バンダイナムコ、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」
「ブロックNo.1チーム決定戦」第2週の模様をレポート
株式会社バンダイナムコゲームスは、稼働中のアーケード版「機動戦士ガンダム 戦場の絆」において、地方イベント「ブロックNo.1チーム決定戦」を開催中だ。(6月18日分はこちら)。
イベント2週目は6月25日と26日の日程で行なわれ、25日はEブロックのnamco中野、GブロックのAMPIA 川崎ダイス、Jブロックのプラボ長野、Nブロックのアミパラ倉敷が行なわれ、26日はワンダーシティ札幌で激戦が繰り広げられた。各ブロックの結果は公式サイトで確認していただきたい。
今回の大会ルールは最大8チームによるリーグ戦。ステージはニューヤークおよびニューヤーク(R)。まずチームリーダー同士によるじゃんけんが行なわれ、軍かステージを選択、負けた側は勝ったチームが軍を選択した場合はステージ、ステージを選択した場合は軍を選択する方式で行なわれている。なお、参加チームが少ない場合、運営側から全チームに了解を得た上で、軍を入れ替えての完全総当り戦も実施されることとなった。優勝チームには「特別カラーリングモビルスーツ」と「ブロック代表勲章」が両軍に支給される。
■ 川崎は両軍対決が実現
第2週目は、川崎で行なわれたGブロックと、中野で行なわれたEブロックにお邪魔した。Gブロックはエントリーが5チームで実際に参加したチームが4(風紀委員会川崎支部が欠席)と少な目だったこともあり、両軍での総当たり戦となった。これにより、じゃんけんでジオン公国軍を引き当てる、という不安定要素はなくなったものの、優勝するためには地球連邦軍サイドに回ったとき、いかに勝ちをもぎ取るかが勝負になった。
ジオン公国軍サイドでの編成を見てみると、
・風紀委員会日吉支部チーム
「B.D.2号機(NS)」、「ザクII(S)」、「ゲルググ(G)」、「ギガン」or「ザメル」(対TEAM全国制覇戦)
・音速のスター軍団チーム
「B.D.2号機(NS)」×2、「ゲルググ(G)」、「ザメル」
・TEAM全国制覇チーム
「B.D.2号機(NS)」、「ザクI」、「ゲルググ(G)」、「ザクI後期型」
・ダイス庶民チーム
「イフリート改」、「ザクII改」、「ゲルググ(M)」、「ザメル」
この編成でほぼ固定だった。やはり「B.D.2号機(NS)」の足の速さと火力、そして「ゲルググ(G)」の「ビーム・ライフル」と「クラッカー」の使いやすさを軸に、各チームメンバーに合わせて調整した結果といえるのだろう。1週目の出場チームと違うのは、「ザクI(S)」を入れるチームがいなかったこと。強力とはいえ、少人数戦では「ザク・バズーカ」や「ラケーテン・バズ」への対策が進んでいること、そして機動重視セッティング「5」にするとAP(アーマー値)がこころもとないなどの理由があったのだと思われる。
さて、今イベントでの注目ポイントの1つである地球連邦軍サイドの編成を見てみよう。
・風紀委員会日吉支部チーム
「アレックス」×2、「B.D.2号機」、「ジム・キャノン」(対ダイス庶民チーム戦)
「B.D.2号機」、「陸戦型ジム」、「ガンキャノン」、「ガンタンク」(対TEAM全国制覇戦)
・音速のスター軍団チーム
「B.D.2号機」、「ガンキャノン」、「陸戦型ガンダム(ジム頭)」、「量産型ガンキャノン」
・TEAM全国制覇チーム
「B.D.2号機」、「陸戦型ジム」、「陸戦型ガンダム(ジム頭)」、「量産型ガンタンク」
「アレックス」、「ピクシー」、「ジム・カスタム」、「量産型ガンタンク」(対風紀委員会日吉支部戦)
・ダイス庶民チーム
「ジム・ストライカー(ネメシス隊)」or「アレックス」、「ジム・ガードカスタム」、「B.D.1号機」、「量産型ガンキャノン」
格闘型2機+射撃型か、格闘型1機+射撃型2機だけでなく、さらに格闘型2機+「ジム・カスタム」や格闘型1機+近距離戦型2機などバリエーションが多く見られた。
●引き出しの多さが勝利の鍵を握る!?
