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【E3 2013】美しく静寂な世界でパズルを楽しむPS4「The Witness」
ジョナサン・ブロウ氏が提示する、“発見”と“閃き”の面白さ
(2013/6/16 00:00)
「The Witness」は「Braid」を手がけたジョナサン・ブロウ氏が開発するプレイステーション 4向けアドベンチャー。プレーヤーは謎の島で、様々なパズルに挑戦していく。「The Witness」は2013年発売予定。
キャラクターが登場せず、文字やメッセージといったもので情報を与えられない“静寂”の世界で、目の前のパズルにじっくりと取り組むという非常にユニークな世界を、今回はジョナサン・ブロウ氏の解説で見ることができた。
「The Witness」は“発見”と“閃き”を楽しめるように目指したゲームだという。このため、極限まで要素を削り、静かな雰囲気の中、ゲームに集中できることを目指したという。
徐々にルールを覚え、要素が増えていく中、解法を導き出す楽しさ
「The Witness」は周りの状況がわからないまま、洞窟の中からある場所に出てくるところから始まる。そこには1枚のパネルがあり、白い線が引かれている。線の片側は丸くふくらんでおり、そこにカーソルを近づけると反対側に点が出現する。ふくらんだ部分から点に向かってカーソルを動かし線を引くと、パズルをクリアしたことになる。そうすると、パネルに繋がっていた電線が白く輝き、その先のパネルへと光が伸びていく。
本作はこのように次々と現われるパズルをクリアしていくゲームだ。最初のパズルで、「スタート」と「ゴール」を覚えて、その後は徐々に複雑になっていく迷路をゴールに向かって線を引いていくパズルが続く。パズルを解いていくうちに、プレーヤーは島にいることに気がつく。
島は自然が豊かで、謎めいた建物がいくつもある。建物は朽ちたものも多く、人の気配は全くない。プレーヤーキャラクターは自由に動けるものの、自分の手足や影すらほとんど画面には表示されない。全く人の気配がない静寂の世界で、プレーヤーはパズルに挑戦していくこととなる。
島にはたくさんのパネルが立てかけられている。パネルはスイッチに繋がっていたり、ドアの鍵になっている場合もある。パズルの中にはまだルールがわからないものも多く、他のパズルをクリアしていくことで様々なルールを学び、より高度なパズルに挑戦できるようになる。1つのパズルにこだわる必要は無く、解法が分からなければ他のパズルに挑戦するのも良いし、島の中を探索してもいい。
連続したパネルの場合、前のパズルがヒントになる。白と黒のブロックが描かれているパズルでは、必ず白と黒の境界線を通るように線を引いていく。パズルは一筆書きでなくてはならないため、どのルートを通るか試行錯誤をしていくこととなる。どのようなルールが求められているかも探っていく必要があり、パズルにいくつも挑戦することで、高度なパズルも解けるようになる。以前スルーしたパズルも学んだルールでクリアできる場合もあるのだ。
パズルはパネルだけで完結するものだけではない。パネルには木の絵が描かれているが、パネルだけでは全く正解がわからない。パネルの前の木を見ると1つの枝にリンゴがなっている。パネルの木の絵を見て、根っこからリンゴの生えている枝に線を引くことでクリアとなる。次は木をどの角度から見るか? という課題が提示される。観察を工夫する
パズルはパネルだけではない場合もある。建物の中に小さなジオラマがあり、建物の様子を観察することでジオラマのパズルの解き方が分かる。また、壁の格子がパズルになっている場合もある。格子はそれだけでは解き方が分からない。実は建物中から格子をのぞき込むと、解法が書いてあるのだ。
このように格子パズルをクリアをしていくのだが、最後の格子は窓が瓦礫でふさがってしまい、解けない。しかし窓と格子の間に移動し、窓の形を外から確認した上で、格子に線を引くことでクリアできる。時には壊れる前の形を想像するなど、プレーヤーの想像力が問われるパズルもある。「The Witness」には島中に30時間は取り組めるパズルが盛り込まれているという。
「極力音声や言葉は使いたくない」。ジョナサン・ブロウ氏のこだわりの世界
島には城や、紅葉した木、不思議な形をした植物など様々なオブジェクトがある。島の風景は美しく、見て回ることで様々な秘密が隠されていることがわかる。ただ、ものを取ったり運んだりという要素はなく、あくまでアクセスできるのはパズルだという。そのパズルを解いていくことで、さらに多くのパズルが現われてくるのだ。
島にはいくつか「金色の箱」があり、この箱のパズルを解くと大きな変化が起こる。島には7つの箱を解くことでエンディングにたどり着けるという。パズルには難しいものもあるが、その時はこだわらず他のパズルに挑戦するのがオススメだという。島は歩き続ければすぐ一周してしまうが、様々なものを探していくことで、不思議なオブジェクトも多数発見できるとのこと。
プレーヤーキャラクターは特別な運命を背負っていたり、能力を持っているわけではない“普通の人”という設定だ。キャラクターの外見も積極的には描写されないが、影が映ったりする場合があり、そういったところからキャラクター像を想像することもできるという。
ボイスなども収録しているが、使うかどうかはブロウ氏は迷いがあるとのこと。プレーヤーに語りかけるような、聞かせなければならないメッセージをゲーム内には極力入れたくないと考えているという。
「The Witness」極力言葉での説明を省き、プレーヤーが歩き回り調べることで得た情報でゲームが進む様に作っている。直感的に“美しく”楽しめる作品にしたいとブロウ氏は語った。本作はパズルゲームだが、パズルだけをひたすら解いていくだけのゲームのはしたくない。謎や解法を見つける楽しみや、パズルそのものを見つける楽しさも感じてもらい、これまでのパズルゲームとは違った楽しさを生みだそうと思っているという。