収入が向上していくのだ。今回筆者はアクティビティを堪能しつつメインミッションのクリアを目指したため、あまりこうした施設購入は行なっていなかった。そのため、ゲーム中は常にカネがなく、武器の強化や車両の強化を後回しにしがちになってしまった。
なお、こうした施設からの毎時収入は自動でチャリンチャリンとカネが増えるわけではなく、携帯電話のメニューにある「キャッシュ」を選ぶことで、その段階で稼げた金額が落ちてくる仕組みだ。施設を増やしておけば、こうした別のアクティビティなどを遊んだり、街中をドライブしてる間にカネが稼げるのでとてもお得だ。
色々な稼ぎの方法を紹介してきたが、序盤のうちの一番効率のいい稼ぎは、実はメインミッションをクリアする事だったりもする。本作ではメインミッションのクリア時のボーナスが一番ゴージャスなのだ。よりゴージャスな新しいアジトや、車両の追加、武器、カネ、リスペクトなど、通常のアクティビティなどを行なうよりも効率よく稼げる。そのため、序盤の効率のいい稼ぎとしてまずはメインミッションをガンガンと進めてしまう方法をおススメしたい。