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「ファイナルファンタジーXIV」パッチ5.1公開直前インタビュー

いよいよ登場する「YoRHa: Dark Apocalypse」や「絶アレキ」、ジョブ調整など注目点を紹介!

【パッチ5.1「白き誓約、黒き密約」】

10月下旬実装

 「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」では初となる大型アップデート、パッチ5.1「白き誓約、黒き密約」が10月下旬に実装される。ストーリーの評価が非常に高かった5.0の続きとなるため、ストーリーに大きな関心が集まっている。

 他にもヨコオタロウ氏と齊藤陽介氏をゲストクリエイターに迎える24人用アライアンスレイド「YoRHa: Dark Apocalypse(ヨルハ:ダークアポカリプス)」や、最高難度の8人レイド「絶アレキサンダー討滅戦」、PvPコンテンツフロントラインの新マップ「オンサル・ハカイル(終節戦)」などバトルコンテンツも盛りだくさんに登場する。

 今回は、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏に恒例のパッチ前インタビューでパッチ5.1のポイントを聞いてきた。実装される量が多いので、短いインタビューではすべてを聞くことはできなかったが、色々と気になる情報も手に入れたので、ぜひとも読んでクワクワしながら、間近に迫る実装を待って欲しい。

メインストーリーは第一世界の修復など3つの軸で進行

――まずはメインストーリーからお伺いします。話せることは限定的だとは思いますが、どんなストーリーになるのでしょうか?

吉田氏: ネットの声を拝見していると、5.0が綺麗に終わったのでこの後どうなっていくんだろうと、いうコメントが散見されていますね。確かに第一世界の危機という意味では一旦終息しましたが、まだ未解決の問題が大きく2つあると思っています。

 まず1つめは、暁のメンバーたち闇の戦士一行は第一世界からすればお客様なので、いずれ元の世界に帰らなければならない。しかし今はまだ帰る方法が見つかっていないのです。”闇の戦士”であるプレイヤーのみなさんは、自由にテレポしていますが、暁の面々はそれができないのです。ギムリトでの戦い(※1)も気になりますし、その辺りが1つめの中心軸になります。

暁の面々が第一世界から原初世界へ帰るための方法はまだ見つかっていない

 もう1つは、世界の9割が消失したノルヴラントという地域の不安定さです。クリスタリウムとユールモアという2つの巨大都市だけが残っているわけですが、ユールモアは現在元首が不在でガタガタの状態です。第一世界の人々は、闇の戦士一行がいなくなった後も、その世界で生きていく必要があるので、いずれいなくなる彼らに頼るのではなく、どうやって自分たちで第一世界の復興を進めていくのか……。第一世界に置いてはこの点が大きな軸になると思っています。

 原初世界ではエオルゼア同盟軍、東方連合と帝国の正面衝突が起こっています。今は戦線が膠着しているとはいえ、戦端は開かれていますし、帝都ガレマルドでも事件が起きていました。これら原初世界での問題も進行していくので、メインストーリーは複数の軸で展開していきます。

ユールモアに暮らす人々は自分たちの手で行く末を決めていかなくてはならない

 この先、残ったオリジナルアシエンの最後の1人も含めてですが、物語は再び加速し始めます。今回は序章に当たるので、静かな滑り出しになりますが、パッチ5.1でも後半からは一気にテンションが上がっていきますので、じっくりご覧いただければと思います。

※1ギムリトの戦い: 西州アルデナード小大陸と北州イルサバード大陸とを結ぶ唯一の陸路であるギムリト地方で起こっている、ガレマール帝国とエオルゼア同盟軍・東方連合軍との決戦。現在は停戦協定が不調に終わり、にらみ合いの膠着状態が続いている。

――お話を聞いていると、ボリューム的にかなり多そうに思えます。パッチのメインストーリーとして、今までよりも規模的に大きいものになりそうですか。

吉田氏:  入り組みはしますが、長さはでいえば、いつものパッチぐらいに落ち着いています。既にパッチ5.2や5.3の開発に取り掛かっていますが、どちらかというとそちらのボリュームが多く、コントロールに苦心しています。5.0でも、X.3など前拡張のフィナーレに当たる部分のシナリオは多めになる予定です。

――ここからだんだんまた話が大きく動いていく、今回はその序章ということですね。

吉田氏:  みんな力が入っているので、滑り出しはうまくまとまったと思いますが、その先はコストとの勝負ですね。もうパッチ5.1の作業はほぼ終えていて、後は絶の最終調整とバグフィックスの段階です。

――5.0では恋愛ゲームのように会話できるストーリーの中で遊べる新ギミックが登場していましたが、ああいった試みは今回もありますか?

