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【FFXIV FAN FES】「大杉さんどっかにいってくれ!」 「劇場版 FFXIV 光のお父さん」発表会で、主演の坂口健太郎さんと吉田鋼太郎さんが語ったゲームに対する熱い想いとは?

3月23日・24日開催

会場:幕張メッセ

 スクウェア・エニックスは3月24日、現在幕張メッセで開催している「ファイナルファンタジーXIV」のファンイベント「FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2019 in TOKYO」において、「FFXIV」のゲームブログ「一撃確殺SS日記」をモチーフにした映画「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」の制作発表会を行なった。ゲストとして、劇場版で主演を務める坂口健太郎さん、吉田鋼太郎さんの2人がスペシャルゲストとして登場し、劇場版に掛ける意気込みや、制作の様子、ゲームへの愛が語られた。

 「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」は、既報の通り、人気ブログ「一撃確殺SS日記」で連載された人気企画「光のお父さん」を原作に、2017年にドラマ版の制作陣を続投させる形で映画化される作品。ドラマ版と同様、現実パートと、ゲームパートに分かれ、原作の内容を2時間にギュッと凝縮する。今回は、ゲームパートの制作そのものに、原作者のマイディー氏が加わり、脚本を一新、キャストも一新させる形でスケールアップが計られている。劇場版は6月21日TOHOシネマズ系列で全国公開される。

【人間関係図】
キャストは一新。ドラマ版には居なかった妹が増えているのが大きな違いとなる

 発表会は、「第50回プロデューサーレターライブ」のサプライズとして用意され、最初にティザートレーラーが公開、その後「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏より概要が説明された。吉田氏は嬉しさを隠しきれない表情で「嬉しくないわけがない」と独特の表情で、劇場版の制作を喜んでいた。

 その後、原作者マイディーさんのコメント、劇場版監督野口照夫氏のビデオコメントが流され、スペシャルゲストとして劇場版の主演を務める坂口健太郎さん、吉田鋼太郎さんが登場し、吉田氏の質問に答える形で、劇場版の制作模様や、ゲームに対する想いなどが紹介された。その全コメントをご紹介していこう。なお、名字が被っているため、ここではわかりやすいように吉田P、鋼太郎氏と呼称する。

【マイディーさんからのコメント】
この度、光のお父さんが、書籍化、ドラマ化という怒濤の展開を経て、ついに映画化が決定致しました。これもひとえに応援して下さった皆さんのおかげです。書籍化、ドラマ化で紡いでくれた光をたやすわけにはいかない。そんな想いが日増しに強くなり、劇場版という形で新生させる形にしました。ドラマで紡いだこの光をより強く輝かせるために一同頑張って参りますので光のお父さん、応援の程よろしくお願い致します。

【マイディーさん】
今回もマイディーさんは姿を見せず

【坂口健太郎さん挨拶】
みなさんこんにちは、岩本アキオ役の坂口健太郎です。原作を拝見させていただいて、すごくおもしろいドラマだと思った。「FFXIV」、僕も実際にプレイしていて楽しいです。(会場から大きな拍手)このゲームの良さを伝えつつ、親子の愛情、ヒューマンの部分もしっかり描いていけたらと考えています。今日はよろしくお願い致します。

【坂口健太郎さん】

【吉田鋼太郎さん挨拶】
どうもこんにちは。「劇場版 光のお父さん」で、お父さん、岩本暁役の吉田鋼太郎です。TV版で大杉漣さんがやられていた役で、大杉さんと何度かお仕事をさせていただいて、もう本当に大好きな素敵な先輩で、亡くなられたことは本当に残念でしたが、大杉さんの役をやらせていただくことは、とても光栄で責任が重大だなと考えております。でも頑張ってやっていきたいと思っております。ぜひ観てください。よろしくお願いいたします。

【吉田鋼太郎さん】

【野口照夫氏ビデオメッセージ】
会場でご覧の皆さん、ドラマ版に引き続き、劇場版の監督を務める野口照夫
本来であればそちらに伺って皆さんにキチンとご挨拶したかったが、実はまだ撮影中で、どうしても足を運ぶことができませんでした。申し訳ございません。従って、坂口さん、吉田さん、今日もこれから撮影がございますので、1秒でも早くお戻り下さい。

 坂口さん、吉田さん、今回はじめてご一緒させていただくことになりましたが、坂口さんは実はかなりのゲーマーです。「ファイナルファンタジー」もがっつりと昔からやりこんでいて、オンラインゲームも過去にやっていたということで、ゲームリテラシーが非常に高くて、脚本への理解度もあって、主人公アキオにすんなりと入ってくれて、もの凄く現場がスムーズに動いております。

 そして、さらにさらに意外だったのは吉田鋼太郎さんもまあまあにゲーマーだったということで、「ファイナルファンタジー」もやっていて、「グランツーリスモ」とかもやりこんでいるという意外な一面もあった。まさか2人ともゲーマーだったという。そういう2人に主演を務めて頂く「劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」。ぜひご期待頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

【野口照夫氏】

吉田P: 実は私も吉田と申しまして、大変僭越ながら鋼太郎さんと呼ばせていただいてもよろしいでしょうか?

