【特別企画】
「Diablo IV」アーリーアクセスβプレイレポート。これまでの面白さと新体験がミックスされた新時代の「Diablo」
2023年3月20日 19:31
- 【ディアブロ IV】
- 6月6日 発売予定
- 価格:9,800円〜
- オープンβテスト:3月25日~27日 実施
いよいよ「Diablo」シリーズの最新作「Diablo IV」が6月6日に発売される。その発売に先駆けて、本編予約者向けのアーリーアクセスβが3月18日より開催された。
このアーリーアクセスβでは、ゲーム序盤のエリア「破砕山脈」が楽しめる。本作の発売を楽しみにしている筆者ももちろんプレイしてきた。
プレイして最初に受けたのは「これまでの『Diablo』シリーズの醍醐味を受け継ぎつつ、新しいことにも挑戦しており、その挑戦がすべて噛み合っている」という印象だ。詳細についてはこのあとの本文を読んでほしいが、「Diablo」ファンの一人としてこの面白さはどこまででも語り続けたいくらいの印象だった。
今回はその中でも特に印象的な要素3つについてまとめさせていただいた。ぜひ最後まで読んでいただけると幸いだ。
世界観を表現したハイクオリティなカットシーンに引き込まれる
本作について語りたいことはとにかく多い。ゲームシステムについて語りたい気持ちもある。だが最初はたっぷりと盛り込まれたカットシーンについて伝えたい。筆者は申し訳ないがこれまで「Diablo」シリーズのストーリーやストーリー部分をほとんど見たことがない。それは「とにかくストーリー云々よりも、早く悪魔達との戦闘と楽しませて欲しい」という思いの方が強かったからだ。
だが今作では全くそのように思わなかった。というかゲーム開始時に流れるカットシーンが圧巻で以降のシナリオのシーンでも目が離せなかったのだ。そのくらい強烈な印象だった。
個人のプレイスタイルによる、という前置きの上だが、「Diablo」シリーズ、そして「Diablo」ライクなゲームをいくつかプレイしてきて、それらの作品のほぼ全てでカットシーンやシナリオシーンをスキップし、一切ストーリーを見ずにプレイしてきた筆者が今作だけは初めてカットシーンに魅入られた、と言えばそのすごさが伝わるだろうか。
アーリーのβテストの段階ではゲーム開始時に流れるカットシーンはまだ字幕が英語だったため、すんなりとストーリーの流れを理解できるというものではなかった。だがそんな状況でもじっくりとカットシーンに見入ってしまった。
その理由はいくつかあるのだが、カメラワークや、画面から伝わってくる緊迫感、そして怪しげな儀式など「ダークファンタジーの暗い部分をとにかく濃く表現したい」、そういういう開発者の思いが伝わってくるような映像だった。
また、ゲームが始まったあともいくつかイベントシーンが挟まれるのだが、ここもかなり惹きつけられる物があった。おどろおどろしい悪魔達が出てくるのはもちろん、狂気に飲まれた村人達、そしてグロテスクな肉や内臓の表現など、「表現規制的に大丈夫なのだろうか?」と心配するほどだった。
インタビューでも明らかになった通り、コンシューマ版はCERO:Zで発売される。今回はPC版でプレイしたので、コンシューマ版でも全く同じ表現で発売されるかはわからないが、どちらにせよかなり振り切った表現となることだろう。
今回プレイできたのはかなり序盤だったので、今後もストーリーは続いていくはずだ。どんな物語が展開されるかはもちろん気になるが、目を覆いたくなるような強烈なシーンが今後も続いていくのだろうと思うと、どす黒い期待の感情が心の底で沸いている。
新要素が追加されても「Diablo」のコアたる快感は健在!
さて、冒頭でカットシーンについて語ってしまったが、当然「Diablo」シリーズのコアは健在だ。後述するが本作にはこれまでの「Diablo」にはなかった要素が多数追加されている。だが、それでも、本作の魂はどこまで言っても「Diablo」なのだと強く感じた。プレイ前は、新要素の追加によりこのコアな快楽がなくなっているか心配していたのだが、全くの杞憂だった。
「Diablo」のコアというのは何か。それは見下ろし型で、PC版であれば左右のクリックと一部のキーに割り当てたスキルで雑魚モンスターをドンドン倒していく。そうすると敵がアイテムを落とすのでそのアイテムを拾ってキャラクターを強化する、また敵を倒すと経験値も獲得でき自分のキャラクターがレベルアップしていくので、レベルアップ時に獲得できるスキルを習得し、キャラクターを強化してさらに強力な敵を倒していく……といった具合にキャラクターの育成と強敵の撃破を繰り返していくゲームだ。
これの何が面白いのか、「Diablo」の魅力はどこにあるのか。まずは敵を倒していく爽快感にある。マウスで悪魔を選び、左クリックで攻撃を繰り出す。近接武器を使って敵を倒すクラスであれば武器をブンブンと振る効果音と共に、悪魔が血だらけになりバラバラになる。魔法を使うクラスであれば派手なエフェクトと特徴的な効果音と共に、崩れ落ちる悪魔達。この敵を倒す爽快感がまず1つだ。
そしてもう1つが貴重なアイテムの入手、いわゆるトレジャーハンティングという要素だ。
本作に登場する装備はランダム要素がかなり多い。同じ名前の装備でもレアリティにより特殊な効果がつき、その効果の値も範囲内でランダムだったりする。また特殊な能力を持った固有の装備といったものも登場する。
