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「インフィニティニキ」に“香り”が付く! ソニー新技術「Grid Scent」体験レポート
嗅覚の制御で没入感が上昇。華やかな世界がよりリアルに
2025年1月10日 17:14
- 【ニキと旅するソニーストア~無限な世界へ、いざ~】
- 開催期間:1月10日~2月3日
- 実施店舗:ソニーストア(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)
全5カ所のソニーストアにて、映像と共に匂いを楽しめるソニーの「Grid Scent」を用いたイベントが開催中だ。場面の移り変わりに合わせてフローラルな香りや森の草木のような香りなど没入感が高まる体験ができる。
今回実施されているのは、12月5日にリリースされたプレイステーション 5/Android/iOS/PC用オープンワールドRPG「インフィニティニキ」とソニーストアのコラボイベント。「ニキと旅するソニーストア~無限な世界へ、いざ~」と題して、全5カ所のソニーストア(銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神)にて1月10日より2月3日まで開催されている。
店内では、前述した「Grid Scent」を体験できるデモ映像の他にも、試遊台やスタンプラリー、ワイヤレスイヤフォンで同作のサウンドトラックを聞ける施策なども実施中だ。
本稿では、イベント初日の1月10日にソニーストア銀座にて行なわれたメディア内覧会のレポートを、「Grid Scent」担当者の話も交えて紹介していく。
視覚だけでなく匂いも加わり今後のゲーム体験への期待が高まる「Grid Scent」
まず注目していただきたいのが、ソニーストア銀座5階に設置された2.4mの立方体の空間「SHIKAKU」。エスカレーターを上がってすぐのところに設置されており、外観には「インフィニティニキ」のキャラクター達が可愛らしく描かれている。
「SHIKAKU」内部では、前述した映像と共に香りを出す「Grid Scent」と共に、同作の幻想的な自然を描く映像「ニキと過ごす一日」を視聴可能。内部には椅子が3脚とモニター、匂いを出す装置が設置されている。
映像では、花畑や森など緑溢れる同作の世界観が映されており、再生が始まると同時にフローラルな香りで空間内部が満たされる。そして、場面が変わる毎にラベンダー畑ならラベンダーの香りが、森の中なら草木の香りが展開。映像の美しさを楽しむ視覚と合わせて嗅覚からも作品の世界観を堪能できる。
香りが何度も切り替わっていくなかで驚いたのが、匂いが残らないこと。短めの映像の中で数度香りが切り替わるのだが、どれも切り替わった後のにおいを邪魔することがなかったため、どの場面も新鮮な空気感で楽しめた。
映像だけを見た場合には、同作のグラフィックや音楽など世界観を楽しむことになる。もちろん本作のグラフィックも綺麗だし、十分に現行のエンタメ体験としては満足のいくものなのだが、そこに嗅覚が加わることで、より没入感が増す。「自分がその場にいる」という感覚がワンランク上のものとなり、美しい自然をニキと一緒に周っている気分になれる。
ここからは「Grid Scent」の今後の展望やエンターテインメント以外の用途などについて、担当者に伺った話を紹介していく。
医療でも活躍? 「Grid Scent」の空間芳香を用いて没入感を増す夢の技術
「Grid Scent」とは、カートリッジを事前に入れておくことで、香りを空間に展開できる空間芳香の構想。香りの元となる嗅素を制御する「Tensor Valve」と呼ばれる技術を用いており、これを応用した匂い漏れや空間の匂い汚染等の課題とされた嗅覚測定を可能とする技術を結集したものとなっている。
エンターテイメント分野への応用としては、例えば東京ディズニーシーにある「ソアリン : ファンタスティック・フライト」のようなイメージだ。「ソアリン」は“空を飛ぶ”という体験を、映像と香りを組み合わせ、五感のうちの視覚・聴覚・嗅覚の3つを刺激することで作り上げている。
事業責任者・藤田修二氏によれば、「課題はまだまだあるものの、将来的には個人で使えるようにしていきたい」とのことだ。特に印象的だったのは「人の味覚は嗅覚から感じる部分も多い」ということ。さらに、「香りは視覚から情報を補完することもできる」ということだ。これは筆者の想像だが、ゲーム内のおいしそうな食べ物の味をキャラクターと一緒に感じられる日が来るかもしれない。
さらに、「Grid Scent」のデモ版では既に血や硝煙といった匂いを実際に作ったこともあるそうで、ただいい匂いを出すものというわけではないようだ。FPSなど戦う作品でもその没入感に期待できる。なお、匂いについては数万通り作れるそうなので、今回の優しい花の香りからゾンビの腐臭まで大抵の匂いは再現できそうだ。
また、エンタメ以外では、医学分野にも活用されている。認知症やパーキンソン病は発症の10年前から嗅覚障害が起こるという研究結果があり、その検知に役立っているそうだ。
今回の「インフィニティニキ」の体験では、エンタメの没入感をさらに高める未来技術の片鱗を垣間見ることができた。今後の展開に是非とも期待したい。
「インフィニティニキ」グッズも! 世界観溢れる店内装飾や試遊台
ここまで「Grid Scent」を中心に紹介してきたが、店内では他にも「インフィニティニキ」に関する施策も行なわれている。
まず見逃せないのが、店内のスタンプラリー。店内に3つ設置されたボードのQRコードを読み込み、追加で後述する試遊の際に1つもらえるスタンプを集めることで4種類のポストカードをもらえる。集めた数に応じてランダムに1枚もらえるようになっている。どれも幻想的で可愛らしいデザインのため、同作をプレイしたことがなくてももらって損はないとだろう。
また、「インフィニティニキ」を実際にプレイできる試遊台も用意されている。こちらはPS5とPCがそれぞれ用意されており、ソニーのゲーミングギアブランド「INZONE」のヘッドセットやモニターを用いて同作をプレイできる。
さらに、販売中のテレビ「ブラビア」各種では「インフィニティニキ」の映像が流れており、ニキやモモのパネルと共に店内の雰囲気を華やかに彩っている。他にも、店内のXperiaなどでは「インフィニティニキ」のサウンドトラックを完全ワイヤレスイヤフォン「LinkBuds」で聞くこともできる。作品の世界観に彩られた店内で同作の音楽を聞くと、いつもと違った気分を味わえそうだ。
なお、店内のグレーのジャケットを着用した“スタイリスト”と呼ばれるスタッフは各ガジェットに詳しい。操作方法や各機器の説明を受けることで、ソニー製品の世界や「インフィニティニキ」がより楽しめるかと思う。「Grid Scent」と合わせて、ぜひ体験していただきたい。
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