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「FFXIV: 蒼天のイシュガルド」、「PAX East」でスペシャルプレゼンを開催

全ジョブのレベル60用装備や新ジョブの開発秘話など最新情報が公開!

3月7日開催(現地時間)



会場:Boston Convention and Exhibition Center(BCEC)

「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏

 スクウェア・エニックスは米国時間の3月7日、ボストンで開催中の「PAX East 2015」の会場から「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド(以下、FFXIV)」のスペシャルプレゼンテーションを行なった。プレゼンはTwitchで生放送され、日本からも見ることができた。ステージには「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏が登壇し、拡張データディスク「蒼天のイシュガルド」の発売日と、最新情報を発表した。気になる発売日は6月23日。1週間前の6月19日からアーリーアクセスが始まる。この発売と同時にMac版もリリースされる。

 またプレゼンでは、3月末に実装される「パッチ2.5 希望の灯火」パート2の後、ロングバージョンのティザートレーラーが公開されること、4月にキャラメイク付きの新ベンチマークソフトがリリースされることなど、今後のスケジュールについてもいろいろと判明した。このレポートでは、スペシャルカンファレンスで発表された最新情報をまとめてお届けしたい。

ドラゴンとの1000年続く戦いの地イシュガルドは「空」がテーマ

イシュガルドはエオルゼアの北方にある国。地図にもドラゴンが描かれている

 イシュガルドは、1000年にわたるドラゴンとの戦争「The Dragonsong War」が続いており、光の戦士はその戦いに身を投じることになる。戦いの裏には隠された秘密があり、7匹のドラゴンたちとの戦いが待ち構えている。すでにティザートレーラーのロングバージョンは完成しているが、「希望の灯火」パート2のストーリーが実装された後に公開になるそうだ。

 「蒼天のイシュガルド」は「空へ」というキーワードで様々なコンテンツが提供される。空を飛べる新しいフライングマウントを使っての移動が大きな特徴で、プレゼンではイシュガルド下層、イシュガルド上層、クルザス西部高地、高地ドラヴァニア、低地ドラヴァニア、ドラヴァニア雲海、アバラシア雲海というイシュガルドの新エリアがウォークスルー動画で紹介された。「FF6」でおなじみの魔大陸も、イシュガルドの浮遊大陸の1つとして登場する。すでに発表されている新種族アウラも、初めてモーション付きの動画で紹介された。

【イシュガルドウォークスルー】
イシュガルド下層、イシュガルド上層、クルザス西部高地、高地ドラヴァニア、低地ドラヴァニア、ドラヴァニア雲海、アバラシア雲海などのフィールドが7分強の動画で紹介された

【ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド フィールドウォークスルー】

「蒼天のイシュガルド」のパッチ全体を通したキーワードは「空へ」
現在シドが鋭意製作中という、1人乗りの飛空艇

 アウラは非常にクールなキャラクター。キャラメイクでのカスタマイズの幅は非常に広く、特に女性はかわいらしいキャラメイクからサキュバスのような悪魔的なキャラメイクまで、好みのキャラクターが作れるようだ。4月に公開される新しいベンチマークソフトでは、アウラのキャラメイクも試すことができる。今回、9分もあるというベンチマークソフトの一部もちらりと公開された。「新生FFXIV」の時にはチョコボに乗ったパーティがフィールドを走り回るというものだったが、今回はフライングマウントに乗ったパーティが空を駆けているところに超巨大なモンスターが襲い掛かってくるというもの。迫力満点な映像に会場から大歓声が上がっていた。

【アウラのモーション】
アウラ男性のモーションはひたすらクール
アウラ女性のモーションはどことなくあどけなさを感じさせる

【ベンチマークソフトのワンシーン】
丸っこい姿の新モンスターが跳ねている横をフライングマウントで飛翔していく
雲間から超巨大なモンスターが現れる

新ジョブ1つ作るのに1年必要。吉田氏が開発のステップを紹介

「蒼天のイシュガルド」で実装される新ジョブ。「暗黒騎士」、「占星術師」、「機工士」

 プレゼンでは、3つの新ジョブがどういったプロセスで決定したのかについて、吉田氏がステップごとに詳しく紹介した。新ジョブを決めるときにもっとも重要視しているのは、パーティの中での役割と、プレーヤーがそのジョブで新しいプレイ体験を得られるか、楽しめるかどうかをまず考えるという。

