【特別企画】
マルチプレイで強敵に立ち向かう! 「CODE VEIN」ネットワークテスト体験レポート
ボス戦では2発で死ぬ!? 仲間と共にギリギリの戦いを生きぬく楽しさ
2019年6月5日 15:16
- 2019年発売予定
- 価格:【通常版】
- PS4/Xbox One 8,200円(税別)
- STEAM オープン価格
- 【数量限定生産版】
- PS4ブラッドサーストエディション 13,800円(税別、パッケージ版のみ)
- CEROレーティング:D(17才以上対象)
- プレイ人数:1人(オンラインマルチプレイ時:1~2人)
バンダイナムコエンターテインメントは、2019年発売予定のドラマティック探索アクションRPG「CODE VEIN」について、プレイステーション 4/Xbox Oneユーザー向けにネットワークテストを実施した。今回のネットワークテストでは、北米欧州、日本及びアジア地域に向け、キャラクタークリエイトを伴った序盤のストーリー、フィールド探索の体験や、高難度の深層フィールド「贄の街」の探索を体験できた。
高難度3Dアクションは近年では流行りのジャンルでもあるが、本作はそこに日本のお家芸であるキャラクター育成のRPG要素と、バンダイナムコの真骨頂でもあるアニメテイストのデザインを見事に融合させた一作だ。本稿ではマルチプレイの感触も含め、「CODE VEIN」が「ドラマティック探索アクションRPG」たる所以の一端に触れていきたい。
丹念に作り込まれたポストアポカリプスの世界観
突如、世界は「審判の棘」に貫かれ、地殻は無残に裂け、荒廃した近未来の世界が本作の舞台だ。世界の崩壊と共に姿を現した「バケモノ」に対抗するため、「吸血鬼(レヴナント)」と呼ばれる不死の戦士が人為的に作られるも、血の渇きが限界を超えた者は自我を失い、「堕鬼(ロスト)」と化す。プレーヤーは仲間のレヴナントと共に、同族の成れの果てであるロストと戦いながら、血と世界の真実を求め、死地へと赴く……。世界観の時点で、かなりドラマティックな設定だ。
人間の血の代替物である「血涙」から始まり、本作ではMPに近い概念である「冥血」や、スキルのような概念である「錬血」といった独自の用語が多く、丹念に作り込まれた世界観が中二病患者のストライクゾーンを射抜いてくる。そう、筆者もまさに狙い撃ちにされた中二病レヴナントの1人、というわけだ。
キャラクターカスタマイズの魅力
プレイを開始してまず驚くのは、キャラクタークリエイトの自由度の高さだ。プレーヤーは男女それぞれ32パターンある「基本の外見」から好みのものを選び、そこから任意で細かな調整を行なうことができる。体格や髪、顔といった身体的な特徴はもちろん、アクセサリや衣装といった装飾も充実しているが、ここまでは他のメジャータイトルでも見られる要素だろう。
だが「CODE VEIN」のキャラクタークリエイトは、ここからがすごい。例えば「フェイスペイント」ひとつとっても、パターンの豊富さだけでなく、模様の量や位置に至るまで「高度な編集」機能で事細かに調整ができる。凝った分だけ、イベントシーンで顔がアップになった時など、キャラメイクがしっかり反映されているのも地味にうれしい要素だ。
序盤のストーリー体験とフィールドの探索
キャラクタークリエイトを満喫した後は、丁寧なチュートリアルを経て、いよいよ本編開始となる。目覚めたプレーヤーは謎の少女イオに介抱されており、記憶を失っている。そこにやってきた野良のレヴナントに捕まり、強制的に血涙探しへと行かされるところから物語が展開していく。
本作では初めからフィールド全体のマップを見ることはできず、進んだ分だけマップに足跡が残るスタイルを採用している。「ヤドリギ」という休息ポイントを見つけることで周辺マップが少しずつ開放されるが、ヤドリギで休むとそれまでに倒した道中のロストたちもすべて復活するので、注意が必要だ。一方で道に迷いやすいプレーヤー用に、マップに印をつけるアイテムがあるなど、随所でユーザーフレンドリーな設計も見られる。
探索において頼りになるのが「バディ」の存在だ。本作ではNPCであるバディと2人一組で行動することが基本となるが、バディは敵に攻撃するだけでなく、プレーヤーに体力を分け与えてくれるなど、攻守両面でサポートしてくれる。序盤では一時的にバディが外れる場面もあったが、その時の筆者は親鳥がいなくなったひな鳥よろしく、恐慌状態に陥った。それだけ本作の敵は手強く、恐ろしいのだ……。
