先行体験

妖艶で残酷な“大人向け”MMORPG「レイヴン2」先行体験

装備が「失われるリスク」もある凄惨な世界観が魅力。内容を紹介

【レイヴン2】
2025年上半期 正式サービス開始予定
利用料金:基本無料(アイテム課金制)

 ネットマーブルジャパンが2025年上半期にサービス予定の「レイヴン2」は、あらゆる意味で“大人向け”のゲームプレイを提供してくれるMMORPGだ。プラットフォームはiOSとAndroid。スマートフォンをメインに、PCでもプレイできる。

 「レイヴン2」の見どころは、妖艶かつ残酷な描写もいとわない、血と陰謀が渦巻くダークファンタジー世界が展開されるところだ。Unreal Engine 5を採用していて、グラフィックスの表現力はかなり高い。遊びやすさも考慮されているが、突き詰めていくとシビアな一面もあり、この世界の凄惨さとよくマッチしている。

 今回は正式サービスに先立ち本作をプレイできたので、その詳細と序盤における攻略情報をお届けする。

【[レイヴン2]事前登録開始トレーラー】

スマホで展開する大人向け濃厚ダークファンタジー

 「レイヴン2」をプレイしてまず印象的なのは、グラフィックスだろう。
Unreal Engineを採用したことで、スマートフォンとは思えぬ金属や革の質感、肌の陰影、火花や血飛沫の粒子効果まで緻密に描写する。

 冒頭のカットシーンからほぼ裸体の女性が怪しい儀式をしていたり、剣士によって人がどんどん斬られて死んでいったり、流血シーンや官能的なシーンも盛り込まれていて、対象年齢はかなり高め。その分受ける印象が独特で、濃厚さのある世界観にぐっと引き込まれていく。

カットシーンはたっぷり用意されている。一部は過激な表現もあり、大人向けのMMORPGに仕上がっている

 ゲームシステムは「リネージュ」系に代表される「放置狩りと高リスク強化」を踏襲している。ただし序盤のチュートリアルは親切で、メインクエストに従ってゲームプレイしていけば経験値とアイテムが入手できる。

 最初から解放されているコンテンツは一部で、キャラクターの成長にあわせてコンテンツが徐々に解放されるため、初心者を混乱させることはない。要所要所でゲーム内に用意されているゲームガイドが表示されるのもありがたいポイントだ。

 インターフェースは画面下部にショートカットバー、右下に攻撃とスキル、回避ボタンを集約した機能的なレイアウトだ。ショートカットに登録したポーションやバフは自動使用を個別にON/OFFが可能。今回はテスト環境がPCのみのプレイだったため推測にはなるが、スマートフォンでの実戦では2本の親指だけでほぼ完結するだろう。

 また、ゲームを閉じても経験値とドロップを獲得できる「オフラインモード」が1日につき8時間用意されているのもありがたいポイントだ。

コンテンツは徐々にアンロックされるため、初心者が混乱することは少ない
主要なコマンド群は右下に集中しており、操作がしやすい。画面下のショートカットバーでは自動でアイテムやスキルが使える

日本語対応ばっちり。装備強化は「消滅リスク」あり

 本作の舞台は漆黒の大地ベルシア。プレイヤーは王家直属の特務隊「ベルシアのカラス」として、王都と辺境を股に掛ける陰謀の渦へ身を投じる。

 ストーリーはフルボイスで進行し、理不尽な裏切りや救えぬ民の悲痛な叫び、魔術師の実験など、容赦のない展開が続く。今回プレイしたバージョンでは音声は韓国語になっていたが、字幕はしっかりと日本語にローカライズされており、違和感がある翻訳は一切なかった。正式サービスでは日本語フルボイスになる予定で、さらに期待できる。

フルボイスのカットシーンが魅力だ。日本語ローカライズも完璧といって良いレベルだ

 キャラクターメイクでは7つのクラスが選択可能だ。クロスボウで射撃を浴びせる「デストロイヤー」、攻撃魔法を操る「エレメンタリスト」、盾で味方を守りながら戦う「ヴァンガード」、長弓で敵を射抜く「ナイトレンジャー」、大剣を持って戦う「バーサーカー」、回復役を担う「ディヴァインキャスター」、影から敵を切り裂く「アサシン」という布陣。それぞれのクラスに参考の操作難易度が併記されているため初心者でも選びやすい。とはいえ、自分がプレイしたいクラスを選ぶのがベストだ。

 また4月23日に公開された特別番組では、日本での正式サービスを記念し、サービス開始と同時に8番目の新クラス「デスブリンガー」が登場することが発表された。

【【レイヴン2】事前登録記念スペシャル放送】

 筆者はプレイ難易度が低いと記載されていたナイトレンジャーを選択した。本作には矢の消費という概念がなく、MPの自然回復も速いため、ポーションさえ維持すれば狩場に放置しても死ににくい。また、ボス戦ではヒット&アウェーが容易で、PvPでも後衛火力として重宝されそうな印象だ。

