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開発者と梶田氏がノリノリで紹介する「ヒットマン2」の殺しの自由度

車のバックファイア、兵器の誤作動、47が成し遂げる華麗な“事故死”

9月20日~23日 開催

会場:幕張メッセ

 TGS期間中、ワーナーは近くのホテルでタイトルのプレゼンテーションを行なった。「ヒットマン2」では、開発元のIO インタラクティブで、本作のマーケティングコーディネーターを務める、Theuns Smit氏が、デモプレイを行ない、さらに本作のPRアンバサダーを務めるマフィア梶田氏もでもプレイを行なった。

 「ヒットマン2」はターゲットに対して様々な暗殺を行なうことが可能で、プレーヤーがやりこみ、フィールドや背景を熟知するほど華麗に、そして驚くべき方法で暗殺を行なえるようになる。今回は2人のターゲットに対して、Smit氏、梶田氏、そして試遊台にての体験プレイでそれぞれ2つの暗殺方法を見ることができた。デモプレイの内容に加え、Smit氏にショートインタビューを行なったので、こちらも紹介したい。

ショールームと医療事故、華麗に始末するSmit氏の47

 「ヒットマン2」は前作に当たる「ヒットマン ディフィニティブ・エディション」をブラッシュアップしたゲームエンジンで、ストーリーも継続して進行する。前作はフィールドごとに販売する形を取っていたが、今回は6つの新しいロケーションが1度に盛り込まれ、1つのしっかりした物語が展開していくという。

開発元のIO インタラクティブで、本作のマーケティングコーディネーターを務める、Theuns Smit氏

 今回紹介されたのは、E3、Gamescomと同様のマイアミのステージだが、バージョンそのものはブラッシュアップしており、2人のターゲットを狙えるものとなっていた。マイアミのステージでのターゲットとなるのは、最新武器を売りさばこうとするロバート・ノックスと、その娘シエラ・ノックス。シエラはレーサーであり、マイアミではレースの真っ最中だが、裏では軍関係にロボット兵器のデモンストレーションを行なっている。47は彼らを暗殺し、その計画を阻止せねばならない。

 Smit氏が最初に行なったのは、ロバートの暗殺である。レース会場の隣にはロバートが技術部門を担当する最新機器メーカーのビルがあり、ショーラウンジには、メーカーの技術を誇示するレーシングカーが展示されている。今回Smit氏は、あえてレース場に向かわず、このビルに入っていった。しかしロバートは警備の固い2階にいて、手が出せない。

 ここでは展示されているレーシングカーに細工をする必要がある。Smit氏が操る47は展示室の裏側に忍び込み、作業員の1人をコインを落としておびき寄せ、気絶させ、服を奪って作業員になりすました。しかし車に細工するにはドライバーが必要だ。さらに整備コーナーにはエンジンにさらなる仕掛けができる薬品もある。作業員となった47は見とがめられることなく整備室を歩き回れるが、薬品を取るところには作業責任者がいる。彼は全ての作業員の顔を覚えている。Smit氏は彼の視点がうまくずれたところを見計らい忍び込み、薬品とドライバーをゲットした。

ショールームの車に細工するため、作業員になりすまし、他のスタッフの目を盗んで必要な道具を入手

 そしてレーシングカーにドライバーで細工、さらにエンジンに薬品を注入した。47の仕掛けで展示されているレーシングカーのエンジンが咳き込み始める。それに気づいた警備員がロバートに連絡。技術担当であるロバートはレーシングカーの様子を見るために47の前に現われた。彼は作業服姿の47に言う。「私がエンジンの様子を見るから、キミはアクセルを踏んでくれないか?」

 47は快く承諾し、運転席に入る。エンジンとマフラーをのぞき込むロバート。エンジンの様子を見て、マフラーの近くに顔を寄せる……その瞬間、47がアクセルを踏み込みマフラーから吹き上がった炎が薬品に増幅され、火炎放射器のような盛大な炎となってロバートを包み込んだ。ロバートの事故に騒然となるショールームを足早に立ち去る47。見事事故死として47はロバートを葬った。

