先行体験
今作は“人間ドラマ”が濃い!「モンスターハンターワイルズ」の「Chapter1」をプレビュー
旅を感じるゲーム演出や新モンスターとの激闘を体験
2024年12月4日 00:00
- 【モンスターハンターワイルズ】
- 2025年2月28日 発売予定
- 価格:
- 通常版 9,900円
- デラックスエディション 11,900円
- プレミアムデラックスエディション 13,900円
2025年2月28日に発売を予定している「モンハン」シリーズ最新作「モンスターハンターワイルズ(以下:ワイルズ)」。先日行われたオープンβテストではアクション面の詳細や実際のゲームシステム等が明らかになり、ファンの間では様々な意見が飛び交い大きな盛り上がりを見せている。
今回はそんな「ワイルズ」の序盤部分「Chapter1」をフルに体験できるメディア体験会に参加できたので、CBTでは見えなかった本作の実際のゲーム感をレポートしていこうと思う。
イベントや世界観の見せ方、新モンスターとの狩猟アクション、実際のストーリーの進み方や拠点回りのシステムなど、見所が満載だったのでぜひ参考にしてほしい。
世界観を魅せる手腕が随所に! 圧倒的”旅感”を感じる「ワイルズ」独自の惹き込まれるストーリー展開!
メディア体験会では本作の「Chapter1」をフルでプレイする事ができ、オープンβでは冒頭しか体験できなかったストーリー部分を腰を据えてしっかりプレイする事ができた。
ゲーム冒頭のイベントで「禁足地」に降り立った調査隊一行は、現地民である「イサイ」兄妹を救出した後(ここまでがOBTのストーリーだった)、2人を彼らが暮らす「風音の村 クナファ(以下:クナファ村)」へ送り届ける「ストーリークエスト」が発生する。
「ストーリークエスト」はゲームを進行させるクエスト。本作ではクエストを受注するのではなく、ストーリーラインに沿ったキャラクターに話しかけたり、フィールドの特定の場所に向かう事でクエストが発生する。従来よりも物語性を重視した形が取られている印象だ。
「セクレト」に乗り2人をクナファ村へ届けると、村で力を持つ「先駆け衆」のリーダー「ガトー」を筆頭にハンター達は村人から不審な目で見られる。最初は、村の中には入れず追い返される形となってしまう。
「Chapter1」ではこのクナファ村の人々と徐々に交流していくこととなる。外から来た調査隊一行と現地民である村人の異文化交流がストーリー上での特徴だ。
超常的な力を持つ「ハンター」という概念を全く知らない人々の反応を見られたり、逆に「セクレト」や「隔ての砂漠」の習性や、村をモンスターから守る「鳴子」の存在など、クナファ村特有の文化を垣間見たりなど、今までにないゆったりとした独自の世界観を満喫できるだろう。
物語のもう一つの基軸となるのが調査隊の目的である「禁足地」の探索だ。
ストーリー中はハンターと行動を共にする調査隊一行達と協力しながら、本作のメインとなる「白の孤影」や「ナタ」の故郷を求めて冒険していく事となる。
仲間たちとの未開エリアの捜索や現地の生態系調査、モンスター達の痕跡収集など未開の地である「禁足地」ならではのイベントが多く、原生的な雰囲気を存分に味わえるのも特色の1つと言える。
さらに実際にプレイして感じたのが、物語性が強い本作の特色に合わせてキャラクター性が非常に濃い事だ。
特に行動を多く共にする「アルマ」や「オトモ」はイベントシーンの隅々でクスっとするようなポイントを作ってくれたり、最初は心を閉ざしていた「ナタ」が徐々にハンターたちに心を開いていく様子が描かれたりするなど、序盤からキャラの掘り下げが丁寧に行われている印象だ。
他にも生態調査でイカれた行動をする「エリック」や自身の考古学コレクションが絡むと様子がおかしくなる「アルマ」など、各々が専門分野のオタクすぎてぶっ飛んでる描写が多いのも楽しい所だろう。また「モンハン」シリーズの世界設定を掘り下げる会話イベントも多く、「ジェマ」は幼少期の砂漠での冒険話をしたり、星の隊の一員「ヴァルナー」が「竜撃砲」の原案者だったり等、シリーズファンがにやけるようなファンサービスも多く確認できた。
「Chapter1」終盤では調査の結果「ドシャグマ」の群れがクナファ村を襲うかもしれない事が判明し自体は急変。村人たちへの説得や協力など熱いドラマが展開されつつ、本作のPVで示唆されていた「ハンターとは一体何なのか?」といった部分にもフォーカスを当てた物語がしっかり展開される。
ゲームとしてはもちろん序盤ながらも骨太なストーリー展開で満足感も大きく、最終的に向かえる大団円では正直「ここで1つのエンディングなのかな?」と感じるほどの達成感はあった。
クナファ村の問題を解決した後、新たなエリアの情報を入手した事で「禁足地」の新たな道が開かれ冒険はさらに続く……といった所で「Chapter1」は終了した。
今回のプレイでは、「未開の地を調査→現地民と交流し問題解決→新エリアへ進む」という流れとなっており、これが本作の基本的なストーリーを追うプレイサイクルになるのではないかと筆者は推測している。