鋼太郎氏: もちろんでございます。鋼太郎、直樹でお願いします。(会場から大きな拍手)

吉田P: まずは映画への出場依頼が来たときに、すでにドラマ版があるなかでどのように感じたのか、まずは坂口さん

坂口氏: そうですね、監督も仰ってくれたとおり、僕もゲームは大好きで、FFシリーズはほぼ全作やっている。それは言っていなかったので、どこかで知ってくれたのかなと思ったんですが、全然そんなことはなく、現場で監督に「坂口君ゲームやるの?」と聞かれて、「実はゲーム大好きで」と言って、そこで初めて「坂口君ってゲーマーなのか」と。今回はやっぱりお芝居をするときは、僕は岩本アキオでもあり、マイディーでもある、ゲームの中とシンクロさせる作業が難しいと思いました。

意外なゲーマーっぷりを披露してくれた坂口さん

吉田P: 先ほど大杉さんへの想いも頂いたが、鋼太郎さんはオファーを受けて、役作りでここは難しいなとかありましたか?

鋼太郎氏: 基本、お父さんは寡黙な役で、今回は台詞を覚える作業をほとんどしなくていいと、楽してる感じなんですけど、僕自身は割としゃべって演じる方が得意。無責任なアドリブを入れながら盛り上がる方なんですけど、今回はそれができない。あまり喋らないし、伝えたいことだけを言葉少なに話すだけなので、そこの難しさはありましたね。

吉田P: 確かに原作のブログを見ていても、「父はむっつりしたまま黙った」みたいなのが多くて、雰囲気と表情だけというのが多い。今回役作りをする上で工夫されたことは?

【劇場版ポスター】
屈託のない笑顔で「FFXIV」をプレイするアキオと、しかめっ面でDUALSHOCK4を持つ暁お父さん

坂口氏: 自分のアキオをつくっていくなかでも、やっぱり1つの役作りとして、「FFXIV」をプレイするということも大きくあったので、楽しい役作りではあった。ゲームをやりながらアキオが構築されていく感じは楽しみながらやっていたし、父親との絆がフィーチャーされている作品だから、現場でも鋼太郎さんとのお芝居で台詞をやりとりするということはなかなかなかったりするんですが、ぽつっと暁お父さんが言ってくれる台詞が妙に心に響いたりして、そういうのは面白い感覚でしたね。

吉田P: ありがとうございます。鋼太郎さんからも台詞が少ないので役作りが難しいというお話がありましたが、役をつくっていくなかで、目線などの工夫はありましたか?

鋼太郎氏: 基本的にお芝居は1人でやるものではないので、いくら黙っている役でも1人になってはいけない、健太郎も言っていましたけど、コミュニケーションというか通じ合い、通じていないこともある意味通じ合っていないというコミュニケーションなのでここは絶対大事にしなくちゃいけないところだと思います。1人になってはいけないなと思っています。あとは大杉さんがいつもこのあたりにいるんですよ。だから大杉さんのいいところだけとって、大杉さんどっかいってくれ!って。ごめんなさい大杉さん(笑)。

【大杉漣さん存在の大きさを語る吉田鋼太郎さん】
右肩あたりに大杉さんがいるという
その呪縛を振り払いたい
天に謝る吉田鋼太郎さん

吉田P: 先日僕も撮影現場にお伺いさせて頂きましたけど、撮影も終盤に差し掛かっていて、本当にこの後も収録があるというお話ですが、現場の雰囲気や撮影中のエピソードがあれば教えて下さい。

鋼太郎氏: 現場は家、岩元家のシーンが割と多いので、僕に関しては8時から夜の9時まで、同じ部屋や、リビング、座敷、それからアキオの部屋に、10時間ぐらい拉致監禁されている(笑)。ともすれば気持ちが沈みがちになるが、スタッフの方々がてきぱき躍動的で、明るくて素敵な方ばかりなので、共演者の方、たとえばアキオの妹役の山本舞香ちゃんとかは、自分から「おつかれさまでーす」とかいって、仕事を辞めようとするので、本当に素敵な方ばっかりなので、引きこもりがちな気持ちがあがっています。