見事おびき寄せ、ロバートを葬る

 そのまま47はレース内の施設に移動。医療室に忍び込み、医療スタッフの服を奪った。レースをしているもう1人のターゲット・シエラは他のレーサーと交代中に点滴での栄養補給をしようとしていた。47はそのチャンスを利用し、医療スタッフに化けて毒の点滴で暗殺しようとする。

 このアプローチでの何点は毒の入手。スタッフの顔を覚えている責任者が毒のある倉庫の前の部屋にいる。しかも毒があるロッカーはその責任者がいる部屋にあるのだ。Smit氏は慎重に47を操作し、責任者の視界が外れたときに移動し、鍵を取り、奥の部屋から毒を入手、そして館内放送でシエラに点滴の用意ができたことをアナウンスした。47はシエラが来る前に、点滴に細工し毒を入れた。

 点滴を差すシエラと47の会話が面白い。「まさか毒なんて入れてないわよね?」、「まさか、そんなことはしませんよ」。変装している47は時に饒舌になり、落ち着いた声で最もらしい台詞を言うのだ。そして点滴が終わって戻ろうとしたシエラは突然ふらつき、倒れる。慌てて駆け寄る他のスタッフを尻目に47は逃走、見事2人のターゲットを始末し、現場を立ち去ったのだった。

医療スタッフに化け、シエラに毒の点滴を

強引きわまりないマフィア梶田氏のロボ暗殺、シエラを蹴り飛ばすマスコットの足

 梶田氏のデモプレイではロバートのもう1つの殺し方を見ることができた。梶田氏は結構荒っぽいプレイが好きで、関係ない人も殺したり、襲っていくスタイル。ロバートは兵器のデモンストレーションとして軍の高官を呼び出している。その高官が「あの兵器商人め、ワザと遅れて行ってやる」などと言って電話をしている高官を見つけたところからスタートした。

47の姿そのままの梶田氏をSmit氏は大絶賛。「ぜひ首を絞めてくれ!」

 梶田氏が操る47は高官の行く先を先回り、芝生の水まき用のスプリンクラーをセットし水を出し水たまりを作った。そして高官が近くに来た時を見計らってコインを投げた。高官がコインを追って水に足を入れた瞬間、近くの電気配線を操作。漏電による電気が流れ、高官は感電死してしまった。さらに近くのゴミ処理機械に高官の死体を入れスイッチON、ゴミ処理の排出パイプからは鮮血があふれ出した。

マフィア47は躊躇なく高官を暗殺

 ……「ヒットマン2」ではターゲット以外を殺してしまうと減点だが、マフィアヒットマンにとっては、これは必要な儀式のようだ。そして高官の服を手に入れ、高官になりすました47はロバートとの約束の場所に向かう。ロバートとの約束の場所に着く前に、47はパンフレットを手に取り、ロバートの顔写真部分をちぎり取った。……実はこれは伏線なのだ。

 ロバートが高官にデモンストレーションしたのは「画像認識によりターゲットを暗殺するロボット」ロボットは正確に銃を操り、標的を暗殺する。優秀なカメラ機能を持っており、標的を画像認識して瞬時に殺害する。この時ゲーム的な演出も凝っており、サブモニターにロボットの視界がリアルタイムに映し出されており、彼の説明が良く伝わる。ロバートの説明の通りに正確にダミーターゲットを打ち抜くロボット。

 ロバートは調子に乗る。「ロボットは顔認識された者だけを狙います。そこにダミーの写真があります。私はダミーの横に立つ。ロボットはダミーだけを撃ち、決して私は撃ちません。ロボットの認識力は完璧なのです! さあ、高官さん、そこの写真を読み取らせ、実行させてみてください!」。派手なジェスチャーを交えてロボの横に立つロバート。

 そこでニヤリと笑みを浮かべるのがマフィア47である。画像認識カメラにパンフレットの写真を読み込ませると……見事ロバートは、自分の自慢のロボットに撃ち殺されてしまうのだった。

