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さらなる工夫で起こせ大破壊! 開発者が語る「ジャストコーズ4」のより広がった“実験要素”
2018年9月23日 00:00
スクウェア・エニックスは、12月6日に発売される「ジャストコーズ4」において、開発元であるAvalanche Studiosで、本作のゲームディレクターを務めるFrancesco Antolini氏によるメディアプレゼンテーションをTGS期間中に行なった。
「ジャストコーズ4」の舞台は南米の大国ソリス。。「グラップリングフック」を使い、オブジェクトとオブジェクトを繋げることで様々な物理演算によるユニークな破壊が楽しめたが、今作ではグラップリングフックに新たな機能を追加し、さらにプレーヤーの創意工夫による大破壊が楽しめるという。今回明らかになった要素を紹介していきたい。
※画面写真は開発中のものです。
※画面は動画から切り出したものが含まれています。
ブースターとエアリフターで大きく広がる創意工夫による大破壊
Antolini氏は、前作「ジャストコーズ3」でリードデザイナーを務め、本作ではゲームディレクターとなった。Antolini氏は「ジャストコーズ4」の“ゴール”として、前作でプレーヤーがもう少しだったな、というところを改善し、好きだという部分をよりパワーアップさせるという方向性を定め、開発を進めていったという。
Antolini氏は「それはなぜか? なぜならジャストコーズだからだ」というフレーズがを要所で使い、本プレゼンテーションもこの言葉で締めた。本作には「ジャストコーズらしさはこういうものだ」という想いが詰まった作品なのだ。
前作は非常に美しい景色、そして大破壊を楽しめるゲーム性でユーザーからは評価された一方で、数時間で掴んだゲームの手順を繰り返すという一面があった。何でもひたすら壊すというのは楽しいが、同じだと単調になる。「ジャストコーズ4」はより多彩な、バラエティ豊かなゲーム性を盛り込んでいる。“バラエティ”が本作のキーワードとなるとAntolini氏は語った。
舞台となるソリスは砂漠、ジャングル、など地形もバラエティに富んでいる。最初にAntolini氏は砂漠の場面を提示した。リコはジェット戦闘機で登場。戦闘機は派手な黄色とグラフティが描かれている。戦闘機は敵となるブラックハンドのものだったが、リコが協力する革命軍が鹵獲。リコが自由に使えるようになり、派手なペイントを施せるようになったのだという。
リコは惜しげもなく戦闘機を乗り捨てウィングスーツとパラシュートで降下、バギーに乗り込み砂漠に走り出した。Antolini氏は地形によるゲーム性の変化を指摘した。同じ「車に乗る」というアクションでも砂漠とジャングルでは異なる。こういった所もバラエティなのだという。そして丘を超えるとオアシスが現われる。発見による驚きも、意図して演出しているとのことだ。
「ジャストコーズ4」はこれまで同様、ミッション、サブミッション、チャレンジ、コレクタブルなどの「アクティビティ」が用意されている。画面の左上には現在の場所でどんなアクティビティがあるかが表示され、何に挑戦できるか端的にわかるようになっている。
次に説明が行なわれたのが本シリーズならではの「グラップリングフック」。ワイヤーを撃ちだし、一気に短縮させることでリコの移動や、オブジェクトを引き寄せる、そ して「ジャストコーズ3」でオブジェクトとオブジェクトをくっつけ、ぶつけるという進化をし、プレーヤーが様々な楽しみ方をするようになった。色々なオブジェクトをくっつけ、引っ張ったり、空に飛ばすなど物理演算を活用し、想像力をフルに使った遊びが可能となった。
だからこそ「ジャストコーズ4」ではこの要素をさらにパワーアップさせた。者を引っ張りくっつけるという機能に加え、「エアリフターによりオブジェクトを持ちあげる」、「ブースターによりオブジェクトを加速させる」という機能を盛り込んだ。リコがオブジェクトにエアリフターを取り付け、そして取り付けたブースターにより、空高く飛ばすことも可能となったのだ。
これらの機能を組み合わせることでとんでもなく楽しいことができる。屋台を浮かせ、ブースターで加速、そこにリコがグラップリングフックで飛び乗り、空中を高速で移動することも可能だ。そしてこれらは「MOD」によりカスタマイズできる。
何秒間加速するか、ブースターは縦方向のみ動く、といった方向性や、ボタンを押している間だけ加速し続けるという制御もできる。エアリフターもいつまでも浮き続ける、一定の高度で止める、決めた距離で破裂させる、リコを追尾するように動く、ということも可能。ガソリンが入ったドラム缶を浮かせリコを追尾させ、決められた場所で落とすことで爆撃のようなことまでできるのである。
また、敵基地にあるレーダー施設を「カタパルト(投石機)」として活用できる。レーダーの先端部分を引っ張ることで支柱が折り曲げられカタパルトの準備が完了。これに車などを結びつけ、コンソールをワイヤーで直結させると支柱が勢いよく垂直に戻り、結びつけたオブジェクトを放り投げる。これも活用することで遊びが大きく広がりそうだ。
工夫の例の1つとして見せてくれたのが「空飛ぶタンク」。今作でも様々なアンロックした乗り物をどこにでも呼び出すことできるが、「ジャストコーズ4」ではここにグラップリングフックの新機能を盛り込める。戦車を呼び出しエアリフターで浮かし、後部にブースターをつければ空飛ぶタンクの完成である。重装甲で銃火力の戦車が宙に浮き、空中から敵をガンガン攻撃できる。ワクワクさせられるアイディアだ。
ちなみに呼び出せる乗り物は車から大型のジェット機、船まである。「何でも呼び出せます、それがジャストコーズなのです!」とAntolini氏は語った。そして大型の乗り物は他の乗り物を収納できるという。可変翼の戦闘機などは翼を折りたたみ大型の乗り物に収納できるとのことだ。
高いオブジェクトに落ちる、雷の特性を活かし、危機をチャンスに!
