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【スマホアプリ今日の1本】「伝説対決 -Arena of Valor-」
モバイル向けMOBAの大人気作が日本に登場!
2019年1月9日 19:21
テンセントゲームズが提供するAndoroid/iOS用MOBA「王者栄耀」のグローバル版、「Arena of Valor」の日本語版となるタイトル「伝説対決-Arena of Valor-(以下、伝説対決)」がDeNAよりリリースされた。「王者栄耀」は中国でユーザー登録数が2億人を突破し、世界のiOS売り上げ1位を達成するなど主にアジア圏で根強い人気を誇るタイトルだ。
「伝説対決-Arena of Valor-」の3大ポイント
・「MOBA」が初心者でも気軽に楽しめる!
・戦闘重視のゲーム展開
・チームワークが勝利の鍵に
MOBAというジャンルは、プレーヤーが2チームに分かれ、互いの本拠地の破壊を目指すゲームで、PC向けでは「League of Legends(以下、LoL)」や「DOTA2」、モバイル向けには「Vainglory」などが代表作として挙げられる。本作も基本的なシステム面は従来のMOBAを踏襲しているが、様々な部分でスマホで手軽に遊べるよう、細やかな調整が行なわれているのが特徴だ。
また、プレーヤーが操作するキャラクター(ヒーロー)は「呂布」や「悟空」といった歴史上の偉人や、伝説上の人物がモチーフとなっているほか、「バットマン」のようなコラボキャラクターも登場する。各ヒーローはゲーム上の性能としても様々な特徴や役割を持っており、独自の世界観を演出している。
スマホMOBAと聞くと気になるのは手軽に遊べるのかと、それでいてMOBAの面白さをしっかりと抑えているのかどうかだろう。そこで今回はMOBAプレーヤーである筆者が、上記を踏まえて「伝説対決」のプレイレビューをお届けしたいと思う。
簡単操作でMOBAが遊べる!
ゲームの目的は10人のプレーヤーが5人ずつの2チームに分かれ、相手チームの本拠地を破壊すること。マップはMOBAのベーシックな構成である3レーン+ジャングルという形だ。レーンとは自陣と敵陣を繋ぐ一本道で、中継拠点となるタワーが存在し、それぞれの陣営に属するミニオンと呼ばれる小さなキャラクターが進んでいく。一方のジャングルは3本のレーンの間に位置するエリアで、ここには中立モンスターが出現する。敵のヒーローを倒すだけではなく、ミニオンや中立モンスターからも経験値や装備品を購入するためのゴールドを得ることができる。
ヒーローにはダメージを出すのに長けていたり、味方を守るのが得意だったりと様々な特徴があり、長所に応じた役割がある。例えば、魔法で瞬間的に大ダメージを与える「メイジ」はMIDに行くことが多く、序盤は弱いが中盤火力を出せるヒーローは、味方を守れるサポートと一緒にドラゴンレーンに行くことが多い。
ここまでは従来のMOBAらしいシステムなのだが、本作ではCS(=敵モンスターのトドメを指してゴールドを稼ぐこと)や視界の要素、アイテムビルドなどMOBAの複雑で面倒な部分を削ぎ落とし、敵ヒーローをどう倒し、自分のヒーローを育てながらタワーを折っていくかを重視したものになっている。
例えば、一般的なMOBAではミニオンのトドメを刺さなければゴールドを手に入れることができないが、本作ではミニオンが倒れたときに近くにいさえすればゴールドを手に入れることができる。もちろん、トドメを刺した方がもらえる額は僅かに多いが、それだけでは大きな差をつけるのは困難だ。
また、装備を買うために自陣に戻る(=リコール)必要がなく、マップのどこにいても買い物ができるほか、資金がたまればヒーローに合った装備を自動的に購入してくれる機能も備えている。しかも試合開始前に何を買うかを設定しておけば、最終装備を目指して自動的にアイテムを買ってくれるようになっている。また、ポーションの様な回復アイテムは存在せず、代わりにタワー下に回復アイテムが出現。一定時間ごとに回復用のスペルも使えるため、大幅に体力やマナを失わない限り、リコールをしないで戦い続けることもできる。