高官に化けて潜入
自分のロボットに撃ち殺されるロバート

 会場の試遊台で、さらにもう1つ、シエラの暗殺も体験できた。フラミンゴのマスコットの着ぐるみを使った暗殺で、実はこのマスコットの中の男はシエラの弱みを握っており、脅している。47がそれを引き継ぎ、シエラをおびき寄せ、暗殺してしまうのだ。

 このマスコットの中の男、実はシエラに接触するために47より先にマスコットの衣装を奪うため、本物のアクターを気絶させ服を奪っているのである。このためマスコットの服を着ていると、脅迫犯と本当の中の人から逃れられなくてはいけない。

 しかし、それを成し遂げれば後は楽だ。マスコットは正体を隠したままどこでも出入り自由、シエラとの秘密の会合の場所まで行けば、ガードマンも彼を見ない振りをしてくれる。最後はスキャンダルの元になった書類を怒り狂って排水溝に投げ捨てるシエラを後ろから押すだけ。人に知られたくない秘密が、致命的な隙を生んだのだ。

 このように、「ヒットマン2」は多彩な暗殺が用意されている。そして紹介した暗殺はOpportunity(日本版ではアプローチ)という項目がヒントになってくれる。初心者はこのOpportunityを追うことで暗殺が行なえる。そして「ヒットマン2」のすごいところは、このチャンスを地要旨、さらなる暗殺も試みることができるのだ。より凝った、誰にも見つからないスマートな暗殺、もしくは派手に暴れ回る戦いを求めてもいい。どのような暗殺も可能なのである。

多彩なOpportunity。これらをヒントにすれば暗殺の難易度は下がる。そしてこれを足がかりに、さらなる高度な暗殺を目指すのだ

新たな地コロンビアは緑の地! サウンドやAIの進化も注目

 デモ後、Smit氏にショートインタビューを行なった。最初は気になるステージだが、マイアミ以外では「コロンビア」しか今は明らかにできないという。コロンビアは鬱蒼としたジャングルのある田舎町でマイアミとは全く違う場所になるという。木々の間からこぼれる光など新しい演出が盛り込まれるとのこと。

 前作は6つのロケーションに、DLCで様々な物語も追加されたが、今回はまず6つのロケーションを巡っていく1つのストーリーが展開していく。幹となるのは前作から引き続く「影のクライアント」。

 47の暗殺を利用し、秘密裏に何かを進めていく者達を追っていく、その中で47は自身にまつわる秘密や、彼を取り巻く人々との物語も展開していく前作以上に濃いストーリーに期待して欲しいとSmit氏は語った。もちろん今作も何度もプレイできるリプレイバリューも高い。今回の発売で終わるだけでなく、開発側もどんどん掘り下げていくとのことだ。

 新要素としては「群衆に紛れる」というものがある。47が人に紛れると彼を中心に円が描かれる。これは47の変装を見破る人がいても、円の中に入らない限りは彼に気が付かないという。これを利用し、変装をばれないまま進むことが可能になる。

 他に「フラッシュバン」、「スタングレネード」がある。どちらも集団を無力化する武器だが、47がこれを使うことで群衆にパニックを起こさせ、姿を見られずに動くこともできる。当然注意を引いてしまうため、使い方は難しいが、強力なアイテムとなる。群衆をどう使いこなすか、が鍵になるとのこと。

 ちなみに海外ではこういった新システムを前作のステージに反映させるパッチの用意も準備しているが、日本版でどうするかは未定とのこと。遊び方も大きく広がる要素であり、注目したいところだ。

 「ヒットマン2」では特に“音”に注目して欲しいとSmit氏は語った。植物のざわめく音、群衆の声、世界中その地方ならではの“訛り”……耳でのプレイに期待して欲しいとのこと。敵によってすぐ反撃する者や、臆病な者もいる。おとりを使ってこちらを包囲したり、狡猾さも増している。サウンドとAIは前作のプレーヤーはその進化を特に注目して欲しいとSmit氏は語った。