吉田氏:  これは開発の都合になるのですが、2019年前半は拡張パッケージを全力で作ってきたので、みんな休みを取らなければならない、ということと、3.1の時のようにパッチ間隔を空けないようにするために、そこそこのボリュームでセーブするように指示しています。キチンと休みを取ることになるので、普段のパッチより1週間強短いくらいの作業期間になります。ですので、極端に目新しいことはやらずに、今までやってきた経験の中で面白いものが作れるようにしよう、と。ただ今回そうやっているぶん、5.2や5.3が盛り気味になりつつあり……(笑)。

――パッチ5.1は開発的にも、一息ついてからという部分があるのですね。

吉田氏:  毎拡張同じですが、パッチ5.1など拡張直後のメジャーパッチの大部分は5.0と同時並行で開発している部分が多く、一旦5.0の休暇を取って、パッチ5.1作業を継続する、というイメージです。開発のテンションは落とさないようにはしているつもりではいるので、静かな立ち上がりではありますが、「ヨルハ」も含めて盛り上がれるように制作できたと感じています。

――先日公開された立ち絵の中にアルバートのCGのアートワークがありましたが、アルバートはパッチ5.1からの話に絡んでくるのでしょうか。

吉田氏: アルバートは5.0ではネタバレに繋がることもあるのでPRを抑えてきました。ネタバレ解禁になったけれど、アルバートの使えるCGがなかったので、後追いで出したというイメージですね。これ以上は言わないでおきます。

立ち絵のアートワークが公開されたアルバート

――Twitterなどでも、アルバートのCGが発表されたことにどういう意味があるのだろうというつぶやきをかなり見かけました。

吉田氏:  そこは色々と妄想を……。

――今回は零式もそうですが、ロールクエストのようなサブクエスト的なところで、メインストーリーを補完するような話が進んでいるように思います。今後メインストーリーを進める上で、これらのストーリーは見ておいたほうがいいものなのでしょうか?

吉田氏:  必須にはしていません。ただ、例えば「キャラクターに感情移入したい」とか、「キャラクターのバックボーンを知りたい」というような場合には、見ておいていただいた方がより楽しめるかなとは思います。ただ、それを知らないと進められないようにはしないと決めていますし、スタッフもそれを理解して制作を進めています。

――例えば、「希望の園エデン」では失われた属性を回復させるというシチュエーションが出てきますが、あれが前提になったメインストーリーにはならないということですか。

吉田氏:  そうです。例えば、サンクレッドとウリエンジェは今そちらに協力していますが、ではメインストーリーに出てこないのかというとそんなことはありません。いつもは拡張が出た次の年明けにシナリオ合宿をしますが、今年は早くも1回目を実施しました。5.Xシリーズやエデンのストーリーに絡んでくるキャラクターの扱いも、既にそこで全体を固めました。

 いまはどのコンテンツも最先端なので良いですが、例えば5.4くらいのタイミングで「FFXIV」を始めた人は、おそらく「エデン」をやらずにメインストーリーを突っ走ると思うのです。そうなった場合に「エデン」のプレイを前提にすると話が分からなくなってしまう。2、3年経ってからメインストーリーの流れに組み込んで回収するのは良いと思うのですが、それまでは必須であるべきではないと思っています。

――今までの零式は、どちらかと言えばサブストーリー的だったのですが、今回はメインのキャラがバッチリ絡んできているので、こちらも押さえておく必要があるかと思いましたが、そういうわけでもないんですね。

吉田氏:  リーンというキャラクターは、5.0のメインストーリーで歩き始めたばかりです。第一世界での彼女の成長を、「エデン」の物語を通じて描くということをポイントにしています。「エデン」は、彼女をちゃんと描き切ってあげるというところが大きいです。

極ハーデスではトーテムが1度に2個手に入る

――パッチ5.1のトレーラーにもたくさん登場している「極ハーデス」ですが、ギミック的な見どころなどをお伺いできますか?

