先行体験

オープンワールドアドベンチャー「インフィニティニキ」先行体験レポート【TGS2024】

様々な服に着替えて世界を探検、美しくて可愛らしい世界観が魅力

【インフィニティニキ】

発売日:未定

価格:未定

 シンガポールのInfold Gamesが開発する「インフィニティニキ」は広大な世界を探索できるオープンワールド“着せ替え”アドベンチャー。プレイステーション5/PC/iOS/Androidで展開予定で、10月8日よりクローズβテストを開始する。パブリッシングもInfold Gamesが担当する。

 プレーヤーは様々な服に着替えることで“奇想力”という不思議な力を使える女の子“ニキ”となって世界を探索し様々なクエストに挑戦していく。本作の大きな魅力はその美しいCGで描き出される世界観だ。

 光り輝く髪の毛や、動物の美しい毛並み、キラキラと輝く世界など、メルヘンチックで美しい世界やキャラクターが描かれている。世界を探索するだけでなく様々なミニゲームも用意されていて、広大な世界を旅する楽しさを感じられる。今回、TGSの会場の周辺でプレゼンテーションが行われ、本作をしっかり触ることができた。「インフィニティニキ」の魅力を紹介したい。

【「インフィニティニキ」State of Play 2024 PV】
本作のティザームービー。ムービーは英語音声だが今回体験できたバージョンは日本語音声が収録されていた

様々な衣装に着替えて世界を探索

 Infold Gamesはこれまでも“ニキ”が活躍する作品を複数モバイル向けに展開している。日本では2Dグラフィックスの着せ替えRPG「ミラクルニキ」、3Dグラフィックスの着せ替えRPG「シャイニングニキ」がプレイ可能だが、「インフィニティニキ」は実は「ニキシリーズ」のシリーズ5作目に当たるという。

iOS/Andoroidでサービスされている2Dグラフィックスの着せ替えRPG「ミラクルニキ」
同じくモバイル向けの3Dグラフィックスの着せ替えRPG「シャイニングニキ」

 「インフィニティニキ」はこれまでの着替えの楽しさに加え、広大な世界が3Dグラフィックスで描き出され、様々な場所を探索できるようになっている。プレーヤーはニキとなって相棒のマスコット・モモと共にこの世界を探索し、住人達の相談に乗り様々なクエストをこなしていく。ニキには服装を変えることで様々な能力を発揮する“奇想力”があり、この力で冒険を進めていくのだ。

【「インフィニティニキ」ティザーPV】
ニキが様々な服に着替え能力を使っている様子が確認できる

 今回はテスト環境なため、色々な衣装が解放されているだけでなく、ワープゲートも開放され、広大な世界を探索することができた。

 ニキは様々な能力を着せ替えによって発現できる。可愛らしいワンピースと頭巾に身を包むと「お手入れ」ができるようになり、フィールドにいる動物、犬や鶏、ウマなど様々な動物にブラッシングが可能となる。臆病な動物に近づくには、忍び足を駆使しなければダメだ。「虫取り」はニーハイソックスと麦わら帽子が特徴の衣装。アクションボタンで捕虫網を振り下ろし虫を捕まえることが可能だ。

 アームカバーとリュックサック、日よけ帽も完璧な「釣り」の衣装では水辺で魚釣りができる。ショートパンツに上半身は作業着は「修理」。ダンジョンでのスイッチを作動させるのに活躍する服だ。ニキはあらかじめショートカットメニューに衣装をセットしておくことで、各服のスキルが使える。スキルを使う際、光を放ち瞬時に服が替わるのが面白い。

 このほか2段ジャンプが可能となる「浮遊コーデ」や、空中を長く滑空できる「フラワーコーデ」などもある。また、「演奏会」の服に身を包むとニキはバイオリンを演奏できる。このバイオリンは実際の楽器演奏のように自由に曲が奏でられるという。特定の曲を弾くクエストも用意されているとのこと。

ニキは様々な衣装に身を包むことで特殊能力を発揮できる

 本作の基本はオープンワールドアクションアドベンチャー。広大な世界・マーベル大陸を探索していく。世界は非常に美しい。広く開けた空、青々とした植物、流れる川、中世ヨーロッパ風の建物もあるが、住人達は笑顔で平和そうな雰囲気だ。フィールドは時間で変化するが、全体的に雰囲気が明るい。探索しているだけでも楽しい世界だと感じた。

 フィールドには「お手入れ」能力でなでることができる動物のほか、こちらを見ると襲いかかってくるモンスターも存在する。ニキは手から光弾を放つことができ、“浄化”の能力でモンスターを倒すことができる。敵からのダメージは小さめでアクション要素はあるが戦闘はかなり難易度が低く感じた。フィールドでは戦闘よりも探索が中心となるバランスのようだ。

