「セインツ・ロウ:ザ・サード リマスタード」日本語版レビュー
2020年10月28日 00:00
個性的で厄介な敵対組織たち
本作の対立構造は、主人公「ボス」率いる「セインツ・ロウ」たちと、ライバルの巨大組織「シンジケート」配下のギャング団「モーニングスター」、「デッカー」、「ルチャド―ル」たちだ。
彼らは団体ごとに特徴があり、「モーニングスター」は一番オーソドックスなギャングの出で立ちなのに対して、「デッカー」はリーダーが凄腕ハッカーのため、ギャングメンバーたちはやたらと夜でも光る衣装で身を包み、謎の加速装置で瞬時に移動してこちらを苦しめる。「ルチャド―ル」はプロレスのルチャリブレをベースとした覆面レスラーたちのギャング集団だが、火力の高い武器を振り回す厄介な連中だ。
そしてこうしたギャング団たち以上に脅威となるのがスティールポート市警などの治安維持組織だ。
セインツと敵対するこうした治安維持組織やギャング団などの組織にはそれぞれ「悪評度」というパラメータが用意されており、敵対するギャング団の仲間が攻撃を受けると、この悪評度が上がる。上がるほど、どんどんギャングの仲間が集まってきてこちらを執拗に追ってくるようになる。
また、ギャングメンバー以外の一般市民に一方的に暴行を加えたり、車で轢いたりするといったちょっとした迷惑行為を行なった場合、警察が動くことになるが、この時は警察からの「悪評度」が上がることで狙われるようになる仕組みなのだ。
治安維持組織からの悪評度が高まると、整備工場や店などが利用できなくなるという不便さがあるため、暴れ過ぎには注意が必要だ。また、後半になると警察がほとんど姿を見せなくなり、代わりに街を警備する凶悪な対ギャング組織「STAG」(Special Tactics Anti-Gang Unit)が登場する。STAGはレーザー兵器やごっついアーマーで武装した近未来の軍隊のような連中で、彼らに追われるとかなり厄介だ。
悪評度が高まりすぎて、敵の追っ手が面倒になってきたら、携帯電話を取り出し、各種コネを使って悪評度をリセットする方法もあるし、手軽なのはミッションを受けてしまう事だ。ミッションを受けて目的地に向かってしまえば、こうした煩わしい連中はクリアしてもらえるので、ある意味非常に手軽に悪評度を下げる手段といえる。他にも自身が購入した建物やアジトに逃げ込むことでも悪評度は下げられる。
思う存分大暴れ! 遊び心満載のオープンワールド
「セインツ・ロウ:ザ・サード リマスタード」では単純に街を散歩し、そして大暴れするだけでも楽しい。カスタムした主人公が使えることでこの世界にも愛着がわいてくるので、クリアした後も、もっともっと遊んでいたいと思える作りに仕上がっている。
本作の主人公はかなりタフで簡単には倒されない。しかも車両がかなり強力に改造でき、その上無敵モードや弾薬無限モードなんていうものまであるので、もう思いっきり大暴れできるのだ。時には他人にぶつけられないやり場のないイライラをぶつけてストレス発散したい日もある。そんな時に本作をプレイし、大暴れをするとストレス発散になると同時に、あまりにもしょうもないネタがてんこ盛りの本作では脱力感から不思議と気持ちが安らぐのだ。
なお、おまけに近いモードだが、本作にもオンラインで友達と一緒にミッションに挑戦する「協力プレイ」が用意されている。設定に「味方への攻撃」というオプションがある辺り、ニヤリとさせられるが、友達同士で色んなミッションを遊んでみるのも面白いだろう。本作が発売されたらぜひ友達と遊びたいところだ。
今回筆者にとって初挑戦の「セインツ・ロウ」シリーズだったが、この大暴れができる感覚、独特のユーモア、ブッ飛んだノリはとても爽快で、楽しかった。何より主人公のカスタムによる自由度が良い。本作に関してはストーリーも良いが、やはりこの自由度が最高だ。とても楽しいゲームである。是非体験して欲しい。
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