これらは雑魚敵を倒しているときにも入手できるが、やはり強力な装備は強いモンスターやボスモンスターからドロップしやすい。何度も何度も敵を倒し、強力な装備やアイテムを追い求め、そうした苦労の末入手したアイテムでキャラクターが強くなる。そうするとさらに強力な敵を倒すことができ、もっともっとレアな装備やアイテムが入手できる。この繰り返しがとにかく中毒性が高く、無心になって遊んでしまう。
無心で遊びつつも強力なアイテムが出た瞬間の快感はすさまじい物があり、恐らく脳の中では快感を司る物質がドバドバと出ている。
セミオープンワールドとのかみ合わせがバッチリ
システム面の特徴としては、やはりセミオープンワールドになっていることだろう。
今回プレイできたのは「破砕山脈」という雪に覆われたエリアなのだが、ざっくり中心になる街があり、そこを起点に周囲に悪魔がはびこっているエリアを探検するというシステムになっている。
大きくメインとなるクエストがあるので、それに従うと少しずつ新しいエリアを探検することになる。具体的には東部に移動していくのだが、いきなりメインクエストを無視して西のエリアを探検しに行ってもいい。
メインストーリーから外れた行動をすると敵のレベルが高かったりするのだが、全く倒せないというわけではない印象だ。例えばパーティでプレイしたり、ワールド全体の難易度を調整する「ワールドティア」という機能で難易度を調整すれば意外といきなりエリアを飛ばして自由に遊べるかもしれない。
メインのクエストを飛ばせるという自由度はそれだけで楽しい。順番にクエストを追っていくのももちろん楽しいが、自由に動けるという楽しさは多くのオープンワールドゲームが証明しているとおり、それだけで魅力的なのだ。
そして自由度以外にもメリットはある。本作のセミオープンワールドのエリアには多くのユニークな「ダンジョン」が点在している。これらのダンジョンをクリアすると特殊な報酬が獲得できるのだ。
この報酬はアカウント共通のようで、一度どれかのキャラクターでクリアすると全キャラクターで使用できる。報酬はダンジョンごとにユニークな物になっており、ダンジョンを攻略するモチベーションになる。最初から自分のクラスにあった報酬をゲットするためにメインのクエストを無視するというのは1つのプレイスタイルとして考えられるだろう。
最もこれらのダンジョンは道中に多くの悪魔達が蔓延っており、最後のエリアにはボスも存在している。道中はともかく、最後の地点にいるボスはかなり手強い。それぞれのダンジョンごとに出現するモンスターのレベルが設定されており、やはりいきなり横道にそれるとレベルが高めのモンスターに出会ってしまうようだ。そこは友達とパーティを組んで挑戦するなど、工夫が求められそうな要素だ。
またサブクエストの数もたっぷりで全く飽きさせない物だった。サブクエストの内容は難しくはないのだが、「こんなところにもサブクエストが用意されているのか!」という発見がある。サブクエストとダンジョンのおかげでメインクエスト以外にもマップを探検するモチベーションになるという仕組みになっていた。
もちろんサブクエストをクリアすると経験値などの報酬も得られるので、積極的に攻略していくメリットもある。最終的に広大なマップが開放されたときにゲーム全体でどのくらいのサブクエストが用意されているのか、現時点から期待が持てるところだ。
超強大なワールドボスも出現。本当に倒せるのだろうか?
そして「Diablo」シリーズとして初体験だったのが超巨大な「ワールドボス」との戦闘だ。今回は画面の大半を占拠するほど巨大な竜のようなボス「アシャバ」との戦闘が楽しめた。このボスは圧倒的に巨大で強力。前述したダンジョンに出現するボスや、メインクエストに出てきたようなボスとは全く比べものにならない。
まず体力が桁外れに多い。今回は10数人くらいのプレーヤーと挑んだのだが、表示される体力ゲージはなかなか減らなかった。プレーヤー側はかなりの火力、そしてある程度の人数が求められそうな印象だ。
驚異なのはボスの体力だけではない。攻撃も非常に手強かった。攻撃範囲は広く、爪で半円状にひっかく攻撃は多くのプレーヤー達を巻き込み、バタバタと倒れてしまっていた。また個別のプレーヤーに大ダメージを与える、口で掴み上げる攻撃もあった。今回のゲームプレイのレベルキャップは25だったが、そこに到達していないプレーヤーも多く参加していた。筆者もたまたまそのタイミングではレベルキャップに到達していなかったのだが、7,8回は死んだと思う。
死ぬ度に装備の耐久度が減るのと、あまりにも「アシャバ」の攻撃力に耐えれないことで心が折れてしまい、その後の顛末はどうなったか確認できなかったのだが、複数人で巨大なボスと戦うというのは、「Diablo」シリーズらしくない新しい体験で、非常に印象的だった。
これは筆者の想像になるのだが、恐らく「アシャバ」からはレアリティが高いアイテムが落ちるのだろうし、もしかしたらこのボスからしか入手できないユニークなアイテムなどもあるかもしれない。そうなるとこのボスを倒す強いモチベーションになるだろう。筆者も製品版が発売されたらしっかりとレベルを上げ、強力な装備、強力なスキルを用意して改めて挑戦したい。
とにかく短時間しかプレイできなかったのが本当に惜しい出来だった。すべての要素が過去シリーズよりパワーアップしている印象で、先日公開した開発チームによるインタビュー記事でも今作のデキを自信たっぷりに語っていたのも納得の出来だった。
なお、すべてのプレーヤーが参加可能なオープンβテストは3月25日よりスタートする予定だ。読者の皆様とこのおどろおどろしい世界で、悪魔達と戦えることを楽しみにしている。
©2023 Blizzard Entertainment, Inc.