吉田氏:  今回は、ループフェイズがない極蛮神です。タイムライン攻略が重要になりますね。

――零式のような雰囲気でしょうか。「蒼天幻想 ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦(極ナイツ)」もそうでしたが、コンテンツのポジション的に同じような立ち位置になるんでしょうか?

吉田氏:  「機工城アレキサンダー零式:起動編」を作った当時には、3層をストッパーとして計算して作りました。結果的に、火力が足りなくて超えられない、というケースが多発していました。であればということで、「極ナイツ」は零式の2.5層に該当するように制作し、その報酬武器を持って3層を突破してくださいという意図がありました。ですので、「極ナイツ」はイレギュラーなのです。比較される場合は、「極神龍討滅戦」と比較していただいた方が良いかなと思います。

 「極神龍」は翼の詠唱バーを見ながら、別の場所も見ていなければならないという、2つのことを同時にこなすことがメインギミックでした。それを難しく感じる方が多かったと思います。「極ハーデス」はそれをあまり要求しないので、その点は楽に感じるかもしれません。ただ、演出の都合もあり「極ハーデス」は普段の極よりも1回のバトルが長くなりました。その分今回は1回の撃破でトーテムを2個出そうと思っています。

極ハーデス討滅戦

――大体いつもは7分くらいかなと思いますが、もっと長いんですか? 途中の光に包まれる演出ではなく、また新しい演出でしょうか。

吉田氏:  凝った演出を作ったせいでちょっと長いんです。いくつかフェイズが追加されているので、いろいろ想像していただければと思います。

「絶アレキサンダー討滅戦」であの絶望が帰ってくる!?

――絶コンテンツは「アレキサンダー」ですね。

吉田氏: 「絶ナイツ」を予想されていた方もいるとは思うのですが、先にレイドの絶化をやっておきたかったことが理由です。今回はメカが総登場ですね。

――「アレキサンダー」というと、悪夢のように難しかった「律動編」を思い出します。「絶バハムート」より難しいですか?

吉田氏:  今もまだ、ギリギリの調整を行なっています。でも過去二つの絶をクリアした方でも、手応えがあるものを目指している状態ではありますね。

――当然「律動編」よりは難しくなるんですよね?

絶アレキサンダー討滅戦は5.1の2週間後にスタート

吉田氏: あれは零式で、今回は絶ですからね……。ただ、当時のアイテムレベルでは、絶くらい難しかったという方もいらっしゃるでしょうし、比較がむつかしい(苦笑)。

――あれよりもさらに難しいとなると、当時「律動編」をクリアできた人でないとクリアは難しいでしょうか。

吉田氏: あの頃の難度は、必要火力の高さやダメージの大きさなどの数値も関係していましたが、今回はギミック的な難しさも大きいので、これまでの知識や経験を総動員して挑んでいただくことになるかとは思います。ただ、みなさんのプレイヤースキルの上昇も激しいですから、単純比較するものではないと思いますよ。

――「アレキ」と聞くだけで、背筋が震えるくらい「零式」も難しかったですから(笑)。

吉田氏: その分いろいろネタにしていただいた部分もあるので、そういうネタは全部盛り込んでいるつもりです。メカは総登場ですね。

――全部出ていましたね。一堂に会する感じになるんですか。

吉田氏:  どうでしょう……。これ以上はギミックの攻略に影響しそうなので、言わないでおきます。絶に関しては、世界中でワールドファーストレースや攻略を配信で見て楽しんでいる人が非常に多くいらっしゃいます。自分たちではチャレンジできないけれど、できれば攻略をリアルタイムで観たいということで、深夜までライブストリームにかじりついて、朝起きたら「進捗どうなった?」と。だから僕らがあまり情報を出すよりも、リアルタイムに盛り上がって欲しいです。僕らも楽しみにしています。

@@em|s|――まずは観て楽しんでというところですね。

吉田氏:  プレイも観るだけでも、どちらでも楽しめるように作っているつもりです。

――「絶アレキサンダー」の実装はパッチ5.1と同時ですか?

