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オープンワールドになった「Diablo IV」はかなり楽しいぞ!
クエスト、ワールドボス、エリアイベント、隠れた宝や突発イベントまで広大な世界を探索
2019年11月3日 23:10
- 11月1日、2日開催(現地時間)
- 会場:Anaheim Convention Center
米国アナハイムのAnaheim Convention Centerにおいて開催されたBlizzard Entertainmentのイベント「BlizzCon 2019」において、発表されたばかりの「Diablo IV」を早速プレイしてきた。今回はアルファ版ということで、撮影は一切不可。1回のプレイで約10分ほど自由にダンジョンを潜ることができた。完全にオープンワールドゲームとなった「Diablo IV」がどんなゲームなのか、体験できた中から多くの要素を紹介したい。
デモで使えるのはドルイド、ソーサーラー、バーバリアンの3クラス
プレイデモで使用できるクラスは、ドルイド、ソーサラー、バーバリアンの3つ。ドルイドは男、ソーサラー女固定で、スキンは2種類から選択可能で、バーバリアンは性別とスキンが2種類ずつ用意されていた。スキンによって声も変わり、カットシーンの姿ももちろん変化する。
ドルイドは狼を2匹連れ、攻撃によって熊やウェアウルフに姿を変えながら戦う魔法と近接のハイブリッドクラス。犬をけしかけたり、竜巻を巻き起こしたりもできる。
ソーサラーは炎と氷の魔法を使う。自分の位置を起点にメテオを落とす「Meteor」や、自身が光の玉になって素早い動きで周囲の敵に攻撃をかける「Conduit」など魔法使いらしいクールなスキルを使う。
バーバリアンは複数の武器を使うこなすことができる。メイス、両手剣、斧とハンマーといった武器を攻撃によって使い分ける。スキルはどれもパワフルで、特に右クリックで発動する強攻撃はメイスに炎をまとわせて、細長い扇形の攻撃範囲を薙ぎ払うアニメーションで、非常に爽快感があり、かっこいい。
HPとマナのゲージは「Diablo II」のような2つの球として画面の左側にまとめて表示されており、その右側に「1」から「4」までのスキルと、左右のマウスの攻撃がセットされている。「1」から「3」は通常のスキル、「4」は強力だがマナ消費が大きくリキャストも長い必殺技的な位置づけだ。攻撃はスキル画面からカスタマイズが可能。デモ版では、それぞれ4つのスキル(左クリック攻撃のみ5つ)が表示されていたが、アンロックされていなかったので使ってみることはできなかった。
操作は左クリックで弱攻撃、右クリックで強攻撃、クリックの攻撃でマナやFuryなどがたまっていく。スペースキーで前にダッシュ、「T」でポータルを使ったワープ移動、「Q」でヒーリングポーション使用、「C」でキャラクターやスキルのカスタマイズ画面、「A」でタレントの選択画面となっている。タレントは系統が分岐していき、それぞれの要素を強化することもできる。
救いのない陰惨なクエストで「Diablo」らしさを体感?
デモプレイをスタートさせると、チュートリアルを兼ねた狭いダンジョンを進んでいく。短いダンジョンだが、道は複数に分岐しており、ちょっとした探検を楽しむこともできる。一通りの操作を経験し、初めてのアイテム取得も済ませると、骸骨と死体だらけのトンネルを抜けて脱出する。脱出シーンはカットシーンになっており、俯瞰ではなく映画のように凝ったカット割りでシーンが進んでいく。
ようやく出てきた地上には広大な風景が広がっている。「Diablo IV」はマップがすべてシームレスのオープンワールドゲームとなっている。マップは多くのプレーヤーと共有されているので、チュートリアル後はそこここで他のプレーヤーと遭遇する。「Diablo」シリーズと言えばMORPGの金字塔というイメージだったが、「Diablo IV」はアクションMMORPGと言えるものになっている。近くにいるプレーヤーやフレンドが表示され、ワンボタンでパーティに誘う機能もあり、ダンジョンやボス攻略の時に周囲の人と気軽にパーティを組むことができる。
踏破していないマップはマスクされているため、今回歩き回ったのは全体のごく一部だったが、その中にダンジョンが3つ、ワールドボスが1体とぎっしり詰め込まれていた。
マップの中央辺りには拠点になりそうな村があり、メインストーリーっぽい黄色いアイコンのクエストを受けることができる。クエストの内容は、狂気に陥ってしまった息子の様子を嘆く母親から、息子の代わりに洞窟へ探索に行くというもの。途中の敵を倒しつつ、蔦を登ったり下ったりしながら目的地に向かっていると、ちょうど近くにいた人からパーティ勧誘が来たので、3人パーティを組んでダンジョンに挑むことになった。