注目していた風紀委員会日吉支部チームとTEAM全国制覇チームは、最後に当たる格好となり、結果としては風紀委員会日吉支部チームが全勝で幕を閉じた。
風紀委員会日吉支部チームは、ジオン公国軍サイドでも3戦とも同じ編成を使わず、相手のチームの傾向を読み、対策を立てていたようだ。特に最後の対TEAM全国制覇チーム戦は、それまで立体的移動を重視して「ギガン」を選択してきた風紀委員会日吉支部チームが、初めて「ザメル」をチョイス。
これまで「ザメル」を使ってきたチームはほとんどが中央のビル群を使って立体的な移動を行ない、前に抜けつつ中央から右ルートに流れて拠点を撃つ展開で、地球連邦軍サイドの拠点攻撃機を迂回させるか、通称「ひな壇」周囲でカット合戦に持ち込んで護衛か拠点攻撃機を攻撃し、あわよくば撃破して拠点攻撃を遅らせる展開になっていた。風紀委員会日吉支部チームの場合は、この拠点攻撃機に立体的機動をさせるにあたって「ギガン」をチョイス。
最近の傾向では、前述の中央ルートで「ザメル」というのもポピュラーだが、確かに「ザメル」は装甲重視セッティング「2」でブースト消費がマイルドになるものの、会敵時の出会い頭にダウン兵器で転ばされるなどして落下してしまった場合のリカバーは「ギガン」のほうがやりやすい。また、ほかの装甲重視セッティングでは地上を「ボディチャージ」で移動したくなるが、中央のビル群の間を抜けるように地上を移動すると、相手の射撃型や格闘型機体に絡まれやすくなり、事故の元になりやすい。中央ルートを使うならコストも下がるし「ギガン」でいいのでは、ということからこのチョイスだったそうだ。しかもこのギガンによる中央ルート攻めは、対TEAM全国制覇チーム戦のことを考えての布石でもあったという。
●TEAM全国制覇チーム(ジオン公国軍)VS風紀委員会日吉支部チーム(地球連邦軍)
決戦となったTEAM全国制覇チームと風紀委員会日吉支部チームは、先にTEAM全国制覇チームがジオン公国軍サイドの1戦からスタート。
通称「ひな壇」左横のビルの上から「ガンキャノン」、そして「陸戦型ジム」と「ガンタンク」で固まってあがってきた地球連邦軍に対し、ジオン公国軍側は中央ルートに全軍を寄せつつ、通称「ミニひな壇」付近から「ギガン」がブラインドショットによる拠点攻撃を始めたとほぼ同時に「B.D.2号機」が単騎アンチで目前に到着し、にらみ合いの状態からプレッシャーをかけ始める。
「ひな壇」横から「ガンキャノン」に「ザクI」がプレッシャーをかけると同時に、「ガンタンク」がひな壇2段目に到達。そのまま拠点をブラインドショットで撃ちながら、「ガンタンク」がダイブするころに、「B.D.2号機」に孤立した「ギガン」が撃破され、「ギガン」は右ルートからリスタート。「陸戦型ジム」と「ガンキャノン」の攻撃で瀕死の「ザクI」、「ゲルググ(G)」を小ビル群前で抱えつつ、AP残り3割まで削られながら「B.D.2号機(NS)」が「ガンタンク」を撃破。「ガンタンク」は中央ルートにリスタートし、ほぼ同時に撃破された「陸戦型ジム」もこれに続く展開に。「ゲルググ(G)」もここで「ガンキャノン」に撃破され、左ルートからリスタートした。
「ギガン」は「B.D.2号機」にマークされるも、その前にリスタートしてきた「陸戦型ジム」に噛み付かれ、「B.D.2号機」へパスされるとそのまま高速下中央で拠点を2発攻撃しながら撃墜され、左ルートからリスタートする羽目に。そこでもまたもや「B.D.2号機」に張り付かれてしまう。
護衛を「ガンキャノン」にスイッチした「ガンタンク」は、ひな壇上から拠点攻撃へ。アンチに「ゲルググ(G)」が張り付くものの、「ガンキャノン」、遅れてきた「陸戦型ジム」のマンセルに「B.D.2号機(NS)」が撃破され、ドーム脇にリスタートした「B.D.2号機(NS)」が「ガンキャノン」と1VS1の状態で引っ張られる間にダイブしてきた「ガンタンク」が拠点を撃破(残り110カウント)。
ほぼ同じタイミングで「ギガン」は3度目の撃破を迎え、右ルートへリスタート。残り65カウントでようやく拠点を撃破したが、その移動中に地球連邦軍前衛3機が撤退、ラインが伸びきり、拠点前の橋のたもとで「B.D.2号機(NS)」と「ザクI」を回収され、ジオン公国軍の戦力ゲージはほぼ壊滅状態に追い込まれた。最後は残り17カウントで単騎拠点攻撃を敢行した「ガンタンク」が敵拠点を撃破して勝利となった。