吉田氏:  メインストーリーや「YoRHa: Dark Apocalypse」をしっかりプレイしてから挑めるように、パッチ5.1から2週間ほどずらして、パッチ5.11でオープンする予定です。

――ちなみに今回の絶の報酬はどういったものになりますか。

吉田氏:  一目でそれとわかる武器と称号を今回もご用意しています。

――ピカピカ光る感じのやつですか?

吉田氏: 光るというよりはもはや……。「絶バハムート」や「絶アルテマウェポン」とはまた違ったものですが……ものすごくよくできたと思っています。すごく豪華というか、すごく光るというか、ちょっと新しいエフェクトの表現をしているので、ものすごく目立つと思います。称号も新しいものが入ります。「レジェンド」、「アルティメット レジェンド」ときて次ですから、そちらもお楽しみに。

ジョブ調整の難しさ、忍者の調整がパッチ5.1になった理由

――ジョブ調整について、調整をするうえでの難しさみたいなものをお伺いできればと思っています。例えば、今回忍者の印システムが大きく変わりましたが、新アクションを考える時に実はそうする予定だったのに、なんらかの理由で先送りになっていたということなんですか?

吉田氏:  忍者に関しては、僕らが開発環境で調整をするときには部内の専用回線だけではなく、通常のインターネット回線を使ったテストも行なっています。しかし、それでもやはり回線速度が恐ろしく早く、ピークタイムの混雑影響も受けにくいことがわかりました。

――開発の環境では、印がグローバルクールダウンに食い込まないということですか。

吉田氏: 東京近郊のネットワークは早いので、ほぼラグがでないんです。でも一般家庭における、ピークタイムであるとか、帯域制限がかかるようなネット環境では、コンマ数秒のラグで挙動が怪しくなってしまいます。我々としては、ギリギリ許容だと考えていたのですが、この点がまず大きな問題となりました。

 次に、今回は「ジョブ間のシナジーを抑える」という命題がありましたが、その中で「だまし討ち」の立ち位置に最後まで悩んだことが大きかったと思います。だまし討ちというアクションは、自身の火力にも影響しますが、パーティ内全員の火力が底上げされます。僕たちはこの効果を抑えてリリースしたかったものの、弱体化のイメージが強くなりすぎると考えました。ですが、パーティへの火力貢献が大きい上に、忍者本体の火力が高かった場合、突き抜けたジョブ性能になってしまいます。ですので、できる限り忍者本体の火力を抑えて公開となったのですが、これを抑えすぎた、ということが問題でした。

 さらに、忍者は高い火力を出すためのローテーションが、ほかのジョブに比べて忙しい。忙しさと火力のリターンが合わない、だまし討ちは強いけれど、忍者本人の火力を低く抑える原因でもある。加えて印と忍術の挙動が環境によっては安定しない……という状況となってしまいました。

 これらを解決していくためには、そもそもの根幹となっている印と忍術の挙動を作り直さない限り、だましだましの調整が続いてしまうため、それをできるだけ早く正そう、というのがパッチ5.1で大きな改修を行うことになった理由です。

ジョブのバランスを取る仕事ができる人は多くなく、限られた時間の中で完璧を期すのは難しい、と吉田氏

――もともとシステム改修の予定があったものが、パッチ5.1に伸びたというわけではないのですね。

吉田氏:  はい、それは違います。ジョブバランスの調整は難しいですが、それでも拡張のたびにジョブを進化させ、かつギリギリまでコストをかけてバランスを取ったり、システムを改変したりしています。これはジョブ毎に差があるわけではなく、どのジョブにも同じだけの議論や手をかけています。

