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“どう殺すか”の試行錯誤が楽しい「ヒットマン2」、体験レポート
凄腕の“サイレントアサシン”からビギナーまで誰でも暗殺者になれるゲームに
2018年8月25日 20:28
デンマークのゲームデベロッパーIO Interactiveの新作ステルスアクションアドベンチャー「ヒットマン2」の日本での発売日が11月15日に決定した。
「ヒットマン2」は、紆余曲折があって生まれたタイトルだ。前作「ヒットマン」の商業的な失敗を受け、スクウェア・エニックスがIO Interactiveの売却を決定。その後、IO Interactive自身が「ヒットマン」のフランチャイズごと権利を買い切り独立。今回はパブリッシャーをスクウェア・エニックスからワーナーに切り替えてのリリースとなる。内容的にもフルモデルチェンジした次回作というよりは、「ヒットマン」で不発に終わったシーズン制+DLCによるエピソード追加を止め、従来のスタイルに戻した上で、新たなエピソードを盛り込んだ“1.5”的な作品となっている。
今回、Gamescomで初試遊に挑んだが、「ヒットマン」という、いかにもヨーロッパ的なゲーム性が肌に合って夢中になって遊んでしまった。正直な所、「ヒットマン」は、出世作となった初代「Hitman: Codename 47」で、ステルスアクションゲームとして完成している。当時ステルスアクションの一翼を担った「Splintercell」共々、ジャンルの確立に大きく貢献した作品といっても過言ではない。
今回じっくり遊んでみて感じたのは、“環境をフルに活かしてターゲットを暗殺する”というゲームコンセプトを存分に味わって貰うために、幾重もの工夫が凝らされているところで、全ステージで「サイレントアサシン」(誰にも見つからずに目的を達すると与えられる最高の称号)を獲得するような達人はもちろんのことだが、筆者のような往年のファンでもすぐなじめるようになっているのが良いと感じた。
特に楽しく感じたのは「オポチュニティ」だ。言わばこれはゲームのヒントで、最終的に暗殺に結びつく連続ドラマの起点になるものだ。過去の「ヒットマン」は、ビデオレターで暗殺が指示されて、あとは放置というのが基本だったが、新生「ヒットマン」では、このオポチュニティを参照することで、少なくとも解法が全然わからずに萎えるということは避けられる。
筆者が選択したのは、ピンクの着ぐるみを奪って、ターゲットに近づく「Pretty in Pink」だ。ピンクの着ぐるみを着た人物が駐車場で困っていて、彼の頼みを聞いてやることで彼自身に隙が生まれ、ピンクの着ぐるみをゲットする。後は、ピンクの着ぐるみ姿で、堂々と関係者として、関係者エリアに侵入し、ターゲットに極限まで近づいて目的を果たすというものだ。
「ヒットマン」の面白さは、スナイパーライフルで狙撃するという解法は、全体の極々一部で、多くは別のアプローチで目的を達することになるが、その解法が事前には想像できないことだ。自分自身も、想定外の展開に驚きながら、際どい状況下での目的達成に大きな達成感を感じる。
このマイアミステージは、ターゲットが2人居て、もう1人の男の方は、時間不足でクリアまで行けなかった。次は整備士に成り代わってターゲットに近づく作戦を採ったが、この整備士が2人1組で行動していて、なかなか思い通りに行かない。一度別室に退避して、物音を立てて引き寄せる作戦を使ったが、コインを投げるタイミング、位置が難しくて時間を浪費してしまった。
ガイドしてくれたスタッフが一緒になって残念がってくれたが、1つのステージでも解法が無数にあり、何度でも繰り返し楽しめるだけでなく、「ヒットマン2」では最初から全ステージが同梱されているため、一気にガッツリ遊び込むことができるのも嬉しいところだ。ステルスアクションというのは、ヨーロッパで人気の高いやや特殊なゲームジャンルだが、特殊なスキルがなくても頭脳プレイで楽しめるところも気に入っている。ぜひプレイして貰いたい作品だ。