NHN Japanとバンダイナムコゲームス、WIN「突撃!合戦スタジアム」先行体験レポート
簡単操作で深い戦略性を実現した戦国アクションRTS
両者共にNHN Japanゲームエンタープライズ事業本部国内事業部 国内1チーム サービスプランナーの馬渕良彦氏(左)と大庭崇史氏(右) |
直江兼続や織田信長、武田信玄といった歴史上の戦国武将が登場し、敵本陣の占領を目指して合戦を行なうWindows用対戦型オンラインアクションゲーム「突撃!合戦スタジアム」は、NHN Japan株式会社がサーバー設計・開発と運営、株式会社バンダイナムコゲームスがゲーム企画とクライアント開発を担当する2社共同開発のタイトル。両社の共同開発は、「ファミスタ オンライン」に次ぐ第2弾タイトルとなる。
料金形態は基本プレイ料金無料のアイテム課金制で、ゲームポータルサイト「ハンゲーム」上でサービスされる。本作はアクションにカテゴライズされているものの、“複数の武将をリアルタイムに操作して敵本陣を制圧する”というゲーム内容で、ゲームシステムはRTS(リアルタイムストラテジー)に近いものとなっている。
そのうえで、「ハンゲーム」では今まで提供されていなかった新ジャンルということを意識し、アクション寄りのゲームバランスや、マウスによる簡単操作、1試合を5分から10分程度の短時間に抑えるなど、RTS未経験者も楽しめるようにデザインされている。
今回は、6月16日から30日まで実施されるクローズドβテスト(以下、CBT)に先駆け、NHN Japan本社にて「突撃!合戦スタジアム」を体験する機会が得られた。本稿では、NHN Japanゲームエンタープライズ事業本部国内事業部 国内1チーム サービスプランナーを務める大庭崇史氏と馬渕良彦氏の両名に伺った今後の展開などを交えながら、本作の魅力をお伝えしていく。
なお5月28日から6月11日まで、CBTの参加者を応募している。参加希望者は公式サイトから応募していただきたい。
■ カード形式で手に入る、デフォルメされた戦国武将達
デッキ内の武将によってメインロビーに表示されるキャラクターが変わる。この画像は織田信長 |
「突撃!合戦スタジアム」の舞台は、群雄割拠の戦国時代。登場キャラクターは甲冑をまとい髭を蓄えた戦国武将だが、かなりデフォルメされて可愛らしさを感じるデザインになっている。プレーヤーはカードとして扱われる武将を集め、その中の8名の武将でデッキ(部隊)を編成し、合戦を行なう。
武将の入手方法は、ゲーム開始時に入手できる8名の武将を除き、合戦終了時に得られるポイントを消費して入手するか、課金アイテムとして購入する。CBT時には純粋に合戦を楽しんでもらうため、新たなカードは入手できない仕様だそうだが、オープンβテストからはポイントで入手可能になるという。
武将のカードには、「攻撃力」、「防御力」、「智略」のパラメータが書かれている。これが武将の強さを意味しており、例えば今川義元は、「攻撃力」と「防御力」は低いが「智略」が高く、羽柴秀吉は全体的にパラメーターが高いというように各武将ごとに特徴がある。
ゲーム開始時に、8名の武将が入った大将パックを選択 | 今回選択した大将パックは、大将に織田信長を据えた構成となっていた |
■ 充実かつシンプルなチュートリアルとインターフェイス
基本の武将を入手したら、次はチュートリアル形式の「合戦指南所」で基本操作とゲームルールを学ぶ。「戦術指南所」には、基本操作と応用操作の動画と、CPUとの模擬戦が用意されており、動画を見てから模擬戦という流れになる。体験プレイではチュートリアルの動画は確認できなかったものの、CBT時には実装される予定で、短時間で操作を説明する内容になるそうだ。
チュートリアルを済ませたら、次に「みんなと合戦」を選択してゲームロビーに移動する。ゲームロビーは合戦相手を求めてプレーヤーが集まる場所で、プレーヤーのレベルにより入場制限が加えられているものと、自由に入場できるフリーロビーが用意されている。CBT中に限っては、テスターの人数に限りがあるため、レベル制限のないフリーロビーのみを開放予定だという。
ゲームロビーには、基本の武将パックを変更する「パック選択」や、合戦時の武将を事前に選んでおく「合戦仕度」、自軍の勝率などのデータを確認する「My軍データ」、課金アイテムが購入できる「市場」などのアイコンが表示されており、いずれもワンクリックで選択できる。
