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「CODE VEIN」メディア向け体験会レポート。高難易度のアクションと、プレイスタイルにおける無数の選択肢を設けたキャラクター育成が大きな魅力の作品
2019年5月8日 23:00
バンダイナムコエンターテインメントは、2019年発売予定のドラマティック探索アクションRPG「CODE VEIN」のメディア向け体験会を同社未来研究所にて開催した。
近未来の崩壊した世界に生きる不死の「吸血鬼(レヴナント)」となって、同じ境遇に置かれた仲間とともに死地へと挑んでいくというストーリーの元に展開される本作は、もともと2018年9月27日に発売が予定されていたが、品質向上のためにこの2019年に発売が延期されたという顛末がある。本稿公開のタイミングで、作品の“リスタート宣言”を行ない、実施期間は未定だがネットワークテストが実施されることも予定されている。
そんな顛末を経た本作が一体どのような作品となったのか、そのプレイレポートをお届けしていきたい。
「赤い霧」により外界と断絶された「ヴェイン」と呼ばれる地で、血の渇きを癒す「血涙」と、失われた記憶を求め、滅びの運命にあらがうレヴナント達のストーリーをドラマチックに描いている。このストーリーに沿って登場する自分と同じ境遇に置かれた吸血鬼達は、「バディ」として一緒に戦う仲間として連れていける。
本作を手がける開発チームの母体は「GOD EATER」シリーズを手がけてきたチームということで、爽快かつ難易度の高い「吸血鬼アクション」を実現している。装備した複数の武器の切り替えや、ジョブのような概念の「ブラッドコード」の選択、そして敵に対して「吸血」を行なうことで得た「冥血」を消費して繰り出す「錬血」など、多彩なアクションが存在し、それを組み合わせることで、自分の好きなプレイスタイルを構築できるようになっている。
また本作はオンラインプレイも可能で、ゲーム中に「救難信号」を出すことで、条件を満たした他のプレーヤーがダンジョン探索に参加できる仕様だ。自分と相手の2人に加えてAIが操作するバディの合計3人で探索が行なえるそうだ。
体験会で用意されたのは、「Event Edition」と銘打たれたプレイステーション 4版で、前述のネットワークテストで配信予定のバージョンと同等の内容のものだ。キャラクタークリエイトからストーリーを伴った序盤のフィールド、そしてそれをクリアした後は高難度のフィールド「深層」の「贄の街」をプレイすることができた。
まずは開発陣が「世界屈指のクオリティ」と自負し、強いこだわりを持って作られたキャラクタークリエイトについて。キャラクターは男女それぞ32種類のプリセットの外見を選び、そこから細かな設定が行なえる。髪型や体格、肌の色はもちろん、メイクやフェイスペイント、ボイス、そして衣装やアクセサリなどの身に付けるものなど、自分の好きなものを選択・調整を重ねて自分だけのキャラクターを作ることができるようになっている。
画面を見てもらえればわかる通り、キャラクターはアニメテイストのデザインで、設定できる項目もそれに準じている。例えば瞳の光彩のパターンなど、このキャラクターデザインならではの個性を際立たせる設定が可能だ。凝ろうと思えばいくらでも時間をかけられる仕様なので、この手のキャラメイクが好きな人は楽しみにしていてほしい。
ゲームはチュートリアルを経て、本編へと突入。白い服を着た少女とともに目覚めたプレーヤーは、血の渇きによって衰弱しているが、「血涙の泉」と呼ばれる場所に自らの血液を吸わせることで実る「血涙」によって力を取り戻していく。この血涙の存在が、この後のストーリーに深く関わっているようだ。
フィールドは複雑なダンジョンのように構造となっていて、ここを探索することがゲームの主な目的となっている。ゲームシステムは近年人気の緻密な駆け引きが展開するアクションゲームのそれを踏襲していて、探索中に出会う敵「堕鬼(ロスト)」との戦闘は、強弱の攻撃や装備武器の切り替え、吸血、錬血といった攻撃手段と、回避やガードといった防御手段を駆使した攻防が展開する。
プレーヤーには行動時に消費し、一定時間で回復する「スタミナ」の概念があり、むやみにボタンを連打するだけでは攻防が成り立たないので、敵をロックオンしてその動きに対して正しいアクションを起こして優位に立つことが戦いの基本となる。
ロストは複数で現われることもあり、この場合は攻撃範囲の広い武器や飛び道具を使うといった選択も必要となってくるだろう。本バージョンでは「片手剣」、「両手剣」、「斧槍」、「大槌」、「銃剣」といった武器が存在していて、モーションや攻撃範囲などが異なり、ブラッドコードによって装備できるものが決まっているので、自身のプレイスタイルに合ったものを見つけていくのも楽しみのひとつとなっている。筆者はこの体験会では、素早い攻撃を行なえる片手剣と、繰り出すのは遅いが強力な両手剣または大槌を装備し、切り替えて使用していた。
本作独自のアクションである吸血と錬血のシステムにも注目してみたい。吸血は攻撃手段の1つであり、対応するボタンを長押しすることで発動する。モーションが大きいので使いどころは限られるが、決まれば強力で同時に冥血を得られるのが利点だ。武器による攻撃から即座に吸血を行なうコンボ吸血や、敵の攻撃に対して繰り出すことで発動する受け流し吸血もあり、これらは演出も派手で積極的に狙っていきたくなるはず。またプレーヤーが装備している衣服「牙装」によってこの吸血アクションが変わるのも面白いところだった。