 最初に、どのロールに新しいジョブを足すかというディスカッションを行なう。「ジョブを追加する作業はとてつもなく大変です」と吉田氏。アクションを考え、アニメーションやエフェクトを作り、ジョブクエストやカットシーン、専用の装備品など、1つのジョブを足すためには、開発に1年もの時間が必要になる。そのため、何を足すかをしっかりと決めてから作業に入る必要がある。今回は初の拡張パックということで、すべてのロールに新ジョブを足すことになった。だがあまりの大変さゆえに、バトルチームからは「2度と3つのジョブを一緒に足すようなことはしないでくれ」と言われたそうだ。

 どのロールにジョブを足すかが決まったら、次は既存のジョブとの差別化を考える。暗黒騎士の場合は、MPの管理が非常に重要なタンクになっている。単純にMPを切らさないようにするだけではなく、身にまとう暗黒の力を切らさないようにMPを使いつつ、魔法も駆使して戦うことになる。

 新ジョブについてプレイ時のゲーム体験が決まったら、プレーヤーからのフィードバックも含めて、どんなジョブにしていくかを考えていく。「特にタンクに関しては最後の最後まで侍と暗黒騎士のどちらにするか、議論に議論を重ねた」と吉田氏。侍の声が多いのはわかっているので、いずれかのタイミングでは追加する意志はあるようだ。「それまではダークナイトを使いつつ待っていてください」(吉田氏)。フィードバックは常に受け付けているそうだ。

 デザインが決まったら、どういうアクションをするのかということを、バトルチームが中心になって決めていく。バトルチームの企画マンが考えたものを権代氏がチェックし、その後吉田氏がチェックする。この時のチェックは何度もプレイをしながらのチェックになる。

 ここでようやくどんな武器を持たせるのかを決める。ダークナイトは両手で使う巨大な剣が欲しいという要望が多かったためすんなり決まったが、占星術師は難航した。カードを使うことはすぐに決まった。最初はカードをいかに派手に見せるかを考えた。しかしそれれらのアイデアはすべて没になり、スタッフから出た“天球儀”というアイデアが満場一致で決定した。機工士に関しても、どんなアタッチメントやタレットを使うのかという検討が何度も行なわれた。アタッチメントを付けた状態でかっこよく見えるよう銃のデザインも練りこまれている。

【ジョブ開発の過程】
占星術師は最初カードが武器として考えられていた
普段は見せないレベルの内容だという、アイデア出しのラフスケッチ。この時点ではカードを武器に戦うデザインが検討されていた
実際のモデルも作られたが、最終的にはすべて没になった
カードの代わりに天球儀が候補になり、全会一致で決まった
天球儀のデザインもいろいろと考えられている
天球儀のデザイン
銃のデザイン。アタッチメントをつけてもかっこいいデザインを追求した
蛮神武器としてデザインされたものだが、没になってしまったそうだ
機工士のカバンなども細かくデザインされている
様々な形のタレットが検討された

全ジョブのレベル60装備を一挙公開!

パッケージはコレクターズエディション、スタンダードエディションのほか、ここから新規ユーザー向けのオールインワンパッケージも発売される

 「蒼天のイシュガルド」ではレベルキャップが解放されて、全ジョブがレベル60まで育てられるようになる。それに伴い実装される既存ジョブの新装備も一気に公開された。また、クラフタークラスには「スペシャリスト」という新しいシステムが入るようだ。ギャザラーにも契約によって自分だけのギャザリング領域を持つ新システムが導入される。

 「蒼天のイシュガルド」のパッケージ。リアルアイテム付きのコレクターズエディション、スタンダードエディション、そして新しく「FFXIV」を始める人のためのオールインワンパッケージも発売される。予約開始は3月16日から。「蒼天のイシュガルド」発売と同じタイミングでMac版もリリースされる。

 吉田氏によれば、5月のリリースを目指して頑張ってきたが、どうしても調整が間に合わなかったということで6月になった「蒼天のイシュガルド」。ひとまず間近に迫った予約に備えつつ、発売までに「2.0」コンテンツを終わらせて万全の体制で乗り込もう!

【既存戦闘ジョブの新装備】
竜騎士
戦士
学者
モンク
召喚師
忍者
吟遊詩人
黒魔道士
ナイト
白魔道士

【ギャザラー・クラフターの新装備】
木工師
鍛冶師
甲冑師
彫金師
革細工師
裁縫師
錬金術師
調理師
採掘師
園芸師
漁師

(石井聡)