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Logitech、プログレードのゲーミングヘッドセット「PRO X Gaming Headset」を発表
50mm PRO-Gドライバー&Blue Vo!ceテクノロジーでボイスチャットを次世代領域へ
2019年7月9日 16:01
- 7月25日発売予定(米国時間)
- 価格:129ドル
Logitech(日本法人名 ロジクール)は7月9日、eスポーツアスリートに向けたプログレードのゲーミングヘッドセット「PRO X Gaming Headset」を正式発表した。米国では7月25日発売予定で、価格は129ドル。日本向けへの発売も予定しており、価格や発売日については近日発表される見込み。
「PRO X Gaming Headset」は、Logitechがeスポーツ向けに展開している「PRO」ブランドのゲーミングヘッドセット。2018年9月に発売された「PRO ゲーミング ヘッドセット」に続く、第2世代モデルとなる。
「PRO」シリーズは、Logitechが展開しているゲーミングデバイス「Logitech G」が、全ゲーマーを対象にしたシリーズであるのに対して、プロゲーマー、あるいはプロを目指すeスポーツアスリートを明確なターゲットとしたブランドとなる。
その哲学は明確で、プロゲーマーを対象に繰り返しテストやヒアリングを行ない、彼らが求めるデバイスをマーケットに送り出すこと。その“プロ”の定義はデバイスによって異なるが、ゲーミングヘッドセットの場合、「長時間使っても疲れない快適さと耐久性」、「勝敗を分ける“音”を聞き逃さないオーディオパフォーマンス」、そして「クリアなコミュニケーション」となる。
現在「PRO」シリーズは、マウス、キーボード、そしてゲーミングヘッドセットの3種で展開されているが、今回のゲーミングヘッドセット「PRO X」はマウスに続く2世代目モデルとなる。マウスの第2世代目が、一気にハイエンドモデル「G903」同等のグレードに引き上げられたように、「PRO X」もまたハイエンドグレードに引き上げられている。
「PRO X」のセールスポイントは大別して3つ挙げられる。1つ目は本体デザインだ。従来の「PRO」シリーズは、“質実剛健”と呼びたくなるようなシンプルなデザインを基本としていたが、「PRO X」はその哲学を踏襲しつつ、プロが好むプレミアム感を付加している。
基本デザインは、現行の「PRO」と同様、「G433」を踏襲しているが、素材を意図的にすべて入れ替えており、持ったときの質感がまったく異なる。フレームは剥き出しのスチール、ハウジングはキラリと輝くアルミニウム製、ヘッドパッドおよびイヤーパッドには低反発の触り心地の良い合成皮革が採用されている。
ヘッドパッドの合成皮革は内側だけでなく外側にも施されており、合皮と鉄の感覚がいかにもプログレードで心地よい。「G433」や「PRO」と比較して、全体を包み込むプラスチックをほぼすべて廃したことで、質感が向上しただけでなくよりコンパクトに収納できるようになっており、持ち運び易さもメリットの1つとして数えられる。また、イヤーパッドは、ソフトタッチのクロスバージョンも同梱しており、好みに合わせて付け替えて使用できる。
2つ目はオーディオクオリティだ。Logitech Gのハイエンドヘッドセット「G933s」やASTRO GamingのA40/A50と同等となる50mmドライバーを初採用。そのプロチューンバージョンとなる「PRO-G 50mmドライバー」を採用し、「PRO」もついにハイエンドグレードのサウンドを手に入れた。
筆者は日頃、ASTRO Gamingの「Astro A40 TR」をミックスアンプ付きで使用しており、今回「PRO X」に切り替えて1週間ほど使ってみたが、音質についてはまったく問題がない。むしろゲーミングという点では、「A40」に勝るとも劣らないクオリティで、これならeスポーツアスリートも納得できるのではないかと感じた。
そして3つ目が「PRO X」独自であり、最大のセールスポイントとなる「Blue Vo!ce」テクノロジーの採用となる。Blueは、米国カリフォルニアに本拠を置くマイクロフォンメーカーで、Logitechはゲーミングヘッドセットのマイク周りのクオリティを真の意味でプログレードに引き上げるために同社と協業し、Logitechの統合ソフトウェア「Logitech G HUB」に「Blue Vo!ce」を初採用した。
その「Blue Vo!ce」は何者なのかというと、マイクを通じて送られるボイスのクオリティを引き上げ、不要なノイズを除去し、クリアで美しいボイスチャットを可能とするテクノロジーだ。
ゲーマー向けには様々なフィルターを用意して、ラジオ風の音声に変えたりなど、ボイスチャットをより楽しくするための仕掛けも盛り込んでおり、ボイスについては、ノイズリダクションやハイパスフィルターなど6つ項目を、スライドバーで細かく調整できる。まさらにゲーミングヘッドセットのマイク出力を劇的に進化させてくれるテクノロジーだ。
そのほか細かいところだと、マイクサイズも4mmから6mmに進化している。ややサイズが大きくなった分、ボイスを拾いやすくなっている。マイクの使用は、「G433」や「PRO」同様着脱式で、無くさないように注意が必要だ。
付属品は、PCやゲームコンソール、スマートフォンなどで使うためのPCケーブル、オーディオケーブル、モバイルケーブル、スプリッターのほか、キャリーバッグが同梱される。同梱物をひととおり入れてヘッドセット本体も入れられるようになっており、かなりありがたいアイテムだ。
なお、「PRO X」シリーズは、“X”を除いた「PRO」も併売される。追加のイヤーパッド、モバイルケーブル、インラインマイク、キャリーバッグ、DTS Headphone 2.0 Surround Sound機能、そして最大のウリであるBlue Vo!ce機能までカットされており、あまりオススメできないモデルだが、価格的には30ドル安くなる。価格は「PRO X」が129ドル、「PRO」が99ドルで、日本円でいくらになるのかが注目されるところだ。「PRO X」についてはサンプルを借りることができたので追ってレビューをお届けするつもりだ。