このように、本作ではMOBAのシステムの中でも初心者が躓いたり、煩わしいと思いやすい部分が簡略化されている。その分、相手と差をつけるためには相手ヒーローをキルする必要があるため、序盤から積極的に戦闘を仕掛けていくことが重要となっている。
操作面もシンプルで、ヒーローの移動は画面左下のバーチャルパッドで行ない、通常攻撃やスキルの使用は右下のアイコンをタップすることで行なえる。ターゲットはオートで行なわれ、ヒーローを優先するので難しいことは考えずに直感的に操作することができる。もちろん、スキルの中には方向を指定できるものもあり、こちらはロングタップで操作可能。また、ターゲティングに関しても設定で細かく設定できる。
普段はPCでMOBAをプレイする筆者だが、本作をスマホでプレイするにあたってストレスは一切感じなかった。また、一試合の時間も15~18分とMOBAにしては短く、20分を超える試合はほとんどない。時には10分以内に試合が終わることもあり、空き時間に気軽に遊ぶことができるのも好印象だ。
勝利のカギは「ローム」と戦略。MOBAの魅力をしっかり押さえたゲーム性
本作はマップがやや狭く、ヒーローの移動速度も速いことに加え、相手の位置を把握する(視界を取る)アイテムが存在しない。そのため、自分の担当するレーンから離れて他のレーンや敵陣側のジャングルに入ってキルを取る「ローム」が非常に有効な手段になっている。先に述べた通り、相手と差を広げたいならばヒーローをキルすることが1番の近道なので、どんどんロームしてキルを取っていくことが勝利の鍵となる。
また、両チームともにロームがしやすいので随所で遭遇戦や集団戦が発生しやすくなっている。ラストヒットやビルドの選択などが簡略化された分、MOBAの醍醐味ともいえる敵チームとの戦闘に重きを置いたシステムはスピーディーで爽快感がある。筆者は他のMOBAタイトルでもジャングルのようにマップを縦横無尽に移動するプレイが好きなので、本作のロームが中心となるゲーム性がしっくりときた。特に「ヴァイオレット」や「ジル」といった移動スキルがあるヒーローは移動が速いだけでなく、小回りも効くので、動かしていて非常に面白い。
しかし、本作の目的はあくまで敵の本拠地の破壊。敵をどれだけ倒してもタワーを破壊していき、本拠地を攻撃できなければ勝利することはできない。キルにこだわり過ぎず、チームとコミュニケーションをとりながら確実にオブジェクトをとっていく必要がある。本作にはボイスチャットや簡易チャット等のコミュニケーション用のシステムが実装されているので、しっかりと指示を出し合ってゲームを進めていくことがもとめられる。こうした戦略性やチームの連携もMOBAの醍醐味だ。
総評として、本作はMOBAジャンルをスマホ向けに最適化し、それでいて集団戦や戦略といったMOBAの持つ楽しさをしっかりと残しているので、初心者から経験者まで誰でも遊べるタイトルになっている。また、本作は課金によって強さが変わることのないゲームなので、常に実力が試されるゲームというのも魅力の1つだ。
課金をすることですぐに新たなヒーローを購入したりすることもできるが、ヒーローはゲームをプレイして通貨を貯めることで十分に買える。一方で、ヒーローの見た目を変えられるスキンの購入には課金が必須となるが、こちらは言ってしまえばあってもなくてもヒーローの性能には一切関係がない。ただし、ヒーローの見た目やボイス、スキルエフェクトなどがより豪華に、より可愛らしく、より素敵になったりするものばかりなので、お気に入りキャラクターのスキンはつい購入したくなってしまう魅力がある。
世界では人気を博しているMOBAだが、日本での認知度、人気はまだまだだ。「伝説対決」はMOBAのなかでも非常に遊びやすく、本作が日本でのモバイルMOBAを牽引してくれるのではないかと期待してしまう。今後もアップデートでヒーローが追加されるだけではなく、eスポーツ展開も予定していることで、こちらも楽しみだ。とにかく、MOBA未経験者はもちろん、「LoL」や「DOTA2」をプレイしたことのある経験者にも是非プレイして欲しい。
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