ニュース
SCE、「『SOUL SACRIFICE』共闘サミット」開催
トークセッションで第1弾アップデート内容が明らかに!
(2013/3/9 23:59)
ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン(SCEJ)は、PlayStation Vita用アクション「SOUL SACRIFICE(ソウル・サクリファイス)」の試遊体験イベント「『ソウル・サクリファイス』共闘サミット」を東京・ベルサール秋葉原にて開催した。
「共闘サミット」は、3月7日に発売された「ソウル・サクリファイス」が体験できるイベント。未収録のクエストがプレイできる試遊スペースは計4カ所あり、それぞれ「ハーピー」、「ケルベロス」の装飾がほどこされるなど雰囲気作りもバッチリ。発売直後ということもあり、PS Vitaとソフトを持参したユーザーが集まって一緒にプレイできる「共闘スペース(生贄派、救済派)」も設置されていた。
ブース最奥では、秋葉原の対象店舗で本作を予約または購入した人に抽選でオリジナルパーカー、試遊してスタンプを集めた人に抽選でオリジナルグッズ(超魔物ステッカー、救済グローブ/生贄グローブ、リブロムブックカバーの計3種類)、プレイステーション公式サイト「プレコミュ」で公式グループメンバーでイベント用コードを発行してもらった人に「メンバー限定B2ポスター」をそれぞれプレゼントする専用コーナーを開設。試遊した人全員にプレゼントされるイベントオリジナル供物「精霊の氷綿毛」も好評を博していた。
本イベントは、3月24日に東京・新宿ステーションスクエアで3回目が開催される。11時から19時まで。購入者プレゼントの近隣対象店舗については、後日プレコミュや公式サイトで告知を行なうとしている。本作のファンはもちろん、興味がある方はぜひイベント会場にお越しいただきたい。
クリエイター8人による豪華トークセッション!!
会場では「ソウル・サクリファイス」開発に携わった3社のクリエイター8人が参加する豪華トークセッションが開催された。出演者は、comceptよりコンセプターの稲船敬二氏、プロデューサーの伊藤亜紀子氏、ディレクターの下川輝宏氏。マーベラスAQLよりディベロップメントディレクターの岡村光氏、鈴木一徹氏。ソニー・コンピュータエンタテインメントよりプロデューサーの本村健太郎氏、アソシエイトプロデューサーの鳥山晃之氏、クオリティマネージャーの菅野有造氏。司会進行はSCE宣伝担当の北尾氏とタレントの椿姫彩菜さんが担当した。
作品で目指したこと、なしえたことをきかれた稲船氏は「皆で楽しく遊んでもらいたかった。今まであった“和気あいあいで仲良く”から、その一歩上をいって“楽しく、なおかつ真剣に取り組む”みたいな“命がけの勝負”や“駆け引き”をしていく。そういう世界観を目指してきた」と説明。
「普通ではダメだ」とする一方で、「自分の趣味を入れすぎると、たぶんそっぽをむかれちゃう。僕の趣味のまま作ったら、たぶん皆ここ(イベント会場)に来ていない(笑)」と、“王道”の大切さを説く稲船氏。スタッフにいうと同時に自身にも言い聞かせてきたといい、自身が目指したものを周囲のスタッフが理解し、なおかつ独自のアイデアを盛り込んでくれたことに「思い入れをもってやってくれた。一体感があって物凄くいいゲームになったと思います」と感謝の意を表した。
そんな稲船氏とだいぶやりあったというディレクターの下川氏は「王道だけど新しい。この矛盾をどう解決するか。最初に思ったのが、音楽のリミックスに近いのかな、と。原曲の象徴的なフレーズだけをとってきて再構成するというやり方。これで世界観を再構成したら、王道だけど新しいものが見えるのではないか」と説明。制作に苦労した魔物はケルベロスで「手探り状態だったが、これで以後の完成形が見えて、そこからは早かった」とコメント。このあたりは、世界観をアクションゲームに落とし込む作業を担当した鈴木氏も同様だったという。
開発手法において世界観が先立ったことについて、稲船氏は「映画、ゲーム、アニメにおいて“シチュエーション(このシーン)”を思い浮かべて『これをゲームにしたい!』と。たとえばゾンビ映画で、ゾンビに囲まれて仲間を守っている状態で『ここは俺に任せて先にいけ!』という瞬間がある。大切な人を守るために、残弾が少ない状態で死を覚悟する。こういうのは絶対出てきて、カッコいい。でも、このカッコいいシーンが“システムに組み込まれた”ようなげームはないよね? って。あるとき『これだ!』って思ったのは、そこ。そういう話をよくみんなにして、理解してもらった」と説明。
続けて「元々キャラクターデザイナーなので“絵”から入っちゃう。シチュエーションというのも絵でしょ? こんな絵にしたいというのを、どう表現するか。表現したい絵を出してもらえると、みんなに伝わりやすい。このゲームが良かったのは、それが『ケルベロス』や『魔法使いのスタイル』など、早い段階で提示できたこと。キャラクターデザイナーなりのゲーム制作のやりかたが、僕のなかにある」とコメントした。
マルチプレイで注意した点をきかれた菅野氏は「プロジェクトに参加したのは1年くらい前で、ある程度ゲームは組みあがっていた。ここから稲船さんのコンセプトに近づけるべく(ユーザーを)ひとりぼっちにさせない、キャラクターの役割分担とそれにそって育てられるよう気をかけた。チューニングチームと入念にテストプレイを繰り返し、共闘感の阻害要因を削っていった」と説明。