さらなる要素も明らかになった。最初に見せてくれたのが「ウィンドガン」その名の通り風を巻き起こす武器で突風を起こす副武装と、さらに強力な風を発射する主武装がある。突風は巨大怪獣の羽ばたきの風のようにオブジェクトをバラバラに吹き飛ばす威力がある。
主武装の風は風で敵を吹き飛ばすだけでなく、パラシュートで空にいるリコに対して、風を推進力として利用することができる。ウィングスーツと組み合わせ、さらに自由度の高い移動ができそうだ。組み合わせが楽しい武器でもある。さらに雷の力を利用した「ライトニングガン」もあるとのこと。
また、「前線」の要素も重要だ。リコはブラックハンドと戦う軍を応援しているが、彼らの前線が一目でわかるようになっている。これによりゲーム全体の進行度がプレーヤーに伝わる工夫がされているとのことだ。
そして今回のメインが「雷」だ。E3では「竜巻」の要素を紹介したが、新たに雷が登場することが明らかになった。この雷を紹介する前提として、Antolini氏は3つのポイントがあるという。1つは天候の変化は見た目だけでなく、リコのゲームプレイそのものに影響を与える。その天候下では、リコの挙動も影響を受ける。
2つめが「天候はチャレンジである」という考えだ。プレーヤーは天候に“挑戦”する気持ちでその環境に飛び込んでいく。3つめが「あらゆる実験をした上で、ジャストコーズらしく、ユーザーに楽しんでもらうものにする」ということだ。もちろん楽しいだけでなく、天候によって激しく変わった状況を利用し、自分が有利になるように戦える、という点を気をつけて開発しているとAntolini氏は語った。
「雷」は一番高い場所にあるオブジェクトに落ちてくるため、パラシュートなどで高い位置にいればリコにも落ちてくる可能性がある。落雷はその前に電気のスパークで危険を知らせる。リコの身体の近くにスパークが出来始めたら、建物の影に入るなどして雷を避けねばならない。もう1つ、より高所のものに落雷を誘導して、そちらに落としてしまうこともできる。
落雷のあるところはグラップリングフックを使ってスイッチを入れることで「避雷針」を機能させ、こちらに雷を誘導させることも可能だ。リコを倒そうと急行した敵のヘリにも落雷することもある。敵にエアリフターを繋いで空に上げれば……雷は有効な武器となる。施設の破壊にどのように使うか、創意工夫が求められるのだ。
ちなみに雷での「一発死」はないとのこと。ただし大ダメージになるので、雷をいかにかわすかは大きなテーマになるという。また雷をどう使うか、その実験を楽しんで欲しいと Antolini氏は語った。止めることのできない自然の驚異は竜巻や雷だけに留まらず、は砂嵐や吹雪などもある。その猛威を利用することでさらに創意工夫が広がるとのことだ。
前線でゲームの進行度がわかるように、収集要素など、他の進行もわかるようなアイディアを取り入れているという。また前作ではウィングスーツをアンロックするには特定のサブミッションをクリアしなくてはならないなど関係性が深かったが、「ジャストコーズ4」はプレーヤーの意思でアンロックする要素を決めることができるようになった。様々なサブミッションでポイントを溜め、それを自分の望む要素のアンロックに使えるとのことだ。
今回、Antolini氏の話を聞き、本当に「ジャストコーズ4」はプレーヤーの創意工夫の要素が大きいと感じた。浮き上がらせ、ブースターをつける。カタパルトやガスタンクを利用する。天候を使う……破壊するだけでなく、ピタゴラスイッチのように物理要素だけでもずっと遊んでしまいそうだ。「ゲームの進行度は何も進んでいないのに、気づいたら数時間遊んでいる、それができれば『ジャストコーズ4』を本当に楽しんでいる証拠だと思います」とAntolini氏は語った。
このシステムを使ってプレーヤーがどんなアイディアを見せてくれるか。コンテストの開催も期待したいし、開発とユーザーの交流も見てみたい。ある意味非常に実況プレイ向きの作品だと思う。発売後の盛り上がりも大いに期待したい。
(C)JUST CAUSE 4 (C) 2018 Square Enix Ltd. All rights reserved. Developed by Avalanche Studios AB.
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※画面写真は開発中のものです。
※画面は動画から切り出したものが含まれています。