本作のメインストーリーの進み方は今までの「モンハン」ではあまりなかった”RPG感”が強くあり、会話イベントも多い事で各キャラクターとの関りを強く感じられ、人間ドラマの濃い作品になっている印象だ。
ちなみに、なぜ今作は今まで以上にドラマ性を強く感じたのかを考察すると、展開の熱さもあるが、他にもストーリーやイベントの”見せ方”に数多の工夫を凝らしているからだと筆者は感じている。
特徴的な部分として、本作ではマップを移動中、時折広大な世界観を見せるためか、プレーヤーによる視点操作で景色を見せるチェックポイントを作っている。
他にも動き回れるイベント中は、キャラクター達がまさにその場にいる感じで方々で自由に会話を始めるので、会話を聞きたい場合はキャラクターの後を追う必要があったりなど、プレーヤー自身が自発的に世界観に入っていくような導線が随所に見られた。
先述したキャラクターの濃さと相まって没入感はかなり高く、特にストーリーにおいて、今までの「モンハン」シリーズとは一味違ったゲーム体験ができると筆者は感じた。
今回初お披露目「ケマトリス」「ラバラ・バリナ」「ババコンガ」を狩猟! 密林の頂点「ウズ・トゥナ」とも遭遇
今回体験したストーリー中に確認できた新モンスターは「ケマトリス」「ラバラ・バリナ」「ウズ・トゥナ」の3体に加えて、復帰モンスターとして注目を集めている「ババコンガ」の4体だ。いずれも個性の塊のような連中である。
序盤に遭遇する「ケマトリス」と「ラバナ・バリナ」は特徴的なモーションがありながらも動きを見切りやすく初心者向けな印象で、本作のシステムに慣れる練習相手として非常に適している存在となっていた。
「ケマトリス」は炎尻竜の二つ名があり、これに相応しく尻尾を用いた火属性の攻撃を行い、アクションのついでにフィールドを炎上させる事でスリップダメージを与えてくるのが特徴的だ。
他のモーションは短い縦軸の攻撃と回転攻撃による薙ぎ払いといったモンスターのお手本のような攻撃なので、武器のアクションチェックと体力管理を行いながら自分の攻撃を通す「モンハン」の基礎を体得するのに打ってつけの相手だろう。
逆に「ラバナ・バリナ」は初心者向けながらも独特な見た目に見合った個性的なモーションが多い。
蜘蛛をモチーフとした鋏角種の中でも緩急のある素早い移動モーションに加え、アイデンティティの赤い綿毛を各攻撃でフィールドにばら撒いて動きを抑制してきたり、背中の棘を用いた攻撃と合わせて麻痺状態にしてくるなど、トリッキーで手数の多いモンスターと言える。
反面、防御は脆いのか意外とダウンを狙える機会が多く、「傷口」への「集中弱点攻撃」を行えれば、かなり攻撃のターンを貰えるので積極的に攻撃を行う楽しさを体験できる。
両モンスターとも別々の路線で初心者にアクションの面白さを体感させてくれるような設計となっており、それぞれの素材も汎用性の高い「火」と「麻痺」の武器作成に使えることからも序盤に最適な存在ではないだろうか。
久々の登場で全国のハンターを興奮させた「ババコンガ」は、昔懐かしのモーションのまま復活した形となる。
実に「モンスターハンターダブルクロス」ぶりの登場となるためグラフィックスの進化をダイレクトに感じられ、最新作ならではの獣らしい毛並みや泥に塗れた時の汚れ表現などに改めて感動できるだろう。
従来の牙獣種らしいダイナミックな攻撃モーションに加え、「ババコンガ」の代名詞ともいえる後方への「屁」による攻撃、食したキノコに応じた「ゲップ(ブレス)」攻撃は未だに健在だ。
またモーション以外にも懐かしさを感じる部分があり、今作でもしっかりと「コンガ」達と共に連携攻撃を決めてくる。その昔大量の「コンガ」に邪魔されて「ババコンガ」に苦戦したハンターも少なくなく、「ワイルズ」でもその嫌らしさを味わえそうだ。
「Chapter1」の最後に邂逅できるのがOBTで猛威を振るった生態系の頂点「レ・ダウ」に並ぶ強者「ウズ・トゥナ」である。
ストーリー上での初手合わせでは歴戦ハンターの「オリヴィア」と共に挑む事となり、その巨体と水流を生かした圧巻の攻撃モーションが特徴的だ。
「レ・ダウ」と同様に登場した際には天候を変化させてフィールドを大雨で包み込み、禍々しい形相と台風レベルの気候変動で他モンスターとの格の違いを見せつけてくれる。
物理的な攻撃モーションとして基本的な回転や突撃を行うのだが、その中でも宙をうねるように体を捻じ曲げながらプレスするモーションや、動きが遅いように見えて水面を素早く潜航して距離を詰めてくる独特のモーションが目を引くだろう。
天候は大雨ということで、熟練のハンターならお察しの通り、一部の攻撃にはハンターのスタミナ回復を鈍らせる「水属性やられ」が付随している。また、ハンターが追えない水中に移動すると、波をぶつける遠距離攻撃や視覚外から唐突に飛んで距離を詰めてくるプレス攻撃など、生態系の頂点に相応しい怒涛の攻撃パターンでハンターを追い詰めてくる。
ストーリー上でも「Chapter1」の邂逅では討伐ではなく撃退という扱いであり、ゲーム序盤を締めくくるにふさわしいボスの風格を見せてくれる。ここから登場する数多の新モンスター達の強さに期待を持たせてくれる存在だった。
トレーニングエリア・加工屋など「モンハン」ライフに欠かせないシステム周りをチェック!