 しかし、現在の青魔道士を入れた18ジョブは、数としては相当多いのも事実です。ジョブやバトルシステムの調整は、とてもレベルが高い仕事なので、それができるゲームデザイナーは簡単には育たないし、簡単に採用できるわけでもないんです。限界ギリギリまでやっているので、どうしても綻びが出る場所があり、申し訳ありません。

 一方でアップデートのできるMMORPGだからこそ、できるだけ早く調整を入れていくということで、これからもカバーしていきたいと思いますし、数値だけを図り続けるスタッフを採用してみるなど、もう少し体制でサポートできないか、ということも検討中です。拡張のリリースから即次のメジャーパッチでシステムの根幹を改修する、と決断できるのも、みなさんがお使いのジョブを大切に考えている証拠でもありますので、ご容赦いただけますと幸いです。

 今回の大きな変更についても、完璧に全員の希望を満たすことはできないと思います。どうしても、「以前の方が良かった」というお声は出ると思うからです。それでも大多数の方の希望や、この先のジョブの発展性などいろいろな側面を考えた結果、できるだけ理想に近づけていくように、この先も調整は続けていくつもりなので、まずは触ってみて欲しいと思います。

――どちらにしても不満は出るでしょうね。

吉田氏:  それでも多くの方に満足していただけるように努力を続けることと、この先のジョブの発展性というのを見たときに、いろんな側面を考えた結論ではありますので、ご理解いただけますと嬉しいです。できるだけ理想に近づけていくように、その後も数値の調整だったりというのはもちろん続けていくつもりではあるので。まずは触ってみてほしいというところが一番大きいですね。

――吟遊詩人の方向性は決まったんですか?

吉田氏: ぎりぎりまで悩んでいましたが、決めました。歌の効果がほとんど常時かかっていた4.Xシリーズの状態に戻そうとすると、現状よりも吟遊詩人本体の火力を下げなくてはいけないのですが、おそらく多くの方からそれはそれで反対の声が挙がると思っています。今回はいろいろなジョブで火力の底上げがされるのですが、詩人だけが支援能力は上昇したものの、本人の火力が下方修正のように見えると、「歌なんかいらないから、火力の底上げをしてくれたらよかったのに」という声がたくさん出ると考えます。ですので、中間バランスに落ち着くように、ギリギリまで数値を絞り込みました。

――やはりどちらかといえば火力重視になるんでしょうか?

吉田氏: うーん、回答がむつかしいので別の答え方をします。4.Xシリーズのように歌による支援を実装しました。ただし、その効果内容は4.Xシリーズに比べて下がっています。吟遊詩人本体の火力をできるだけ現状の火力に近づける値にしてあります。機工士と踊り子の中間に落ち着いたとイメージしていただければよいかと思います。他にも一部アクションの有効距離を変えたり、細かく調整が施されています。

青魔道士のコンテンツ内でのラーニング確率が適正なら100%に

――青魔道士は、そもそもジョブのコンセプトがソロで遊ぶというものだったと思うんですが、今回実装される「青魔道士ログ」はパーティプレイよりのコンテンツですね。実装当時にも、蛮神の技をラーニングするにはパーティプレイが必須で、そこが辛いという声があったかと思います。今後、青魔道士はどういうポジションのジョブになっていくのですか?

吉田氏:  ソロで何でもできるから、ソロでも楽しんでくださいというジョブではありますが、より上位の遊びには「青魔道士パーティ」もある、というつもりでいます。強力な技をラーニングするためには、パーティを組む必要があるシチュエーションもあります。

 これまで問題だったのは、ラーニングの確率が低すぎて、あまりにも大変だったというところだと思います。今回は全体的に方針を転換しましたので、適正アイテムレベルで制限解除せずに対象を討伐すれば、ほぼ100%ラーニングできるようになっています。

青魔道士のレベルキャップが60に

@@em|s|――ではもう「極シヴァ」100周マラソンも必要なくなるんですね。

吉田氏:  はい。マスクカーニバルの新ステージも追加されますので、そちらはソロで遊んでもらって、そのうえで「青魔道士ログ」という新しい遊びでは、青魔道士のみでパーティを組んで指定された4人か8人のコンテンツをクリアしてきてくださいというものになっています。これが非常に面白くて。

 今回は、他のプレイヤーのロールをコピーするという青魔法が追加されていますので、コンテンツに行く前に街を歩いている他のプレイヤーのロールをコピーすることで、そのロールの能力を身に着けることもできたりします。

――例えばタンクのロールをコピーすると、タンクマスタリーがついて固くなるということですか?

