「ラグナロクオンライン10周年プロジェクト発表会」事前説明会による、各要素の紹介
気になる「ワールド統合」のほか、今後行なわれる施策は?


3月7日収録





 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は3月10日、秋葉原UDXシアターにてMMORPG「ラグナロクオンライン」のオフラインイベント「10周年プロジェクト発表会」を開催した。

 「ラグナロクオンライン(以下、RO)」は2012年12月で正式サービス10年を迎える。ガンホーではそれを記念し様々なイベントや新しい施策を行なっていく。10周年はこれまでを振り返るだけでなくこの先を続けていくために様々なことを実施していく年となるという。

 今回この「10周年プロジェクト発表会」に先がけ、ガンホー執行役員ゲーム事業部オンライン本部長の飯野平氏と、第1パブリッシング部第1企画課課長代理の千葉亮一氏による、事前の説明会が行なわれた。

 「10周年プロジェクト発表会」で最もユーザーが関心が高い部分は、「ワールド統合」だろう。これまで25あったワールドが13に統合されるという発表は、ユーザー間でも様々な臆測を呼ぶ可能性があり、今回、しっかりと説明しておきたいという。本稿ではこの「ワールド統合」についての情報と、今後の施策について紹介していきたい。



■ 2つの世界を1つに。よりにぎやかな世界を目指す「ワールド統合」」

ガンホー執行役員ゲーム事業部オンライン本部長の飯野平氏
第1パブリッシング部第1企画課課長代理の千葉亮一氏
統合図。2つのワールドが1つとなる。現在どのような名前にするかは、募集も含めて検討中だという

 最初に「10周年」を迎えるにあたり千葉氏は、「10周年の大台の年を迎えられると言うことには誇りに思っていますし、ユーザー様には感謝しています。引き続きコンテンツのアップデート、イベントを行なっていきます。そしてこれまで以上に、10周年という年が必ずプラスになるような、この後も、15、25、30と成熟し、楽しんでいくコンテンツを目指していきます。新しい“挑戦”の年にしていきます」と語った。

 飯野氏は「10年という重みを感じています。こういった節目を迎えられるタイトルに育てていただいた事に感謝しています。今までにやってなかった施策にも挑戦していきます。今までのユーザーさん、そしてこれからのユーザーさんに楽しんでいただければと思います。集大成を見せ、それから新しい次の10年へのチャレンジを見せていきたいです。みんな頑張っていきたいです」とコメントした。

 「10周年プロジェクト発表会」で最もユーザーの話題を集めそうなのが、「ワールド統合」だ。こちらは4月中旬に行なわれる予定で、「RO」では初めてのことになる。今回の統合で、PKが可能なUrdrワールドをのぞく、24のワールドを2つずつ統合し、12ワールドとする。統合後は13ワールドでの運用が行なわれるようになる。

 統合は、例えばChaosワールドとMagniワールドの場合は、元々はMagniワールドはChaosワールドがキャパシティオーバーになりつつあった状況の時に、“移住先”として提示されたワールドだった。このように元々関係のあったワールドが組み合わされる場合が多いという。2012年の柱となる施策のひとつである「ワールド対抗戦」の活性化や、ユーザーからの人数やキャラクタースロット、倉庫などの増加要望を踏まえ、「よりにぎやかな世界」を目指した統合だという。

 統合後はこれまで6だったキャラクタースロットが、12となる。2ワールドでキャラクターを持っていたプレーヤーもそのまま使用することができる。2ワールドフルでキャラクターを持っている、というプレーヤー以外にとっては、キャラクタースロットが増加することになる。

 アイテム倉庫も、これまで600だったものがさらに600追加される。しかし、倉庫は同時には使えないため、中身を移動させる場合には、キャラクターのインベントリを経由させなければならない。また、この追加倉庫は“一時的なもの”であることは注意しておきたいところだ。おおよそ1年後にはこの仕様は変更され、追加分の倉庫は消滅予定だ。1年後の倉庫数に関しては現在まだ発表されていない。