一方の錬血は、プレーヤーのブラッドコードに紐づけられたスキルのような特殊能力で、発動時に直接攻撃を行なったり、一定時間能力を向上させたりする「アクティブ」タイプと、身に付けるだけで発動する「パッシブ」タイプのものが存在している。アクティブタイプの錬血は、錬血ボタンをホールドすることで展開する8つのパレットに装備でき、使用時には冥血が必要だ。なおこの錬血の一部は、特定の条件を満たすことで、ブラッドコードを変更しても装備できるので、習得後のキャラクターのカスタマイズの幅はかなり広いといっていいだろう。
探索とバトルを繰り返すことで疲弊したプレーヤーは、フィールドの要所に存在する「ヤドリギ」にて休息することで回復やアイテムの補充、レベルアップ、錬血の習得などを行なえる。ただし休息するとこれまで倒したロスト達が復活してしまうので、そのタイミングを見計らうのも重要だ。この手の高難度アクションでは定番のシステムながら、本作はRPGでもあり、レベルアップやブラッドコード/錬血の習得によって、高い難易度をカバーできる設計でもある。レベルアップはプレーヤーの基礎パラメータを上げ、錬血はアクションの幅を広げるので、ゲームを続けることによって探索が少しずつ楽になっていくのは間違いない。
ただしレベルアップや錬血の習得に必要な「ヘイズ」と呼ばれる経験値は、敵に倒されるとそれまで取得したぶんを全てドロップし、回収しないと失われてしまう。当然回収したヘイズはヤドリギまで戻らなければレベルアップや錬血に還元できないというのが、もどかしくも絶妙なバランスと感じられた。
そんな危険な探索において、頼りになるのがバディの存在だ。AIによって行動してくれるバディは、単に敵に対して攻撃をするだけでなく、こちらがガードをすると近くに駆けつけて敵を攻撃してくれたり、力尽きる寸前のプレーヤーに体力を分け与えてくれたり、2人で発動する「共錬血」を行なえたりと、非常に心強い存在となる。開発陣もこのバディの動きにはかなり気を遣ったそうで、頼りになるが強すぎず、邪魔にならない動きを設定したとのことである。
この序盤のフィールドでは、探索の目的である血涙の泉を活性化させた後、最終地点にはボスが登場。その展開もかなりドラマチックで、ボスがどんなキャラクターなのかも楽しみにしていただければと思う。当然ながらここまでの道中で遭遇したロストとは比べものにならない強さで、それまでに入手した武器や錬血を使いこなさなければとても倒せない相手だ。
幸いこのボスは単体だったので、バディとの連携により2対1の状況を上手く利用し、さらに道中である程度レベルアップをしていたおかげで何とか勝利することができたが、筆者はこの後「深層」にて、ボスの真の恐ろしさを嫌というほど味わうこととなる。
ゲームはボスを倒すと「拠点」へと移動し、ここでいくつかのイベントをこなすと一旦終了するが、その後自由に移動が可能とる。拠点にもヤドリギがあり、序盤フィールドへのファストトラベルも可能。そしてここにいるデイビスなる人物によって、プレーヤーは深層へと導かれるのだ。
今回行くことができた深層「贄の街」は、ヤドリギを起点に道が3方向にわかれていて、それぞれの先にボスが存在するという構造となっていた。その道中にいるロストがまた非常に手強く、これを1体倒すだけでもボロボロに疲弊してしまうほどで、その先にいるボスまでたどり着けず、仕方なく1つしかないヤドリギに戻って休息すると、倒したロストが復活してしまうというスパイラルが続く。
実は後の開発陣の解説でわかったのだが、この贄の街に関しては、ネットワークテストでの配信に向けて、ボスよりもむしろ道中の敵の方が強く設定してあり、マルチプレイも想定に入れた調整となっているそうだ。
そんなロスト達をあまり相手にせず、逃げながらたどり着いたボスと対峙しても、初見かそれに近い状態では倒せるはずもなく、特に3種いるうちの「女王の騎士」は、長いランスによる素早く重い攻撃と盾による防御で攻防に優れ、まるで相手にならず、彼らと何度か戦ったところであえなくタイムアップとなってしまった。
ゲームは覚えることがかなり多く、序盤のチュートリアルが少々詰め込み過ぎという観もあったが、基本を身に付けてしまえば、アクションのみならず、インターフェイス面も洗練されていて、かなり楽しくプレイすることができた。装備品やブラッドコードによるプレイスタイルの構築は無限大といっても過言ではなく、突き詰めていけば自分の分身とも思えるような愛着のあるキャラクターに育て上げることもできるだろう。
時間が限られた体験会の中で、初見でクリアできてしまうほど甘いタイトルではないということは重々承知していて、さらにはプレイを重ねることで身についてくるプレイスキルもあるかと思うので、予定されているネットワークテストを含め、今後じっくりと挑める環境が設けられることに期待したい。
なお今回の体験会では、登壇した開発陣に向けてのインタビューも行なっている。こちらは別途記事にてお届けするのでそちらも一読いただければと思う。
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