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TPSとRTSの華麗な融合「The Bureau: XCOM Declassified」プレビュー

人類の英知でエイリアンに対抗する「XCOM」最新作が間もなく発売

8月23日 発売予定

価格:59.99米ドル

 テイク・ツー・インタラクティブ・ジャパンは、「XCOM」シリーズ最新作「The Bureau: XCOM Declassified」のWindows用日本語版をSteamおよびAmazon.co.jpにて8月23日に発売する。価格は59.99米ドル。パッケージ販売は行なわれず、ダウンロード販売のみの展開となる予定だ。

 「XCOM」は、「Civilization」 シリーズなどを手がけたゲームデザイナー、シド・マイヤー氏が生み出し、90年代にカルトな人気を博したストラテジーゲームシリーズだ。そのリバイバル作が昨年10月に「XCOM: Enemy Unknown」として発売され、その傑作ぶりでファンを楽しませてくれている。

 そして今回発売される本作、「The Bureau: XCOM Declassified」は、その「XCOM」が持つストラテジーの味わいを、TPSという全く別のジャンルを下敷きに組み合わせるという意欲作だ。なお、ご紹介するスクリーンショットは英語版のものとなっているが、8月23日にリリースされる日本語版では日本語字幕にも対応しているのでご安心を。

【The Bureau XCOM Declassified】

操作感は「Gears of War」ライク……しかしこれは間違いなく「XCOM」の感触だ!

舞台は1960年代、エージェント・カーターの活躍を描く
エイリアンの襲撃に備え開設された巨大施設。XCOMプロジェクトの創設だ
“バトルフォーカス”。各キャラへの命令項目がリング状に並ぶ
味方をカバーポジションに分散配置し、敵を包囲

 近未来を扱った「XCOM: Enemy Unknown」から一転、本作の舞台は1960年代のアメリカ。ソ連との冷戦まっただ中にあるアメリカには、もうひとつの敵が潜んでいた。CIAエージェントにより“アウトサイダー”と呼ばれる、正体不明の勢力である。

 といった背景に端を発して、本作では人類の対エイリアンプロジェクトである“XCOM”そのものの成立を描く。主人公は凄腕エージェントのウィリアム・カーター。プレーヤーは彼をTPS視点で操作することになるのだ。

 基本的なシステムは実に標準的なTPSスタイルにまとめられており、「Gears of War」などの有名作品と変わらぬ操作感で簡単にコントロールできる。本作の開発は「Bioshock 2」も手がけた2K Marinということもあって、アクションも映像の品質も上々と言える。

 その上でキモとなっているのが、“バトルフォーカス”という本作独自のシステムだ。主人公はゲーム中、2人の仲間エージェントを連れてミッションをこなす。プレーヤーは彼らに移動、攻撃、スキル発動といった命令を下し、リアルタイムに連携しながら戦える。

 それを可能とするインターフェイスが“バトルフォーカス”。リング状に各キャラへの命令項目が並べられたUIで、「Mass Effect」シリーズにある“コマンドリング”によく似ている。発動中はゲームの時間経過が非常にゆっくりとなり、カメラ移動も自由になる点が特殊で、これによりオリジナルの「XCOM」っぽくターンベースストラテジーの感触で各キャラに命令を出せるのだ。

 これを利用して、仲間に敵の側面に回らせたり、特定の的に集中攻撃を加えたりと、様々な立ち回りが可能になる。特に効果的なのは、味方に制圧射撃を加えさせて敵を釘付けにしておいて、自分は迂回して側面や背後に回って包囲体勢をつくる作戦だ。厳しい戦いの多い本作では、このように即席の作戦を素早く発案することが攻略のカギだ。

 したがって本作では戦闘に直面するたび、敵の数、種類、配置、カバーリングに利用できる地形、回りこめるルートなどなどを素早く確認してから、味方に移動指示を出し、実際の銃撃戦に入るという流れになる。この“頭の使い方”は、まさに「XCOM」と同じテイストだ!

 プレーヤーを含む各エージェントに、戦闘を経験することによるレベルアップ、新スキルの習得といった成長要素がある点も「XCOM」風。そして、戦闘で死亡してしまった仲間は決して復活することがないという“パーマネント・デス”の概念がある点もまた「XCOM」的である。

「Bioshock 2」を手がけたスタジオによる作品であるだけに、アートスタイルも上質で1960年代のアメリカン・モダニズムを視覚的に楽しめる
ゲームの進行に応じてキャラクターや装備もカスタマイズ可能に。今作のエイリアンテクノロジーにはどんな仕掛けがあるだろう?

(佐藤カフジ)