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「スペースインベーダー」誕生40周年を記念し、秋葉原に1日限りのあの「インベーダーハウス」が復活!
2018年8月22日 17:00
有志団体の「OBSLive/基板大好き」は、1978年に稼働を開始して一大ブームを巻き起こしたアーケードゲーム、「スペースインベーダー」の40周年を記念したイベント、「INVADER HOUSE 2018」を東京・秋葉原のQLQLcafe(クルクルカフェ)にて8月18日に開催した。
本イベントの主催者は、アマチュアベースで映像を配信しているOBS(おにたま放送局)を運営し、古いアーケードゲームにもたいへん詳しいおにたま氏で、「『スペースインベーダー』や「インベーダーハウス」を知っている人だけではなく、知らなかった人にも当時の様子や雰囲気を伝えていきたい」という思いからイベントの開催を発案した。入場は無料で、今では貴重となった「スペースインベーダー」と、その関連タイトルがフリープレイで遊べて、なおかつ開発者のトークイベントが聞けるともあって、12時の開場から19時の終了まで満員となる盛況ぶりだった。
ここは本当に21世紀の現代なのか!? 「スペースインベーダー」誕生40周年を迎えた2018年に、まさかの「インベーダーハウス」を再現
会場内には「スペースインベーダー」をはじめ、懐かしのアーケードゲーム筐体を並べ、往時のインベーダーハウスをほうふつとさせる雰囲気を再現。筐体はいずれもびっくりするほど保存状態が良好で、見た目がきれいなだけでなく、すべてプレイ可能な状態でメンテナンスされていた。
満員となった会場には、あのインベーダーたちが動く低音と、自機がショットを発射する甲高い音が響き渡り、その光景はブーム真っ只中のインベーダーハウスそのもの。今は本当に2018年なのかと思うほど、昭和時代にタイムスリップしたかのような不思議な空間が出来上がっていた。
さらにゲストとして、「スペースインベーダー」を開発したタイトー顧問の西角友宏氏と、サウンド制作を担当した元タイトーの亀井道行氏によるトークショーとサイン会も行われ、こちらも立ち見が出るほどの大盛況となった。
西角氏は中途で、亀井氏は新卒で、ともにタイトーの開発子会社にあたるパシフィック工業に入社。西角氏は回路の仕事がしたかったのが入社の動機で、当時はまだゲーム開発がしたいと思って業界を志望する時代ではなかったという。また、後輩の亀井氏は生産技術部という部署に配属され、修理や電源回りの設計などを担当していた。
「スペースインベーダー」の開発は、ほぼ西角氏が1人で行なったが、亀井氏には口頭でサウンドの制作を依頼したという。「インベーダーの移動音は、心臓に響くような低い音階で」という西角氏のイメージを元に音を作ったが、低音にしたあまり、「発売当初に、スピーカーのコーンがみんな壊れてしまったので、ダブルコーンのものに取り替えた。」(亀井氏)そうだ。また、自機のビーム発射音については、西角氏はもっと低い音にしてほしいとの指示を出したが、「高い音で遠くまで届くようなイメージで作ったが、指示を受けた記憶はない。仕事に精一杯だったからでは」(亀井氏)とコメントした。
実は亀井氏は、同じ時期に「ブルーシャーク」という別のゲーム開発も担当していて「頭がいっぱい」(同氏)だったため、「回路的には『スペースインベーダー』とほぼ同じだが、『ブルーシャーク』の音は全然覚えていないない」とのこと。また両氏からは、『スペースインベーダー』の基板がアップライトとテーブル筐体用とでそれぞれ異なるのは、「テーブル筐体には、アップライト用の基板だと大きくて中に入らない」(西角氏)、「テーブル筐体の場合は、2人用のときに画面を反転表示させる回路が必要で、基板は3層にした」(亀井氏)など、数々の貴重なエピソードを語った。
「『スペースインベーダー』とその時代背景」と題したトークイベント第2弾には、ゲーム文化保存研究所所長としての顔も持つ、現マトリックス代表取締役社長の大堀康祐氏がゲストとして登場。司会進行のおにたま氏とともに、ブーム期に登場した「スペースインベーダー」を真似た他社製の亜流タイトルを動画を流しつつ、本家との微妙な違いを詳しく説明した。
また、ブーム期に海賊版を販売したもぐり業者が倒産したり、警察の摘発を受けたことを報じた当時の新聞記事も紹介。マスコミやPTAから目の敵にされてしまったこともあり、業界団体の役員が国会議員と面会し、ゲーム自体が悪いわけではないことを説明した様子を取材した業界紙の記事も併せて紹介するなど、当時のブームの凄まじさを解説した。
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