 キャラクターメイクでは30種を超えるプリセットに加え、輪郭、瞳孔サイズ、髪色のグラデーション、タトゥーや傷跡までスライダーで調整できる。

キャラメイクはかなり細かく、プリセットも複数用意されている

 装備強化は武器は+7、防具は+5、アクセサリーは+1までが安全圏だ。それ以上の強化は失敗時に装備が消滅する。強化時に破壊を防ぐ保護スクロールなどが存在するかは確認できなかったが、何らかの形で存在するかもしれない。序盤のゲームプレイでは安全圏内で揃え、余剰品でギャンブルに挑む形になるだろう。

 ほかにも、戦闘を補助するペット「使い魔」や衣装枠の「聖衣」というシステムがある。使い魔は所持ポーション上限や取得経験値に補正を与え、聖衣は攻撃速度や詠唱速度、基礎ステータスを直接底上げする。

 高レアリティの使い魔や聖衣を入手できれば戦力は1段階上に跳ね上がる。入手手段はガチャ的なシステムだが、無課金のゲームプレイでもある程度の回数は回せる。使い魔や聖衣がまったく入手できないという事態は発生しないだろう。

ガチャで入手する「使い魔」と「聖衣」も重要な要素だ。無課金でもある程度は入手できるのできっちりと入手して活用したい

コツコツと積み上げるデイリーのゲームプレイが鍵

 最後に筆者が感じた序盤の攻略情報をお届けしたい。

 序盤のゲームプレイは、メインクエストを進めて経験値を稼いでいくことが基本になる。レベル30前後に到達すると、敵に攻撃が当たりにくくなってくる。その壁にぶつかったら、低レベル狩場へ戻りコレクション素材を集めて命中を底上げするのが遠回りに見えて最短だ。

 メインクエストに加えて毎日プレイしたいのが「特務隊クエスト」だ。これは「○○という地域に出現する敵を△△体倒す」といったもので、難易度はそれほど高くない。クエスト報酬として装備や経験値が入手できるのだが、何よりも役に立つ報酬が「特務隊経験値」を獲得できることだ。

 本作には経験値獲得で上昇するキャラクターレベルの他に、この「特務隊経験値」獲得で上昇する「特務隊レベル」が存在する。この2つはそれぞれ独立しており、特務隊レベルはクエストのクリア、収集コンテンツのモンスター図鑑など、いくつかの手段で入手できる。

 キャラクターレベルの上昇では体力や、攻撃力、命中力などのステータスが上昇するのに対し、特務隊レベルではステータス上昇のほか、アイテムの報酬や、特務隊クエストで倒すべき敵の数が減少するといった様々なメリットがある。そのためキャラクターレベルとは別に、「特務隊レベル」の上昇を意識することが本作の攻略では重要となる。

 そして、デイリーでプレイできる経験値ダンジョン「タパナ峡谷」とゴールドダンジョン「ヴァルヴァール激戦地」もきっちりとプレイするといいだろう。どちらも毎日1時間という時間制限が設定されているが、入手できる経験値やゴールドは多めだ。

「特務隊クエスト」は毎日プレイしたい。「特務隊レベル」を上げていくのがキャラクタースペックの底上げに重要だからだ

 またステータス向上には装備強化も重要である。装備強化を試みる際はまず安全圏の上限まで統一し、防御と火力の底上げを図る。その後、失っても痛くない余剰品が揃った段階で安全圏以上の強化に挑戦していこう。

 そして、いわゆる自動狩りの「オフラインモード」も活用していきたい。この機能を利用するときの基本は、ポーションが切れにくい低レベル狩場にキャラクターを配置することだ。そうすることで、8時間という枠を上手く使うことができる。

経験値ダンジョン「タパナ峡谷」とゴールドダンジョン「ヴァルヴァール激戦地」の消化が重要だ

 今回プレイできたのはあくまでテスト環境だったので、正式サービスで課金バランスがどう着地するか、 PvPがどこまで公平に機能するかは正直なところ未知数だ。しかし、陰惨な表現上等の世界観を盛り込んだ“大人向け”のゲームプレイを提供していることを高く評価したい。

 ソロ放置で黙々とキャラを育てても良し、ほかのプレーヤーと交流しながら強力なボスモンスターに挑戦するのも遊び方の1つだ。正式サービス以降はPvPに注力するのも面白いだろう。そういう意味では、長期的なやり込み甲斐にも期待できる。“大人向け”の要素が今後どのように展開していくのか、ぜひ期待したい。