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「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」プレイアブル版で見えた革新システム

これは“和風ダークソウル”ではない! 独自の忍殺アクションが新たな手応えを生み出す

9月20日~24日 開催

場所:幕張メッセ

 東京ゲームショウ 2018のプレイステーションブースで「何が目玉か?」と問われたら、筆者ならアクションアドベンチャー「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」と真っ先に答えたい。本作は「ダークソウル」シリーズなどのフロム・ソフトウェア開発の新作アクションゲームであり、発表当時から「和風の『ダークソウル』か?」などと話題になっていたタイトルだ。

 TGS2018では本作のプレイアブル出展が行なわれているが、さすがの話題作だけあって、ビジネスデイにもかかわらず開場直後からブースは大盛況。開場10分後には試遊に並ぶ列が打ち切られたほどで、その注目度には凄まじいものがあった。現場にいた開発スタッフにも話を聞いて判明したのは、本作は一見似ているが決して「和風『ダークソウル』ではない」ということだ。

ビジネスデイでも朝から試遊は大盛況。一般日はさらに激化が予想される!

立ち回り、体幹、忍殺でアクションがまったく新しいものに!

 「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」では忍者の主人公を操作して、敵との戦闘とマップ探索を行なっていくアクションゲームとなっている。敵は雑魚敵でも手強く、ボスクラスになると少しのミスで体力がごっそり削り取られてしまう。ここまでは、「ダークソウル」シリーズとも共通する部分だ。

 まずアクションとして変化しているのは、忍者らしい立ち回りにある。木の上や屋根の出っ張りなど、マップの特定の場所には鉤縄を引っ掛けて移動することが可能で、マップの高低差も使って戦闘をより有利に進められる。またステルス要素が多彩で、草むらに隠れたり、後ろから静かに近づいたり、頭上から飛びかかったりすることで、敵を瞬殺することが可能だ。

鉤縄で空中を移動! 緊急回避や敵の頭上に忍び寄るために利用できる

 そして新しい「体幹」という要素もある。これは敵に攻撃を与えたり、敵の攻撃をパリィした時に上昇する敵のゲージで、一定値を超えたときには敵が体制を崩し、必殺の「忍殺」を叩き込むチャンスになる。この「忍殺」は雑魚もボスも関係なく、「体幹」を崩しさえすれば一撃で相手の命を取れる。そのためプレイが熟練してくると、敵の体力ゲージを削り切るよりも、「いかに体幹を崩して(気づかれずに近づいて)忍殺を決められるか」に戦闘の主眼が置かれるようになるという。これは戦闘システムの大きな変化だろう。ただしボスはボスで命のゲージを複数持っていることもあり、1度の「忍殺」だけでは倒せない敵も登場するようだ。

一撃必殺の「忍殺」! ボスに対しても臆することなく、積極的に「忍殺」を決めていくことが攻略の鍵になるという

 さらにプレイを見ていて気づいたのは、敵を倒しても「ソウル」に相当するような経験値が得られないこと。本作にはそもそも「自分の手でキャラクターをレベルアップさせていく」という概念がないそうで、敵に倒されてもやり直しになるだけで失うものがない。開発スタッフによれば「ゲームが進むと自動的にステータスが上がっていく」そうで、それだけ純粋にアクションを楽しむタイトルに仕上がっている。

 また本作には1度死んでも生き返る「回生」システムもある。ゲーム画面には、「回生」は1度使用すると使えなくなるが、敵を殺すことでまた使用できるようになると説明があった。ボスのような圧倒的な力の前だと回生したところで即殺されるので無力に等しいが、少しのミスなら帳消しにしてくれるありがたい救済要素だ。

 一方でマップには「仏像」が置かれている場所があり、これが「ダークソウル」シリーズの「篝火」のような役割を果たす。いわゆるチェックポイントで、死亡した場合は直近に訪れた「仏像」から再スタートとなる。細かい部分では例外もあり、体力がある程度ある時にマップ外に落ちた場合は、体力が削られた形で直前の場所から再スタートする。本作は空を飛び回るアクションがあるために、操作ミスで落下することが多々あるため取られた救済措置だそうだ。

 以上のような点を総合して考えてみると、「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」は本作ならではのゲームシステムによって「ダークソウル」シリーズとも「Bloodborne」とも違ったアクションゲームになっていると理解できるのである。

 しかしプレイデモの最後に待ち受けていたのは、「破戒僧」と名の付いた巨体なボス。恐ろしいほど長いリーチで恐ろしいほど強い攻撃を繰り出してくるボスで、参加プレーヤーたちは軒並み敗北していた。本作ならではのアクションからどんな新しいアクション体験が生み出されるのか。TGS2018のプレイデモを見て、「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」に対する期待がますます上がった次第である。

【破戒僧】
プレイデモの最後に戦えるのはこちらの方。おそらくだが、ゲーム内と同じくらいのスケール感の仕上がり