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初代プレイステーションを分解し、ゲーム機の仕組みを学べる「プレイステーション ワークショップ~ゲームの仕組みを知ろう~」開催

3月15日、16日 開催

 ソニーの体験型科学館「ソニー・エクスプローラサイエンス」(お台場・メディアージュ5階)内「サイエンスシアター」にて、3月15日、16日の2日間、各日13時30分~16時の日程で、ゲーム機の仕組みを学べる「プレイステーション ワークショップ~ゲーム機のしくみをしろう~」が開催され、初日の15日に取材にお邪魔させていただいた。ワークショップには、小学3年生~中学3年生の児童と保護者の2人1組が参加した。

 「ソニー・エクスプローラサイエンス」では、こうしたワークショップを行なっているが、ソニーは創業当時から科学教育に力を入れてきた。創業者・井深 大氏の意思の元、会社が世の中に貢献するために、子供たちに科学の力をつけてもらおうということでスタートし、50年以上になるという。その一環として、年に数回こうしたワークショップが開かれている。

 今回のワークショップは2部構成となっており、第1部は初代「プレイステーション」を親子での参加者自身が分解体験しながら、ゲーム機の構造やパーツの仕組みなどを実際に見て触ることができる。また、プレイステーションシリーズに関わってきたソニー・コンピュータエンタテインメントのエンジニアなどのスタッフも「プレイステーション博士」として参加し、分解のヒントや構造についての解説を直接聞けるというものになっていた。

 第2部では、歴代「プレイステーション」の進化の過程の比較や、発売されたばかりの「プレイステーション 4」についてのデモンストレーションが行なわれた。「サイエンスシアター」隣では、3月15日~23日までの期間、PS4「プレイルーム」が体験できる体験会を実施している。

分解とは何か? カルテに記録しながらピックアップ部までバラしていく

 参加者には、親子で1台、初代プレイステーションが用意され、安全のための手袋、ドライバー各種、ニッパー、虫眼鏡といった分解のための道具が渡された。ステージには「分解博士」こと金子金次氏と、「プレイステーション博士」池田高雄氏が登壇。まず金子氏から「分解」についてが語られた。

「分解博士」こと金子金次氏
「プレイステーション博士」の1人、池田高雄氏
プレイステーションファミリー(初代からPS4、PS Vitaなど)に関係するエンジニアを中心とした「プレイステーション博士」がずらり壇上に。分解の際はアドバイスなどを送っていた

 「普段、分解というのはしてはいけないこと。会社から物を買って説明書を見てみると、最初に『目的以外のことのために機械を分解してはいけません』と書いてある。物を作る私たちは皆さんが決して分解しないようにご注意申し上げているわけですが、このワークショップでは分解をします。なぜ分解をするのかというと、実は、ソニーを創った井深さんは子供の頃、いたずらが好きで、時計に興味があり、それを分解した経験が後に会社を作るときの大きなきっかけになったと話されていた。今の子供たちは、“試す”ということがなかなかできないから、普段できない機械の分解ができたらいいな、ということでこの分解ワークショップが始まったんです」とワークショップの意義について改めて語られた。

 続いて、安全のために左手には手袋をはめさせ、続いて分解のために必要なドライバーの握り方、ネジの仕組み、ドライバーの使い方(押しながら回すこと)についてを解説。机には、分解するプレイステーションと道具のほか、分解カルテが配布されていた。

 カルテには、自分の名前、シリアルナンバーなどを記入する場所があった。機械には固有の番号があり、同じ番号は1台しかないことを解説しながら、プレイステーションには何本のネジが使われているかを参加者に予想してもらい、そこから分解作業がスタートした。

 本体を裏返し、背面にあるネジをはずし、そこからカバーを空け……と作業は順調に進んでいく。ふた側にあるボタンの裏にあるバネ、コントローラソケット部のシールド部分、光学ユニット、電源ユニットとどんどんバラバラにしていく。分解ルート、進行度はそれぞれバラバラだったが、どんどん手馴れてスピードアップしていく親子が多かった。一通り目につくところをバラしていくが、フラットケーブルをはずしたり、虫眼鏡で細部を確認してあらたなネジを発見していく親子もあれば、どこが分解できるか予想しつつ、シリアルナンバーが入っているシールの裏にも隠しネジがあるのでは? と探っていきつつ楽しんでいる親子もいた。

分解するプレイステーション、工具に加え、分解カルテが配布されていた
思い思いの手順で、どんどんバラされていくプレイステーション。参加者の手際もどんどんよくなっていった

 途中、プレイステーションを設計する際、踏まれても大丈夫なように気を配ったという話(実際に来場者に乗ってもらった)、光学ユニットがどうやってデータを読み込んでいるのかの解説、基板にはどんなパーツが搭載されていて、どういった役割をしているのか、といった解説が映像や実物を踏まえて行なわれた。

プレイステーションの上に乗っても大丈夫なように設計した、ということを実演してもらうためのコーナーも
光学ユニットの分解法や、ピックアップがどうやってCDからデータを読み出しているのかの解説も行なわれた
光学ユニットの解説が行なわれたことでヒントをもらってから、ユニットの中にあるネジも精密ドライバーでどんどん分解されていった
小さなパーツは虫眼鏡で確認
分解されたパーツはずらりと机の上に並べられていった。世代ごとに異なる基板を比較して見ている親子も
分解が終わり、ネジの数を数えていく
ふたの裏やバラバラになった光学ユニットをさらに調べている人も
丸裸にされたメイン基板
カルテに沿って、プレイステーションがどんなパーツでできあがっているのかを書き込んでいく
分解したパーツは再利用できるようにそれぞれ分別される
基板回収ゾーン
プラスチック回収ゾーン
金属回収ゾーン
回収された基板。バージョン違いがゴロゴロ。右側の大きな「SONY」ロゴがCPU、その下がメモリ、隣がGPUで、GPUの隣がVRAM、上左がDSPやサウンド周りとなっている
最後に修了証が手渡しされた

 分解終了後、最後に修了証が1人ずつ手渡しされ、ワークショップは終了となった。ネジの数が予想と近かった人には、さらにニアピン賞がプレゼントされていた。最も近かった人で1本差だったそうだ。

 参加者からは、「おもしろかった」という声が多く、父兄からも「参加してよかった」という言葉とともに、「子供たちにこうしたハードウェアに興味を持ってもらい、将来に活かしてもらえれば」といった発言が多く聞こえた。ただ、途中行なわれた「PS4のデモンストレーションが1番盛り上がっていた」という話もちらほらあり、「購入を検討します……」という親御さんのお財布にはちょっと痛し痒しなイベントだったようで……。中には、「プレイルーム」の複数プレイの楽しさを改めて知り、「DUALSHOCK 4」をもう1台買います!」というお父さんもいて、参加者のみなさんのゲームの好きっぷりが伺えた。

PS4のデモンストレーションでは「プレイルーム」を実際にプレイ。シェアボタンを使ってFacebookへの投稿デモも行なわれた
プレイルームの体験は、エクスプローラーサイエンス内でも行なわれている

(佐伯憲司)