 統合により名前が被ってしまった場合は、名前の後ろに特定文字列がつき、1度だけ「リネーム」ができるようになる。正しリネームの際はギルドからの脱退が必要になるという。被った名前が、ギルドマスターの場合はギルドを解体するか、運営側の対応を要請しなくてはならず、運営対応に関しては後日詳細が発表されるという。また、ギルド名が被っている場合も、運営チームでの対応になる。

 ワールドごとのランキングや、アリーナの記録、攻城戦の結果などは全てリセットされる。これらは、人数が増えることで競争はより激しくなることが予想される。また、「神器クエスト」などワールド単位でのクエストもリセットされるという。ただし、「ラヘルの献金クエスト」などの、1度達成したら設定が変更されないものについては、現状が維持される状態に調整されるとのことだ。

 この他にも「パーティー」、「フレンドリスト」、「ギルドエンブレム」、「ワープポータル」、「太陽と月と星の感情」もリセットされると言うことで、統合直後はプレーヤーにとって大きな変化が起きそうである。

 現役プレーヤー以外にも今回の統合は大きな変化がある。2008年以降、1度もログインしていないアカウントに紐づくキャラクターなどのゲームデータは、統合前に削除されるという。「RO」は月額課金制のため、通常は課金しないとログインできないが、3月13日より2週間、平日は21時から22時まで、休日は18時から21時まで無料でログインできる「RAGホーダイ」を含む、大規模なカムバックキャンペーンを行なう。キャラクターをどうしても残したい、というプレーヤーは活用したいところだ。また、期間中経験値2倍や、討伐クエストが1.5倍になる施策も合わせて行なわれる。

 これに合わせ「ステータスリセット」のスペシャルアイテムも販売するという。また3月13日には「騎乗システム」も同じく課金形式で販売される。これまで職業で限定されていた乗り物に乗るシステムが実装されるのは、ユーザーの新しい楽しさになりそうだ。また、3月1日から「ガンホーゲームズ」に開設された「Q&Aフォーラム」内に、今後「探し人」カテゴリーを作ることを検討しているという。「昔遊んでいたんですが、ギルドはその後どうなったか、知り合いはまだいるのか」といった声を載せることもできる。ここを利用することで、カムバックのきっかけにして欲しいとのことだ。


ワールド統合に伴う変更要素。今回、データの整理も行なわれる

【騎乗システム】
アーチャー、アコライト、シーフ
ソードマン、ノービス、マーチャント
マジシャン、ルーンナイト、ニンジャ



■ 各種タイアップや、グッズ展開、「ワールド対抗戦」など、多彩な展開

「10周年プロジェクト」はもちろん、ワールド統合だけではない。その他の施策も多数発表される予定で、ここからはそれらの要素を紹介していきたい。施策のテーマは「原点回帰」だ。「RO」が持つ魅力を再確認した上で、ファンの想いに応えるイベント行なう予定だという。

● イラストコミュニケーションサービス「pixiv(ピクシブ)」とのコラボレーション

 「RO」を支えている「同人誌系コミュニティ」にアピールする施策として、イラスト作品の投稿と閲覧、作品の評価や、ランキングなどを行なえるイラストコミュニケーションサービス「pixiv(ピクシブ)」とコラボレーション企画を行なう。

 「RO」はこれまで自社では毎年イラストコンテストを行ない、コンテストを開催し優秀作品はログイン画面になるといった事を行なっている。「pixiv」とのコラボレーションはより募集する幅を広げ、プレーヤー以外の人も気軽に参加できるコンテストとして2012年夏に開催する。イラストコンテスト優秀作品をどう展開していくかは今後とのこと。