今回のネットワークテストでは、探索の目的である血涙を見つけ出した後、初のボス戦が待っていた。そこに至るまでの流れやボス戦後のイベントもなかなかにドラマティックであり、今後の製品版でのストーリー展開に期待が高まる。なお、ボス戦を終えた後は、吸血鬼たちの「拠点」へと移動し、本編は一旦ここで終了となる。その後は自由に移動できるようになり、買い物したり、再び序盤のフィールドを探索してみたり、高難度の深層フィールドに挑戦したりと、時間の許す限りテストプレイを楽しむことができた。
自由自在なカスタマイズと練り上げられた戦闘システム
次に、本作の戦闘システムについても紹介しておきたい。探索中に遭遇するロストとの戦闘では、状況に合わせて装備武器を切り替え、回避やガードで敵の攻撃をしのぎつつ、強弱を織り交ぜた攻撃や錬血スキルを駆使して戦う。行動によって消費量が異なり、一定時間で回復する「スタミナ」の概念もあるため、ボタンの連打だけでは、ボスはおろか道中のロストにすら苦戦は必至だ。本作では敵をロックオンして動きを見極め、状況に応じた最適なアクションをとることが戦闘の肝となる。
「片手剣」や「大槌」、「銃剣」などの武器は、それぞれにモーションや攻撃速度、範囲が異なり、「ジョブ」に近いシステムである「ブラッドコード」ごとに装備制限もある。大槌などの武器はスタミナ消費が激しく、攻撃後の隙も大きいが、攻撃力と範囲に優れるため、複数のロストを手早く片付けたい時には便利だ。一方で銃剣などの武器はスタミナ消費が控えめで、攻撃後の隙も小さく、回避に転じやすい。特に銃剣は強攻撃で血の銃弾を打ち出すことができるため、ボス戦では大変お世話になった。
実は筆者が今回のプレイで一番興味を惹かれたのが、ブラッドコードの設定だ。レヴナントたちが持つ「固有の特殊な血液型」を意味するブラッドコードは、本来1人に1つ。だが、プレーヤーの主人公は特異体質により、他者のブラッドコードを装備し、その特性を身に宿すことができる。近接攻撃が得意な「ファイター」や遠距離攻撃が得意な「キャスター」といったコードを切り替えて戦えるわけだ。
いかにもアニメ的な演出ではあるが、世界観と抜群にマッチした戦闘システムであり、他者の力を受け継いで戦うという設定そのものが熱い。本作はいつでもどこでも、メニュー画面を開いてブラッドコードを変更できるため、武器や錬血との組み合わせによって、プレーヤーごとに千差万別なプレイスタイルが生まれると言っても過言ではないだろう。
スキルのような概念である錬血はブラッドコードごとに種類が異なり、該当するブラッドコードで敵を倒すうちにマスターできる。必要パラメータなどの条件はあるものの、マスターした錬血は他のブラッドコードでも使えるようになるため、やり込めばやり込むほど自由自在なカスタマイズが可能だ。また、戦闘以外にも敵が落とす「ヘイズ」(レベルアップや錬血の習得などに使われるもの)や特定のアイテムを使って錬血のマスターができるなど、強化手段が幅広いのも本作の特長と言える。
続いて、本作独自のアクションである「吸血」システムにも触れておきたい。吸血は対応するボタンを長押しすることで発動するが、モーションが大きいため使いどころが難しい。ただ攻撃手段としては非常に強力であり、当たれば同時に冥血も得られる。スキルの錬血を使用するには冥血が必要となるので、吸血攻撃の重要性がおわかりいただけるだろう。吸血には武器による攻撃から繋げて行なう「コンボ吸血」や、敵の攻撃に対するカウンターである「受け流し吸血」などもあり、戦闘の幅を広げる意味でもぜひ活用していただきたい。
高難度アクションは本作の特長のひとつでもあるが、キャラクター育成の要素がある分、アクションが苦手な方でもレベルアップやブラッドコード、錬血の習得によって、ある程度はカバーできる作りとなっている。レベルアップや錬血の習得に使われるヘイズは敵を倒すと入手できる他、アイテムとしても取得できる。ただし、敵に倒されたり、穴に落ちたりした場合は、その場で所持していたヘイズをすべてドロップしてしまう。後から回収に向かわないと永遠に失われるため、初心者はたくさん貯めるより、まめにヤドリギで消費することをお勧めする。
マルチプレイの共闘と深層フィールド「贄の街」の探索
今回のネットワークテスト版では、序盤のストーリー体験後に深層フィールド「贄の街」を探索することができた。「深層」とは、ストーリー本編で特定の条件を満たすと挑めるエクストラダンジョンのようなものであり、今回はヤドリギで3人のバディから1人を選ぶことができた他、プレーヤー1人でも探索が可能だった。が、何を隠そう筆者はアクション下手なアラサーゆとりゲーマー。ここはもちろんバディを引き連れ、何ならマルチプレイにも全力で頼る!
