セガサミーホールディングスは9月11日、東京・大崎の新社屋を報道陣に公開した。
2004年10月にサミーとセガが統合され、今年で14年。これまでは都内に点在していた各事業所が今年の8月頃から統合され、今後グループ企業20社(2019年)の社員6,500人がこの新社屋で働くこととなる。
プレス内覧会の冒頭、里見治紀セガサミーホールディングス代表取締役社長兼グループCOOは関西での台風被害や北海道胆振東部地震に触れ「エンターテイメント企業として、どうしていけばいいのか存在意義が問われる」ときりだし、「こういうときこそ、我々は(被災者の方々の)心のケアをしていきたい」と話し、「我々のミッションは『感動体験を想像し続ける』。社会を元気にカラフルにしていきたい」と、理念を改めて語った。
里見氏自身、これまで都内に4カ所ほど自分の机があり、各社を転々としていたという。今回都内でも有数の規模となるオフィスビルが建築されるにあたって、不動産会社と協議を重ね、グループシナジーを高め、理想のオフィスを作り上げるべく取り組んだのだという。
里見治紀セガサミーホールディングス代表取締役社長兼グループCOO オフィスは全体的にオープンな印象で、グループ社員間でコミュニケーションを取り、社員間コラボレーションをとりやすい構成となっている。オフィスフロアには柱がなく、端から端まで見えるほか、役員室を廃止。見通しの良い雰囲気となっている。
また、特徴的なものの1つに社員食堂がある。グループ社員であれば誰もが利用することができ、約700人を収容可能。すでに各社の開発グループの勉強会が行なわれるなどのシナジー効果が得られているという。
オフィスは「船」や「港」をイメージして構成されている。たとえば待合室は船のキャビンのような雰囲気で、来客用会議室は世界各地の港町の頭文字を取っており、内装もそれぞれの街をイメージしているという。なぜ、“船”なのかというと、セガサミーのこれからの旅立ちの起点となる母港を意味しているためだ。そのイメージの統一感、会社としての考え方の統一感は非常に重要だろう。目に見える形で方向性を示すことは必要に感じた。
ちなみに、今回の内覧会ではまだ完成していなかったが、コワーキングスペースのレンタルをまもなく開始する。同社として、新技術やサービスにチャレンジするスタートアップ企業やベンチャー企業との付き合いもあり、そういった会社との繋がりを強化する狙いもありそうだ。コワーキングスペースは立地条件などが重要となってくるが、大崎は利便性が高いとは言えないまでも、セガサミーホールディングスの社内施設を利用することができ、たとえば社員食堂などでセガサミーの社員とコミュニケーションを取ることもできる。そういった意味では大きなアドバンテージとも言えるかもしれない。
オフィス内の雰囲気。柱がないため、端から端まで見渡すことができる オフィス内にはくつろげるスペースというか、ざっくばらんに打合せをするスペースがある。人員が増えてくると詰められていくのかもしれないが、現状は非常にゆったりとした社内設計となっている 電話などをするときのために、防音のスペースも用意されている 社長室……というか社長のワーキングスペース。部屋として区切られておらず、オープンなスペースとなっている 以前、六本木のオフィスの会議室も歴代セガハードの名前などが付いた会議室があったが、セガサミーホールディングスの会議室にも引き継がれた。会議室の外には名前になったハードなどが置かれている。ちなみに社員の私物もあるのだとか……。しかし、「今日の会議は“HANG-ON”です」とかなかなかに熱い! こちらの会議室は“SAMMY WORLD”。磨りガラスにサミーをイメージするロゴやイメージがデザインされている 来客会議室“HARBOR”は、世界中の港町の頭文字が取られている。日本からは“横浜”をイメージした会議室がある。ちなみに“Z”の会議室はない。理由は「終わりがない」ためだという。会議室“SEGA HISTORY”、“SAMMY WORLD”、“HARBOR”で52室がある 灯台(LIGHT HOUSE)と名付けられたイベントホール。全体は3つに区切ることができ、写真はその1つ分(つまりこの3倍は収容可能)。500名の着席スペースを用意できるという。すでに利用されており、取材の日には商談会が行なわれていた 受付のスペース。木の骨組みは船の枠組みを表現している(写真右) なんと! 物販スペースも用意されている。お会計は受付で。「Journey」と書かれた商品は、現状ではここ限定のグッズ 船をイメージしているということで、社名が書かれた碇の置物 まもなく、韓国の仁川で一部サービスが始める総合リゾート施設の模型も置かれている 【コワーキングスペース「TUNNEL TOKYO」】
外部企業とのシナジー効果も期待できるコワーキングスペース「TUNNEL TOKYO」。顔認証機能付の部屋 【社員食堂「JOURNEY'S CANTEEN」】
700人収容の社員食堂。ラーメンやそば、カレーといったメニューの他、いろいろな総菜などを量り売りで会計することもできる このトレイに総菜を盛りつけていき、最後にはかりに載せるとグラム数を計測し、トレイにセットされたチップに記録。食事後に出口でトレイを精算機に置けば金額が自動計算され精算できる。ちなみに支払いは交通系のカードやクレジットカード。実は現金では支払うことができないとか 朝から昼の間はカフェ。夕方からはバーとなる。社員に大人気で、ビールがかなり売れているのだとか 取材の日のメニューの一部。この日のメニューに徳島ラーメンがあるが、別の日にはラーメン店の一風堂のメニューがあったらしく、毎日様々なメニューを楽しめるという バーの所にはダーツやビリヤード、バカラなど様々なリクリエーション施設がある。ディスプレイが置かれている台にはセガサターンのソフトのジャケットが多数デザインされていて、たまらない雰囲気だ 食堂の一角には様々な本が置かれている。この図書室の理由は「クリエイティブの幅を広げて欲しい」ため。役員の方のオススメする図書なども置かれている 今回見ることはできなかったが、会社内にセブン-イレブンがある。ちなみに24時間営業ではありません 福利厚生施設としてマッサージルームまで完備。10分で800円