吉田氏:  タンク用のバフがかかった状態になりますので、通常の青魔道士よりも防御力が高く、固い状態になります。このロールはコンテンツ内でもコピーできます。

――「青魔道士ログ」はどんな遊びになるのですか?

吉田氏:  過去のコンテンツを制限解除無しで、青魔道士のアクションを使って知恵を絞って攻略していくというものです。例えば「極ナイツ」の槍で貫かれるシーンでは、全員が「超硬化」を使って一列に並ぶわけですが、タイミングが合わなくて1人だけ貫かれて死んだり……「お前早いよ!(笑)」って。

 バトルコンテンツが好きだという方には、面白いリワードを用意するから、みんなでやってみない? という方向にもっていきたいと思っています。やりこんだ先に報酬も用意していますので、ぜひ他のコンテンツ攻略が落ち着いたら、プレイしていただけると嬉しいです。

 4人用のインスタンスダンジョンなどは、ボスですら即死耐性が無ければ、レベル5デスで即死させられますし、ぜひ色々お試しください。

――「青魔道士ログ」はパーティ募集だけになるんですか。それとも専用のコンテンツファインダーが用意されますか?

吉田氏:  パーティを組んで入ることになりますので、事前にパーティを組んでおくか、パーティ募集をお使いください。青魔道士ログのUIとパーティ募集UIなどは連結してあるので、募集しやすくなっていると思います。

――ちなみに、今回ラーンニングできる青魔法はどのくらい追加されるんですか?

吉田氏: 結構ありますよ。

――面白いものではどんなものがありますか。

吉田氏:  花形はやはりレベル5デスじゃないでしょうか。効かないやつには効かないですが、効くやつには一発なので。パーティプレイ向きな技も結構あるので、いろいろ面白いと思います。

――ラーンニングする相手は、またコンテンツ内限定のものもいるわけですよね。

吉田氏:  いますが、さっきお話しした通り、適正なアイテムレベルで行って倒せれば、一発で覚えられます。

――前回は、素早くジョブを変えてレベル上げする方法が流行りましたね。

吉田氏: サーバー負荷が高く、ダウンを誘発していましたので既に修正されています。

――では、今回は順当にレベル上げする必要があるんですね。

吉田氏: はい。お願いします。

――今回はレベルキャップが60まで上がるわけですが、5.Xの間はここまでですか?

吉田氏: まだノーコメントです。

――70になれば、新鮮味のある「紅蓮」のコンテンツでも遊べるようになりますね。

吉田氏: その場合はそうなりますね(笑)。

人気のあるシールロックのルールを使った新しいマップ

――新しいフロントラインの「オンサル・ハカイル(終節戦)」ですが、これまでのフロントラインはずっとエオルゼア三国での戦いでしたが、今回はどういったものになるのですか?

吉田氏:  地形として新生エリアは新鮮味が薄くなってきたので、今回は紅蓮の拡張フィールドを使うことにしました。設定としてはエオルゼア三国に対して、東方より協力要請があった。三国とも地域の部族とそれぞれ連携して……という設定になっています。

 アジムステップの奥側には、本来もっと広い地域が広がっているので、そこをイメージして作っています。終節の合戦でやったように「無垢の土地」を取り合うという形にすることで、最も評判のよいシールロックのルールを適用しながら、見た目も変えらえるし、発展性も作れるのではないかということでここに決めました。

三国を飛び出し、PvPの舞台はアジムステップへ

――どういったルールになるんですか?