オンラインマルチプレイ自体は、ストーリー本編でも可能である。ただ今回プレイした範囲では、本編は適度にレベルを上げ、装備をしっかり整えれば、NPCのバディとの連携で十分にクリアできる絶妙なゲームバランスであった。マルチプレイが真の威力を発揮したのは、深層においてである。
実は今回が人生初のマルチプレイ体験となる筆者。「モーション」や「スタンプ」などを自由に組み合わせることができる「エモーションパレット」を活用し、挨拶の型を設定したものの、うまくコミュケーションできるか不安で仕方がなかった。だが、マッチングしたプレーヤーには律儀に挨拶を返してくれる者もいれば、脇目も振らずに敵をなぎ倒す職人気質の者もおり、その腕前も様々。オフラインモードだけでは味わえない他者との共闘の楽しさを前に、不安はすっかり吹き飛んでいた。
贄の街では、ヤドリギを起点に道が3方向にわかれ、それぞれの先にボスが待ち構えていた。それも1体ではない。場合によっては2体同時に相手にする場面もあったのだ!公式サイトでも案内されているように、テスト版の贄の街は「マルチプレイで他プレーヤーと力を合わせて強敵を倒す共闘体験」を楽しめるよう、ゲーム本編中盤程度(適正レベル40以降)の強さの敵が配置されていた。
序盤クリアの時点ではレベル7ほどしかなかった筆者だが、ヤドリギ周辺でレベル上げができたので、意外と早く適正レベル40に達した。それでも道中の敵は楽々とはいかず、手慣れた他のプレーヤーの救援のおかげで、何とかボスの前までたどり着く。しかし、そこに絶望が待ち構えていた。イケる!と勇み足で踏み込んだが最後、たった2発であっさりゲームオーバー。当たり前だが、救援に来たプレーヤーがいかに強かろうと、主人公が死んでしまえばお仕舞いだ。
その後も何度か他のプレーヤーの助太刀のもと勝負を挑んだが、ついぞ勝利を得られず。公式サイトによれば、今回のテスト版では各ボスを倒して最深部の扉を開く「鍵」を入手し、その先に待つ最終ボスを倒すことが深層探索の最終目標らしいが、鍵を入手することなく筆者の探索は終焉を迎えてしまった……。他プレーヤーとの共闘を楽しむことができた一方で、共闘でボスに挑む難しさをも同時に味わう結果となった。
期間が限られたネットワークテストのプレイではあったが、今回体験できた範囲だけでも、魅力的な世界観から始まり、ドラマティックなストーリーに、やり応えのあるアクション、多様な遊び方を提供する戦闘システムに洗練されたUIと、様々な要素が高いレベルで実現されていた。本編、深層を問わず、オフラインモードでレベルを上げるなどして、キャラクター育成を楽しみしつつ、立ちはだかる強敵にはオンラインマルチプレイの共闘で挑む。そんないいとこ取りの遊び方ができるのも、本作の大きな魅力だ。
マルチプレイの楽しさを存分に味わえる深層は高難度である一方、本編はアクションが苦手な方でも進められる絶妙なゲームバランスでもある。三度の吸血より高難度アクションが好きなプレーヤーだけでなく、吸血鬼やポストアポカリプスの世界観が好きな方にも、ぜひ手に取っていただきたい一作だ。
最後に、公式サイトのトップ画面にも登場するこの言葉を、読者の諸君に贈りたい。「血を賭し 共に死地へ」!製品版でまた会おう。
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