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東京都初のeスポーツイベント「東京eスポーツフェスタ」初日レポート
「太鼓の達人」など4タイトルで大会を開催、出展コーナーも大いににぎわう
2020年1月12日 00:00
- 開催期間:1月11日~12日開催
- 会場:東京ビッグサイト南1ホール
- 入場料:無料
東京都や日本eスポーツ連合(JeSU)などが名を連ねた東京eスポーツフェスタ実行委員会の主催によるeスポーツイベント「東京eスポーツフェスタ」が、1月11日より東京ビッグサイトにて開幕した。
本イベントは、東京都が史上初めて予算を計上したうえで開催となったeスポーツイベントで、公式サイトによると「eスポーツの普及と関連産業の振興を目的として」開催されたもの。企画・運営は対戦格闘ゲームのeスポーツ大会ではおなじみのRAGEが手掛け、開催初日の11日には、「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん!」、「パズル&ドラゴンズ」、「モンスターストライク」の3タイトルと、サブイベントの「ポケモンGO」を合わせた4タイトルの各競技大会が行なわれた。
来場者の多くは、小学生の子供がいる親子連れということもあり、館内はいわゆるプロゲーマーたちがしのぎを削るような既存のeスポーツ大会とはまったく異なる、良い意味でのアットホームな雰囲気に包まれていた。とはいえ、各競技に選手として参加したプレーヤーは真剣そのもの。多くのプレーヤーが、生まれて初めて多くの観衆の目が向けられたステージ上でプレイしたことでかなり緊張していた様子だったが、勝っても負けても実に楽しそうだった。
各競技とも、気軽に参加できる敷居の低さが魅力に
「太鼓の達人 NintendoSwitchば~じょん」は小学生以下限定の大会で、開催初日の11日に行われたトーナメント戦に優勝した、たっつん!選手は、2日目に開催される「太鼓の達人 Nintendo Switch ば~じょん! 小学生ドンカツ王決定戦!」の参加権を獲得した。
同じく、「パズル&ドラゴンズ」(以下、「パズドラ」)も、当日エントリーで参加したプレーヤーのうち、決勝トーナメントを勝ち抜いた グリーンフォレスト、海斗☆選手の2名が2日目開催の決勝戦へと駒を進めた。なお、「パズドラ」大会の優勝者には日本eスポーツ連合(JeSU)から公認プロライセンスが授与されることもあり、決勝戦はさらなつ白熱した戦いが見られそうだ。
「太鼓の達人 NintendoSwitchば~じょん!」と「パズドラ」の2タイトルについては、参加者は当日エントリーのみとなっていたので、事前の予選大会などを勝ち抜く必要もなく、会場に出掛けて気軽に参加できる敷居の低さが一番の魅力となっていた。エントリーの際もそれほど混雑せず、運営もスムーズに進行しているように見えたのも好印象だった。プレイヤー同士が勝負にこだわるあまりピリピリとした雰囲気はなく、実に和気藹々としていたので、ゲームの上手・下手を気にせずに遊べる空気が醸成されいたこともあり、両タイトルの大会はeスポーツの普及という、本イベントのコンセプトに合致した内容だったと言えるだろう。
「モンスターストライク」の参加者は事前エントリー制で、1チーム4名で編成した全88チームが参加した。こちらは過去に別の大会でも好成績を収めていた強豪チームも参加しており、最も、かつ予選会場からも選手たちの大きな叫び声が飛び交い、最も白熱していた印象だ。初日は各チームがA~Cの3グループに別れて対戦バトルを繰り返し、各グループを勝ち抜いた上位2チームが2日目の決勝大会へと駒を進めた。なお、勝ち抜いたチームはAグループがデンジャラズとSpec、Bグループはド根性コケンチーαとFran Respect、Cグループからはドボンキングと161【cm】の6チームに決定した。
「ポケモンGO!」の大会は「ゲット&バトルトーナメント」という名称で、こちらも事前エントリー方式で行われた。まずはお台場を舞台に、20種類のポケモンをいかに早くゲットするかを競うタイムアタック予選が行われたが、ポケモンをゲットするには会場のホールから屋外に飛び出して、かなりの広範囲を歩き回ることが必須となっていたのが実にユニークだった。親子連れでの参加者も目立っていた感があり、たとえ負けてしまっても、親子で楽しくポケモン探しが楽しめる場として機能しており、位置情報ゲームならではの面白さをうまく利用していたという点でも好印象だった。また、決勝戦に進出したプレーヤーは、会場周辺でゲットしたばかりのポケモンでデッキを組んでバトルをするルールになっていたので、その場での対応力が求められるという点でも、観戦する立場としては非常に面白かった。
出展者の評判も上々だった、「eスポーツ関連産業展示会」コーナー
本フェスタの「eスポーツ関連産業展示会」コーナーには、都内にオフィスを構えるゲームメーカーのほか、ゲーミングPC・デバイスのリース・販売業者や、eスポーツが学べる通信制の学校、VRコンテンツ開発・運営、さらにはeスポーツ向けのボディケアを行う一般社団法人など、バラエティに富んだ34社が出展していた。筆者はいくつかの出展者のスタッフにお話を伺ってみたところ、おおむね好意的な反応だった。
あるゲーミングデバイスのリース業者は、「今までeスポーツをやったことがない、イベント会社の方がかなり来ていてすごく引き合いがあった。来てよかった」と話してくれた。来場者が親子連れ中心のように見えた会場にあって、ビジネス目的での来場者も少なからずいたというのは、良い意味で驚かされた。また、「東京ゲームショウなどでもそうですが、こういうイベントに出展すると、メーカーさんが求人票を置いてくれるようになることもあるんです」と話す学校関係者もいれば、「(自分たちのことを)知ってもらえるのでありがたい」と話すボディケアやゲーミングデバイスの業者もいた。「eスポーツ関連産業における都内中小企業の活性化を目指し展示会を実施します」(※公式サイトより引用)という、本フェスタの当初の目的のひとつは、うまく実現できたと言ってもよさそうだ。
ただ、唯一惜しむらくは初日最後となったステージイベント、「ポケモンGO ゲット&バトルトーナメント」の開始時間が約50分遅れてしまったこと。開催直前になるまで、遅れを知らせる場内アナウンスもなかったため、ステージ前で多くの人が待ちぼうけを食ってしまったのは残念だった。とりわけ、小学生以下の家族連れが多い本フェスタにおいては、彼らの帰宅時間が遅くなってしまうような進行の遅延は、けっして看過できない問題だろう。また来年以降に第2回を開催するのであれば、進行が当初の予定どおりにスムーズに進行するよう、ぜひ改善してほしい。
なお、開催2日目となる12日(日)は、「太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん! 小学生ドンカツ王決定戦!」「パズドラチャレンジカップ2020」「モンスターストライク」の全3タイトルで2日目予選および決勝大会が開催され、それぞれの優勝者が決定する。また、ステージイベントとして「パズドラ」の最新情報を公開する「パズドラ スペシャルステージ」の開催も予定されているので、「パズドラ」ファンはこちらのステージにもぜひご注目を。