吉田氏:  シールロックではアラガントームリスの情報を読み取るという形でしたが、今回は点在している「無垢の土地」がアクティブになるという要素があります。ポールというかゲージのエフェクトが建っているので、あとどのくらいでアクティブになるかが視覚的に分かりやすくなっています。それをマップで観ながら奪い合いにいくという感じです。

――組み分けは三国ではなくなるのですか?

吉田氏:  いいえ、そこは三国です。とは言えチェックボックスを外せば、所属しているグランドカンパニーとは関係なくマッチングできますので、そちらもご活用ください。青魔道士のアップデートもオンサル・ハカイルも、パッチ5.1のコンテンツ消化が落ち着いたであろうパッチ5.15での公開を予定しています。いずれも方向性は全然違いますが、とても面白く仕上がりましたので、ぜひパッチ5.1が落ち着き次第プレイをお願いします。

好評のシールロックをベースにした新マップだけに人気が出そうだ

2Pが一緒に戦ってくれるが、忙しくて見る暇はないかも?

@@em|s|――パッチ5.1ではトレーラーもかなり「NieR」に寄せてる印象でしたが、「YoRHa:
Dark Apocalypse」ではあの白い衣装を着たアンドロイドが一緒に戦ってくれるのですか?@@

吉田氏: 同行しつつ、彼女自身も一緒に戦ってくれます。

――では24人レイドではなく、25人レイドになるわけですね。

吉田氏: 彼女の火力がどのくらいなのか、僕らにもちょっとわからないですが(笑)戦ってはくれています。ただ、2Pを見るのは……。

――彼女は2Pという名前なんですか。戦闘中は見えなくなるとか?

吉田氏:  いいえ、普通に見えますが、攻撃を被弾して床をなめることになるかと……。

白い衣装の女性アンドロイドの名前は2Pというらしい

――トレーラーでも結構すごかったですね。

吉田氏:  齊藤さん、ヨコオさんにも入ってもらって、テストプレイを行いましたが、相当回数やられてましたね。

――今までになく難しい感じですか?

吉田氏:  いいえ。最初にテストプレイした際には多少むつかしく、デバフやダメージを幾つか緩和してもらいました。今回は今後続いていくレイドの1つ目なので、できるだけ多くの人にクリアしてもらうために難度は高くなりすぎないように抑えています。

 「NieR」シリーズのファンの方で、今回のレイドのために「FFXIV」を始めてくださった方もいるのに、難しくてクリアできない!は避けたいです。だいたい「リターン・トゥ・イヴァリース」の「失われた都 ラバナスタ」と同じくらいにしたつもりです。ただ、画面はよく見ていた方がいいと思います。

――「第54回PLL」でイラストが発表された、ロボアームのステージも動いているところを見ていたら、かなり忙しそうな雰囲気でしたね。

吉田氏: あれはどの台に振り分けられるかで、ちょっと違ってきます。

戦闘は「FFXIV」方式ではあるが、アクションゲームである「ニーア オートマタ」を意識したバトルはかなり忙しくなりそうだ

――敵の攻撃の方法が違うんですね。

吉田氏:  そうです。だから2回目も新鮮に遊んでいただけるかと思います。

――すでにたくさん質問されてると思うんですけど、今回2Bの衣装はもらえるんですか。

吉田氏:  ご期待には応えていきたいなとは思ってますが……どうやって手に入るかは伏せておきましょう。

――男性陣はどうなるんですか。

吉田氏:  男女共通で着られる目玉装備がありますので、その目でお確かめください。

――今回ならではの何かというのはあるんでしょうか。「NieR」ということではなく。システム的な改善などは。

吉田氏:  今回ならでは、ではないのですが、5.0開発中からアライアンスレイドダンジョンの帯防具は不評なので無くそう、と話をしており、今回からドロップしなくなります。

――見た目に関係する部分のみになるんですね。

吉田氏:  そうです。もともとはアラガントームストーンを溜めきれない人やサブジョブのアイテムレベルを上げるための報酬だったのですが、今はもうアライアンスレイドの報酬でアイテムレベルを上げる以外にも方法が増えました。新式もありますし、腰装備は抜いてもいいよねと。ギミック的には、アライアンスレイドは毎回新しいチャレンジをしているので、今回も新しいもの、みどころがたくさんあります。見たこともないギミックもたぶん多いと思います。