最後に今回のプレビュー版で明らかになったシステム周りについて取り上げたいと思う。
まず「ベースキャンプ」についてだが、本作は「禁足地」を旅しながら進むというストーリーに合わせて、1箇所の拠点に駐在するのではなく、各所に「ベースキャンプ」を作って拠点間をファストトラベルで飛びながらフィールドをシームレスに行き来するスタイルが採用されている。
「Chapter1」内で確認できたのはOBTでも登場した「隔ての砂漠」の大きな拠点と、「ババコンガ」や「ウズ・トゥナ」等を狩猟できる「緋の森」の拠点の2つ。どちらも基本的な施設は存在しているため各マップに出る際にそれぞれの拠点へファストトラベルするのが基本となるのだが、「トレーニングエリア」など一部の施設は「隔ての砂漠」にしかなく、逆に「緋の森」のベースキャンプには釣りスポットがある等細かい部分で違いがあるようだった。
フィールドに設置できる簡易キャンプと合わせて、どこに飛べば何ができるのかを従来のシリーズ作品以上に意識する必要があるかもしれない。
上で話題にした「トレーニングエリア」についても確認できたので紹介しておこう。
「隔ての砂漠」のベースキャンプ内にある「トレーニングエリア」では従来のシリーズと同じように、基本的なアクションや各武器のコンボルート&モーションのチュートリアル&チェックが行える。
また「モンスターハンター ライズ」に登場した「からくり蛙」や「モンスターハンター ワールド」に登場した「荷車」のような、実際のモンスターのように攻撃アクションを行ってくれる人形「ネコ式訓練タルパンチャー(以下:タルパンチャー)」が今作でも用意されていた。
「タルパンチャー」の挙動は従来通り細かく設定する事ができ、特定のスキルを発動させた状態にできたり、最初から「傷口」を付与した状態にできたりなど、今作独自の要素もしっかり反映している。
各モーションの攻撃判定のチェック、カウンター技やジャストガードの練習なども問題なく行えたので、様々な変化が起こった本作でも安心して独自のアクションを練習できるだろう。
「ベースキャンプ」内の施設は「Chapter1」だと「ジェマ」が取り仕切る「加工屋」、アイテムを購入できる「物資補給所」や携帯食料を入手できる「食料配給所」などシリーズでは馴染み深い施設が揃っている。
「簡易キャンプ」ではハンターの装備切り替えやアイテム整理を行えつつ、ハンターの見た目・装備の見た目をいつでも変更できるようになっていた。既存シリーズのUIに近い内容が多いので迷う事もなく、ビジュアルに関してはいつでも自由に弄れる感じだったのでストレスフリーで遊べるだろう。
施設に関してはストーリーの進行とともに増えていく形式だったので、この先も新たな施設が生まれる可能性が高いが、施設の利用方法等はストーリーイベントに沿ってその効果を教えてくれるのでスッと頭に入る作りになっていた。
今回のプレビュー版で体験できた内容は以上となる。「Chapter1」だけでもかなり濃い内容となっており、アクション・ストーリーの両面で楽しめる細部の拘りを垣間見える内容だったと筆者は感じている。
OBT版ではプレーヤーより様々な意見が飛び交う形となったが、製品版に向けて日々アップデートが重ねられている状態との事なので今後も期待して待ちたい。
実際今回の試遊でも武器の音や感覚が属性、種類ごとに異なる感覚がしたので、次報が非常に楽しみだ。
上記の内容を踏まえて、OBTや今回の試遊で感じた疑問点を開発陣にインタビューした記事も合わせて公開されているので、ぜひそちらも合わせてチェックしてみて欲しい。
(C)CAPCOM