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コースを周回するレーサーがターゲット! 変わらぬ緻密さと意外性、「ヒットマン2」を体験

今冬発売予定

 ワーナーは、E3で「ヒットマン2」の試遊バージョンをプレス向けに出展した。発売に先がけ、「マイアミ」を舞台としたシナリオをプレイできた。試遊台での写真と共に、感触をレポートしたい。

 I/Oインタラクティブが開発している「ヒットマン」は、スクエア・エニックスより発売されていたが、I/Oインタラクティブはスクエア・エニックスの子会社から独立、今回ワーナーの販売で「ヒットマン」の続編「ヒットマン2」の発売が決定した。「ヒットマン2」は日本でも今冬発売予定で、前作「ヒットマン」の全DLCを盛り込んだ「ヒットマン ディフィニティブ・エディション」を9月13日に発売する。

 「ヒットマン2」は「ヒットマン」のゲームエンジンを使い、ゲーム性も受け次ぐ、“追加シナリオ”ともいえる作品である。「ヒットマン」は1つの地域を丸ごと再現、その中では様々な事柄が同時多発的におき、いくつものドラマが交差している。その中を暗殺者・47は進み、ターゲットを暗殺するのだ。

華やかなレース会場に47は侵入する

 メインのターゲットだけでなく、追加ミッションで全く別のドラマが明らかになったり、実績をクリアすることでスタート地点や武器を変え、より多彩な暗殺にチャレンジできる。ユーザーが困難な暗殺を実行した上で、その方法をオンラインで世界中に問いかける「コントラクトモード」もあり、その高いゲーム性、そして日本語版ではステージの会話も全て吹き替え、暗殺のためのヒントにするなど、よりこだわったゲームとなっていた。筆者自身、「ヒットマン2」にとても期待している。

 そして試遊バージョンは期待を裏切らないすばらしさだった。今回の舞台はマイアミ。舞台はレース場である。そしてターゲットはレーサー。47は華やかなレース場で、まさに今コースを巡回しているターゲットを殺さねばならないのだ。

 レース場はとても華やかだ。多くの観客とファンでごった返し、車の展示などのイベントも行なわれている。この人のごった返す感じをきちんと表現できるのが本作のゲームエンジンのすばらしさである。そして、その群衆の中をかき分けて進む1人の暗殺者。プレーヤーだけがこの華やかな会場に“死神”がいることを知っているのである。この雰囲気がたまらない。

 「ヒットマン2」でも凝りに凝ったレベルデザイン、自由度の高いゲーム性は健在だ。まずはレース場でターゲットを確認する。47の殺し屋としての感性を研ぎ澄まさせる「インスティンクト」を使うと、赤くハイライトされたターゲットが通り過ぎる。時速数百キロでコースを周回しているレーサーがターゲットなのだ。

 レーサーに近づくには様々な方法が考えられる。ピットクルーに化けて車に細工する、何とかコースに出て仕掛けをする、表彰台で暗殺するというのもあるだろう。こういった「ゴール」を想定しながら試行錯誤し、綿密な計画と臨機応変なプレイで暗殺するのが本作の醍醐味なのだが、今回はプレイ時間が限られているため、試遊スタッフにヒントをもらいながら進めていった。

インスティンクトでターゲットを探る。コースを周回する車の中にターゲットはいる

 今回は「プレイ前の準備」も重要な解き方をすることとなった。まず、通常はサイレンサーつき拳銃を懐に忍ばせる47だが、丸腰でボディチェックを通過、レース会場に入る。しかしターゲットに近づくにはVIP会場に向かわなくてはいけない。47はトイレで清掃員を気絶させ、清掃員に成り代わる。他の清掃員に見つからないようにピットへと向かう。

 このとき、セレモニー向けのマスコットキャラクターが争っている人をのぞき見しているシーンに遭遇するが……目的を優先させるため無視した。こういう小さなドラマがたっぷり盛り込まれており、意外なところで暗殺に使える、その楽しさが「ヒットマン」なのである。

通路をのぞき込むマスコット。ものすごくドラマが気になる

 他のスタッフの目をすり抜けてピットへ、ここでメカニックを昏倒させ衣服を奪い、メカニックに成り代わるが、スタッフから「あっちへ向かって下さい」という指示、人気のないところに駐車した車には、スナイパーライフルがある。これでターゲットの車を破壊するのだ。

清掃員に、ピットクルーに、衣装を替えながらターゲットに迫る

 ところが狙撃がものすごく難しい。ターゲットはインスティンクトを使うことでスローにできるのだが、実は着弾にタイムラグがあり、ターゲットをスコープに入れ、引き金を絞っても間に合わないのだ。このため狙撃はかなり手こずった。結果、用意した弾倉がからになる直前でターゲットを仕留めることができた。

コツがいる狙撃。スタッフにもせかされ、なかなか上手く当たらなかった

 暗殺が成功するとゲームの予告映像が流れるのだが、今回表示されたのは「こういう殺し方もできる」というものだった。機器に細工する、マスコットキャラになって隙を狙う、しれっと47が表彰台に上っている絵すらある。これらはすべてプレイ次第で可能なのだ。予想はしていたが、47がレーサーになってしまうなんてシナリオはぜひ成功させたいと思ってしまう。そう、これこそが「ヒットマン2」の魅力なのである。

提示される様々な可能性。表彰台に47が昇ることも?