合戦を開始するには、他のプレーヤーが作成済みのゲームルームに入場するか、自分でルームを作成して対戦相手の入場を待つことになる。ルームを作成した場合には、ルーム設定でゲーム時間を5分や10分に変更したり、プレーヤーのレベルや、武将カードの強さなどによる入場制限も設定できる。
チュートリアルでは、操作方法の動画とCPUとの模擬戦が用意されている | ロード画面では基本的な操作方法が表示される。右クリックと左クリックだけで操作できる |
■ シンプルなルールに「アイテム」、「兵種」、「視界」が深い戦略性を確立
8名の武将でデッキを組んで合戦を開始する。前列4名が先陣で、先陣が敗北すると後列の武将が出撃する |
城の形をした敵本陣を攻撃して、制圧できれば勝利となる |
合戦は、プレーヤーによる1対1の対人戦と、CPU戦の2種類がある。合戦前に編成した8名の武将によるデッキは、先発4名、控え4名に分かれ、まず先発の4名が出撃して合戦が開始される。
合戦画面は3D表示で、フィールド上に城の形をした本陣と敵本陣が南北両端に設置されている。制限時間内に敵本陣に一定のダメージを与えて制圧するか、相手の武将8名を全て倒したプレーヤーが勝利となる。制限時間内に終わらなかった場合は、敵本陣に与えていたダメージが多いほうが勝利する。
合戦中の操作は、全てがマウスで行なえる。画面下に表示されている武将名をクリックすればその武将がいる場所に視点が移り、続いてフィールドをクリックすれば、そこに向かって武将が進んでいく。フィールドではなく敵武将の名称をクリックすれば、自動的にその敵武将を追尾する。基本的な操作は、武将の選択と武将の移動で、この2つさえ覚えていれば十分遊べるようになっている。実際にプレイしたところ、1分とかからず操作に慣れた。
戦闘は、敵と味方の武将が接触すれば自動的に開始される。戦闘中は徐々に武将の戦力を示すゲージが減少していき、ゲージがなくなればその武将は撤退する。先発の武将が撤退すると、一定時間経過後に控えの武将が順番に出撃していく。武将には向きの概念もあり、敵の背後から攻撃を仕掛ければ与えるダメージが大きくなる。
武将を選択して移動地点をクリックすると移動が開始される | 敵大将を攻撃したい場合は、武将名をクリックすれば自動的に追尾してくれる | 武将の選択と移動さえ覚えていれば、一斉に攻め込むことも可能だ |
フィールド中央に5個置かれているものがつづら。拾ってから一定時間経つと、決められた再出現場所の中からランダムに再出現する |
このシンプルなゲームシステムに深い戦略性を与えているのが、「アイテム」、「兵種」、「視界」の3つの要素だ。
「アイテム」システムは、フィールド上に落ちている“つづら”を入手すると、ランダムにアイテムが入手できるというもの。入手したアイテムは、武将の横に表示されるアイコンをクリックして使用する。アイテムには、戦力の回復や、攻撃力や移動速度が一定時間上昇するものなどがある。
特殊なものとしては、一定時間相手プレーヤーから目視されなくなる「ステルスふろしき」や、敵本陣周辺の武将にダメージを与えたうえで一定時間気絶させる「雷神の術」、フィールド上に設置しておいて、接触した敵武将を一定時間硬直させる「けむり箱」がある。「けむり箱」はつづらと同じ形状だったため、アイテムだと思って近づくと、実は罠だったということが多々あった。回復アイテムやパラメーター上昇アイテムは、戦闘時に使用すれば形勢を逆転できるほどの性能であったため、相手プレーヤーにアイテムを入手させないということも重要になりそうだ。
あと少しで敵本陣が制圧できそうだが、戦力を示すゲージが残り僅か。そういう時にも回復アイテムが役に立つ | |
「ステルスふろしき」を使用すれば、一定時間相手プレーヤーから視認できなくなる。敵武将と接触すれば戦闘は発生するので、移動は慎重に |
合戦中のゲームバランスに最も大きな影響を与えているのが「兵種」だ。これは武将に設定されている兵の特徴のようなもので、体験プレイでは「足軽」、「騎馬兵」、「攻陣兵」の3種類が確認できた。兵種はじゃんけんのような力関係になっており、「足軽」は「功陣兵」に強く、「功陣兵」は「騎馬兵」に強く、「騎馬兵」は「足軽」に強いという3すくみの関係になっている。いくら武将のパラメーターが高いからといっても、この3すくみを無視していては、勝てる戦闘にも勝てないというわけだ。
各兵種には様々な特徴がある。各武将はダメージを受けると戦力を示すゲージが減少してしまうが、一定時間立ち止まっていればある程度まで戦力が回復する。このある程度まで回復する量が「足軽」の場合は多い。また、他の兵種では1個しか持てないアイテムを「足軽」は2個まで保持できるため、回復アイテムやパラメータ上昇アイテムを駆使すれば、不利な兵種とも互角に渡り合える可能性がある。