10周年を記念したロゴマーク
もりのほん氏が担当した「マランアイランド」イラスト

● 10周年記念「ポリンカー」

 「痛車」と呼ばれるような、デコレーションを車体に施した特別な車を作る。「RO」らしさを前面に押し出した車となる予定で、「RO」のキャラクター、モンスターなどのイラストを車体を覆うように配置していく予定。初お披露目は4月30日の「ファン感謝祭」にしたいという。さらに、「ポリンカー」は、今後ネットカフェを対象にしたイベントにも参加し、日本全国各所のユーザーに見せていきたいとのこと。

● 「アクエリアンエイジ」とコラボレーション

 ブロッコリーから発売されているトレーディングカードゲーム「アクエリアンエイジ」に「ラグナロクオンライン」のキャラクターが登場するコラボレーション商品が発売される。「RO」のイラストを活用し、実際にカードゲームとしてプレイできる「RO」グッズとなる。

● 10周年記念メモリアルブック・アンソロジーコミック

 アスキーメディアワークスより、10周年を記念した本を出版する。韓国の開発元でのイラストなどもふんだんに盛り込み、10周年を振り返る、メモリアルブックと呼ぶのにふさわしい本となるという。また、エンターブレインよりアンソロジーコミックも企画中だ。

● 記念イラストシリーズ

 10周年を記念して様々なイベントをテーマとしたイラストをシリーズ化していく。ライトノベルズなどで活躍するプロのイラストレーターを起用する予定で、第1弾として「マランアイランド」を、もりのほん氏が担当している。さらに「ワールド対抗戦」のイラストも登場予定だという。イラストは、5種類程度制作予定だ。

 これらのイラストは「ポスターにして配りたい」と飯野氏は考えているが、その配布方法は検討中だという。イベントでの配布や、ネットカフェでの配布など、様々な方法を検討している。10周年プロジェクト発表会では、その先駆けとして、「マラン島」アップデートイラストが、ミニポスターとして来場者に配られた。壁紙などの展開も考えているという。

● ワールド対抗戦

 2012年の大きな目玉となるのが「ワールド対抗戦」だ。以前のインタビューで詳細は紹介されているが、2シーズンで行なわれる。1stシーズンは5~7月。2ndシーズンは9~11月の予定だ。ワールド統合により、勢力は大きく変わる可能性もあり、どういった展開になるかは注目したいところだ。

 7vs7で行なわれるこれまでの「RJC」、「RWC」とは異なり、「ワールド対抗戦」はプレーヤーが毎週繰り広げている「攻城戦」で腕を競う。100vs100の戦いを制し、ワールドナンバー1ギルドになるのはどこなのだろうか。

● アニバーサリーイベント

 12月1日にアニバーサリーイベントを行なう予定だ。「10周年記念パーティ」という雰囲気で開催される。「ラグナロクオンライン」の世界観を活かした、コスプレあり、Liveありのイベントにしていきたいとのこと。

 説明会の最後に、ユーザーへのメッセージとして千葉氏は「統合の話は、どうしてもユーザーさん達は身構えてしまうところがあると思います。けっしてマイナス方向でのスタートではなく、ゲーム内の活性化などプラスになる要素として実施するものです。今後また新ワールドを立ち上げると言うことも考えていきたいと思ってますし、縮小ではなく、より楽しい世界を目指していきます。今後も様々な施策を行ないたいです」。

 飯野氏は、「今回紹介させていただいた施策は、『RO』の世界をより楽しんでいただくために考えたものです。統合も他国と比べ、ユーザーの皆さんに不利益をもたらさないように考えたつもりです。新しい形の『RO』を提示していきます。よりにぎやかな世界を実現し、次の10年を目指すスタートにしたいと思います。2つのワールドで、新しい世界を作るという楽しさを味わっていきたいと思いますし、私達は全力でサポートしていきます」と語った。


多彩な企画。今回紹介された以外にも、まだまだたくさんの企画を準備中とのことだ


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(2012年 3月 10日)

[Reported by 勝田哲也]