ダンジョンは突入すると地獄の門のような演出が入り、中はインスタンスになっている。洞窟の中では、敵を倒している合間にシームレスにクエストのストーリーが進んでいく。息子が狂気に捕らわれた理由をつかみ、そこにいたDrowned Seahagという悪魔を倒すとポータルを使って村に戻る。しかし、報告に行った先で息子は口からいろいろな液体を吐いて死んでしまう。救いはないが、それが「Diablo」らしさなのだろう。
村にはほかにも水色の「!」で示されるサブクエストを持っている村人が2人いた。会話はボイスと顔グラフィックス+テキストという、今となっては少しレトロな表示方法で進んでいく。新しいものを作りつつも、「Diablo」らしさにこだわるオールドファンが懐かしさを感じられるような新旧が入り混じったデザインになっていると思えた。
大勢のプレーヤーが力を合わせて倒すワールドボス
村の右上辺りには、崖の上に開けた場所があり、そこに巨大ボスが現われる。両手の巨大なカマで地面を薙ぎ払う攻撃を外周、内周と使い分けてくるので動きをみて避ける必要がある。筆者がその場所にたどり着いた時にはすでに攻撃が始まっており、会場から参加している大量のデモプレーヤーがボスに群がっては、一掃されていた。倒されると、崖近くのリスポーン地点に飛ぶので、すぐに戦闘に復帰することができた。
筆者が到着した時にはもうかなり戦闘の終盤だったので、3回ほどリスポーンしている間に敵を倒すことができた。ボスは倒されると、気持ち悪い内臓をまき散らした肉片となって散らばり、同時にレジェンダリーアイテムを含む大量のアイテムをドロップしていた。
通常のフィールドにもいろいろな仕掛けがある。ある農場に入ると、イベントが発生したという告知が画面に現れる。そのまま進むと、なんとも邪悪な感じの塔を、4人のアンデッドが取り囲んで何かの儀式を行なっている。この4匹と一緒に襲ってくる雑魚を倒すと、メッセージが書かれた小さな塔が現れた。「ギルドウォーズ 2」などにも、状況によって発生したりしなかったりするクエストがあるが、そういった種類のイベントかもしれない。
また、道を移動していると村人が助けを求めてくることがある。うまく助けることができれば、アイテムを落としていってくれた。ちなみに間に合わない場合は殺されてしまい、何も起きなかった。助けを求めている人はフィールドのあちこちにいるため、声が聞こえたらとりあえず助けにいった。最初は状況がわからなかったので、7割がたは助けられなかったが、助けた人が元気に立ち去るのを見ると、絶望ばかりのこのゲームの中に一筋の希望を見た気がした。
フィールドの端に沿って歩いていると、気づきにくいところに登れる場所があり、秘密の宝箱を見つけることもできた。実は自分で見つけたわけではなく、インタビューで存在を聞いて探したわけだが、「Diablo IV」にはほかにも隠された宝や探索要素が色々と用意されているそうだ。
敵を倒しまくって、キャラクターをビルドし、レア装備を集めるという基本のシステムはそのままに、広大なオープンワールドや探索の楽しさが追加されているという印象だ。フィールドのレベルデザイン密度はかなりの濃厚で、少し進めばなにかのイベントが発生したり、何かを見つけたりすることができる。オープンフィールドといえば、何もない広大な場所を延々と走るようなイメージもあるかもしれないが、「Diablo IV」のオープンワールドはそうではない。いわば、広大なフィールド全部がダンジョンというくらいの密度で、敵やイベントや宝箱やそのほか様々な要素が潜んでいる。この世界の探索は、かなり時間泥棒になりそうな要素に思えた。
美しくも凄惨な死と悪に彩られた世界
アートと世界観はひたすらにダークだ。道にはべっとりと鮮血がこびりついているし、どこもかしこも骸骨や死体だらけだ。そういえば、ある空き家の近くに転がっていた死体は、ひっくり返すとお金がチャリンチャリンと落ちてきた。死体からもらうのもなあと思いつつしっかり回収したのだが、筆者が今まで体験した中で最も陰惨な宝箱だと言えるだろう。
出てくる敵も、日本人が求めるような愛嬌は1ミリもなく、ひたすら邪悪で醜悪でおどろおどろしいが、ホラーが好きな人、キリスト教系地獄に興味がある人などこの手の世界観が好きな人もたくさんいるだろう。そういう人は、細部まで細かく描かれた終末観溢れる風景を存分に楽しめるはずだ。
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