――トレーラーで戦車と戦っていましたが、あれもアライアンスレイドの敵ですよね。

吉田氏:  そうですね。倒すだけじゃだめとか。よく画面を見てましょう、よくインフォメーションを見てましょうというのは、今回結構多いと思います。

――「NieR」に寄せるために、アクション性を高くしたり、そういう要素はあるんですか。

吉田氏:  そこはやはり、そうはいっても「FFXIV」なので、ゲームデザインをクロスオーバーさせるつもりはありません。やはり「FFXIV」として遊べないと意味がないと思っています。ただリフトだったり、2Pの行動みたいなところはちゃんと「NieR」に徹底したつもりです。爆撃されたり、飛んでくるものがやたら多いですね。

――だから画面をよく見ていないと、だめってことですか。

吉田氏:  範囲予兆がどうこうじゃないですね。そういう意味だと全体的にワーワー寄りかな、と思います。みんながワーワーしている感じです。

――運動会的な楽しさですね。

吉田氏:  全部がそういうわけではないですが、でも、全体的にギミックは新しいです。

――零式では今回から報酬ドロップの方式が変わりましたが、アライアンスレイドは2個ずつというところは変わらないのですか? いざセットで集めようと思ったら意外となかなか集まらないのでもっと簡単になるといいなと思うのですが。

吉田氏:  腰装備の排出を止めたので、欲しい装備が出やすくなっています。ただ、報酬数は今回も据え置きになっています。

――最後に、パッチ5.1について紹介と読者へのメッセージをお願いします。

吉田氏:  今回も実装項目が非常に多いです。例えば、楽器演奏はよくわからない方向へ発展していますし、合奏アシストなんかは、「もはや、君ら何をやっているのか」というぐらい(笑)。ネットワークを使っての初めての試みみたいなこともやっていますし、青魔道士もこれまでとはまた違うことを楽しんでもらおうと思っています。

 僕らはどんどん遊び場を提供していくので、プレイヤーの方はいろんな遊び方をしてみてくださいという方向へ、さらに発展していくパッチかなと思っています。パッチ5.15で出す予定の「オンサル・ハカイル」はとにかく面白いので、パッチ5.1が落ち着いたころにぜひワーワーやってもらいたいです。PvPアクションも数を増やす調整をかなり入れているので、大規模戦でもジョブの取り回しが面白くなっていると思います。

 「つよくてニューゲーム」は、ファインダーでマッチング待ちをしている間に、ちょっと進めていこうということが自然にできるので、ログインしている間の時間の使い方がさらに一段深まっていると思います。全部やろうとするとやりすぎになりそうなので、焦って短期間でやろうとせずにじっくりいろんな遊び方を見つけてみてもらいたいです。そういうパッチになってると思いますし。今後はその印象はさらに膨らんでいくと思っているので。今後の発展の期待感というのも、このパッチ5.1で感じてもらえるとうれしいなと思います。

――そういえば中国でも5.0が始まりますね。

吉田氏:  このインタビューが公開される頃には始まってます。

――中国や韓国のファンのTwitterでも、5.0がらみの話を見かけるようになってきて盛り上がっている感じですね。

吉田氏:  中国はかなり盛り上がっているので、サーバーが心配です。すでにワールドを1つ追加したんですが、もう1ワールドを今開けるか、5.0が始まってから開けるか、僕は今開けた方がいいと中国の運営チームにオススメしています。あちらは埋まらなかったらという心配をしていますが、大混乱の中で開けるとパラメーターのミスなんかが起こりそうで怖いですからね……。

 中国のファンはグローバル版の評判を聞いて楽しみにしてくださっている方が多いです。今中国では高品質なストーリー体験というところに注目が集まっていて、そこを求めてたくさんの人が来てくれています。その期待に応えられるだけのポテンシャルは持っていると思いますので、ぜひ楽しんで欲しいと思っています。

――ありがとうございました!