「騎馬兵」は、他の兵種に比べて移動速度が速いうえ、移動地点に向けて一定時間マウスを押しっぱなしにして離すと、他の兵種に比べて2倍以上の速度でダッシュする。ダッシュ中に敵の武将に接触すると一定時間気絶してしまうという短所はあるものの、一気に敵本陣に攻め込んだり、援軍として駆けつけられる素早さを持っている。ダッシュ中は移動目標地点に着くまで停止できないため、細かくダッシュする必要はあったが、圧倒的な速さで敵武将をかきまわす気持ちよさがあった。
「功陣兵」は、移動速度は遅いものの、敵本陣に与えられるダメージが多く、戦闘中に敵武将を稀に気絶させるという特徴を持つ。敵本陣に対する攻撃要員としての位置づけでありながら、戦闘でもなかなかの強さを誇っていた。
兵種を考慮した合戦では、「足軽」と「功陣兵」で敵本陣に進軍しつつ、「騎馬兵」のダッシュでどれだけ相手をかく乱できるかといった形で、3つの兵種を効率よく扱う戦略性と、「騎馬兵」のダッシュを操作するアクション性が共存している。
「足軽」は「功陣兵」に強い。開発中のバージョンのため、所持アイテムが1個だけ表示されているが、実際には2個持っている | 「騎馬兵」は、もともと移動が速いうえ、一定時間クリックしてから離すと、ダッシュが発動して一気に移動できる | 「功陣兵」は、敵本陣に大きなダメージを与えられる上、戦闘中には時々相手武将を気絶させられる。一斉にとんかちを振り回す姿も可愛らしい |
そして3つ目の「視界」システムは、フィールド上にある障害物に隠れることで、相手のミニマップ上に表示されなくなるというもの。地形をうまく利用すれば、敵本陣にこっそり近づくことも可能になる。さらにアイテムの「ステルスふろしき」を併用すれば、背後からの奇襲もしやすくなる。
フィールドの障害物によって「視界」を利用した戦略も変わってくる。CBTで実装されるフィールドは、四角い障害物がフィールドの中央に配置された「駿河」と、縦に長い障害物が左右に2つ配置されている「甲斐」の2種類で、「駿河」は中央の障害物を迂回した左右からの戦い、「甲斐」は中央での総力戦が想定されているという。そこに「視界」システムが加わることで、敵のいない場所を予測して大回りするなど、多彩な戦略を実行できる可能性が生まれている。
中央に四角い障害物がある「駿河」フィールド。隠れる場所は1カ所しかないが、左右に分断された合戦が想定できる | 左右に縦に長い障害物が配置された「甲斐」フィールド。画像では敵武将が見えているが、もう少し距離が遠ければ隠れて移動できる |
■ 「コンボ」、「必殺技」など今後実装予定の要素も盛りだくさん
CBT以降のアップデート予定も一部発表されている。武将がレベルアップしていく育成要素や、同じ所属国や主従関係のある武将が合戦に出撃するとパラメータが上昇する「コンボ」システム、「智略」のパラメータが影響する「必殺技」、武将の顔を自分でデザインできるシステムなど、まだまだ多彩な要素が控えている。
国産ゲームということで、CBTの状況を把握してバランス調整や開発に取り組み、素早くオープンβテストや正式サービスに活かしていけるのが強みだという。今のところ1対1の対人戦しか用意されていないが、複数人による協力プレイも検討しているという。
RTSというジャンルは、各ユニットの特性などを頭に叩き込んでからがゲーム本番といった作品が多く、MMORPGなどと比べてとっつき難いジャンルという印象がある。その点「突撃!合戦スタジアム」はルールがシンプルで、初心者でもすぐに遊べるゲームだと感じられた。またRTSのベテランにとっても、「アイテム」、「兵種」、「視界」といった要素が深い戦略性を与え、手ごたえが感じられるはずだ。
歴史を題材にした作品は、史実を覆すプレイができるのも魅力。織田信長になりきって、明智光秀を倒してみるのも面白い |
Published by NHN Japan Corporation
(C) 2009 NBGI
□NHN Japanのホームページ
http://www.nhncorp.jp/
□バンダイナムコゲームスのホームページ
http://www.bandainamcogames.co.jp/
□「ハンゲーム」のホームページ
http://www.hangame.co.jp/
□「突撃!合戦スタジアム」のホームページ
http://ksnst.hangame.co.jp/
(2009年 6月 8日)