坂口氏: 僕もお家のシーンで、ゲーム画面が映るんですが、ゲーム画面と僕1人で芝居することがあったんです。スタッフさんでも「FFXIV」のツインタニアとか、タイタン、イフリートとかは余裕でいっている熟練者が何人かいて、こういうときはどうしたらいいのかとか、何のワードをいえばいいのか迷ったりするんですけど、プレイしている方に、ツイスターが来るから、ドレッドが来るから、逃げ方とか、最初の三匹を倒さなきゃいけないとか、色んなことを教えて貰いながらやっている。

吉田P: ゲームって独特の用語が出てくるので、本来スッと入るのは難しいと思うんですけど、実はお2人ともゲームをされていたということで、鋼太郎さんが「FFXIV」をやっていたというのは楽しくお聞きした。

鋼太郎氏: これは言っておきたいが僕らはゲーム世代。僕らが20歳ぐらいにファミコンが登場して、そこから飛びついて、ファミコン、スーファミ、プレステから全部やっている。「FF」も1からやっている。今は「FFXIV」もやって、「FFXV」もやって、「FFXV」のオンラインバージョンもやっている。だけど、それを知らないという人が多い(笑)。ここにいらっしゃるのはゲームの専門の方なんで、「FFXV」のオンラインバージョン「戦友」ってありますよね? それ今やっているんです。(会場から大きな拍手) ダウンロードするのに3日掛かりました。こんなに掛かるんだと。

【「FFXV 戦友」について問いかける吉田鋼太郎さん】
ファミコンからの筋金入りのゲーマーだという吉田鋼太郎さん。「FFXV 戦友」というゲームが存在することを問いかける展開は想像できなかった(笑)

吉田P: それらを知ってお願いしたわけではないんですが、ゲームが人を繋いでまた作品ができていくというのはゲームプロデューサーをやってて嬉しいところです。今回、実写部分とゲームの演技をミックスさせるという変わった試みを行なっている作品ですが、その撮影で難しかったことはありますか?

鋼太郎氏: 今回それがミソで、それがおもしろいところ。岩本暁というお父さんを現実にやるのと、ゲーム内でインディをやるのとでは、キャラクターを変えようと思えばいくらでも変えられる。それはとてもやりがいがあるし楽しいです。そこが見所のひとつだとおもう。

坂口氏: 本当にさっきの話と被るが、お父さんは普段は寡黙なんですが、お父さんがインディとして嬉々としてゲーム世界で生きているのがおもしろくて、僕はアキオとしてマイディとしてリンクしてるが、リンクしながらも、お父さん、インディが色んなことをやるのを、「これって本当にお父さんだよな?」と見ながら芝居するのは凄くおもしろいんですよね。

ゲーマーらしい視点で、現実とゲーム世界がリンクした芝居のおもしろさを語る坂口さん

吉田P: だとすると劇場版もそこが最大の面白い部分だし、さらにその関係性がストーリーの中で変わっていくみたいな、いかに2人の関係が明かされるのかというところも楽しみですね。

室内氏:それでは最後にメッセージをおひとりずつお願いします。

坂口氏: 今日はありがとうございました。(会場から大きな拍手)「FFXIV」というゲームはおもしろいんで、このおもしろさを映画でどう伝えていくかというところと、鋼太郎さん、暁お父さんとの人間性、父と息子の愛をどう描いていくかは繋がっていることだなと思いました。たぶんここにいらっしゃるのは「FFXIV」のプロフェッショナルの方達だと思うので、その思いに負けないような凄く面白い作品を作って行きたいと思います。どうぞ公開を楽しみにしていただければと思います。

鋼太郎氏: 間違いなくおもしろい作品になっていると思います。私たちがいうので間違いないと思います。昨日も少年時代のアキオと、高校生になったときのアキオのシーンを撮っていたんですけど、なぜかわかりませんが、少年時代から大人になったのを観て涙ぐんでしまうという一幕もあって、出演者が泣いておりますので(笑)、たくさん笑えるところ、ドキドキするところもあるが、最後は感動で涙を流して貰える作品になっていると思います。どうぞ請うご期待でございます。

吉田P: 「FFXIV」というゲームは本当に色んなことが起きるゲームで、まさかユーザー1人が発信したブログが劇場公開まで、しかも日本を代表するスター2人にダブル主演して頂ける、それを多くの光の戦士の前で発表できる。6月21日、いよいよ全国ロードショウとなります。先日僕も撮影を観に行きましたけど、まず間違いなく皆さんのご期待に添える作品なっているので、ぜひ皆さん劇場に足を運んで下さい。1回と言わず、2度、3度と足を運んで頂きたい。遊び心も満載になっていて、観る度に新しい発見があると思います。ぜひぜひよろしくお願いいたします。

【劇場版は6月21日公開】