テストプレイを重ねるたびに不安が増していったというが、TGSでユーザーの反応を見て(良好な反応に)大いにモチベーションが上がったという。プロデューサーの本村氏も「TGSがターニングポイント」といい、稲船氏も「新作だからシリーズ作品のようにファンがおらず、作っている側もわからない。だから、TGSでユーザーが『面白い!』といってくれたことが凄い自信になった」とコメント。「なんでもいいから意見が欲しい。ユーザーのみなさんと一緒に育てていきたい」という菅野氏。意見や感想がある方は、プレコミュなどでメッセージを伝えてみてはいかがだろうか。
「ゲーム序盤を特に大事にして、中盤、後半とつないでいった」という菅野氏に対し「そこは凄いやりとりをした覚えがある。家族より長く一緒にいたような感じ。僕は基本方針として“ユーザーを殺す”とずっといっていた。初見では絶対にクリアできないシビアなゲームにしたかった」という鈴木氏。そのチューニングを「一徹バージョン。ほとんど勝てない(笑)」と評した稲船氏。他7人が認める“凄腕プレーヤー”の鈴木氏だが「他開発メンバーのほうが全然上手い子が一杯いる」と謙遜。開発メンバーはオンラインに参加しているといい、このあたり現在進行形でプレイしているファンには気になるところではある。
本作がデュレクターデビュー作となった下川氏は、ミーティング中よく「調子に乗るな」と釘を刺されたという。おだやかではない表現だが、ここで稲船氏が「ゲーム作りって凄く大切なことがある。下川は『俺はこのゲームがヒットする!』と信じきって作っているわけ。そこで気をつけなきゃいけないのは、ヒットしたとき“ダメな下川”だったら、つけあがって『俺、凄いんだ!』と思っちゃう。そこでゲームクリエイターとして終わっちゃう」と補足。
「俺は25年やってるからね? 俺みたいに長くゲームクリエイターをやるんだったら、つけあがっちゃダメだっていうことで、下川に最初に会ったときから『つけあがるなよ!』って(笑)。(下川氏が)何かいいアイデアを出したとき『これいいね!』っていったあとに『つけあがるなよ!』と常に付け加えてきた(一同笑)」と、自身の経験を踏まえた独自の後進育成の一端を披露。直後に伊藤氏が「今日、会場に『下川さんいますか?』ときいてきた女の子がいた!」と暴露。サインが欲しいというファンの出現に対しても、稲船氏は「つけあがるなよ!(一同笑)」と釘を刺したという……。
音楽に関しては、SCE先導による有名作曲家の起用が、当初はスケジュール等の都合により開発側からNGが出ていたという発言があった。スケジュールの問題がクリアになり、鋒山亘氏と光田康典氏を起用した後も、両氏の作風が「優しくメロディアスなものが多かったため、このゲームの雰囲気に合わせた形になるよう何度もリテイクを重ねた」というコメントも披露された。ディレクター両氏によれば「最初の1曲を決めるまでが大変だったが、ケルベロスができてから後は早かった」と説明。「スカイウォーカーサウンド」にてオーケストラ100人、コーラス20人が参加した楽曲は、すでに製品版でお聞きのとおり凄まじいクオリティ。稲船氏も「ゲーム画面に音楽が初めてついたとき鳥肌が立った。ゲーム制作でこんなことは滅多にない」と振り返る。
【訂正】
当初記事内において「音楽の起用についてNGが出ていた」といった書き方をいたしましたが、より細かな背景について同社より説明があり修正いたしました。関係者の皆様にご迷惑をおかけいたしまして、大変失礼いたしました。ここに訂正いたします。
第1弾アップデートの内容が明らかに! ~4月上旬配信予定~
会場では、本作の第1弾アップデート内容が初公開された。追加されるのは魔物「デュラハン」と「ベヒモス」、マップ「ゴリアテ」、さらには前述の魔物とマップを使用したクエスト「琥珀の刻」。クエストはアヴァロンでの活動/アヴァロンの要請録/忘れられた要請でプレイできる。また、アドホックパーティへの対応など機能面でも強化が行なわれる。料金は無料。
トークセッションでは、両ディレクター(下川氏と鈴木氏)と両プロデューサー(本村氏と鳥山氏)による「デュラハン」戦マルチプレイが披露された。自他ともに認める凄腕の下川氏はもちろん、他3人のプレイスキルも相当なもの。だが、稲船氏が「みなさんに絶望をお見せします(笑)」といったとおり、「デュラハン」の強さたるや並大抵のものではなかった。
卓越した操作スキルで確実にダメージを与えていく4人。かなりの時間が経過するも、心眼で確認すると緑色。巨人の体内というステージにつき、消化液で少しずつ削られていく体力ゲージ。会場の女性ファンから「やだ、怖い!」と悲鳴が上がるほどえげつない「デュラハン」の造形と暴威。両ディレクターが両プロデューサーを生贄にするという禁断の手(?)まで使い、なんとか心眼でうっすらと赤く見えるところまで到達……が。寸前で力尽きジ・エンド。
「みなさん、この難易度にビックリしたかと思います。本当に作戦を立ててやらないと勝てない。みなさんも集まって作戦を立てて戦ってください(下川氏)」というハードなアップデート。リリースされたあかつきには、文字どおり“命がけの共闘”で挑戦していただきたい。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.