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【E3 2014】次世代パワーで限りなく初代に先祖返り?!「Rainbow Six: Siege」プレビュー
ブリーフィング要素が復活。偵察情報をもとに作戦を立案し、勝負は一瞬!
(2014/6/14 12:05)
E3 2014開幕に合わせ、Ubisoftから電撃的に発表された「Tom Clancy's Rainbow Six: Siege」(PS4/Xbox One/PC)。「Rainbow Six」シリーズとしては初の次世代機向けタイトルとなる本作は、そのゲーム的なテイストにおいて往年のファンが念願する初代シリーズへの先祖返りを果たすことになりそうだ。Ubisoftブースにて実施されていた開発者によるマルチプレイデモの様子から、その感触をお伝えしていこう。
「Siege(攻囲作戦)」というワンテーマの追求で、シリーズが失ったものを取り戻すか
「Rainbow Six」シリーズは、初代作から数えて16年という長い歴史を誇る。特殊部隊とテロリストの戦いをリアルテイストで描くタクティカルFPSであり、初代作では特に、等身大の演出がもたらす生々しさや、一瞬で決着がつく銃撃戦、事前の入念なブリーフィングが勝負を分けるという、玄人好みのゲーム性がコアなファンに愛された。
だがシリーズ全体としては、コンソールがメインターゲットとなった「Rainbow Six 3: Raven Shield」から「Rainbow Six: Vegas 2」に到るまで、作風が大きく変わってきたことも事実だ。派手な演出、壮大感のある戦場、ドラマティックな展開、ホットな銃撃戦……といった方面の進化が目立ち、何か違うなあと思っていた人も多いはず。そもそも長年に渡って、シリーズ作品としてあってしかるべきブリーフィング要素が消滅していたことも、往年のファンにとっては痛手だったろう。
そこで本作、「Rainbow Six: Siege」である。本作の副題「Siege」は、“攻城戦”や“包囲作戦”を意味する。つまり本作では、テロリストが立てこもる建物を、特殊部隊が包囲してぶち破ること、そのものをテーマにしている。本作の開発チームはそこまでゲームのモチーフを絞った上で、マルチプレイモードを第1に考えて開発を進めてきたという。
こうして実現したのが、上掲の動画に見られるような特殊部隊VSテロリストの対決風景だ。最初の60秒に注目して欲しい。ここでは自走式の偵察カメラを送り込み、偵察を行なっている。人質の位置を確認するとマップ画面となり、部隊の展開ポイントを指定している様子が見て取れる。「Rainbow Six: Rogue Spear」以来の、ブリーフィング要素の復活だ。
Ubisoftブース内で行なわれていた開発者チームによるマルチプレイデモでは、上掲の動画と同じマップでの実際の対戦風景を見ることができた。やはり最初の60秒は偵察&ブリーフィング時間。攻囲側は偵察カメラを送り込んで内部の様子を確認し、各隊員の展開方向を指定。対する防衛側はドアや窓をバリケードしたり、通路に有刺鉄線を仕込んで建物を要塞化する。60秒が経過したらブリーフィングは終了、作戦開始だ。
動画ではたっぷり5分、倒し倒されの戦闘シーンが見られるが、実際のデモプレイではもっとあっさり、2~3分で勝負がついていた。マップが狭く、銃の威力も高いため、撃ち合いは一瞬だ。押し黙って作戦を進めるプレーヤーたち、乾いた銃声も手伝って、いい意味で無味乾燥、ヒンヤリとした緊張感が走る。
込み入った演出なしに十分に派手に見えるのは、次世代機パワーを活かした破壊表現のおかげ。指向性爆弾を使ったドアや壁のぶち抜きで、攻囲側はあらゆる場所から侵入できる。放たれた銃弾は薄い壁やシーリングを貫通・破砕。破片が飛び散っては銃眼のような穴が開いていき、やがて建物内は隠れる場所もなくなる始末。こうして作戦の風景はダイナミックに変化し、決着も早まる。
プレイデモで気付いたのは、この2~3分で決着のつく戦いを1ラウンドとして、両者が攻守交代しながら数ラウンドを戦うというルールになっていたことだ。マップは同じまま役割だけが交代するので、毎ラウンド冒頭のブリーリングタイムでは、直前のラウンドの展開を意識せざるを得なくなっているのが面白いところだ。自分たちが見せた作戦を含め、あらゆる可能性を考慮していたら、攻囲側が偵察に、防衛側がバリケード構築に使える60秒という時間は、驚くほど短い。
作戦の立案と、役割の分担。戦闘は一瞬。最初の60秒をいかに有意義に使えるかが勝敗を分ける。そんな雰囲気を湛えた本作は、初代「Rainbow Six」のヒリッとした面白さを現代によみがえらせる作品になりそうだ。公開されたマルチプレイ部分だけでなく、しっかりとしたシングルプレイモードも搭載するとのことなので、お楽しみに。