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現実とゲームの“音”がブレンドする新感覚「ポケモンGO」が登場

六本木ヒルズイベントで「ポケモンGO」、「Ingress」の未来を体験

10月12日~21日 開催

場所:六本木ヒルズ

 六本木ヒルズは10月12日より、体験型イベント「INNOVATION TOKYO 2018 - AR Playground with Niantic -」を開催している。期間は10月21日まで。

 「INNOVATION TOKYO 2018」はテクノロジーとエンターテイメントを融合した体験型イベント。毎年テーマを変えて開催しており、今年は「ポケモンGO」や「Ingress」で知られるNianticと共に、最新AR技術を応用した体験プログラムを六本木ヒルズ各所で展開している。今回、プログラムの中から「Pokemon GO AR庭園」、「AR Roppongi x Ingress」の2つを体験できたので、さっそくその様子をお伝えしていきたい。

【INNOVATION TOKYO 2018】

「Pokemon GO AR庭園」は想像以上にARの未来だった!

 「Pokemon GO AR庭園」は、イヤフォンから聴こえてくるポケモンの声や音を頼りに、ポケモンの「声」を集めるARゲーム。イベント場所となる毛利庭園にブースが登場し、ここでプログラム用グッズを受け取って、「Pokemon GO AR庭園」を楽しめる。

 「Pokemon GO AR庭園」のブースで渡されるのは、集音器にスマホを取り付けたような特殊な装置。スマホには開放型イヤフォン「ambie」が付いており、これを耳に装着するとで準備が完了する。

毛利庭園に登場した「Pokemon GO AR庭園」ブース
Niantic Executive Producer、Director of Asia Pacific Operationsの川島優志氏の姿も。メディア向けにイベントの案内を行なった
ブースで受付をすると、集音器型ガジェットとピカチュウ or イーブイのサンバイザーを受け取れる
ブース壁面に書かれた解説。聴覚を使ったARはRhizomatiks Researchとの共同で制作されている
集音器ガジェットを手に持ち、音を聴きながら庭園を歩いてプレイする
ambieを装着した状態。耳を塞がないので、周りの音とイヤフォンからの音が同時に聞こえるイメージ。なおカラーリングはモンスターボールを意識した特別なもの

 体験をスタートさせると、庭園の中にいるポケモンの「声」がイヤフォンを通して聴こえてくる。庭園を歩き、ポケモンのいる場所に近づくとその声は大きくなる。するとアプリに「録音」ボタンが表示され、声を「録音」することでその鳴き声のポケモンをゲットできる、という流れだ。

 面白いのは「ambie」による音の聴こえ方。耳の穴を塞ぐのではなく、耳の縁を挟むようにして装着するため、イヤフォンから聴こえてくる音を認識しつつ、環境音を聞いたり、人と普通に会話することもできる。ゲームの音が主になるのではなく、現実世界を中心として、そのBGMとしてゲームサウンドが鳴っているような感覚だ。

音をよく聴いて、「こっちかな……?」と集音器を向けることでポケモンを見つけていく。目に見えないのに「そこにいる」感覚が味わえる

 このイヤフォンが採用されているのは、今回のイベントの意図の1つに「水が流れたり、草木が揺れたりする自然音に耳を澄ませてもらうこと」があるからだそうだ。ゲームの音を聴くばかりではなかなかできないことだが、ambieのような開放型イヤホンを使えばどちらの世界も尊重することができる。

 今回登場するポケモンは10種類。ヒトカゲ、フシギダネ、ゼニガメ、ピカチュウ、イーブイ、カビゴン、コイキング、ギャラドス、プテラ、そしてアローラ姿のナッシー。毛利庭園は5分もあれば回りきれる広さだが、みずタイプなら水がある場所にいるなど、現実の環境を目で見てヒントにできる。

 その現実に対してゲームサウンドが鳴るような仕組みになっているので、体験中は「あ、この木陰にヒトカゲがいる!」などと、ゲームと現実が今まで以上にブレンドするような感覚を味わえる。こうした体験は次世代「ポケモンGO」の方針にもなっているそうなので、未来の「ポケモンGO」をいち早く知りたい人にはかなりおすすめのプログラムだ。

毛利庭園には10種類のポケモンがいる。中でもピカチュウは難易度の高い場所にいるそうだ。こちらは頑張って見つけたもの

 プログラムでは、3匹のポケモンを捕まえると「捕まえたポケモンから1匹を選んで芝生で遊ぶ」という次の体験へと移る。これは「ポケモンGO」のAR機能のように、スマホのカメラ機能を通して現実世界にポケモンを呼び出せるもの。ポケモンが動く姿を楽しんだら、すべてのプログラムが終了だ。

 登場する10匹のうち3匹を捕まえたらそれ以上は捕まえられないので、どの3匹にするかもこだわりどころの1つだろう。目当てのポケモンが毛利庭園のどこにいるかも含めて楽しめる体験なので、機会があればぜひ立ち寄っていただきたい。

ポケモンを見つけるために、庭園をくまなく散策したい。現実でも新たな発見があるかも
【毛利庭園ジムに登ってみよう】
こちらは「ポケモンGO」のジムに、VR上で登れるというアトラクション。東京大学の廣瀬・谷川・鳴海研究室が開発協力している。VRヘッドセットはワイヤレスのLenovo Mirage Soloが使用され、シンプルな構成でのVR体験を実現している

Microsoft Hololensも登場。模型都市でゲームを再現する「AR Roppongi x Ingress」

 もう1つはウェストウォークにあるブース「AR Roppongi x Ingress」。ブースには精密に再現された六本木エリアの都市模型が置かれており、模型には「Ingress」内のポータル状況がプロジェクションマッピングによって映し出されている。

 模型正面に置かれたディスプレイは操作が可能で、日付と時間を操作することで、プロジェクションマッピングも変化していく。実際に起こった勢力変化の様子を、都市模型と投影技術でダイナミックに知ることができるという展示だ。

六本木ヒルズのウェストウォークに「Ingress」のブースが登場

 さらにこの展示では、ARシステム「Microsoft Hololens」の貸し出しも行なっている。「Microsoft Hololens」を通して都市模型を見てみると、リアルタイムで起きている「Ingress」の状況が立体的なホログラムとなって浮かび上がる。各ポータルに目線を合わせるとポータルの詳細が表示されたり、ランドマークの名前が浮かび上がっていたり、「Pokemon GO AR庭園」とは違う形で未来を感じる展示だ。

 「Ingress」については今秋に「Ingress Prime」への大型アップデートが予定されている。「Ingress Prime」では新しいUIやAR機能が搭載されているそうなので、こちらも期待したい。なお「Microsoft Hololens」の体験は誰でも可能だが、混雑時は整理券の配布も考えているという。「Microsoft Hololens」に触れられる貴重な機会ともなっているので、ぜひ注目していただきたい。

六本木ヒルズの都市模型にプロジェクションマッピングを施し、実際に起こった「Ingress」の状況を再現
端末の操作に合わせてプロジェクションマッピングが変化。なお画面の右上の「Ingress」マークをタッチし続けると……? そんな隠しコマンドも用意されているらしい

 なお「INNOVATION TOKYO 2018」では、今回は体験できなかったNianticによる最新対戦型ゲーム「NEON」の体験会など、様々なイベント等を実施予定。特に「NEON」は10億分の1秒のタイムラグでビームの当て合いを楽しめるものとなっており、本イベントの目玉の1つとなっている。開催日時は10月17日から21日の各日12時から20時まで。場所は大屋根プラザ。その他イベントや詳細については、特設ページをご覧いただきたい。