●TEAM全国制覇チーム(地球連邦軍)VS風紀委員会日吉支部チーム(ジオン公国軍)
代わってジオン公国軍サイドとなった風紀委員会日吉支部チームは、左ルートを「ボディチャージ」で高速移動し、「ザクII(S)」と「ゲルググ(G)」の2護衛のスタイルで通称「クレーター」から拠点を撃ち始める展開。左ルート攻め2護衛のスタイルだが、スタートから中央~右に2機流れるように見せ、2アンチが対応して左ルートに流れた時点で「B.D.2号機(NS)」が単騎アンチに、「ザクII(S)」が護衛に合流というスタイルで地球連邦軍サイドにゆさぶりをかける序盤の展開となった。
「ゲルググ(G)」は、ダメージと貫通力のある「ビーム・ライフルB」をチョイスし、やや離れたところから相手の2アンチ(タンク)が「ザクII(S)」と「ザメル」に絡むところに的確にカットを入れつつ約90の大ダメージで削るという狙いがあったそうだが、それまでの戦いでは「ビーム・ライフルA」にしていたという。
対するTEAM全国制覇チームは、対「B.D.2号機(NS)」と思われる「ピクシー」をチョイスしていた。EXAMの発動をワンチャンスで止めるという狙いにはぴったりで、コスト的にもなかなか考えられたチョイスだが、この時点では「B.D.2号機(NS)」とはやりあわず、護衛を放棄して「ピクシー」もアンチに合流。その時点で「アレックス」と「ザクII(S)」が残りAP2~3割という状態から、「ジム・カスタム」が「ザクII(S)」を撃破。直後に「量産型ガンタンク」が「B.D.2号機(NS)」に撃破され、続いて「ザメル」が撃墜された。
「量産型ガンタンク」は右ルートにリスタートし、高速ジャンクション上からのブラインドショットで拠点を撃ち始める。これに対応して「B.D.2号機(NS)」が左ルートに移動。通称「体育館」脇まで「ゲルググ(G)」に削られ瀕死の状態ながら前にラインを上げた「アレックス」と「ピクシー」が「ザメル」と「ザクII(S)」に絡み、埠頭のタンク脇で瀕死の「ジム・カスタム」と、まだAPに余裕を残す「ゲルググ(G)」が1対1の状態から「ジム・カスタム」が撃破されたころ、「ザメル」がクレーター付近に到着。後ろから「ザクII(S)」に連撃を入れて瀕死にした「アレックス」がこれを追いかける展開。そこに追いついた「ザクII(S)」をダウンさせたはいいものの、「アレックス」は「ゲルググ(G)」に挟まれ撃墜された。これで「ザメル」は約150カウントで拠点を撃破。
一方「量産型ガンタンク」はジャンクション周囲でブラインドショットによる拠点攻撃をしている間に「B.D.2号機」に前をふさがれる格好で追いつかれたが、「ピクシー」が護衛に入り「B.D.2号機」が少し下がる。残り1/3ほど拠点のAPを残していたが、「ピクシー」はここで「量産型ガンタンク」から離れようとしたところ、前線で「ゲルググ(G)」とともに「ジム・カスタム」にプレスをかけた「ザクII(S)」が落ち、ジャンクション下にリスタート。いきなり枚数不利になるのを防ぐため、ジャンクション下から中央まで「量産型ガンタンク」が移動しつつ、「ピクシー」と合流するも、ほぼAP満タンの「B.D.2号機(NS)」と「ザクII(S)」の猛攻に「量産型ガンタンク」が撃破されてしまう。
左ルートからリスタートした「量産型ガンタンク」が拠点を撃破したのは残り101カウントのことで、程なくしてジオン公国軍側は「ザメル」単騎で左ルートから拠点攻撃を開始、ジオン公国軍拠点前で乱戦が始まり、「ザクII(S)」が撃墜されたものの、単騎の「ザメル」が残り50カウントで拠点を撃破。圧倒的なコストリードが縮まらない展開で、最後は「アレックス」が撃墜されて、残り30カウントでゲージが飛ばされるという展開となった。
以上、単に技量の差といってしまえばそうなってしまうかもしれないが、各々のモビルスーツの役割に合ったポジションをいかにすばやくキープし、目的を完遂することの重要性、そして、ときにはうまく枚数有利を築いてスイッチしつつより効率よくダメージを与える、といった見所の多い2戦だった。
川崎では全勝で風紀委員会日吉支部チームが優勝となった | 同時開催だったnamco中野の結果表 |
(C)創通・サンライズ
(2011年 6月 29日)