 フィールドは高低差の激しいところもあるがニキは高いところから落ちてもスカートをふわりと拡げてゆっくり降下していくので落下ダメージなどはない。ジャンプは2段ジャンプ、さらにボタンを押しっぱなしでちょっと高い位置までジャンプができ滑空もできる。ジャンプで探索できる場所を探してフィールドを進む感じだ。

 面白い要素として「ジャンプアザラシ」という生き物がいて、話しかけることで尾に乗せてもらい、アザラシが尾を振るとニキは空高く飛ばされ、高いところに移動できる。このアザラシの力を使うことでより広い範囲の探索ができる。また各地にはワープゲートがあり、解放することでいつでもそのワープゲートに行くことが可能となる。

動物たちとのふれ合いも楽しい

 フィールドでは様々な生産アイテムのほかフィールドに隠されている“星”を手に入れることができる。さらに“奇想の星”という希少アイテムがあり、これらのアイテムを集めることがフィールド探索の大きな目的となる。奇想の星が近くにあると相棒のモモが教えてくれるので、モモのヒントを便りに隠された星を探していくのも楽しい。

 このほか町ではクエストが受けられた。クエストはアイテムの収集などだが、ミニゲームも多数用意されている。ミニゲームは「倉庫番」のようなパズルゲーム、タイミングが難しい「ダンスゲーム」、光る足場を飛んでいくジャンプゲームなど体験できたものだけでも多彩で、いろいろなものが用意されているようだ。次章では「ダンジョン」を紹介したい。

アクション要素の強いダンジョン

 「インフィニティニキ」の世界にはいくつかのダンジョンが存在する。今回見ることができたのは「幽霊列車」と「地下神殿」。幽霊列車は頭から布をかぶったような古典的なオバケが行く手を阻む。ダンジョンはフィールドよりアクション要素が強く素早い操作が求められる。

【「インフィニティニキ」 CBT PV】
ムービー中盤からダンジョンの様子が確認できる

 幽霊列車では走っている列車の上がフィールドになる。徘徊しているオバケに捕まってしまうとオバケに包まれ列車の外に出されてしまい、大ダメージを負ってしまうのでボタン連打で逃げる必要がある。

 幽霊列車は床が抜けていたり高低差があるので、ジャンプと滑空で切り抜けていく。オバケは通常の2倍以上の巨大オバケや弾を撃ってくるオバケ、突然現れる待ち伏せ型オバケなど多数の種類がいる。

 幽霊列車では小さなミスで大ダメージを負ってしまう。ミスを繰り返すとゲームオーバーになるが短い間隔でリスタートポイントが設定されているので挑戦を繰り返せばクリアできるだろう。これまでのフィールドとは異なり明確な敵の存在が明らかになる要素だ。

 もう1つ「地下神殿」では「修理」の服が活躍するフィールドだ。ジメジメと湿っていて、フィールドが水に覆われている地下神殿では水に落ちないように注意し負ければならない。鉄砲魚のような敵がいて、ニキの行く手を水を吹きだして防いでくる。うまく水の間隙をついて進んでいく。

 フィールドの仕掛けは修理しないと進めない。修理は「水道管ゲーム」風のミニゲームになっていて、いくつかのパネルを回転させ電気を通電させる。通電させるとダイナミックに地形が変わったり大きな仕掛けが特徴のダンジョンだ。

モバイル版の前作ではお部屋要素も魅力だった。今作でも期待したい

 ダンジョンでは頻繁にカットシーンも挿入される。ティザームービーでも感じたのだが、特にムービーではニキの描写に非常に力が入っていてどの表情も美しい。服を変えたり、アクションをする姿も力が入っていて、自分の姿を変えて楽しむ「着せ替えRPG」というこれまでのコンセプトをはっきり継承していると感じた。

 また、生産や探索で衣装の設計図や材料が手に入ったので、衣装を作る機能もあるようだ。今回紹介した特殊能力のある衣装以外にも、上着や靴下などアバター用衣装としてたくさんのアイテムが用意されている。「インフィニティニキ」はやはり衣装を集め、ニキを着飾らせるのが大きな楽しみのようだ。グラフィックの方向性が美しい風景とキャラクターを追求するアジアらしいベクトルなのも面白い。注目して欲しいタイトルである。

 広大なフィールドを歩くことができるアジア生まれのゲームということで、筆者は「MMORPGかな?」と思っていたが、「インフィニティニキ」はフィールド探索が楽しいアクションアドベンチャーであるところに好感を持った。

 これまでアジア発のタイトルではMMORPGとしてフィールドやコンテンツを小出しにしていくスタイルの作品が多かったが、「インフィニティニキ」はしっかりコンテンツを用意しスタンドアロンで楽しめる買い切り型のタイトルであるようだ。フィールドでのレスポンス、キャラクターの操作性も良く、「日本以外のアジアでもようやくこういうゲームが出るようになったか」という感慨があった。